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INTERVIEW

2016.08.24

10周年を迎えたMay’nがライブツアーで得た自信を胸に臨んだニューシングル!TVアニメ『タブー・タトゥー』OPテーマ「Belief」リリース記念インタビュー

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ライブツアーで得た自信を胸に臨んだ、TVアニメ『タブー・タトゥー』OPテーマ「Belief」のレコーディング。結果、信念(=belief)が溢れかえることになった新曲「Belief」。10周年を迎えたMay’nにとって、これからの次の10年、20年の充実を予感させるニューシングルが誕生した。

――今回の主題歌は、May’nさんもかなり気持ちが入っているとお聞きしました。

May’n 歌わせていただくと決まった段階で、楽曲が届く前に原作を読ませていただいたんです。その時に「絶対に歌いたい!」って思ったんですよね。

――「歌いたい」と感じさせたのは、原作のどういったところですか?

May’n とにかくキャラクターのみんなが何かを信じているし、信じたいと思っているところですね。(アリヤ)姫様がまさにそうで、主人公の敵に当たるキャラクターなんですけど、「これで未来は絶対いい方向に変わる」って信じて行動しているんです。それが正解なのかはわからないけど、自分自身の正義を強く信じている、っていうのがグッときたポイントでした。信じると決めたことを貫き通せる「自信」ってやっぱり大切だよな、ってことを、作品を通じて気付かされました。私も昨年10周年を迎え、これからの10年は自分の活動に信念を持って歌い続けていきたい、という前のめりな気持ちでいたんです。だから、運命的なものをすごく感じましたね。作品に対しては、いつも歌声で「参加」していきたくて、楽曲と作品がリンクする部分をちゃんと見つけたいと思っているんですけど、今回は、私が今歌いたい想い、楽曲、そして、作品がピタッと合った感覚でした。自分だとうまく言葉に出来ない状態をしっかりと絵や言葉にしてくれる作品、それが『タブー・タトゥー』でした。

――楽曲が最初に届いた時はどんな感覚でしたか?

May’n 楽曲を最初に聴いたときも「絶対に歌いたい」と思えるような曲だったんですよね。それでいて、迷いが少しでもあったら歌えない楽曲だと思いました。自分を、この先に待っている未来を信じていないと歌えない、そんな「一直線に体当たりで突き進むような」楽曲でした。今までいろいろな歌をうたわせていただきましたけど、今の私が表現したい音楽というものに対して、「これ!」って答えを出してくれましたね。実は、レコーディングは(“May’n Hall Tour 2016「SPRING OUT!!」”)ツアー中のことだったんですけど、今回のツアーでは「仲間がいてくれる自分」というところをすごく感じたんですよ。だから、今までは言えなかった「自信がある」という言葉、「これから先の10年がすっごく楽しみなんだ」みたいにフワッとした未来も皆の前で言葉にできる、そんなツアーだったんです。そのツアーを経たからこそ歌えた楽曲、自分の活動に対して確固たるものを見つけられたから歌えた楽曲、というのはすごく感じています。10年という時間を過ごし、支えてくれたみんなと一緒に感じる自信、そんな思いを持って楽曲制作することができました。

――ツアーとレコーディングがいいタイミングで重なったわけですね。

May’n ミュージック・ビデオもそうなんです。ツアー直後の撮影だったので、初めてがむしゃら感を映像に残せた気がします。「むき出しでリアルなMay’n」を歌でも映像でも表現させてもらいました。今まで以上に髪を振り乱しながら歌いましたし、映像としてもかなりざらつきがある感じになっているんですよ。すごくロックっぽい!……ってなんかバカっぽい言い方ですね(笑)。でも、見ていて「超ロック」って感じたんですよ。「内側から出る強さ」を映像にしたい、という部分にこだわったので、湧き出てくる信念みたいなものを感じてもらえたらうれしいですね。

――MVでいちばん見てほしい瞬間ってありますか?

May’n 今まででいちばんかっこつけていないし、初めて思いっきり音楽を楽しんでいる映像にできたと思うので、全体としてライブ感ある映像になってはいます。だから、MVを見たファンは安心するかもしれませんね。「May’nってこれだよ」って。

――じゃあ、ライブに来たことがなく、MVでしか見たことがないファンは、新しいMay’nを見つけられるかもしれませんね。

May’n そうだとうれしいです!

――にしても、それだけ今回のツアーでは一皮むけたライブができたということでしょうか?

