満開の笑顔と、伸びやかな七色の歌声が彩ったステージ。“Machico Fantastic★Tour 2016”東京公演レポート

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2月27日、Machicoのライブツアー“Machico Fantastic★Tour 2016”の東京公演が東京キネマ倶楽部にて開催。フロアとの距離が近いうえに2階部分を持つという特殊な会場で、彼女は笑顔の花をいっぱいに咲かせながら満員の観客に歌声を届けていった。

まずはミュージックに乗せて登場したダンサーふたりのパフォーマンスからスタート。しばらくするとそこにMachicoが加わり、3人でダンスパフォーマンスを繰り広げ、そのまま突入した自作詞曲「ミライロケット」からこの日のライブはスタート。いきなりのオリジナル曲に早速フロアは大熱狂に包まれ、特に前方スペースの密度はとんでもないことになっていた。そんな観客を前に、笑顔とともに伸びやかな歌声を響かせるMachico。同じくオリジナル曲である「青春オーバードライブ」を続けると、頭サビ後にダンサーが降壇。Machicoひとりのステージになったのをきっかけに、笑顔とともに上手下手それぞれ両端のファンのもとへ向かう。その一方で、今日初のカバー曲「恋しさと切なさと心強さと」の頭サビ明けの間奏では、曲に入り込んでいくかのようなオトナな表情も垣間見えた。

3曲を一気に歌いきったMachicoは、ここに集ったファンへの感謝の言葉を述べてから再びダンサーを従えてデビュー曲「Magical Happy Show!」を披露。ここまで続いたアガるナンバーとは少々テンション感の違うキュートなミドルナンバーで、彼女の魅力のひとつである甘さを含んだハイトーンボイスが映える1曲だ。また、間奏ではエアギターを披露したかと思えば、ダンサーと編隊を組んでのパフォーマンスも見せてくれる。ファンの側も、曲に散りばめられたコール部への対応は完璧だった。

すると今度はハイスピードな曲「ハナマル☆センセイション」を繰り出し、サビの早口も見事に歌いこなすMachico。しかもそれは前曲のキュートさを残しつつでの歌唱であり、サビラスト「ぶっぶっぶー」の振付けもめちゃめちゃかわいい。曲のアッパーさを受けてフロアは、筆者の取材スペースが物理的に揺れるほどに熱狂的な盛り上がりをみせた。かと思えば、「オレンジ」でまたその世界は一変。イントロで逆光を受けながら切なげな表情を見せ、スイッチを再び切り替える。この曲はほぼ振付なしで聴かせるモードで、歌い回しに込められたほのかな切なさの加減で、絶妙な“オレンジ”らしい青春や片想いの甘酸っぱさを表現しきっていた。

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デビュー曲に初レギュラーを、“思い出す”ひと幕

再び1ブロック終え、「Magical Happy Show!」について「私にとっても『Machico』が生まれたときの曲なので、歌わせていただくとデビュー当時を思い出して懐かしい気持ちにもなりますし、自分にとってもすごく大切な曲です。この4年間いろんなことを経験させていただいたな、と初心に戻れる1曲です」と語り、「デビュー曲をこんなたくさんの人に聴いていただけるっていうのは、やっぱりライブならではなのかな、と思えてうれしいです」と続け、この場所に立てていることのうれしさと感謝を重ねて表す。

そして話題は自身の声優としての初レギュラー作『聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>』へ。同作中でソフィア・メルテザッカー役を演じた彼女は、自らの声質もあってパワーファイター役を“挑戦”ととらえていたようで、「アメリカの支社の子なので、海外ドラマを観て海外の方の行動パターンを勉強したり、カタカナ英語の発音もアフレコ前に絶対確認してから臨みました」と、この役に体当たりしていったエピソードを語る。それを導入として、そのソフィアのキャラソン「GREAT SOUL」を歌うことを告げると、フロアからは再び大歓声が。この曲は、東京キネマ倶楽部ならではの下手に存在する2階ステージに登って歌唱し、2階席のファンに思わぬ接近戦をプレゼントする。そして曲のラストでメインステージへと戻り、今度はさらに穏やかなナンバー「For フルーツバスケット」へ。ウィスパー気味の穏やかな歌声は、気持ちの入れ方や声の締め方が絶妙で、とにかく聴き手の心を震わせてくる。その情感は、1コーラス目がアコースティックにアレンジされた次曲「君の神話~アクエリオン第二章」にも繋がる。大事に歌い上げつつサウンドとともに2コーラス目から徐々にギアを上げ、大サビでは彼女ならではのパワフルなボーカルが炸裂。さらに間奏ではダンサーに挟まれ円形カーテンに包まれた彼女、次の瞬間には別の衣装に!わずかな時間での早替えイリュージョン、大成功だ。

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そのうれしさからか、曲明けのMCで声のボリュームが大きくなるMachico。曲前の心持ちを「もうね、すっごくドキドキすんだぁ!」と率直に語ってひと笑い起こしたところで、そのイリュージョンもサポートしてくれた、「レッスン・本番でだいぶ助けられた」と語るダンサーの紹介。ダンサーとともに回るツアーは今回が初ということもあり、「今まで歌ったことがある曲でも、ダンサーさんと一緒にダンスをするとまた違う世界観で同じ曲でも皆さんにお届けできるので、私もすごくワクワクしながらできました!」とも語っていた。

