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REPORT

2016.01.22

10年に一度の“ロックイヤー”へ、準備はOK! meg rock [ jet setter, jet lag tours ♥ tartans’ turn ] ep.2 / attack of the tartans レポート!

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2015年12月26日、meg rock[ jet setter, jet lag tours ♥ tartans’ turn ] ep.2 / attack of the tartans が、渋谷WWWにて開催された。彼女恒例の年末ライヴだが、今回は昨年に引き続き、彼女お気に入りのモチーフである、タータンチェックをフィーチャーしたシリーズの第2章。キラーチューンはもちろん、2015年の彼女の活動も反映した盛りだくさんのライヴとなった。

名曲の裏の秘話も明かされ、いきなり会場は興奮のるつぼに!

メグロッカー(=meg rockのファン総称)が開演を待ちわびるなか定刻となり、客入れBGMも消え……が、ここで突然流れ出したのは「春の海」。そして湧き上がる拍手と歓声。実は彼女、前日にTwitterで「開演押したらお琴タイム」とつぶやいており、それを昨日の今日で実現させてくれたのだった。

と、そんな時間も実に束の間。いつものように20世紀FOXのファンファーレ、そしてダース・ベイダーのテーマに続いてバンドメンバーが、そしてmeg rockがステージに登場。

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まずはアッパーチューン2曲で会場の空気を作る。客入れBGMで少々穏やかになっていたオーディエンスのテンションを引き上げるべく、「レジへGO!」では場内一体となってのコール&レスポンスはもちろん、自身もまんべんなく場内各所に身体と視線を向ける。続く「6cm」でもイントロでマレットを手に飛び跳ねながらポンポンと太鼓を叩き、場内をどんどんアツくしていった。

最初のMCでは、彼女恒例のエネルギー補給タイム“おむすびタイム”が、同年開催されたメロキュアのワンマン・ライヴで好評だった“ケーキタイム”へとリニューアル。全力で冒頭2曲を届けた彼女、汗だくになりながらもまずはここでエネルギーチャージ。実は彼女、登場時からコートを着用していたのだが、「『脱ぐのはここ!』って決めてるところがある」と汗を拭きつつ次曲「君のこと」へ。ここからはキュートさ強めの楽曲へ。この曲のサビでメグロッカーからエールを受け取ったところで、そこにアガる要素の加わった「ベビーローテンション」へと続く。マレットを手にして思いっきり跳ねる彼女の姿にすっかりやられちゃってるオーディエンスは、もちろん2サビ直前のあのポイントで「め・ぐ!」と大合唱。思わずmeg rockの表情からも、笑みがこぼれる。

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あまりのアツさにコートのフード周りのファーを離脱させ爽やかな風を感じながら、あまりに濃密だった今年の夏を振り返っていくmeg rock。昨年末のライヴで公言されたメロキュアのアルバム発売や初ワンマン・ライヴを振り返ると、“相棒カヴァー”として「笑顔の連鎖」を披露。岡崎律子が堀江由衣に提供し、前述のアルバムにも日向めぐみ名義でのカヴァーが収録されたこの曲、バッキバキにかっこいいバンドアレンジにはなっているが、岡崎のコーラスに乗せての生歌はまたたまらない。と、ここでいよいよコートを脱いでギアチェンジし、「笑顔の理由」へ。のちのMCで「いつか続けて歌いたかった」と、「冒頭のリリックにリンクさせた部分がある」と語ったこの曲でそれを明示するのは、極めて自然なことだろう。その合図通り、お立ち台に足をかけての完全なる“ロック”モード。この日初めてとなる、間奏での「Hi! Hi!」の掛け声もフロアからは飛び出した。そのうえ「incl.」までも繰り出されたら、フロアはもう踊るしかないだろう。全然違うテイストのキラーチューンを続けて繰り出したこのブロックは、彼女の持つ音楽性の多様さを感じられるパートでもあった。

