【北川勝利・藤村鼓乃美 ボーダーズの“音の場” season2】~#08 新橋篇~

ボーダー柄の服のコンビが、サイコロ片手に“ノー・ボーダー”の精神でナイスな音楽を聴き歩く――。

「ボーダーズの“音の場”season2」第8回はサラリーマンの街、新橋からお届します。かつてのウォーターフロントであり、また日本の鉄道発祥の地としての歴史を持つこの大オフィス街、一見ボーダーズとは縁がないようにも思えますが、ふたりが持っていた意外はエピソードとは……!?

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――というわけで、今回は新橋に来ております。おふたりの新橋のイメージってどんなものですか?

藤村鼓乃美 サラリーマンの街っていうイメージですね。

北川勝利 あと、SL広場ね。

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藤村 よくテレビで街頭インタビューをやっている場所ですよね。

――あとは日本テレビや電通やソフトバンクがあったり、いわゆるオフィス街ですね。

北川 大昔にこの辺りで、友達のツテでおつかいのバイトをしてたんですけど……。

藤村 「おつかいのバイト」ってなんですか!?危ないやつですか(笑)。

北川 デザイン事務所の仕事で、「雑用をなんでもやる」みたいな感じのバイト。

――それは何年くらいの事なんですか?

北川 メジャー・デビュー前だから……たぶん1995年くらいかな。どこかの会社で大きなプレゼンをするときに、必要な資料を200部くらいコピーして会議室に並べて、表紙を付けて製本したりとかしてました。あとはイラストレーターさんの所に原稿を取りに行ったり、手土産のお菓子をデパートに買いに行かされたり……。

藤村 北川さんにもそんな時代があったんですね

――本当になんでも屋というか、「おつかい」なんですね。

北川 そうそう。雇い主はデザイン事務所なんだけど、要は企業向けの宅配サービスみたいなこと……だったのかなあ。友達に「空いてる日があれば、来れば給料出るからやらない?」って誘われて、わけもわからずに作業してたら「違う!」って怒られたり(笑)。FAXの送り方もわからなくて、とにかくずっと叱られる仕事でした。新橋はその時によく来てましたね。駅を出たところに立ち食いそばの「ポンヌッフ」っていうお店と、もう一軒ぐらいそば屋があって、「今日はどっちにしようかな」とか考えてました。

藤村 あそこそば屋だったんですね。

北川 立ち食いそば屋だね。ポンヌッフでそばを食べてつゆを最後まで飲むと、丼の底に「大吉」とかが書いてあるんですよ。

藤村 すごい名前ですね、「ポンヌッフ」。

北川 フランス語で「新しい橋」で、新橋。

藤村 そうだったんだ(笑)。

北川 新橋といえばポンヌッフですね。今日も見て「まだあった」と思いました。

――少なくとも30年以上前からある老舗ですよね。(創業はなんと1967年!49年の歴史を持つ老舗です)

藤村 私は新橋はちょっと前に、早朝にひとりで来たんですよ。

北川 何しに来たの?

藤村 サラリーマンを眺めに。

北川 ちょっと待って、藤村くん病んでるの?(笑)。

――急にちょっと怖い感じになりましたけど(笑)。

藤村 用事があって、来るときは他の人と一緒だったんですよ!でもすぐ終わって解散になっちゃって、朝7時くらいだったのでカフェに入って音楽を聴きながらサラリーマンを眺めていました。「ああ、みんなは早くからお仕事を頑張っているんだなー」って。

北川 別の用で来てついでに眺めてたならまだ良いね。

藤村 それ目的で来たんじゃないですよ!(笑)。

北川 朝早く起きて「新橋でサラリーマン見ないと、いてもたってもいられない!」ってなってるのかと思った(笑)。

藤村 まだそこまでの境地には達してないです(笑)。でも早くから人がいっぱいいるし、カフェにも仕事前の時間を使って本を読んだり勉強している人がいたり。人によっていろんな朝があるんだなって思いました。

