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2014.05.08
声優・加藤英美里と福原香織のユニット“かと*ふく”の2ndライブが4月27日、品川ステラボールで開催された。
かと*ふくは『らき☆すた』などで共演し、親友同士でもある加藤と福原がBSフジの番組『アドリブアニメ研究所』をきっかけに結成した声優ユニット。結成3年目を迎えた今年2月には2ndアルバム『with』をリリースし、今回待望の2ndライブを迎えた。
ティファニーブルーのふわりとした衣装で、髪に白い花飾りをあしらって登場したかと*ふくは、まずは「人生HappyHappy論」を披露。みんなを笑顔にするために、まず誰よりも自分たちがいちばんに楽しむ、そんなかと*ふくらしさにあふれたオープニングだ。続く「My Friend」は、ふたりからの自己紹介代わりのナンバー。会場全体が「えみり!」と「かおり!」を連呼する合いの手を大合唱し、「かと*ふくYEAH!!」で締める流れは、ライブで体験しないとわからない一体感と楽しさを感じさせた。
前半戦では、会場が一瞬真紅に染まるロックテイストの「VERSUS」や、弦の優美な音が響くなかしっとり聴かせる「ハルジオン」など多彩な楽曲を披露。キャッチーで楽しい楽曲では加藤のキラキラした笑顔につい視線が行くが、聴かせるタイプの勝負曲では福原の表現力の印象がぐっと強くなる。楽曲に合わせてがらりとイメージが変わるのも、かと*ふくというデュオならではの魅力かもしれない。
MCでは福原が開口一番「今日は雨じゃなーい!雨女とはもう呼ばないでください!」と宣言するひと幕も。文化放送で毎週金曜日26時30分より放送中の『DIVE II you』の会場限定版トークも行なわれ、「夏っぽく野外でライブやりたいね!」「かと*ふくの名前の間に入れるマークで悩んだんだよね!」といった話題で盛り上がった。かと*ふくでの公開録音のようなやりとり自体が初めてとのことで、本当の公開録音もやる気満々。モチベーションを上げるふたりだった。
ライブ前半でひときわ盛り上がったのが、かと*ふく初のタオル曲「Ready for SUNNY MODE」。グッズのプロデュースにも力を入れていたふたりだが、この曲が始まるとふたりも驚くほどたくさんのタオルが舞い踊った。サビの「透き通る風」のフレーズに合わせて、会場に透明な風が巻き起こったように錯覚しそうな光景だ。ラスサビ前のそれぞれのソロバートも透明感があり、聴き応え十分だった。
衣装チェンジの転換の際には「こんなかと*ふくは嫌だ!」と題したスペシャル映像を上映。「音楽性の違いで解散」「実はスタッフが気を使って楽屋が別」「withすぎて同棲中」「気づかない内に行動が似てくる」といったテーマでのショートコント風映像だったが、実はほとんどアドリブでの収録だったというから驚きだ。
映像を挟んでの前半の締めと後半の頭は、初披露となるソロ曲。加藤は会場を青く染め上げる「青」をシリアスに歌い上げたが、実はこの時、客席の中にちらほらといた赤いサイリウムに対して、楽曲の振りっぽく「そことそこ、見えてるぞ!」と指差しアクションをしていたとのこと。その結果2コーラス目には会場全体が真っ青に染まった……というのも、かと*ふくならではの裏話だ。福原は赤黒のストライプの少し中二テイストの衣装に着替え、ソロ曲「瞑想 Solitude」で今度は真紅に会場を染めていく。歌の世界に完全に入り込んでいるように見えた福原だったが、こちらも着替えた加藤が入ってきて「あっぱれ!瞬間積極剤」が始まると、テンションのスイッチを一気に切り替え、ハイトーンなパートをキュートに歌っていたのは流石だった。
クールで大人めな衣装に着替えたこともあり、終盤は攻めのセットリストで、疾走感がある楽曲をノンストップで繰り出していく。どこか清涼感やクールさを感じる「next to you」から、燃え上がるようなテンションが溶け合っていく「パラボリカ」へ。最後は凍てつく世界を灼き尽くすような「Freezin’ Rush!」と、熱さと冷たさ、赤と青のストライプが印象的な後半戦だった。
アンコールでは、鳴り止まない「かと*ふく」コールに応えて、ライブTシャツ姿の2人が登場。ボードいっぱいに貼られたファンからのハート型メッセージカードを読み上げたり、客席を背景に記念撮影をしたりとファンとの交流を楽しんだ。
福原が「アンコールをたくさんいただいたので、感謝の気持ちを込めてこの歌を歌います」と語って歌い出したのは「ノスタルジア」。サイリウムの緑の草原が揺れる中、どこか懐かしく、切ないハーモニーを響かせる、大団円にふさわしい空気感だった。今後について「かと*ふくを3年近くやって来ましたが、近々何かいいご報告ができると思います!」とうれしい知らせを予感させた加藤は、「これからもふたりで仲良く一緒に活動を続けていくので、末永くよろしくお願いします!」とかと*ふくらしい抱負を語っていた。最後は福原の「ノスタルジアでしっとり終わるのもかと*ふくらしくないから、最後はみんなで盛り上がって、笑顔でお別れしましょう!」との提案により、ふたたびの「My Friend」でとびっきり楽しく締めくくったのだった。
●かと*ふく2nd LIVE 『with』
@2014年4月27日 品川ステラボールセットリスト
M01:人生HappyHappy論
M02:My Friend
M03:アクセル!
