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REPORT

2015.12.29

“君の記憶に居させて”ひつじ年を送る熱い夜<TRUSTRICK LIVE PROUD 2015 “Good Bye Stray Sheep”>レポート

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12月8日に<TRUSTRICK LIVE PROUD 2015“Good Bye Stray Sheep”>がZepp DiverCityにて行なわれた。今回はその様子をレポートする。

濃密な“ひつじ年”を振り返るマイルストーン的なイベント

2014年6月に1stアルバム『Eternity』をリリースしてデビューを飾ったTRUSTRICK。一年半の間にTVアニメ『銃皇無尽のファフニール』『俺物語』のOPテーマを手がけ、リリース面ではシングル2枚、E.P.1枚、配信シングル2曲、さらに2ndアルバム『TRUST』と精力的に活動してきた。またライブツアーを2回開催、今年の夏にはコンセプチュアルなプレミアムライブふたつに加えて“アニサマ”への出演を果たすなど、着実に前進を続けてきた彼らにとって、今回のライブはまさに激動の1年半の総決算。新旧楽曲を織り交ぜたセットリストで、年末ということもあって濃密な“ひつじ年”を振り返るマイルストーン的なイベントとなった。

会場内は外の温度から一転、暑いくらいの熱気に包まれ、舞台にはライブタイトルにちなんで羊の意匠と大小の様々なミラーボールがセットされていた。

バンドメンバーの集合と共に、ギターのBillyとボーカルの神田沙也加が登場! 逆光に包まれる中で頭サビを歌い、「ハロー、Zepp DiverCity TOKYO!最高に盛り上がって行きましょう! <Ray of Light>!」と1曲目の曲名をコールしてライブがスタートした。この日、沙也加は白くゆったりしたモコモコのガウンにワンピース、Billyは同じくモコモコのジャケットにハーフパンツという部屋着感溢れる衣装で登場。観客もスタンディングとハンドクラップで爽やかなロックナンバーに応える。

間髪入れず2曲目はミニアルバム『未来形Answer E.P.』からダンサブルな「highness」。のびやかなボーカルにノリノリな曲調、絡みつくように入ってくるギターが印象的だ。4つ打ちのリズムそのままに、1stアルバム『Eternity』からキュートなEDMポップ「Jealousy Jelly」へ! 会場の全員で手拍子して楽しんでいく。

モコモコのスタンドマイクを構えて歌うのは同じく4つ打ちの幻想的な「Kaleidoscope」。ここまで、初期曲から新しい曲まで混ぜこぜながらリズムを一定させてノせてくるライブは夏に行なわれた攻めのライブ“Garnet”を思い起こさせた。

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MCでは7月の“Iolite”以来のライブということで意気込みを話しつつも「楽しみすぎてご覧のとおりパジャマパーティになっちゃいました」と沙也加。ライブタイトルに触れて「迷える羊のような新人時代の1年目が終わるという戒め」と「未年さようなら」と今回のライブを定義づける。

ここからは座りながら聞けるゆったりした楽曲が続く。メロウなイントロからテクニカルな変拍子の展開が楽しい「Escape」、シンガーとしての神田沙也加の真骨頂なミドルバラードに哀愁あるギターソロが絡む「as one」。続くピアノとギターのバラード「snow me」ではセピアの光でほんのり明るく照らす照明効果と共にしっとりと歌い込み、曲の終わりには万雷の拍手が会場を埋めた。そして英語詞バージョンから始まった「ATLAS」では、イントロの郷愁を誘うフルートのような音色とドラマチックなサビが印象的な楽曲を沙也加が歌い上げ、最後に深々とお辞儀をしてこのセクションを締めた。

「今回のライブはニコニコ動画のほうで生中継されております!」とここでのMCではカメラに向かって挨拶。続くセクションでは「ちゃんと曲調によって空気出すから立ったり座ったりしていいからね!」と気づかいながら、「気持ちよく揺れながら一緒に歌って楽しんでほしい!」としゃれたシャッフルリズムで送る「キャミソール」を披露。軽快なこの曲で、沙也加はガウンを脱いでノースリーブの白いワンピース姿を披露した。

次曲「If -君が行くセカイ-」では“姫”こと神田沙也加の無言の「立って」サインを見逃さずに会場中スタンディングと手拍子で応え、80年代ポップスのような音色の4つ打ちの「kissing」ではサビのラストを皆で合唱、そしてストレートに盛り上がるロックナンバー「wonder」では「ハイ!ハイ!」と息を合わせてコールして、バラードで一旦落ち着いた場を徐々にヒートアップさせていく。

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ここまでは1stアルバムから2ndアルバムまで、この1年半を振り返るようなセットリストだったが、ここからは来年1月に発売する『beloved E.P.』から新曲を披露。

「初期に戻ったようなバラード」とTRUSTRICKらしさ、Jポップらしさを推し出した「beloved」は、Billyが「TRUSTRICK史上いちばん切ない楽曲」と語り、沙也加は「ありそうでなかったド直球な恋愛の楽曲。「未来形Answer」などともまた違ったビターな恋の曲」と語るとおり、ドラマチックな展開と覚えやすいメロディが特徴的。力強いボーカルと切ないギターが絡み合うラスサビの構成は見事! そして新譜からもう一曲、「from where to where -ため息の理由-」は明るくノリのいいロックナンバー。Billyの情感たっぷりのギターがたまらない! 1月のE.P.への期待が高まる2曲だった。

本編ラストの曲はTVアニメ『俺物語』OPテーマの「未来形Answer」。みんなで楽しめて希望に満ちた曲調のこの楽曲はライブのラストにピッタリ。いくつかのライブを経て、TRUSTRICKにとってもあらたな看板曲として定着したことを感じさせるステージだった。

全国五都市を回るリリース記念イベントツアー決定!

