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2015.08.19

この街と人への感謝を込めた最高のライブを!『Wake Up, Girls!』2ndライブツアー“行ったり来たりしてごめんね!”仙台公演レポート

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『Wake Up, Girls!』2ndライブツアー「行ったり来たりしてごめんね!」のファイナルとなる仙台公演が8月16日、仙台・東京エレクトロンホール宮城で開催され、ユニット「Wake Up, Girls!」の島田真夢役吉岡茉祐、林田藍里役永野愛理、片山実波役田中美海、七瀬佳乃役青山吉能、久海菜々美役山下七海、菊間夏夜役奥野香耶、岡本未夕役高木美佑が登場した。今回は昼の部を中心にレポートする。

会場の東京エレクトロンホール宮城は、正式名称は宮城県民会館。歴史のある会場で、仙台出身の永野もコンサートを見に来たことがあるそうだ。ライブ前、田中が体操動画仕立てでライブマナーを伝える「お約束たいそう」と、吉岡が脚本を書き下ろした前説キャラクターナレーションの仙台版(岡本未夕と林田藍里がお当番)が会場を温めるのは、すっかりツアーでおなじみの風景になった。仙台は特に吉岡の筆が乗ったのか、これはキャラ影ナレではなく生ドラマに近いのでは? と思うほどのボリュームだ。

今回のツアーは、メンバー自身が希望して作り上げた「ライブらしいライブツアー」がコンセプト。だから各会場のセットリストはサプライズなしのほぼ同一構成。大阪、福岡、東京と積み重ね、研ぎ澄ませてきた集大成がこの仙台公演となる。

ライブは「7 Girls War」で開幕。定番の楽曲だが、吉岡がツアー直前に「一番キツいのは今でも「7 Girls War」と語るハードワークな楽曲。だからこそ、2度目のツアーの夏を過ごしてきた七人の状態の充実ぶりがよくわかる。俯瞰でジャンプを見ていると、身体能力が高いのは高木や永野だが、山下は膝から下を綺麗に後ろに引きつけてるので跳び方が美しいな、などと細かいところが印象に残るのは、見る側も一緒にツアーを回ってきたからだろうか。

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落ちサビ前には仙台出身の永野が「帰ってきたぞ!仙台!」と気持ちの入った煽りで凱旋を告げる。「極上スマイル」は「豊作!豊作!」に代表される客席のコールも特徴的だが、ツアーファイナルにふさわしく楽曲やコールが浸透して、ぴったりと揃って声も大きくなっているのを感じる。奥野が「仙台だとがらっと雰囲気が変わる」と語っていたが、ツアーを追いかける熱心なワグナーと、聖地でのライブを熱望していた地元民が集っているのだから、この熱さも当然か。ツアーで初公開された挑戦的な新曲「素顔でKISS ME」も、しっかりライブナンバーとして定着してきた。この曲の小悪魔成分は山下や田中が担っているイメージだったが、キメどころで永野がキュートと艶やかの境界の絶妙なラインで歌っているのもいい。

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続く3曲も新曲。「地下鉄ラビリンス」は永野が自ら振付を考え、自分の言葉でメンバーに指導した。生まれ育った仙台の地で、自分が考えた振付を大好きな仲間と踊る。今はライブでは何も考えず自然に感情を表現しているという永野が、本当に楽しそうに、充実した表情をしているのがとても眩しい。5人編成で披露した「セブンティーン・クライシス」では、高木がセンターで躍動しまくった。

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デュオ曲の「プラチナサンライズ」では田中のキュートボイスと、エフェクトを効かせた青山のクールボイスが絡みあう。ツアー最後ということでみんな気合が入っていた。

ソロのキャラソンコーナーは、メドレーで各人のパートがショートな分、このツアーではメンバーそれぞれが煽りを入れたり、一緒に振りをお願いしたりと、それぞれの存在感とカラーを出してきているが、中でもトップクラスに盛り上がるのが山下の「オオカミとピアノ」。今までの会場では山下も煽りで「シャンシャン!」をしていたのだが、ツアーでも最高に盛り上がった仙台会場では、敢えて黙って笑顔で手を上げる。会場が最大音量の「シャンシャンシャン!」で応えると、山下は「みんな、大好きだぁー!」の言葉を返していた。

