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2015.09.28

未完成な個性と可能性が躍動するライブパート!  公録の枠を越えた「315プロNight! ドラマチックミーティング!」

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『アイドルマスター SideM』のWEBラジオ『315プロNight!』の公録イベント「315プロNight! ドラマチックミーティング!」が9月26日、東京・ディファ有明で開催された。『SideM』のアイドルたちはそれぞれユニットに所属しており、パーソナリティでもある「DRAMATIC STARS」から仲村宗悟(天道輝役)、内田雄馬(桜庭薫役)、八代拓(柏木翼役)、「Beit」から堀江瞬(ピエール役)、高塚智人(渡辺みのり役)、「High×Joker」から野上翔(伊瀬谷四季役)、千葉翔也(秋山隼人役)、白井悠介(若里春名役)、永塚拓馬(冬美旬役)、渡辺紘(榊夏来役)が出演した。今回は夜の部として行なわれた[Moon Side]をレポートする。

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公録パートではおなじみのコーナーの数々をステージで生で披露。メールコーナー「ドラマチックメール」では、「リアルアンケートをやってほしい」という希望に応えて「楽器をやっていた人」「王子だった人」などのアンケートに、客席はサイリウムで応えていく。メールに応えて和気あいあいと盛り上がったコーナーだったが、堀江がライブに向けて見せた頑張りを高塚が明かしたくだりでは会場に暖かい空気が広がった。

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「ドラマチックスタジオ」は、番組ジングルをステージ上で生制作するコーナー。ステージにはキーボードがセットされ、人前で演奏するのは初めてだという内田が緊張しながら腕前を披露。「DRIVE A LIVE」の一節をステージムーディーにアレンジしたフレーズから、ステージと客席が声を揃えてジングルを収録した。昼の部を担当した仲村もギターを持ち出し急遽夜の部でもジングルを収録し、二度おいしい夜の部だった。

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「理由あってハードル」のコーナーでは、2チームに分かれて幅跳びの距離をぴったりに合わせようとしたり、「315だドン!」と題して『太鼓の達人』対決を行なったりで盛り上がった。『太鼓の達人』は『アイドルマスター SideM』とのコラボを予定しており、テーマソング「DRIVE A LIVE」を「Jupiter」「DRAMATIC STARS」「Beit」のディフォルメキャラらと共に楽しむことができる。ステージであわやフルコンボという腕前を見せた仲村によれば、「むずかしい」でフルコンボを達成すると315コンボになるという遊びが仕込まれているとのことだ。

公録の枠を越えた全力のライブパート!

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今回の公録は「公開録音」とは思えないほど、セットリストもステージ演出も本格的だった。キャラホビのようなオープンステージでのミニライブを除けば、今回のライブはライブハウスでのリリイベ中心だった『アイドルマスター SideM』では最大級の大きさだ。目を引くのはステージ中央後方の円形フレームにセットされた8機の客席を向いた可動照明で、全体的に真上からの照明と真後ろからの照明が非常に充実している。個人的には「DRIVE A LIVE」の“We Are 315!!”のフレーズで逆光の中一瞬時間が止まるような演出が気に入っているのだが、今回のライブでも逆光とシルエットの演出はかなり多用されていた。

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「DRAMATIC STARS」の仲村宗悟、内田雄馬、八代拓は「STARLIGHT CELEBRATE!」と「DRAMATIC NONFICTION」を披露。「STARLIGHT CELEBRATE!」には堀江、千葉、白井がバックダンサー的に登場しステージに花を添えた。今回の「STARLIGHT CELEBRATE!」は、イントロがロングなアレンジバージョン。ドラスタの3人に赤、青、緑の各キャラクター色の極細ピンスポットが順番に降ってくる感じは、何かが始まる予感をかきたてるに十分だ。手を重ねた3人が高い空へと手を掲げた瞬間に照明が眩くきらめいたり、とにかく光の演出にはハッとすることが多かった。

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パフォーマンス面でドラスタを見て感じたのは、近距離のライブハウスと今回のディファ有明でのステージとの距離感の違いだ。汗の飛沫が届くぐらいの近距離のステージでは、仲村の鍛え上げられた肉体の分厚さが迫ってくるようで、これが男性アイドルキャストのステージか! と迫力に驚いた。ところが今回大きめの箱の後方から見ると、「STARLIGHT CELEBRATE!」では細くてスラリとした八代の動きの品の良いキレの良さが目についた。ではよりパワフルな「DRAMATIC NONFICTION」では? といえば、実は内田が印象的だった。内田は腰を落として上下動を見せる振りや、曲中に小さく天を仰いだり、腕をばっと広げたりする仕草がほんのちょっと大げさで、ほんのちょっと芝居がかっている。そのあたりの微妙に過剰な感じが、距離を置いたステージではフックになって華やかさを感じさせるのだなと感じた。縦に並んだ3人の先頭で仲村がソロダンスを見せるくだりではやはり身体能力の高さを見せつけるような説得力で、ドラスタはユニットの中でも3人のパフォーマンスの色が違って面白いと再確認した。