May’n そうですね。今までいいライブができたと感じたときって、「今日は喉のコンディションが良かった」とか「ダンスがうまくできた」とか、技術面で自分を認めがちだったんですけど、今回のライブは「空間」にすごく自信が持てたんです。「私、良かったでしょ」ではなく、「うちらのこの場所、めっちゃ良かったでしょ」って胸を張れたんですよね。それはすごく大きな変化でした。応援してくれる皆さんにもそこのところを感じてもらいたいし、もっともっと見せたい景色や聴かせたい音楽を探し続けていきたいと思えたライブでした。

――では、「Belief」のレコーディングではライブで歌うイメージがかなりはっきりと?

May’n 浮かびましたね。今までも、ライブを想定したりライブが楽しみだったり、という部分はあったんですけど、レコーディングになるとどうしても、自分のコンディションやマイクのセッティングといった部分を気にして、「いい歌を録らなきゃ」というところに集中しがちでした。

――確かに、レコーディングは作り込むもの、というイメージがあります。

May’n でも今回は、「その道のプロがいるし、私はここで暴れよう」という思いで臨めました。ツアーでも今回初めて、「がむしゃらに暴れ倒してみたい」と思えたんですけど、それを活かして、今まででいちばんライブ感が出せたレコーディングでしたし、歌に込めたかった「前のめり」が録れた気がしています。

――歌うときに意識した部分というのはありましたか?

May’n 「弱さ」を入れるのはやめておこうかな、と思いました。Bメロもオチてますし、いわゆるオチサビもあるし。でもだからといって、そこを「優しく」とか「弱々しく」歌うのではなく、目をそむけたくなるような悲しい現実も目を反らさずにぶつかっていく、みたいな力強さがほしいと思ったので、そこはすごく意識しました。ストレートに思いをぶつけてみる、って最近の自分の中のテーマなんですよ。今回スタッフさんからもっと単純に、心の迷いを感じさせないような「行けーっ!」って感じがこの曲、そして「belief」という力強い言葉には合っているんじゃないか、というアイデアをいただいたんです。できあがりを聴いたら「めっちゃいいな」って思えたので、「潔さ」というのはこれから意識していきたい課題ですね。

――歌詞についてお伺いしたいのですが、届いたときはどんな印象を持ちましたか?

May’n 楽曲を聴いたときに感じた思いが言葉になっている、むき出しの素直さみたいなものを歌でも表現できる、という感覚でした。「信じていくことって大切だよね」というメッセージ・ソングでもあるんですけど、歌いながら自分も奮い立たせられる楽曲になっています。

――心に刺さる部分というとどこですか?

May’n 私がグッと来たのは、“真実だけ見つめてたい”ですね。自分が信じる正義を貫きたいと思っていても、生きていると余分なところが気になってくるんですよ。だから、“つまらない噂はいらない”もそうですけど、「私が信じることをぶつけても応援してくれるファン、応えてくれるファンとのコミュニケーションを第一に考えていきたい」とツアーで感じてたので、そこはすごく共感できました。

――『タブー・タトゥー』についての思い入れも強いということなので、ぜひ熱い思いを語っていただけますか。

May’n どのキャラクターも強くなりたい、負けたくないという気持ちが強いところが大好きなんです。単純だけどそれって絶対に必要な気持ちなので。だから、それを口に出すセーギ君はかっこいいです。イジーもいろいろなものを抱えているキャラクターですよね。それから、(アリヤ)姫様はグッとくるキャラクターだと思います。彼女は自分の生きる意味をすごく探し求めているんですよ。どうしてそこまで、ってくらいに自分のことを卑下していて、彼女を慕ってくれたり愛してくれたりする人たちの気持ちを思うとすごく切なくなるキャラクターなんです。だから、彼女の姉妹や周囲の人々とのドラマには注目しています。

――お気に入りのシーンというと?

May’n うーん。迷いますねー(笑)。でも、あそこかな。BB(ブラッド・ブラックストーン)が、呪文は便利だけど大切な誰かを悲しませるようなものなら自分には必要ない、ということを言うんですね。そこはすごくグッときました。誰かにとっての幸せも誰かにとっての悪かもしれない、そのジャッジって自分にしかできませんよね。でも、大切な人のことを基準にジャッジするBBってすごくかっこいいと思いました。多分、異性にも同性にも好かれる、彼氏にしても兄貴にしても……、ってキャラクターですね。