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そしてここからは、こちらも年末ワンマン恒例・セルフカヴァーメドレー。早口な部分などもあり、歌唱を前にした彼女からは若干緊張の色も垣間見える。しかしいざこの怒涛のメドレーがスタートすると、珠玉の楽曲たちはこの日だけのmeg rockカラーに早変わり。リリックのテイストも相まって、“彼女らしい曲”へとたちまち変貌していくのである。その中の後半3曲は『〈物語〉シリーズ』にまつわる楽曲。この日のためにサビの追っかけコーラスを収録したという「mathemagics」で気合の入りっぷりを示すと、「恋愛サーキュレーション」ではスタッフの手にしたスケッチブックの“めくり”でオーディエンスとコール&レスポンス。そこはさすがのメグロッカー。練習なしで完全に1サビの掛け合いを揃えてみせる。そして今年はこの曲でフロアを半々に分割し、恒例の“meg rock合唱団”を結成。ラッパー調のノリノリのフリ付きで、2コーラス目の「瞬間」「実感」をそれぞれ担当し、その後の「略して? ちりつもやまとなでこ!」で全員合流する、というパート割を伝達する。それを踏まえて、練習時にはGt.山本陽介が弦を擦る音でスクラッチ音を出し雰囲気も充分高まり、本番でも見事大成功!

メロキュアイヤーだからこその“ふたりのせかい”が、今。

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曲明けのMCでこの曲に向かうまでの覚悟を語るmeg rock、気づけば立ち位置は少々下手寄りに。となれば、お次はメロキュアコーナーである。まさしく“メロキュアイヤー”にほかならなかった2015年の年の瀬のライヴらしく、今回はその曲数も少々多め。まず1曲目の「ALL IN ALL」の意外さから、曲名と同時にフロアからは「おぉー」というどよめきも上がる。今までなかなか披露に至らなかったこの曲だが、歌詞を改めて味わうと“今のメロキュア”ともリンクして、この1年を総括するようで、これもまた素敵な巡り合わせである。リーダー・岡崎とともにハーモニーを奏でるコーラスもまた美しく、フロアのファンもじっと聴き入っていた。

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続く「めぐり逢い」でも、サウンドこそアッパーなものの、サビのハーモニーや間奏のスキャットなどでナイスコンビネーションを見せ、“ふたりのステージ”を展開。そこから「ふたりのせかい」へと繋がる流れは、もうファン鳥肌モノの展開だ。ロック色の強いアレンジとなったこの曲では自然とフロアからクラップが巻き起こり、その勢いを受けてのジャンピングエンドでこの日のメロキュアコーナーはフィニッシュ。

再び“ケーキタイム”を挟み、後半戦に突入するこの日のライヴ。ここで、ライヴ前日に音源が配信された「twinkle, sparkle」を歌唱。かねてからライヴでは披露されてきたこの曲、音源化はもちろんのことAメロでお立ち台に座りファンの眼前で歌うさまは、ちょっと遅いクリスマスプレゼントのようだった。

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そのまま突入した鉄板曲「clover」では、楽曲自体もさることながら、サビ部分でステージがグリーンの灯りに照らされるというニクい演出もフロアを湧かせる。

そしてここからが終盤へ向けてのラストスパート。アッパーチューン「star」に続き、「まだまだほとばしれますかー!?」との彼女の呼びかけから、「play loud」ではタイトル通りの大盛り上がり。お立ち台の上からオーディエンスを煽るなどして会場の空気を高め続け、後奏ではそのお立ち台上で自ら踊り、その空気を爆発させる。そのテンションのまま突入したのが、本編ラストナンバー「この左手は君のもの」。メグロッカーとの掛け合いでの曲紹介でスタートしたこの曲、サビのラストフレーズでフロアに向けた左手をパーッとさらうフリが、歌詞とも見事にリンク。最高潮の盛り上がりのまま、本編は幕を下ろした。

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興奮冷めやらぬ会場からは、自然とクラップが湧き上がる。その期待に応えて再登場したmeg rock、チケット半券の整理番号を利用したプレゼント抽選会や、来年の抱負などをひと言ずつ語ってもらいながらのバンドメンバー呼び込み、さらにはメグロッカーをバックにした記念撮影が行われ、エクストラ感が漂う。

そんななかで、「今年はメロキュアイヤーだったということで、もう1曲」と切り出すと、歌唱前に「来年も“melodic hard tour”やりたい!」とさらなる活動への意欲を見せる。その実現も祈念しつつ、「とてもいろいろな場所で、今年歌うことができた曲。1年の締めくくりにどこにいたって聞こえるようにこの曲を歌いたいと思います」との言葉とともに、名曲「Agapē」を披露。今年のみならず来年への、未来への橋渡しとしての披露に、会場の誰もが大事に大事に最後までじっと聴き入っていた。

