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REPORT

2015.10.22

二次元を三次元に引き戻した、大歓声と三色の光。“イヤホンズ 単独1stライブ”レポート!

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10月12日、原宿アストロホールにて“イヤホンズ 単独1stライブ”が開催。TVアニメ『それが声優!』のメインキャスト、高橋李依・高野麻里佳・長久友紀の3名で作中同様に結成された本ユニットが、アニメさながらに、いや、それ以上の盛り上がりをみせるステージを展開していた。と同時に本ライブは、アニメでは披露することが不可能であろう、3人の激しい想いを感じることのできるライブでもあった。

まずは“作中のイヤホンズ”としての、キャラとしての生での諸注意の影ナレが行われ、「耳の中へ」のイントロに乗せたOP映像がスクリーンに映し出される。続くovertureでそのスクリーンが上がるとともに、バックにはなんと、第1話にも出演した大御所・野沢雅子によるナレーションが。3人をフロアで待ち侘びる、手拍子とともにペンライトを黄・青・ピンクの3色に輝かせる“コマクちゃん(=ファンの総称)”のテンションも、これにはさらにUP。

そんななかステージに駆け込んできた3人は、まずはそのアニメOPテーマでもあった「それが声優!」からライブをスタート。さすがに序盤はメンバーには緊張の色もにじんでいたが、ファンからのコールが彼女たちを後押し。間奏での「イーヤーホンズ!」コールをはじめ、曲中の至るところで送られたエールがそれを徐々に和らげ、3人ともバッチリ笑顔でスタートを切ることができた。

ステージ上の3人もただそれを受けるわけではなく、確実にレベルアップしたパフォーマンスでそれをお返し。特に高橋が務める1・2コーラスそれぞれのAメロラストのフレーズは、歌声も表情もより優しいものへと進化しており、放送を経ての気持ちの乗り方の違いが如実に表れていた。

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高野が「こんなに光る棒いっぱい持ってきてもらったこと、今までなかったよ!」と喜びいっぱいの言葉。対バン形式のフェスはあったものの、野外や専門店でのインストアの多かったイヤホンズ。だからこそ、この3人のためだけにペンライトが輝いているこのフロアが、たまらなくいとおしかったのだろう。

続いて、三者三様の自己紹介に。それぞれがいつものキャッチフレーズをこの日ナイズにアレンジしていたが、中でもその立ち居振る舞いからうれしさがあふれていたのは長久。コール語尾をコマクちゃんたちに伸ばさせたまま、ステージ上を端から端へと一往復。そして合図と同時にピタッと止まるその声に、ご満悦である。全員が歓声を受けた瞬間にパッと笑顔を咲かせるのも、この日に賭けてきた彼女たちの意気込みの裏返しなのかもしれない。

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そのテンションのまま、ライブ初披露曲「背中のWING」へ。この満員のフロアを前にした彼女たちが歌うからこそ、歌詞がより胸に刺さる。特に1コーラス目Bメロは、この場で歌われるからこそより光るもの。それを高橋が、双葉が摂っているというのもファンには格別の体験だし、彼女を待つファンとある種の“両想い”になる様も幸せなことのはず。そのままシングルにも収録されているカバー曲「残酷な天使のテーゼ」を披露すると、1サビ直前でキレッキレのパフォーマンスを見せてくれたのは高野。表情からこの曲に没入しており、長久もそれに続く。その一方で、やはり歓声にうれしさを隠せず笑顔もこぼれる高橋の姿もまた、偽りない素直な感情の発露であろう。

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曲明けMC、「背中のWING」について「初披露ってこんなに緊張するんだね!(高橋)」「いい曲だって皆さんが言ってくださっているだけに、まだライブでやったことがないっていうのは緊張だった(高野)」と初披露の感想を語るふたり。

そこに「今日のお客様は、だからトクベツなんだよ!」と続けて観客を乗せる長久。この4ヵ月で培われてきた、さすがのチームワークが垣間見えた瞬間であった。

続いては、アニメ12話でも登場したキャラのイニシャル入りのフラッグを手に「ヒーローじゃなくていい」を歌唱。その歌声は、今度は曲のメッセージに沿い、全体的に優しさを帯びたものに。フラッグパフォーマンスも、間奏で掲げる角度をそれぞれ分けるといったチームプレーも含めダイナミックなものになっており、歌声とあわせてファンの耳目を集める。さらにデビュー・シングル「耳の中へ」で、フロアに燃料を投下するイヤホンズ。サビ直前でのセリフも、アフレコ前収録のCD音源よりもキャラをとらえたのかよりキュートさを増しており、そのたびに大歓声が上がっていた。2コーラス目での歌声の表情も、より豊かなものに。