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「Beit」の堀江瞬と高塚智人は、「スマイル・エンゲージ」と「想いはETERNITY」を披露した。「Beit」は本来、鷹城恭二役の梅原裕一郎を加えた3人ユニットだが、今回は2人での参戦となった。動の「High×Joker」に対して静の「Beit」は、個性が際立った歌声の響きあいが魅力のひとつのユニット。中でも大黒柱的な存在感を放つのが梅原で、重厚な梅原のボーカルと、堀江の甘やかさや高塚の端正な歌声が互いの良さを際立たせるところがある。それだけに2人でのパフォーマンスがどうなるかと思っていたが、個人的には梅原の不在を堀江の成長が見事に埋めてみせたように感じた。個人的に昼の部もチェックしていたのだが、昼と夜で一番ギャップがあったのが堀江だった。特に「スマイル・エンゲージ」頭のロングソロは純粋に個人の歌声で見せるパートで、緊張の色が濃かった昼の部に比べると、夜の部は別人のように伸びやかで安定していることを感じた。トークでは高塚が堀江がライブに向けてどれだけ努力をしていたかを語っていたこともあり、堀江が成長、あるいは本来の実力をステージで見せてくれたのは嬉しく感じた。「想いはETERNITY」には内田、八代、野上、永塚、渡辺の5人がサポートメンバーとして参加。本来3人がセンターに集まって交差する振りが2人だと若干寂しい分を、5人が2人の周りを全力で走り回ってサポートしていた。

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そして今『SideM』で一番熱いパフォーマンスを見せてくれるのが野上翔、千葉翔也、白井悠介、永塚拓馬、渡辺紘の「High×Joker」だ。「HIGH JUMP NO LIMIT」で5人はそれぞれのキメポーズを決めながら登場。誰よりも声を出し、誰よりも高いテンションを弾けさせて煽るユニットのエンジン・野上の熱量に引っ張られるように、5人がそれぞれの全力を笑顔で爆発させているのが強く印象に残る。ハイタッチや背中を合わせるようなポーズのたびに黄色い悲鳴のような歓声が上がるのが『SideM』ならではだ。歌詞のフレーズに合わせて何度も5人がジャンプするのだが、大ジャンプ…をしてしまうとそのあとのステップが遅れてしまうから、小さく飛びながら片足を全力で振り上げることで躍動感を演出している。ぱっぱっと目まぐるしくポーズを変えて地面に手をつくポーズなど、キレ良く見せる工夫が散りばめられた振りを懸命に全力で、しかし笑顔で見せてくれるのは、発展途上のチームならではの良さがある。

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「JOKERオールマイティ」は、全力でタオルをぶん回すタオル曲。汗だくでタオルを回しながら、軽快なクラップのリズムと共に会場を熱狂に巻き込んでいく。ソロパートでは「Oh Yeah!」の繰り返しに合わせてピンスポットの中ポーズをキメていくメンバーがとにかくかっこいい。「今度はみんなの番、準備はいいか!」と野上が叫んでからの会場の高まり具合はこの日一番だったかもしれない。コールアンドレスポンスの多い曲でありながら全員が声と気持ちをひとつにした盛り上がりもあり、『SideM』での、いやアイマス最強の煽り系ナンバーになるポテンシャルを感じた。

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ラストは、全員が声をひとつにしての「DRIVE A LIVE」。『SideM』の象徴的ナンバーだが、今回は会場もステージ上の人数も最大級での披露。多くの人数が心を重ねるほどに感動を増す楽曲なことを感じた。それだけに12月のファーストライブでのこの曲がどう響くのか、ますます楽しみになるパフォーマンスだった。

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ライブが終わっての締めで感じたのは、メンバー、特に仲村が『SideM』のステージでの時間とプロデューサーたちが本当に大好きで、いつまでもステージにいたいと思っているであろうことだ。夜公演では一際別れがたい様子で、締めの挨拶の後もずっとステージでふざけあっている様子が印象に残った。最後は全員が手をつないで、肉声で「ありがとうごさいました!」の声で「公開録音」とは思えないテンションのイベントを締めくくった。この日のステージを全員が支えあって作った時間は、ファーストライブに、そしてこれから続いていく『SideM』にとって、得難い経験になったように思えた。

Text By 中里キリ

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