アンコールは“グッズフル装備”で登場。TRUSTRICKライブではお馴染みのメンバー・プロデュースによるナイスデザインなグッズの数々だが、今回沙也加はスタッフもお気に入りというパーカー、ライトパープルのTシャツ、そしてかわいいタイツのフル装備で登場。Billyもネイビーのパーカーにタオルを合わせて登場した。

ここではBillyが頑張っておしゃべりするターンに。喋りがあまり得意でない彼のトークと姫のいじりはライブの恒例だが、今回はBillyが意を決して重大告知をする……と思いきや、姫のダメ出しでやり直しに。今まで地方での単発的なファンとの交流は行なわれていたが、今回リリースイベントとして正式に各地を回ることを宣言! “TRUSTRICK beloved TRUSTRIP”と題して、名古屋、大阪、福岡、東京、仙台と全国五都市を回るリリース記念イベントツアーを発表。地方ファンにはうれしい知らせを、「詳しくは公式HPをチェック!」とだけBillyが引き継いで会場中の笑いを誘った。

アンコール1曲目は沙也加が江ノ島盾子役で映像出演したステージ「スーパーダンガンロンパ2」のテーマソング「Good Bye School Dayz -theme of SUPER DANGANRONPA 2 THE STAGE-(Re:GENERATION Version)」。『beloved E.P.』に収録される特別バージョンだが、ここでなんとゲーム『ダンガンロンパ』シリーズからモノクマとモノミが登場! 舞台背景の羊とも合う“白黒”の照明のなか、ダークなサウンドながらサビは希望に溢れる楽曲を歌い上げた。

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最後は「今日が皆さんにとって素敵な思い出になれますように、1年をここで終われて新しい年を迎えられますように、暖かくいこうぜ!」という口上と共に「Sunny Day」を披露。ハッピーな曲調のこの曲で、皆でハンドクラップをしてひとつになり、アンコールを締めた。

ダブルアンコールは、沙也加の歌いだしから始まるライブ定番のアンセム「FLYING FAFNIR」から。ここでふたりはなんと“アニサマ”出演時の衣装でバッチリ決めて登場! BSでのライブ映像放送も記憶に新しいところなので、「あっ、あの衣装だ!」と思ったファンも多いことだろう。巨大な旗を掲げてあのステージを再現し、会場のテンションを上げていく。

ここでふたりは改めてファンに向けて最後の挨拶をする。まずは“アニサマ”衣装のサプライズについて「あの一日のために作った衣装だけど、もう一回自分のライブで着たいと思って持ってきました!」と語り、沙也加は「今日は緊張しないで楽しくやれたし、2015年の締めくくりをできたと思います。また再会できるのを楽しみにしています、まずはミーティングイベントでお会いしましょう!」と感慨を語る。そしてBillyも「今年はまさかラジオ(パーソナリティ)までやらせていただけるとはとビックリしました。ライブや作品を通して皆さんとお会いできる機会があったのはすごくうれしいことだし、これからも皆さんの生活の一部にTRUSTRICKがあれば幸いです。本当にありがとうございました」としっかりしたコメントを残して会場をどよめかせ、沙也加も「2016年もどうせBillyは神曲書いてくると思うからみんなも楽しみにしててね!」と混ぜっ返しながら期待を煽った。

ライブの大トリとなったのは「Proud」。この作品は「(7月のライブを収録した)初めての映像作品<Iolite>のテーマソングとして作った曲でありながら、今回の“LIVE PROUD 2015”にも照準を合わせて、2015年を締めくくれるようにここで初披露して完結する曲」と沙也加が話したとおり、ライブとファンに対する沙也加の想いが赤裸々なまでに歌詞に綴られたバラード。一言一句噛みしめるように歌われたメッセージは、会場中はもとより、動画配信を観ていた人も含めて、すべてのファンの胸に刺さったことだろう。

「ジャケットから何から納得の行く出来栄え」と太鼓判を押す『beloved E.P.』を皮切りに、2016年も新しいことに挑戦していく決意を表明したTRUSTRICK。楽曲もさることながら、彼女たちのライブワークもぜひ一度観てみてほしい。

TEXT BY 大用尚宏(クリエンタ)


●リリース情報
2nd E.P.『beloved E.P.』

1月27日発売
【Type-A(CD+DVD)】
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品番:COZP-1134~5
価格:¥1,852+税

【Type-B(CD)】
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品番:COCP-39414
価格:¥1,574+税

【CD】
beloved
from where to where –ため息の理由-
Water Lily
それが奇跡だと知らない
Good Bye School Dayz –theme of SUPER DANGANRONPA 2 THE STAGE-(Re:GENERATION Version)
beloved (Instrumental) *Type-Aのみ収録
DO YOU WANT TO *Type-Bのみ収録
【DVD】
beloved (Music Video)
beloved (Making Clip)

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