――作品にちなんで、May’nさんにとっての「正義」を教えてください。何でもよいので。「甘いモノ」とか。

May’n いや、ホント、それですよね!(笑)。深夜のカロリーは正義!明日への活力だと思います(笑)。でも、やっぱり私にとっては「ライブ」ですね。目の前に広がる光景に嘘なんて何ひとつないって思うし、そんな場所のことを忘れずに今後も活動していきたいって先日のライブでも感じました。だから、ライブを一緒に作ってくれる仲間たちを絶対に裏切っちゃいけないし、もっともっと応援してくれるみんなに応えていきたい、みんなが楽しんでくれることをこれからもたくさん考えていきたい、とすごく思っています。私の中の「正義」って信念を持つことかもしれないですね。だから、私の人生で何に信念を持って突き進んでいけるのか、と考えたらやっぱりライブなんです。だから、自分が自信を持てる、ライブという場所を作り続けていきたいと思います。

――カップリングの「Stay Alive」についても教えてください。

May’n この曲は、トーコちゃんが死んでしまう場面で使っていただくことが決まっていた曲なんです。あのシーンって原作でもすごく印象的でしたけど、楽曲ではトーコ目線になっているんですね。一瞬にして目の前が真っ暗になってしまう様子もですけど、自分はいなくなってしまう、ごめんね、って気持ちが込められています。愛しているし、愛されているとわかっているのに一緒にいられなくてとても私は悲しい、そんなすごく深いラブソングです。誰かとの別れって大なり小なり誰にでも経験があるものですし、もちろん私も一緒にいられない悲しさという部分にすごく共感できたので、そういった「悲しさ」を想いながら歌いました。

――去られる側ではなく去る側の悲しみなんですね。

May’n 一緒に夢を叶えられなくてごめん、君が夢を叶えられる瞬間を見れなくてごめんね、みたいな歌詞なんです。すごくグッときました。別れで辛いのは、心から愛している人がこの先に見せる笑顔が見れないことなんだ、と感じました。これからの思いを託すとか、単純に死にたくないといった気持ちではなくて、「ただそばにいたかった」というラブソングでもあります。さまざまな出会いと別れの曲を繰り返した末にたどりついた楽曲ですし、10周年を超えて10年、20年と歌い続けたいと思う歌に変化していくのかもしれないと思いました。私の人生にずっと寄り添ってくれるかもしれませんね。

――聴いてほしいフレーズは?

May’n 歌詞もですけど、今回は「無」を意識しました。それもディレクターさんやスタッフさんからの言葉だったんですけど。さっきもお話したように、私は歌に何かを付けてしまうし、今回も「胸を張り裂けそうな想いをちゃんと込めたい」って思っていました。でも、別れの瞬間って「悲しい」とかではなく、現実を受け止められない感覚からの「なぜ?」とか「え?」みたいなスタートかもしれないと思ったんです。特に、歌の主人公であるトーコからすると一気に世界が変わってしまうので、その方が実感が伝わるのかと思って、ぜひそこには注目していただきたいですね。

――今回のシングルはどのような1枚になったという感覚ですか?

May’n 今の私の包み隠すことのできない「信念」です。何もかっこつけられない、嘘偽りのない私が歌にも映像にも込められたと思います。あとは、新しい歌い方も入ったシングルになってるんじゃないでしょうか。

――最後に、先ほどから10周年という言葉が何度も出ているので、これからの目標についても教えてください。

May’n 今、またスタートラインに立たせてもらった、という感覚がすごくあるんです。私はありがたいことに何度も「始まり」を経験していて、最初は本名でのデビュー、次にシェリルとして、それからMay’nとして。毎回「スタートだ!頑張る!」という前のめりな気持ちにさせてもらえているんですけど、10周年を迎えたことで、今度は第2章が始まったという気持ちでいます。自分をさらけ出す楽しさや強さをみんなに教わったし、「これからだな」っていう感覚なんです。だから、漠然とした目標なんですけど、「これからの10年はもっとすごい10年にするからね」って皆に伝えています。大きなステージにも立たせてもらった、素敵な作品とご一緒させてもいただいた、でも今のうちらならもっとすごいところに行けるよね、という確信があるんです。私の自信ではなく、「私たちの場所」の自信として。

――自分と仲間を信じてる、だから信じてね、という感覚ですか?

May’n はい。「信じてついてきてね」という気持ちでいっぱいです。

Interview&Text By 清水耕司(セブンデイズウォー)


●リリース情報
TVアニメ『タブー・タトゥー』OPテーマ
「Belief」May’n
8月24日発売
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【CD+DVD】
価格:¥1,800+税

【CD】
価格:¥1,200+税

<CD>
1.Belief
2.Stay Alive
3.Belief(Instrumental)
4.Stay Alive(Instrumental)

<DVD>
・「Belief」ミュージックビデオ
・ノンテロップオープニング映像
・商品告知スポット

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