1stアルバム『Welcome!』リリース記念 Fuki Commune始動インタビュー!実力派HR/HMシンガーがアニソンに“参入”した理由とは?

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これまでLIGHT BRINGERやUnlucky Morpheusなどのバンドで、ハイトーンを響かせ類まれな実力を示してきた女性ハードロック/ヘヴィメタルシンガーのFukiが、ソロプロジェクトとしてFuki Communeを始動させ、このたび1stアルバム「Welcome!」をリリース。そこにはアニメ『怪盗ジョーカー』主題歌も収録されており、彼女のアニソンシンガーとしての向き合い方もファンには気になるところだろう。彼女のキャリアと照らしあわせつつ率直に質問を向けてみたところ、アニソンとそのシーンについて幅広い見識を伺うことができた。存分に実力を見せつつ、新たな道を歩むFukiという存在をアニソンファンはこの機会にぜひとも心に刻んでほしい。もちろん、HR/HMファンにとっても必聴のアルバム『Welcome!』のリリースインタビューをお届けする。

 

BABYMETAL 神バンドなど実力派のメタルミュージシャンが結集した豪華ソロ・プロジェクトが始動

――Fukiさんは主にLIGHT BRINGERやのボーカリストとしてのキャリアを重ねて来られましたので、ハードロック/ヘヴィメタルシンガーとしてご覧になっているリスナーの方は多いと思います。先ごろはソロ名義でアニメ『テラフォーマーズ リベンジ』のエンディング主題歌「Strength」を歌われましたが、ご自身ではアニメソングへの“挑戦”をどのように捉えていますか?

Fuki Commune アニメ・ソングというものはヘヴィメタル(以下、メタル)とは違い、曲調に関しては何でもありな枠組みなので、私としてはメタルから飛び出して歌うことによって、自分の表現の幅が広がっていける機会だと思っています。その意味では10年弱メタルの経験を積んできて、また更に新しい他のことをできるというのがこのソロ・プロジェクトの強みだと捉えています。

――今回、Fuki Communeとしてファーストアルバム『Welcome!』をリリースされましたが、Fuki個人名義との意識の違いはありますか?

Fuki Fuki個人名義とFuki Communeとの違いは、説明がちょっと難しいんですよね。今回のアルバムの中にFuki名義の楽曲も含まれていて、正直自分でも区別がついていませんし、同じものだと思ってくださって構わないです。アルバムにはさまざまな作家さんたちが関わり、色々な曲調が詰め込まれているので、今回プロジェクトという形でパッケージングをしました。今後、ソロとして発表したりライブを行なう場合でも、メンバーが変わっても構わないようなフットワークの軽さがこのプロジェクトにはあると思っています。いろんな人といろんなことができるという可能性の広さがソロとしての活動にはあると思っています。

――このアルバムのレコーディングにはメタル界の数々の名プレイヤーが参加されています。簡単にご紹介をしていただけますか?

Fuki はい。まず、ドラムの青山英樹さんはBABYMETALの神バンドで活動されているのでご存じの方も多いと思います。彼とは同世代で共通の友人も何人かいたのですが、これまで一度も共演したことがなく、今回はじめてお願いをしました。青山さんはこのアルバムのサウンドをハードな方向に落ち着かせた最大の功労者だと思います。同世代なのに経験も豊かで、レコーディングに立ち会った時にすごく格好良く、一緒にできたのは光栄でしたしうれしかったです。ベースの長谷川淳さんは去年Sound Horizonに参加させてもらったときにライブで共演して、お人柄もプレイも素晴らしかったので、今回ぜひにとお願いをいたしました。青山さんと長谷川さんは同時にレコーディングをされて、私も立ち会ったのですが、年齢は違えどもお二方とも経験豊富な素晴らしいプレイヤーで、そのコラボレーションを見てすごくワクワクするものがありましたね。ソロのアドリブも格好良かったです。ギターの若井望さんは彼のソロ・プロジェクトであるNozomu Wakai’s DESTINIAで何度もお声がけをしていただき、歌わせていただいておりました。浜田麻里さんのバックでも弾かれていますし、普段の服装からして彼のCDジャケットのままで、ハードロックの血が流れているような方です。榊原ゆいさんのバックでも弾かれているので、アニメやゲームにも親和性の高く、今回のプロジェクトに編曲を含めて手伝っていただくには、まさにピッタリな方でした。もうひとりのギタリストであるISAOさんは、青山さんと同じくBABYMETALに参加をされていて一番メロディック・スピード・メタル色が強い方です。収録曲の中では「Sail on my love」で弾いていただいて、まだお会いしたことがないのですが、ライブではISAOさんにメインで弾いていただくことになっています。若井さんとまた違ったタイプの方ですので、ギタリストの違いによってライブではいろいろと面白い部分が出てくるかなと思います。

