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REPORT

2016.10.01

音楽劇「金色のコルダ Blue♪Sky~Prelude of 至誠館~」ゲネプロレポート

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乙女ゲームの老舗・コーエーで長年に渡り人気を誇る「金色のコルダ」。クラシックを題材に、音楽を奏でる魅力的なキャラクターたちが恋に夢にと、困難にぶつかろうとも進んでいく姿を描く物語だ。

舞台版である音楽劇「金色のコルダ」は原作の世界観を残しつつもオリジナルエピソードを交え、学生たちの音楽に懸ける情熱、友情の物語として描かれていることが特徴である。
仙台にある男子校,至誠館高校が、音楽コンクールで星奏学院の面々と対決する様子を描き昨年上演された音楽劇「金色のコルダBlue♪Sky First Stage」。First Stageでは描ききれなかった至誠館・吹奏楽部メンバーのことが語られる舞台「金色のコルダ Blue Sky~Prelude of 至誠館~」が9月28日に北千住のシアター1010でスタートした。

今回物語を引っぱるのは至誠館高校の歴史ある吹奏楽部で部長を務める八木沢雪広。
「今回、至誠館を描いたPrelude(序章)をやらせていただくんですが、前回First Stageでは描き切れなかった八木沢の吹奏楽部に対する想いとか部員に対する情熱や賭ける想いとか、何故部員を守るのか、というところも描かれています。音楽や部員に対しては非常に熱く、自分の信念は曲げずに仲間と戦う、という姿を演じさせていただいております」(八木沢役・谷佳樹)

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そしてもう一人。物語を引っぱるのは至誠館高校・ブラスバンド部の部長の長嶺雅紀だ。
「ブラスバンド部の部長で、性格的に八木沢とは方向性が似ているんですけどやり方が違う。冷静で、だけどすごく熱いものを持っている男で。僕自身、長嶺のそういう部分を尊敬もしていますし、役として長嶺、八木沢、ブラスバンド部、吹奏楽部、至誠館、という括りですごく大きなものを見ている男だなとも思うので、そういう部分も今回出させて頂けたらなと思っています」(長嶺役・輝馬)

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ゲーム中でもアニメでも前作の舞台でも、至誠館高校は額に十字の傷のある火積司郎(中村祐志)が起こした問題によって存続が危ぶまれたり、その件によって絆を強固にしてきた、という描写がある。穏やかながら芯の強い八木沢、そしてぶっきらぼうで粗暴なようでいて実は熱く義理堅い男・火積に、八木沢を支える3年でチューバ担当の狩野航(冨田大樹)、2年でのんびり屋のホルン・伊織浩平(小島ことり)、そして帰国子女の1年で廃部寸前だった吹奏楽部に彗星の如く現れたトロンボーンの水島新(小林涼)というメンバーの堅い絆は描かれてきた。その絆を深めた出来事が描かれる本作。

「First Stageの時に“2.75次元を僕たちは目指している”とお話をしたんです。残りの0.25次元は観客の皆さまが、本当に(劇中の)会場に来ている、と参加してくださることで、僕らは3次元になる。みなさまにも一緒に舞台を作りあげて頂ければ、とキャスト一同思っていますので、みなさん、よろしくお願いします!」(谷)

