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REPORT

2015.11.12

結成4年目最初の日に、彼女たちは3年間の総括と“その先”を同時に示してくれた。“i☆Ris 3rd Anniversary LIVE ~GALAXY~”ライブレポート!

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11月9日、声優アイドルユニット・i☆Risが、自らのデビュー3周年を記念したライブ“i☆Ris 3rd Anniversary LIVE ~GALAXY~”を開催。この1公演で、この3年で彼女たちが支持を広げた理由を感じられること間違いなしの、圧倒的なパフォーマンスを見せてくれた。

宇宙空間に差し込む、虹色の光が告げる幕開け

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開演前、メンバーカラーの6色の照明がステージを照らす。また、ステージ後方には虹色に輝く星々で彩られた宇宙空間が形作られており、時折袖から炭酸ガスが噴射され、詰めかけた超満員のファンの期待と会場のムードにライブ空間らしさを高める。

と、突如客入れBGMが切れ、照明が落ちる。これに瞬時に反応した観客のペンライトによって、今度は客席に虹色のGALAXYが出来上がる。すると勇ましささえ感じられるオーケストラが流れ出し、メンバーごとのイメージカラーに染まった無数のサーチライトが色鮮やかに豊洲PITを照らす。そしてスクリーンにレーザーによる「ARE YOU READY?」の文字が映し出され、大歓声の中、いよいよ3周年を祝うステージが幕を開ける。

そのスクリーンのすぐ下、階段上のステージ上段の幕が落ちると同時に6人が登場。大歓声に包まれた彼女たちが最初に披露したのは、最新シングル「ブライトファンタジー」。眼前に広がったこの美しすぎる光景にメンバー誰もがうれしさをにじませていたが、中でも久保田未夢は、1コーラス目Aメロでの第一声から、生の喜びのよく伝わる歌声だった。ダンスも全体的に細部まで磨き上げられており、間奏の、首だけをスライドさせるという一見簡単そうだが大変習得の難しいパートも、初披露時より全員レベルUPしているのには脱帽だ。続けて彼女たちのライブ序盤の鉄板曲「幻想曲WONDERLAND」では歌声のみならず、1-Aメロでの澁谷梓希や間奏での若井友希の姿に顕著に表れていたように、顔の表情表現もよりブラッシュアップ。また、間奏で一旦ほぼ暗転してのペアダンスもムードがあって、前曲との良いコントラストを醸し出す。そして、ここでも誰もが驚いただろう。まさか、3曲目でデビュー曲「Color」が来ようとは。筆者も一瞬驚いたが、「幻想曲――」の最後のセリフとして久保田が叫んだ「4年目i☆Ris初めてのライブ、楽しんでいってください!」の言葉からの繋がりから、「常識も壁もぶっ壊して、まだまだ上に行く!」という意思の表れに感じた。曲中での山北早紀と澁谷がペアになるパートで交わす微笑み混じりのアイコンタクトに、早くもグッとくる。そしてこの曲でふと気づく。芹澤 優の動きが、いい意味で普段よりダイナミックなのだ。その後の曲でも注視していたが、やはりキレを持ちながら普段より大きな動き。このステージにかける想いが、自然と発露した結果なのだろう。その様は、間奏で煽りを受け持った茜屋日海夏も同じ。笑顔全開でのステージングに、前述の久保田同様のうれしさの表れを感じられる。もちろんデビュー曲だけに、落ちサビ直前では山北から「3周年本当にありがとねー!」と“これまで”に感謝する言葉も。

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曲明けの自己紹介で、まずはこの日のステージへの意気込みをそれぞれ語る。山北が「GALAXYなので、“さきさまんげつ”になって宇宙に輝けるように頑張ります!」と口火を切れば、芹澤も「Twitterで本番前から“セリコギャラクシー”っていうタグで個人的に盛り上げてたんですが、今日1日最高に盛り上がっていく気満々です!」と続く。そしてターンの回ってきた茜屋、そのうれしさゆえか名乗りが普段以上に元気いっぱい。「豊洲PITにほとばしるみんなの美しい汗を、宇宙に輝く星のように散りばめられるよう頑張ります!」と自身のキャッチフレーズ“汗も滴るいい女”にかけての挨拶だ。続く若井、実はこの日が二十歳になってから初のライブ。「みんなで最高の思い出を作って、素晴らしいスタートを飾りたいと思ってます!」と気合いもひとしおだ。そして、久保田は観客にコールさせる自身の挨拶フレーズ「わんわんおー」を、合図をせずになかなか切らせないというちょっとしたイタズラを敢行。「i☆Ris最多人数でのライブということで過去最大に伸ばしてみました」と理由を説明し「ゴメンねキツかったよねー、よしよしー」とご褒美も忘れない。そして澁谷はツアーファイナルと(ほぼ)同様に「男子ー!女子ー!それ以外ー!全員ー!」と声出しを行ったのち、「その声の大きさ、最後まで保てますか?」とイケボでスタイリッシュに煽り、女性ゾーンからは黄色い歓声がより大きく上がる。