――確かにサラリーマンの街ならではですね。

北川 そうだね。結構早くからお店も開いてるんだね。

藤村 朝ごはんを食べてる人もたくさんいましたよ。

――喫茶店がモーニングの時間から営業している訳ですもんね。

北川 需要があるもんなんだなあ。

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――さて、今日はそんな新橋を散策してきましたが……最初はSL広場からスタートでしたね。

北川 SLの汽笛を聴き逃しました。
藤村 時間が合わず……。

――お日柄が悪かったですね(笑)。SL広場はニュース番組のサラリーマン・アンケート企画でよく見る場所でした。

北川 新橋になじみはなくてもあそこは知ってるよね。まさに「見たことある!」って感じだった。

――来たことがない人にとっての新橋の知識って、意外とあそこが全てかもしれませんね。

藤村 でも新橋にピンポイントで用事ってあんまりなくないですか?

北川 ないね。……でも早朝に来たんでしょ?

藤村 来ましたね(笑)。あとは、花澤香菜さんのライブを観にヤクルトホールに行ったことがあります。

北川 あ、そうだ、行きました。演奏しました(笑)。

藤村 そうですよ!私それを見に行ったんですから!(笑)。

――ちゃんと縁があるじゃないですか(笑)。

藤村 だから今日駅に着いて、「来たことある!」って思いました。

北川 さっきその話をしながら、ヤクルトホールの前を通ったもんね。「ここで演奏したわー」とか言いながら確か花道があったのかな?ちょっと不思議だけど、でも綺麗な昔ながらのホールって感じでした。

――そんなヤクルトホールを横目に、次は「新橋」の地名発祥の場所に行きました。博品館のある交差点に橋げたが残っているんですが、かかっていた橋の名前が「新橋」だったわけですね。

藤村 その橋自体はもうないんですね。

――そこに流れていた川が暗渠になってしまいましたからね。ちなみにその川は「汐留川」といいまして、汐留の地名の元になっています。次はそんな汐留にある日本テレビに行きました。

北川 そうそうそう。入口まで行ったらカレーパンマンの着ぐるみが歩いてて。

藤村 カレーパンマンとコキンちゃんを追いかけて……。

――追いかけたら変な順路に入ってしまい……あれは罠でしたね。あれがなければ、その後のからくり時計も問題なく見れたかもしれないのに……。

藤村 何も考えずに付いていっちゃいましたね(笑)。

――で、宮崎 駿デザインの日テレ大時計を見ました。

藤村 思ってたより大きい時計でしたね。

――ちょうど時間が1時50分頃だったので……。

北川 「2時になったら動くんじゃない?」って。

藤村 それで2時まで待ってたんですけど……動かない(笑)。

北川 僕らが来た方向とは逆の側に時間の案内板があって、見たらまさかの3時間刻み(笑)。

――動くのは12時、15時、18時、20時で、土日は朝の10時もあるそうです。

藤村 みんな行くときは気をつけてね(笑)。それで北川さんが珍しく「また後で来てみよう」って提案してくださったので、近所を散策することになり……。

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――日比谷神社に行きました。街歩きの企画にしてもボーダーズは神社に行く率が高いですね。

北川 やっぱり、その土地の古い何かを見たいとは思ってるんですよ。

藤村 ボーダーズをやってるお陰で、だんだん東京に詳しくなってる気がします。

北川 新橋もこんなに周りを歩いたことないってぐらい歩いたし。

藤村 「あそことここが繋がってるんだ」みたいなことがわかりますよね。地理に強くなります。

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――ちなみに、ボーダーズで得た知識が他所で活かされたことってあります?