誰もが実現を望む、2016年の“野望”

曲明けのMCでは、「2016年は10年に一度の“ロック”イヤー!」ということで、ミニ・アルバムのリリースを発表!「“大好きな曲数”で、“ロック”ヶ月中に!」との発表に湧き立つオーディエンス。加えて「リリースしたあかつきには、夏頃にライヴもしたい」とさらなる活動に意欲を見せる。しかも、「もちろん、年末のライヴもやります」とのうれしい言葉も。どうやら2016年は、今年以上にアツい“ロックイヤー”になりそうだ。

そんなMCから続けて歌われたのが、ミニ・アルバムの“先行シングル”としてちょうど1年前に先行配信されていた「heart」

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ポップながらもアッパーなこの曲でもうひと盛り上がりしたところで、2015年を締めくくるべく歌われたのは、こちらもラスト曲として定番となった「slight fever」。曲頭のコーラスをオーディエンスとともに大合唱したところから、曲に入るとmeg rockのエモさが止まらない。

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そのうえそれに巻き込まれたこの会場の誰も彼も、いい意味で微熱にうかされたようにほとばしっている。思えば楽しいことてんこ盛りだった彼女の2015年。それを締めくくるには、やはり最後の最後まで楽しみつくさなくては!――そんな想いのあふれるパフォーマンスだった。しかも“楽しさ”をひとつもすくい逃すことがないように、後奏ではイヤモニを片方だけ浮かせてオーディエンスの声を直接、耳に脳に届けていた。

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曲が終わり、最前とは直接、後方のオーディエンスとは「せーの、ハイッ!」とエアハイタッチを交わし、最後の最後までファンとの心のつながりを忘れない。「来年もどうぞ meg rock にご期待ください!にせんじゅうろっく年も、よろっくしくお願いします!」の言葉と“ハートマークと投げキッス”とともに、彼女の2015年のステージは幕を下ろしたのだった。

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最後の最後に彼女が語っていたように、まさしく2015年の“ほとばしり納め”にふさわしいライヴだったように思う。もちろん定番曲は押さえながらも、一年間の活動と連動した久々に披露する楽曲や楽曲同士の繋がりの種明かしなど、ヴァリエーションに富みつつ実に濃いものとなっていた。

来る2016年は、10年に一度の“ロックイヤー”。この日のライヴではそれに合わせるかのように様々な活動の展望が語られ、そこへの期待を高めるようなパフォーマンスが数々飛び出した。「まだ具体的な日程は決まっていない」と語られてこそいたものの、思い返せば前年にメロキュアのニュー・アルバム発売を発表したときも、同様だった。だから、2016年はこの日の野望が次々と実現していく、夢の1年になっていくに違いない。そしてそれが結実するのが、MCで彼女が「人生をかけて行うツアー」と語った“jet setter, jet lag tours”の次回公演なのだろう。濃い“ロックイヤー”と、それが凝縮された濃厚な2016のライヴに、期待せずにはいられない!

Text by 須永兼次

meg rock [ jet setter, jet lag tours ♥ tartans’ turn ] ep.2 / attack of the tartans
2015.12.26@渋谷WWW

【set list】
01. レジへGO!
02. 6cm
03. 君のこと
04. ベビーローテンション
05. 笑顔の連鎖
06. 笑顔の理由
07. incl.
08. [セルフカヴァーメドレー]
  vanilla sky(綾野ましろ)
  make a wish ♡(中川翔子)
  サマーヌード・アドレセンス(夢みるアドレセンス)
  mathemagics(老倉育(CV:井上麻里奈))
  border(ClariS)
  恋愛サーキュレーション(千石撫子(CV:花澤香菜))
09. ALL IN ALL
10. めぐり逢い
11. ふたりのせかい [メロキュア meets 川口圭太]
12. twinkle, sparkle
13. clover
14. star
15. play loud
16. この左手は君のもの

<encore>
01. Agapē
02. heart
03. slight fever

【新曲情報】
meg rock “twinkle, sparkle” 配信限定リリース!

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iTunes (Mastered for iTunes 版)

e-onkyo (ハイレゾ版)

mora (ハイレゾ版)

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