「今回のテーマは“GALAXY”ですから、このあとも皆さんを素敵な星々に連れて行きたいと思います!」と山北が切り出したところで、早速有言実行。タイトルに「☆」のつく曲へのツアーの始まりだ。まず初期の名曲2曲では、とりわけ芹澤のパフォーマンスが光る。「Dream☆Land」の2-Aメロで、階段上でダイナミックな動きで輝く彼女はこの曲のひとつの見どころであったし、「i☆Doloid」での、2-Bメロで振付に合わせての視線を合わせてのファンサービスなど、特に存在感の際立つゾーンだった。もちろんほかのメンバーも負けてはおらず、サビ後半部のしなやかさにおいては茜屋が抜きん出ていたのをはじめ、「幻想曲――」にも通じる表情とチームプレーが光っていた。そしてイントロ一発で大盛り上がりを見せたのが「ミラクル☆パラダイス」。楽曲パワーもさることながら、久保田が1サビ明けに最前の観客を煽ったり、2-Aメロで山北が、ペアになった若井の頭を普段以上にぽんぽんかわいがってみせたりと、作り上げたパフォーマンスにこの日ならではのエッセンスをプラス。この3曲モニターを彩ってきた星々とともに、ステージ上で輝きを放つ。

星間旅行が終わり、MCでは今回のライブテーマ“GALAXY”について若井が「響きが良くて、改めて調べたら“華やかな集まり”っていう意味がある」と改めて説明し、お気に入りの衣装の話題からメンバー間でのちょっかいの出し合いがスタート。それを目にし、「イチャイチャしてんじゃねーよ!」と突っ込んで笑いを起こす芹澤。と、すかさず山北がほっぺにキス。これには芹澤もしばらく驚きの表情を隠せずにいた。

それぞれの強みとやりたいことを提示した、ソロ曲ゾーン

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そして「続いてはお楽しみコーナー!」と茜屋から予告。「相当すごいことになってるんで!」と予告をし、暗転からメンバーはひとまず降壇。その後場内に流れてきたのは、なんと「キューティーハニー」のイントロ。照明もピンクに変わり、スクリーンにもハートが飛び交うなか、山北がひとりで階段上に登場!そう、“お楽しみタイム”の正体は、ソロカバー曲タイムだった!初っ端から始終ノリノリな山北、1サビ明けの間奏では投げキッスも飛び出す。最後の最後まで、キュートかつちょっとセクシーなステージングを見せ、「さきティーハニー、キマった!」のひと言で、バッチリ締めてくれた。続いてはサイレン鳴り響くなか、茜屋が登場。スーパー戦隊シリーズのファンである彼女は「特捜戦隊デカレンジャー」でさらに場をアゲる。しかもスクリーンには、ハートの中に「S.P.H(Special Police Himitasu)」と記された特製ロゴまで映し出されるこの徹底ぶり。愛しか感じない作り込みである。そんなロゴを引っさげて登場したら、茜屋も楽しくないわけがない。のっけからテンション上がりまくりで、「茜屋日海夏が、GALAXYの平和を守りに来たぜー!」と舞台上を駆け回る。観客もBメロやサビのコール部で声を張り上げ、彼女をさらに後押し。さらに続いて特ソン「Climax Jump」で登場したのが澁谷。彼女もイントロ等に多く見られるコール部で盛り上げていたが、同時に歌唱アーティストの特性を活かして、男女パートで歌声を使い分ける。メンバー中、彼女がもっとも得意であろうことを、この大舞台でやってのけてくれていた。

