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2015.09.27

スクリーンの此方と彼方のアイドルたちが交差する瞬間。劇場版『Wake Up, Girls! 青春の影』舞台挨拶&劇場ライブレポート

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劇場版『Wake Up, Girls! 青春の影』の公開記念舞台挨拶が9月27日、東京・TOHOシネマズ新宿で開催され、「Wake Up, Girls!」の吉岡茉祐、青山吉能、田中美海、山下七海、高木美佑、永野愛理、奥野香耶とサプライズゲストとして山本寛監督が登壇、トークとミニライブを行なった。

今回のイベントは、劇場版『Wake Up, Girls! 青春の影』の上映、上映後舞台挨拶、そして舞台挨拶のステージ上でのライブがセットになった特殊な形式。登壇した山本寛監督は「僕らはこの形式をODS(other digital stuff)と呼んでいます。ライブビューイングのような、ただ映画を流すだけではない上映形式のひとつですね。映画館でのライブはずっとやりたいと思っていたんですが、劇場側の条件などもありなかなか実現しませんでした」と念願の企画だったことを明かした。『Wake Up, Girls!』は最初は劇場映画企画として始まり、上映と共にキャストとファンの交流や舞台挨拶、ライブなどの直接の交流もできるコンテンツを目指していたこともあり、今回の形式はある意味『Wake Up, Girls!』の原点回帰とも言える。

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冒頭の挨拶では山下が「私3日間連続で舞台挨拶していて、こんなにたくさん舞台挨拶ができるなんて、本当に『Wake Up, Girls!』愛されてるんだなって実感しています」とコメント。メンバーからは大きくきれいなTOHOシネマズ新宿の客席が超満員になった感謝と、そこでライブを行なう緊張と喜びの声が聞かれた。見所について永野が「何度見ても同じところで泣いてしまうんですが、エンディングの「少女交響曲」に入るタイミングとエンドロールの演出がすごく素敵なんです」と言及すると、高木が「実はそのエンドロールで、b-sessionという大型フェスで大物歌手風に歌っている役として「木高ゆみ」というどこかで見たことある名前があって、ちょっと笑っちゃいました」と隠れた見所を紹介。そのシーンの歌は高木がわざわざ録りおろしているとのことなので、これから見る際には注目したい。奥野はメンバーが変顔をするシーンがお気に入りとのことで、「未夕ちゃんが特に面白いです」と語っていた。

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後半にはサプライズゲストとして、山本寛監督も登場。ワグナーでいっぱいの会場を見回して「うわー、広いですね。こんな大きな箱で自分の作品をかけるのは初めてじゃないかな。ありがとうございます」と驚いた様子。監督はメンバーの成長について「生意気になりましたね(笑)」とからかいながらも、「未経験から歌、ダンス、演技、何もかもこなして、ツアーを行なって、というのはなかなかハードで、普通の二倍三倍の努力をしてきたと思います。今年に入って特に、みんなの意識が向上していることを感じるので、今は安心して見ていられます。この安定感は成長の証だと思います」と語り、最大限の賛辞を送っていた。アフレコの裏話としては「後篇では七海をいじめました」と語り、後篇では監督がマンツーマンで山下に指導をするほど重要な役割を果たすことを予告していた。

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そしてトークのあとは、初の試みとなるシアターライブだ。TOHOシネマズ新宿の9番スクリーンは、都内の映画館でも屈指のスクリーンと、広く奥行きがあるステージサイズのシアターだ。だが「Wake Up, Girls!」の特徴のひとつは、楽曲に合わせてめまぐるしくポジションを変える立体的なステージング。ライブの冒頭、永野を先頭に全員が縦一列に並んでスタンバイすると、広いステージもぎっちりと詰まった感じになる。田中と山下が両手を掲げてトンネルを作り、その下をメンバーが楽しそうにくぐっていく振りがある「少女交響曲」や、バレエ風のターンやL字バランスなど大掛かりな見せ場がある「7 Girls War」は、特にスペースがほしい楽曲だ。それでも巧みなポジショニングをしながら万全のステージができるのは、様々な環境でのライブを重ねてきた経験と準備の賜物だろう。吉岡が片足を振り上げるような振りは、軸足から蹴り足までがピンと伸びた一本の線に見えるほど勢いがよく、気合の入ったものだった。

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ライブで歌われたのはWUGのナンバーでも一番体力を使う「7 Girls War」、そして新曲でも難度の高い「少女交響曲」という組み合わせ。だが主題歌であり前篇と後篇をつなぐ鍵となる「少女交響曲」はもちろん、「7 Girls War」は、WUGを仙台から東京に連れてくるきっかけとなり、劇中の「Wake Up, Girls!」のメジャーデビューを飾る大切な曲だけに、やはり外せない楽曲だ。劇場での初ライブがどうなるかと思ったが、TOHOシネマズ新宿の9番スクリーンは国内の劇場でも屈指の音響環境を誇る。調整は大変だったと思うが、下手なライブハウスが裸足で逃げ出す音の良さで楽しませてくれた。歌い終えた田中は「劇場版を見た後にライブを見ると、また作品と私たちのリンクと、一体感を感じてくれたんじゃないかと思います」とコメント。青山は「天上の照明も非常口の明かりも、会場のサイリウムも全部(WUGカラーの)緑なの!」と興奮気味に語ると、「劇場版で「少女交響曲」が流れた後、私たちがステージで「少女交響曲」を歌うのがすごく素敵だなと思って。私たちのダンス、絵の通りだったでしょ?」と続けた。

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一年半前のメンバーたちは、最初の劇場版『七人のアイドル』の中で、初めての公園ライブで「タチアガレ!」を歌うまだまだ荒削りな「Wake Up, Girls!」と重なって見えた。それが二度のライブツアーやアニサマといった経験を経た今は、東京でメジャーデビューを果たし、トップアイドルに挑戦しようとしている「Wake Up, Girls!」に重なって見える。劇中のキャラクターと同じように、演じるメンバーたちが全力で走り続けたからこそ実現した、『Wake Up, Girls!』ならではの現実と作品の世界が交差するステージだった。

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Text&Photography By 中里キリ

 

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