ここでイヤホンズは一旦降壇し、とある学校風の撮影現場でのオフショットが上映される。楽屋となっている教室でお菓子を食べながらゲームをしたり、メイキングが流されたりしていると、画面には「重大発表!」の文字が。「それが声優!」の衣装でステージに再び3人が登場すると、高橋からイヤホンズ1stアルバムのリリースが発表され、場内には割れんばかりの大歓声が。しかも、このライブの冒頭で流れたovertureを含め新曲9曲が収録されるとの知らせも、その喜びに拍車をかける。

そのovertureについて、高橋が「実はあれは完成じゃないんですよー!」と切り出す。そして続けて「皆さんの歓声を乗せて、完成します!」と告げられ、歓声のアフレコ収録がスタート。様々なコールを、メンバーの「デスボイスで(高橋)」「好きなものを食べて『しあわせー!』って感じ」「ラッパーっぽく(長久)」といったディレクションに合わせて、数パターンずつ収録していく。「人の言葉にかぶるとNGになっちゃう」との高橋からの注意も含め、アフレコさながらの本気度で行われたこの収録は、コマクちゃんにとってはこの日の記念であるのと同時に、『それが声優!』の追体験でもあるのかもしれない。

また、先ほど発表を逃してしまったアルバムタイトルが『MIRACLE MYSTERY TOUR』であることもここで発表。略すと“み・み・ツアー”になる本アルバムから、「成長!全力シンデレラ」と題されたアルバムリード曲をここで初披露!彼女たちそのものを象徴するようなタイトルのこの曲は、とにかくノリのいい激しいナンバー。この日の盛り上がりも相当ではあったが、リリースを経て浸透したら、そのすさまじさは間違いなく段違いになることだろう。パートごとに一音ずつ上がるラスサビの帰結部には、そう予感させるほどのクライマックス感があった。その一方で、ただ全力で突っ込んでいくだけではなく、軽くラップ調になるAメロなど変化と新しさを見せる部分も要注目だ。

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思いっきりぶっ飛ばしたところで、MCの話題はライブでの着用は初となる「それが声優!」衣装に。「せっかくだから回る?」と高橋の提案から、三者三様のスタイルで衣装をお披露目していく。その中では「衣装の中の楽譜をつなげると、『耳の中へ』の楽譜になるんです!(高野)」とのエピソードも語られていた。

そんな盛り上がりの裏で、いつの間にか3人のうしろでは椅子や机に「ON AIR」のサインが揃い、ラジオブースのセッティングが完了。となれば『それが声優!』としてはエンディング、「あなたのお耳にプラグイン!」の時間だ。この日は“アストロホールVer.”としてこの場限りのバージョンで披露されることに。普段はおたより紹介をしていた合間の早口パートは、ラジオで行っていた3人が答えを合わせるコーナーを生でやったり、Blu-rayの宣伝をしたりと盛りだくさん。リクエストナンバーとして「残酷な天使のテーゼ」を挟みつつ、最後には「間奏15秒でこの日の感想をハッシュタグ付きでツイートする」という無茶振りまで敢行された。ちなみに、その結果がこちらである(高橋高野長久)。ポップでフロアによく似合うこの曲。ラスト曲らしく3本のペンライトで腕が振られる光景も、実にきれいなものだった。

楽曲どおりに「おやすみなさーい!」の言葉とともにイヤホンズが降壇しても、その3色の輝きは消えることはない。アンコールの声が続き、それはいつしか後方から徐々に「イーヤホンズ!」のコールに塗り替えられていく。その声を受けて、再び登場する3人。ライブTシャツでの登場に「みんなと一緒ー!おそろーい!」と再びうれしさを全開に表す高橋。そして声援へのお返しとばかり、アルバムからもう1曲新曲を披露することを告げ、フロアともうれしさを共有する。今度は3人とも“魔導書”を手にして着席し、新曲「Magic of love」を披露する。ゆったりとした、少し不思議なおとぎの国のような世界観のこの曲。曲展開に合わせて魔道書に視線を落としたり、ページをめくったりと雰囲気を作り、サビでは立ち上がって歌唱。ミュージカルのような要素も含んだ1曲となっており、“声優が歌う意味”の大きな曲である。さらに、のちのMCでも“イケまりんか”と触れられた高野の凛とした歌声も、ピッと楽曲を締めてくれていた。

曲明けにチケット整理番号を使ったサイン入りスタッフTシャツの抽選会が終わると、翌月に控えるツーマンライブを前に「Love Power」のカバーでAice5に先制パンチ!ビートの強いイヤホンズ色にアップ・デートされたこの曲を愛らしさ全開に歌い、最後にはセンターに立つ高野の前で高橋と長久がハートマークを作り、曲ラストをビシっとキメていた。