北川 まだない(笑)。

藤村 これからですよ、これから(笑)。

――スポット的に最後になったのは、旧・新橋駅。電車の停車場跡地ですね。

藤村 今はビルがいっぱいありますけど、昔の新橋は何もなかったんですね。

北川 そうそう。昔の写真があったけど、何もなかった。

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――機関車は石炭を焚いて火の粉が出るので、線路の周りに建物が作れないんですよ。だから海岸線とか、大抵人のいないところに通していたんです。

北川 へえーー。

藤村 すごい、ボーダーズは頭も良くなる(笑)。

北川 この知識を覚えてればね(笑)。そして日テレに戻って、無事にからくり時計が動くところを見届けました。時計から流れる音楽あったでしょ、あれ作ってるの友達なんだよ。

藤村 えぇーー!? 待ってください、それどの時点から知ってたんですか?

北川 最初から知ってた。

藤村 なんで言わないんですか!(笑)。なんで見てるときに言わないんですか!

北川 ほら、後で話した方が「えぇーー!?」ってなるでしょ(笑)。友達のきだしゅんすけくんがあの音楽をやってるって知ってたから、2時に鳴らなかったときに「この先に聴きに来るかわからないしな」と思ってね。普通なら諦めてたんだけど、それがあったから今日聴いておきたいと思って戻ったんだよ。

藤村 珍しいなと思ったんですよ。あんまりにそういうのに行きたがるような人でもないのにって(笑)。

北川 何事に対してもあんまり興味ないのに(笑)。

藤村 今日はやけに貪欲だなと思ってました(笑)。なるほど。

北川 事前に新橋には宮崎 駿デザインの仕掛け時計があるって話を聞いて、なんか聞き覚えがあるキーワードだなと思って調べたんですよ。それで「あーやっぱり!」って。あそこで流れる曲、友達が作ってます!

――今回は濃い目の北川さんエピソードが山盛りでしたね。

北川 いやー思い出せて良かった。

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――ではそんなおふたりに、新橋にぴったりな一曲を聴かせていただきましょう。

藤村 じゃあ私から。今回はインスト曲です。

★藤村’s Select
SAKEROCK「会社員」

藤村 SAKEROCKさんの「会社員」という曲です。もう、これだなって(笑)。

――タイトルからしてそうですね(笑)。山手線上で他に流すべき駅はないですね。

藤村 これを聴きながらサラリーマンを眺めてたんですよ。

――なるほど、さっきのエピソードと繋がると!

北川 陽気な曲だねえ。

藤村 これ以外に思い浮かびませんでした。「皆がんばってるんだなあ」って思いながら聴いてて。

北川 でもこれそういう感じの曲じゃなくない?(笑)。なんかもう、夕方5時くらいに退社してる感じもするね。

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――陽気なアフターファイブ感もありますね。

藤村 そういう喜びの方なんですかね?

北川 そうじゃないのかな?そんなイメージだけど。

――でも確かに「あくせく働いている」感もありますね。

藤村 私は朝からこれを聴いて、サラリーマンに思いを馳せて「がんばれ!」って思ってました。星野 源さんが好きなんですよ。

――じゃあ普段から星野さんやSAKEROCKは聴かれているんですね。

藤村 聴いてます。星野さんがやられているラジオも聴いてますよ。

――それでは北川さんの選曲を聴いてみましょうか。

北川 新橋っていったら「鉄道唱歌」のイメージだよね。まあそれじゃないのを持ってきたんだけど。

藤村 今日は何を持って来たんですか?縁ちゃんとあります?

北川 ……何も(笑)。

藤村 だろうと思いましたよ(笑)。

★北川’s Select
伊礼 亮「Song for You:Song for Me」

――北川さん、こちらの曲は?

北川 えー、10月26日に出たアルバムなんですけど(笑)。伊礼 亮くんという男の子のアルバムを、丸々プロデュースしたんですよ。10月に出たばかりなので、その中から1曲持ってきました。

藤村 はーい、おめでとうございまーす(笑)。

――おめでとうございまーす(笑)。

北川 ありがとうございまーす(笑)。

藤村 ちょっとがんばって、新橋に繋げてみましょうよ。

北川 えっ、繋がんないよ。

藤村 なんでがんばろうとしないんですか!(笑)。でも実は今回はこれが来るかなと思ってました。Twitterで書いてらしたので。

北川 タイミング的にね。いやでも、毎月宣伝できるものがあってうれしいです(笑)。

藤村 ほんとですね~~。

――藤村さんのコメントがどんどん渇いたものになっていく(笑)。

藤村 渇いてなきゃやってらんないですよ(笑)。何か面白エピソードはないんですか!?