M04:VERSUS
M05:ハルジオン
M06:WORLD IS CALLING
M07:0グラヴィティーアワー
M08:Ready for SUNNY MODE
M09:青(加藤ソロ)
M10:瞑想 Solitude(福原ソロ)
M11:あっぱれ!瞬間積極剤
M12:next to you
M13:パラボリカ
M14:Freezin’ Rush!
-ENCORE-
EN1:ノスタルジア
EN2:My Friend
■かと*ふくライブ終演後コメント
──ライブの感想をお願いします。
加藤 今本当に終わったばっかりなんですけど、今回ライブの準備期間が短かったんですが、お客さん、ファンの皆さんが盛り上がってくれているのを見てすごく感動しました。こんな大きい会場でライブができて、たくさんの方が来てくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
福原 リハの回数も少なかったので不安だったり、ドキドキもしました。ちょこちょこ失敗はあったんですが、お客さんが本当に盛り上がってくれて、やってよかったな、またライブやりたいなと、次につながるライブになったんじゃないかと思います。
──今回はグッズを含めて、かなりセルフプロデュース色が強かったようですね。
加藤 今回は特にその色が強かったですね。衣装やテーマカラーも2人でラジオとかで相談しながら選んだんです。
福原 幸運のお守りにふたりでアクセサリーを買って、それにちなんだ色(ティファニーブルー)をテーマカラーにしました。グッズは英美里がクリアファイル好きで、昔からずっと作りたいって言っていたのが実現しました。
加藤 念願が叶いました!
福原 あとは定番のタオル曲用のタオルだったり。今回は物販で、激辛カレーをテーマカラーで作ったんです。
加藤 普通ライブグッズで食べ物、しかも激辛ってありえないよね!
福原 スタッフさんもノリノリで作ってくれたのがかと*ふくらしさだと思います。
──グッズの「フクカレー」の味はどうでしたか?
福原 私ちょっとやそこらの辛さは平気なんですが、それでも辛かったので食べるときは気をつけてください!
加藤 私も一口いただいたら、おいしいって感想は出てくるんですけど、後からピリピリと辛さがずっと残ってるんです。全部食べたらどうなっちゃうんだろうと思うので、皆さんの感想が楽しみです!
──今回歌った楽曲についてのエピソードなどを教えて下さい。
加藤 今回は2ndアルバム「with」の曲は全部入れるのは前提で、それ以外の曲はどんな曲を歌うかとか、MCをどこに入れるかとかも自分たちで意見を出して作りました。
福原 1stの時から比べて、曲の難易度が上がってるんですよ。昔はキャラソンっぽかったのが、今はバラードだったり、かっこいい曲があったりで難しい点はいっぱいありました。だから生で難しい曲も歌うぞ、ダンスもつけるぞってことはチャレンジでした。まだまだなところもありますが、今できる私たちの精一杯を出せたと思います!
──最後に、今後のかと*ふくの目標を教えてください。
加藤 マイペースにやってきたかと*ふくですが、シングル2枚を同時に出したり、アルバムも出させてもらったり、楽しく自由に活動させてもらってると思います。実はあまり大きな目標は持っていなくて、今のまま仲の良いふたりが、楽しくやっているユニットであることが皆様に伝わればと思います。ゆるゆるとやっていることがたくさんの人に伝わればいいなと思います!
福原 かと*ふくは英美里が言ったとおり、仲良しのふたりがゆるーく楽しくやってきた3年間でしたが、やっぱり進化だったり変化だったりしないといけない部分もあると思います。私個人としてはCDをリリースしたり、ライブをやったり、みんなが笑顔になれるものを提供していきたいと思います。だからファンのみんながどんなかと*ふくを見たいかを聞いてみたいですね。お互いのいいところ、悪いところを知っているふたりで、マイペースにやっていきたいと思います!
Text by 中里キリ
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