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物語の始まりは全国優勝を目指す至誠館高校の吹奏楽部の演奏の様子。互いを高め合うように音を昇らせていく八木沢と盟友である長嶺。2人の演奏に引っ張られるようにほかの部員たちの演奏にも力が入っていく。そんな順風満帆かのように見えた吹奏楽部に事件が起きる。暴力事件に巻き込まれた部員の火積。その火積を排除して全国を目指そうと言う長嶺と、部員みんなで一緒に音楽を楽しみたいと火積を庇う八木沢とが袂を分かつことに。「仲間を切り捨てた先に奏でる音が楽しいわけがない」という八木沢に火積は自責の念を感じずにはいられなかった。そして時が経ち、春に。新入生を迎える季節の至誠館高校。体育館からはブラスバンド部の軽快な音が響く。そんな中、新入生歓迎会の場所を探すのは吹奏楽部のメンバーたち。長嶺と共に多くの部員が吹奏楽部を抜けてしまったことで、吹奏楽部は廃部の危機に瀕していたが、一方で長嶺によって結成されたブラスバンド部は、層の厚い演奏と、長嶺の高い演奏力にひっぱられて活動は順調。新入生歓迎会での演奏会での評判も上々。沢山の新入生が彼らを見るために殺到する。ブラスバンド部が演奏しているステージで本来なら演奏していた吹奏楽部のメンバーたちだったが、八木沢をはじめとした吹奏楽部の面々がようやく見つけられたのは校舎から離れた桜の木の下だった。「桜の木の下で演奏なんて素敵だよね。春にぴったりの曲を演奏しよう」と言う八木沢は「音楽を楽しもう!」と伸びやかな音を鳴らし始める。軽やかに楽し気な彼らの演奏は至誠館の景色を瞬く間に彩っていくが、ブラスバンド部の顧問が駆けこんできて、演奏をストップするように言いに来る。カルテットでの演奏を揶揄され困惑するメンバーの元へ「ブラボー!最高の演奏でしたー!」と陽気にやってきたのは新。ブラスバンド部の演奏は楽しそうじゃない、と歩いていた新は、今、吹奏楽部のカルテットには足りなかったトロンボーン奏者だった。部員が5人いなければ部活として認められない吹奏楽部に、まさに救世主である5人目のメンバーとして新が登場し、吹奏楽部は新たな一歩を踏み出すことに。しかし彼らの前に立ちふさがる長嶺、そして長嶺と八木沢を慕いながら長嶺に追随した2年生でトランペットの江波紫音(大平峻也)。彼らは目障りな吹奏楽部を潰そうとする。果たして八木沢たちは部を存続できるのか。幼なじみの八木沢を案じる東金千秋(碕理人)や千秋の相棒である土岐蓬生(上田堪大)。さらには思い悩む火積と偶然出会った八木沢と長嶺の恩師にして星奏学院の出身者である火原和樹(瀬戸祐介)に背を押されながら、吹奏楽部は日本一を目指し音楽コンクールへと出場を目指すことを決意する。どうしても吹奏楽部の息の根を止めたい長嶺たちとの戦いの場は壮行会へ。そこで吹奏楽部は部の存続とコンクール出場を賭けてブラスバンド部と一騎打ちをすることになる。果たして吹奏楽部の命運は――――。

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ホルストの『惑星』をはじめとした吹奏楽で聴かせる名曲たちを堪能させながらの舞台である音楽劇「金色のコルダ Blue♪Sky~Prelude of 至誠館~」。生演奏で劇伴を聴かせるという手法は金色のコルダだからこその演出であろう。演者は芝居にダンス、歌、さらには楽器演奏のマイムも有り、楽曲と演奏シーンとのシンクロ度でも観客を楽しませる。
そう。この作品においては観客はまさしく「オーディエンス」だ。彼らの演奏を見に来た、劇中の観客役に間違いない。「僕らの舞台は2.75次元。残りの0.25次元は観客のみなさんが物語に参加して、3次元が完成します」という彼らの言葉通りの演出は、ゲームで、アニメで、「金色のコルダ」を味わっていた時のあの高揚感を呼び起こす。ファンタジーでもSFでもない2.5次元だからこそ出せる3次元感に心が躍るのを感じる。

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この物語は音楽コンク-ルの少し前の出来事であり「金色のコルダ Blue♪Sky First Stage」で星奏学院との熱き戦いを繰り広げた至誠館高校の、コンクール前の出来事。そしてそこに登場した神戸・神南高校の東金千秋と土岐蓬生。12月からはそんな神南高校が、コンクールで星奏と音楽で熱い戦いを繰り広げる「金色のコルダ Blue♪Sky Second Stage」が上演される。その2校の戦いまでも楽しみになる。そんな舞台だった。

Text by えびさわなち


●公演情報
音楽劇「金色のコルダBlue♪Sky Prelude of 至誠館」
【東京】シアター1010
2016年9月28日(水)~10月2日(日)全8公演  
チケット料金:全席共通 7,800円(税込)
原作・監修:アニメ「金色のコルダBlue♪Sky」・ルビーパーティー
演出:吉谷光太郎
脚本:米山和仁・吉谷光太郎

取材時登壇者:谷佳樹、中村裕志、小林涼、瀬戸祐介、碕理人、上田堪大、大平峻也、輝馬

©星奏学院オーケストラ部 ©音楽劇「金色のコルダBS」製作委員会」

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