北川 男の子のプロデュースは久しぶりでしたね。

藤村 私、これを聴いたときに「声質が北川さんに似てる」と思いましたよ。

――プロデュースは先方からのリクエストだったんですよね?

北川 そうそう、伊礼 亮くんは「歌ってみた」的なところから出てきたんだけど、坂本真綾さんが大好きで「真綾さんとやってる北川さんにプロデュースをお願いしたいです」と言ってくれたんです。それで珍しく男子のアルバムを丸々一枚プロデュースしました。

――北川さんは、男性シンガーのプロデュース自体は初めてだったんですか?

北川 男性声優さんの曲は何曲かやったことがあるけど、アルバム丸々とかここまで大きくやるのは初めてですね。

――10月26日発売されたということで、皆さん聴いていただければうれしいなという感じですね。……この地に縁はありませんが(笑)。

北川 以上、新橋からお届けしましたー(笑)。

――スタジオへお返ししまーす(笑)。じゃあはい、サイコロ振ってくださいね。次行きますよ次!

北川 はーい。

――出目は「21」、なんと隣駅です(笑)。次回は「有楽町」からお送りしますよ!今回ぐらいのエピソードお待ちしてますよ!

藤村 ハードル高くなってくなぁ(笑)。

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PHOTOGRAPHY BY 山本哲也
Interview By 市川太一(クリエンタ/学園祭学園)
Text By 青木佑磨(クリエンタ/学園祭学園)


●今回のSelect Song
★藤村’s Select
SAKEROCK「会社員」

★北川’s Select
伊礼 亮「Song for You:Song for Me」


●リリース情報
伊礼 亮 1st Album

『アイトヒト』
発売中

【初回盤(CD+DVD)】
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品番:VIZL-1056
価格:¥3,300円+税

【通常盤(CD)】
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品番:VICL-64656
定価:2,700円+税

<CD>
1.アイトヒト(朗読)
作詩:伊礼亮 作曲・編曲:北川勝利
2.Song for You:Song for Me
作詞・作曲・編曲:北川勝利
3.君を想うだけで
作詞:山田稔明 作曲・編曲:北川勝利
4.セレナーデ・セレネイド
作詞:山田稔明 作曲:北川勝利 編曲:tilt-six、北川勝利
5.ラブレター
作詞・作曲:宮田“レフティ”リョウ 編曲:宮田“レフティ”リョウ、北川勝利
6.形(朗読)
作詩:伊礼亮 作曲・編曲:北川勝利
7.コバルトブルーの二人
作詞:acane_madder 作曲・編曲:北川勝利
8.Knock! Knock!
作詞・作曲:北川勝利 編曲:acane_madder、北川勝利
9.テイスティングラヴァー
作詞・作曲・編曲:acane_madder
10.ガラスの未来
作詞・作曲:rionos 編曲:rionos、北川勝利
11.Stand By Me そばにいて
作詞・作曲・編曲:北川勝利
12.愛と人(朗読)
作詩:伊礼 亮 作曲:末永華子/編曲:北川勝利
13.わがままフォルクローレ
作詞:acane_madder 作曲・編曲:北川勝利
14.borderless
作詞・作曲:高田みち子 編曲:rionos、北川勝利

<DVD>
1.コバルトブルーの二人(Music Video)
2.『アイトヒト』ドキュメンタリームービー
3.作業場ライブ
コバルトブルーの二人 with 奏[Piano]
君を想うだけで with 奏[Piano]
わがままフォルクローレ
with 北川勝利(ROUND TABLE)[Guitar]
4.お台場 VenusFort フリーライブ(2016.08.28 伊礼亮×奏)
ファズソング
Song for You:Song for Me
Beautiful
コバルトブルーの二人

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