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そしていよいよ最後の曲。「光をかざす準備、できてますか!?」の高橋の言葉から、「光の先へ」を披露。アニメ本編でもとりわけ大事なシーンで、アストロホールを模した会場で歌われたこの曲に、イヤホンズは残った力のすべてを込める。2コーラス目のAメロでソロを摂り、いちごの想いを歌で代弁する長久の声は、どこかこみ上げるものをこらえているようでもあった。そもそも現実が二次元に、アニメに落とし込まれたのが『それが声優!』という作品である。その世界を、この曲で3人は、さらに現実に引きずり戻していた。実に不思議で、それでいて素敵な空間が形成されていたのである。

こうしてすべての楽曲の披露を無事に務め上げたイヤホンズ。その達成感と安堵からか、すでに高橋の目には涙が。そのまま、この日集まってくれたコマクちゃんたちへ、メンバーから想いを伝える。

「私たち、イヤホンズ3人みんな、全力でやらせていただきました!ユニットを結成してから今日まで、なかなかダンスもうまくいかなくて心が折れそうになったこともあります。でも、応援してくれたコマクちゃんたち、そして私たちのことを支えてくださっている皆さんやイヤホンズのふたり、家族……本当にいろんな人に支えられて、今日こうやって笑顔でステージに立てました。まだまだイヤホンズの、“成長!全力シンデレラ”物語は終わりません!(長久)」

「私たちがここのステージに立たせていただいてるのは本当に本当にたくさんの皆さんが応援してくれたからで、本当に幸せ者だなって!一ノ瀬双葉に、『それが声優!』に出会って、イヤホンズになれて。単独1stライブで、本当に奥の方までしっかりと見えた皆さんの笑顔を、絶対に忘れたくないなって……これからもイヤホンズを通して皆さんに元気を届けられるように頑張るので、まだまだついてきてください!大好きー!!(高橋)」

「みんながovertureでたくさんペンライトを振って応援してくれるのを、控室で見てました!『この中に私たち出て行くんだ』って思った瞬間に、本当にうれしくて……『最初から泣いちゃダメだ』って我慢してステージに立ったんですけど、その瞬間からすごいみんなが応援してくれるのが伝わってきて、『このみんなと一緒に最高のステージにしよう!』と思ってたくさんの曲を歌わせていただきました。大好きな皆さんのために、これからも3人で一緒に頑張っていきます!(高野)」

それぞれ涙混じりの想いの詰まった言葉を届け、それでも最後には笑顔とともにステージを降りる3人。最後にオーディションから今までをプレイバックする映像や3人のメッセージが映し出され、ライブは大団円を迎えた。

この日のライブを、大盛り上がりの大成功のものに終えたイヤホンズ。しかし早速翌月には、次なる大舞台・ツーマンライブを控えている。

アストロホールからNHKホールまで、歩けばたかだか15分。しかしその客数は数倍で、そのうえ相手は伝説のユニット・Aice5である。だからこのライブは、彼女たちの活動にとって全然ゴールではない。直近の照準は、約1ヵ月後に控えるツーマンだ。来るべきそのライブに向けて、イヤホンズはこの日、充分すぎるほどのロケットスタートを切ったのだった。

Text by 須永兼次

“イヤホンズ 単独1stライブ”
2015年10月12日(月・祝)@原宿アストロホール
【SET LIST】
<OPENING>
overture
M1.それが声優!
M2.背中のWING(LIVE初披露曲)
M3.残酷な天使のテーゼ
M4.ヒーローじゃなくていい(LIVE初披露曲)
M5.耳の中へ
M6.成長!全力シンデレラ(新曲)
M7.あなたのお耳にプラグイン!(原宿アストロホールVer.)(LIVE初披露曲)
EN1.Magic of love(新曲)
EN2.Love Power
EN3.光の先へ
<ENDING>


●ライブ情報
「イヤホンズvs Aice⁵ 」
11月22日(日)【東京】NHKホール
開場:16:30 / 開演:17:30
価格:¥7,000+税(税込:¥7,560)※3歳以上チケット必要
出演:イヤホンズ・Aice⁵ 
一般チケット ホームページ先行受付
受付はこちら
※ローソンチケットへの会員登録(無料)が必要です。
【受付期間】10/19[月]13:00〜10/25[日]23:59
【当落発表・入金開始】10/29[木]15:00~
【入金締切】11/1[日]23:00
■料金
指定¥7,560(税込) ※3歳以上チケット必要
○本受付は[先着順]でなく[抽選]です。受付期間内に余裕を持ってお申込み下さい。○お申込みはお一人様2枚までとさせて頂きます。
その他、詳細は受付ページ内のご案内事項をよくご確認の上お申し込み下さい。
<入金手続き・チケットに関するお問合せ>
ローソンチケットインフォメーション 0570-000-777(10:00~20:00)
※自動音声のご案内の後、オペレーターへおつなぎします。

一般チケット発売日
11月7日[土]

(C)あさのますみ・畑健二郎/イヤホンズ応援団

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