さて、ライブはいよいよここから後半戦に突入。「始まるとみんなの笑顔であっという間に感じる」という彼女、「体力は残ってますか?」と再びオーディエンスを煽るとそれにふさわしいナンバーだらけのラストスパートに突入する。「Catch You Catch Me」を終始笑顔で、時折フロアへいたずらっぽい目線を飛ばしたかと思えば、「ハッピー☆マテリアル」では歌詞をなぞるようなストーリーのある振付を披露。さらに「over the future」へと雪崩れ込んだところで、会場のボルテージの高まりは完全にストップ不可に。サビ明けのコール部も、楽曲に合わせての大盛り上がりだ。Machico自身もそれを自ら先導するかのように腕を振り上げており、その表情は、やはり楽しさMAXなものであった。

そのボルテージを引き継ぎつつも、Machicoの表情と歌声に凛々しさが宿ったのが「No buts!」。全体としては力強く歌い上げつつ、落ちサビに儚さがわずかに垣間見えるのも、Machico色の「No buts!」における巧いメリハリである。さらにそこにすごみさえプラスして「thread a needle」を歌うと、いよいよ場内にはクライマックス感が高まってきた。

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止まらぬ向上心とともに歌うは、自分の夢がかなった“あの”曲

この怒涛の5曲連続のゾーンを、全力で駆け抜けたMachico。MCで、この日のライブを前に事務所の同期をはじめたくさんの人からもらったメッセージについて触れると、「応援されるっていうことはとってもうれしいことだなぁって、改めて思いました」とそのありがたみを噛み締める。そして「常にレベルアップした姿をみんなに見せたいですし、ライブを通じてみんなと一緒に楽しい時間を過ごして、笑顔を見られるのが本当に幸せです」との言葉とともに、深く一礼。

そののちに迎えたのは、本編ラスト曲。彼女が“アニメの主題歌をうたう”という夢をかなえた1曲「fantastic dreamer」だ。「作品を通じてこの曲を聴いてもらえるのもうれしい」と語っていた彼女は、自分の念願かなった曲でこの日いちばんの笑顔を見せる。しかも畳み掛けるような終盤のアッパーチューンの応酬にも負けず、歌声に疲れが見えない点にはうならさせられる。ラスサビで眼前に広がる、ファンの作り上げた現実の眩い光のファンファーレを目にした彼女の笑顔は、よりひとしおなもののように感じられた。

この歌声には、“期待したくなるでしょ?”

鳴り止まぬアンコールの声に応え、「ラブ★スト」のイントロとともに2階ステージに再登場したMachico。本編同様、このアンコールも自作詞の楽曲からのスタートだ。そしてこの曲は彼女念願のタオル曲に。白黒赤3色のツアータオルを中心に、色とりどりのタオルがフロアを埋め尽くすさまを目にした彼女は、曲明けには「自作詞曲で盛り上がってもらえることもうれしい」と語っていた。

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さて、ツアーもいよいよあと1曲を残すのみ。今回のツアーが前回から1年弱で実現したことへの喜びを語り、「昔は、出させていただいたいろんなイベントでのほかのアーティストさんのステージをたくさん観させていただいていて、そのたびに私は『もっと歌いたい!』という気持ちが募っていました」と再度デビューの頃を思い出す。そして、「皆さんがここに集まってくれてライブできているのは、皆さんの応援あってこそ。本当にありがとうございます」と改めて一礼し、「これからも、いろんな歌や声を届けていきたいです」と意気込みを語りつつも、どこか名残惜しそうにこの瞬間を噛み締めるような姿が、ステージ上にはあった。

その想いが見事に噛み合ったのが、正真正銘このツアーのラストナンバーとなった「一緒に帰ろう」。穏やかな曲調のなかに微笑みをたたえながら、優しい歌声を会場中に届ける彼女。ラストを飾るにふさわしいしっとりとしたこのナンバーで、誰もが「もっとMachicoの歌を聴きたい!」と思ったに違いない。

そんなファンへ、曲明けにビッグサプライズ。なんと今年6月に、3rdアルバムを発売することを発表!しかも自身初となる全曲オリジナル曲によるアルバムで、前作に引き続き作詞も行うと明言。ファンの喜びの声のなか、自らも「やったー!」と満面の笑みとともに声を上げていた。

会場が多幸感に包まれるなか、最後に彼女恒例の挨拶「サラバダ!」をファンと唱和。“Machico Fantastic★Tour 2016”は、ここに幕を下ろした。

カバー曲を自分色に染めて歌い上げられるのみならず、今や自分色のオリジナル曲で次々と人々を魅了していっているMachico。それをCD等のパッケージされたものだけではなく、生の歌声やパフォーマンスでより濃密なものとして届けられるというのが、ほかならぬ彼女の強みである。6月発売予定のオリジナル・アルバムで、今度はどんなMachico色を見せてくれるのか。また、今後パフォーマンスがどこまで磨き上げられていくのか――この日の彼女のステージングを観た者は、間違いなくそのどちらにも思わず期待したくなったはずだ。

TEXT BY 須永兼次

“Machico Fantastic★Tour 2016”
2016.02.27@東京キネマ倶楽部
【SET LIST】
M01. ミライロケット
M02. 青春オーバードライブ
M03. 恋しさと切なさと心強さと
<MC>
M04. Magical Happy Show!
M05. ハナマル☆センセイション
M06. オレンジ
<MC>
M07. GREAT SOUL
M08. For フルーツバスケット
M09. 君の神話~アクエリオン第二章
<MC>
M10. Catch You Catch Me
M11. ハッピー☆マテリアル
M12. over the future
M13. No buts!
M14. thread a needle
<MC>
M15. fantastic dreamer
【Encore】
EN1. ラブ★スト
<MC>
EN2. 一緒に帰ろう 

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