さて、ソロ曲ゾーンも後半戦。「みなのものー……米は好きかー!?」との力いっぱいの煽りとともに、キュートに「ごはんはおかず」を披露する久保田。“降りてくる”と一瞬でスイッチを切り替えられる彼女の表現面での強みを見せつつ、もうひとつ“イラスト”という彼女ならではのポイントも織り込む。実は曲中でバックに映し出されたクレヨンでの食べ物イラストは、彼女お手製のもの。こだわりの詰まった1曲となった。続いて登場した芹澤が選択したのは「Super Driver」。この3周年ライブの場で、彼女がこの道に進むきっかけとなった作品のひとつ『涼宮ハルヒの憂鬱』の楽曲をカバーする意味は、とても大きい。魂込もった歌声はもちろん、間奏で見せた「あかんべー」は、『ハルヒ』へのリスペクトの賜物だろう。そしてこのブロックの最後を飾ったのは若井。こちらも彼女から普段から大好きと公言してはばからないLiSAのキラーチューン「Rising Hope」をぶち込む。それも、“若井らしいかっこよさ”をその歌声に詰め込んて。それは彼女の抜群の歌唱力があるからこそ、成し遂げられたことなのだろう。アガる系の曲とはまったく違う鋭い目で完全楽曲に没入し、彼女はこの曲を歌い上げた。ラスサビで突き出された拳に、LiSAへのリスペクトも込めて。

こうして予告通りに“すごいこと”が立て続けに起こったソロゾーン。宇宙空間のような照明やバックに、ド派手な彗星がビュンビュン飛び込んで来るかのような衝撃を幾度となく感じる十数分であり、これもまた“GALAXY”を体現したパートだったのだろう。

そして再び全員が舞台上に集合し、選曲や本番前の裏話を語る。多彩なエピソードが語られるなか、やはり音へのこだわりの強さを見せたのは澁谷。「Climax Jump」のコール部分を弟の協力のもと、9パート(うち弟1パート)を自宅で録ってきたというから驚きだ。

さて、ここからは少々雰囲気を変えてシリアスな曲たちへ。スタンドマイクで披露するアルバム曲「Defy the fate」は、ダンスがない分より生ハモが映える。この日は山北の入り混み具合が群を抜いていた。そしてそのベクトルは引き継ぎつつ、スタンドマイクをしまってニュー・シングルより「NEXTAGE」で再び盛り上げにかかる。楽曲から「まだまだこの先へも行くよ!」というメッセージを送りつつ、ここでも冴えていたのが山北。Bメロでの久保田との歌声の相性の良さを見せていた。

まだまだキラーチューン揃いのi☆Ris。ライブも終盤に差し掛かり、ラストスパートとして完全にファンを宇宙までかっ飛ばす気満々の曲を、一気に3曲も連続で届ける。

まずはこの夏、彼女たちの名をさらにシーンに轟かせた「ドリームパレード」からスタートだ。1-Aでは茜屋が「みんーなで!」とシャウトし、2-Aでは芹澤が「君も」を「みんなも!」と歌い替えるなど、それぞれのソロパートを若干アレンジし、再びi☆Ris曲の世界に観客を惹き込む。続く「§Rainbow」では、もちろん芹澤が煽り担当。Bメロで大歓声を受けて超絶楽しそうな表情を見せる彼女は、力いっぱいのパフォーマンスで即座にファンへとお返しする。落ちサビ前間奏、3,000人超の「We are i☆Ris!!!」コールは、客席最後方でも身体にビリビリ来るすさまじいもので、芹澤もさらに高まったのか落ちサビを「6人で、やるしかないじゃーん!」と歌い替える。もちろん他メンバーも、ファンと積極的にコミュニケーション。そこに加えて目線を交わしてコミュニケーションを取る山北の姿は、やはり彼女こそがi☆Risの屋台骨であることを感じさせてくれた。そして爆アゲナンバー「Make it!」で、もう一段階度合いのUPした盛り上がりを見せる豊洲PIT。サビで観客が一斉に飛ぶ光景は圧巻で、そこから力をもらい続けている彼女たちの全力のパフォーマンスにも、疲れや衰えはまったくない。また、ステージ上でもライブならではの光景が見られたのがこの曲。2コーラス目、アドリブで澁谷が若井を軽くハグすると、ソロパート直後にまず若井が「だいすき!」とエール。その後、今度は澁谷がソロパートを終えて「ぼくもすき!」と返す。安定したパフォーマンスだけではなく、そこにとっさの感情のキャッチボールも乗せられる姿を3周年ライブという場で見られたのも、ファンにとっては間違いなくうれしいことだろう。

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