――そしてメイン・ソングライターであり、キーボーディストのMaoさんはLIGHT BRINGERからの長いお付き合いの方ですね。

Fuki はい。私の癖をよく分かっているし良いところを出してくれるメロディの作り方も熟知しているので、信頼感もあるし安心して任せることができます。今回、キーボードソロも多く非常に格好よく仕上がっています。

――Fukiさんのメタルシンガーとしてのきっかけは中学生の頃のX JAPANだったそうですから、メロディの良さを非常に大切にされているんですね。

Fuki そうですね。メタルに出会う前はJ-POPで育ちました。特に女性の声が高いシンガーが人気だった頃で、広瀬香美さん、globe、SPEED、華原朋美さんといった方たちの歌を聴いて育ったので、格好いいサウンドに美しい歌メロが合わさる楽曲にすごく惹かれますね。Maoくんはそのあたりを心得ているタイプの作曲家なので、すごくバリエーション豊かな良い曲ばかり書いてくれました。

――アルバムはいつごろから作り始めましたか?

Fuki 私のソロ・アーティストとしての構想は2015年に入ってからでした。最初からMaoくんに楽曲を書いてもらおうと思っていたので、いくつかストックしてもらっていたんです。そのなかのひとつが「月が満ちる前に」の原型でした。

――MaoさんはLIGHT BRINGERでも楽曲を書かれていましたが、ソロとしてのFukiさんのカラーを出すためにはどのようなオーダーをされましたか?

Fuki Maoくんはすごく器用で、良い意味での職業作曲家です。今までLIGHT BRINGERでMaoくんが作っていた曲もそうですが、彼は歌謡のメロディの方が得意なタイプで、今回もすごく柔軟に対応してくれましたので、わざわざLIGHT BRINGERとの違いを意識する必要はなかったんじゃないかなと思います。今回、Maoくんが書いてくれた曲達はMaoくんの中にあって作りたかった曲調というものが色濃く出ている気がします。付き合いが長いぶん、道が見えているというか完成形が容易に想像できるので、その意味でも安心感がありますね。

――リードトラックの「月が満ちる前に」は『イケメン革命◆アリスと恋の魔法』という女性向けのゲームの主題歌ですが、どのような方向性でとお願いされましたか?

Fuki 女性が主人公の恋愛ゲームなので、そこでゴリゴリのハイトーン・メタルでというよりは、私が可愛らしく歌えるような曲ということを意識してもらいました。Maoくんにもゲームの資料を見てもらいました。そしてデモが出来上がった時点でこの曲はこのくらいの声色で歌おうというプランが浮かんできましたし、ゲームの世界観にマッチすると直感的にも分かって、すんなり決まった感じですね。

――Fukiさんはこれまでもたくさんの楽曲で作詞をされていますが、今回の曲はどのように?

Fuki 今まで自分が作詞をするときは、自分の体験談ではなくフィクションを歌詞の題材にしてきたんです。なので、今回は原作のゲームというモチーフがあったので、すごく書きやすかったです。私は歌詞を書くときにまず、「この曲を歌っている人は女なのか男なのか」と、曲の性別を最初に決めるんです。この曲の場合は、女性が主人公の恋愛ゲームなので歌っているのは女性。そしてこの子はどういう語尾で歌うのかといったような、性格付けを考えます。あとは頂いた資料を見ながら、“月”というワードを入れようとか、大元になった「不思議の国のアリス」の童話を髣髴とさせるワードを入れていったという感じです。

――歌うときの表現で気をつけた部分はありますか?

Fuki これも曲調に引っ張られるというか、あまり迷うことはありませんでしたね。デモの段階からこの曲ならばこの歌い方がハマるに違いないというイメージがあったので、レコーディングでもそれが上手くマッチしたことがほとんどでした。たぶん、歌詞を書いている時点で歌い方の想定があったのでその通りに歌うことが正解だったのだと感じます。

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