ご当地ネタを発揮していたのが田中の「歌と魚とハダシとわたし」。「昨日食べた牛たん、うんめぇにゃー!」「仙台も、さいこうだー!」など、歌詞をアレンジして歌唱。かわいさとコブシパートの演歌感の配合をよく変えてくる田中だが、仙台ではかわいさを出しながらも、キャラクター片山実波としての歌唱を突き詰めているように感じた。

今回のツアーの“スペシャル”は、「I-1club(1期生の島田真夢)」&「I-2club・I-3club」のトーク&歌唱コーナー。白木ゼネラルマネージャーの映像と、おなじみのI-1ライブoverture(前奏曲)が流れると、会場は真っ赤なサイリウムと「I-1club!」の大コールで満たされた。「I-2club」「I-3club」の面々のMCもすっかり板についた感じだが、青山ポエマー吉能が「新幹線 久々乗ったよ いとはやし 隣はななみん いとかわゆし」と五七五七七でうまくまとめると、隣の鬼龍院“厨二病”七海はすっかりリラックスして「そんなのいつ考えたの?」と思わず素でレスポンス。その後「キャラブレななみです」と自己紹介していた。

昼公演のI-1曲は「シャツとブラウス」と「リトル・チャレンジャー」の組み合わせ。本家I-1clubを超えろと言わんばかりの素晴らしいパフォーマンスは、ファイナルにふさわしい素晴らしい完成度だ。曲中全員が円になって天を指差す振りでの、吉岡の高みを目指すような決然とした表情が本当にいい。吉岡がソロで「リートール」を歌い上げる部分になめらかで心地よい感じの癖がちょっとついていて、仙台会場の気持ちよく歌声が伸びる音響に合わせてきたのかな、と思った。

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続・劇場版『Wake Up, Girls! 青春の影』主題歌「少女交響曲」は新衣装に着替えて。ショートカットにイメージチェンジした七瀬佳乃が東京ドームの前に立つ姿など、続・劇場版の映像を交えてのパフォーマンスを繰り広げた。ときどき差し込まれるカットを見ると、一日も早く劇場で映像が見たくなる。今回のツアーでの主題歌初披露と、次の劇場版の公開が地続きにつながっているこの感覚は、7人がユニットとして継続して活動しながら自身の分身のようなキャラクターを演じる『Wake Up, Girls!』ならではかもしれない。本編ラストは「16歳のアガペー」。仙台をよりいっそう感じさせる曲だ。

アンコールの「言の葉青葉」は、前週の東京公演ではプロジェクションマッピングを使った新しい視覚表現に挑戦したのは記憶に新しい。そして今回は、背後のスクリーンに思い出の映像を投影する演出となった。

「7 Girls War」のPVを撮影した学校を。
「16歳のアガペー」で描かれた仙台駅のペデストリアンデッキを。
「言の葉 青葉」PVの舞台となった光のページェントを。
緑なす美しい街並や青葉城を。
昨年夢中で駆け抜けた1stライブの映像を。
制服で歌い踊ったあの頃の「タチアガレ!」を。

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仙台という特別な場所で、仙台への想いを込めた楽曲を、宝石のような映像と記憶と共に歌う。ただそれだけのことが、これだけ胸を打つ。それは一緒に時間を重ねてきた『Wake Up, Girls!』とワグナーだからできたことだと誇っていいはずだ。

ツアーを通して、もうすっかり観客のほとんどがサビの振付を覚えてしまった「ワグ・ズーズー」の楽しさ、そしてはじまりの曲「タチアガレ!」。メンバーはライブの時間があっという間だと心から感じている様子だったが、それは会場の誰もの総意だろう。昼の部ではアプリ版『Wake Up, Girls! パズルの天使』の詳細や東京ゲームショウへの出展、公式ファンクラブ「わぐらぶ」による「メンバーと行く仙台1泊2日プレミアムバスツアー」の開催が、夜の部では12月12日に幕張メッセでライブ「Wake Up, Girls!Festa. 2015 Beyond the Bottom Extend」を開催することが発表されたが、メンバーからは「次」「これから」を感じさせる言葉と、たくさんの感謝の言葉が語られた。超満員の聖地ライブを終えた七人の深いお辞儀は、今までで一番長く感じられた。

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「今日私、聖地仙台でこんな嬉しい思い出ができて嬉しいです! 嬉しいしか言ってない! バスツアーもあってまた仙台で会えるということで、これからも『Wake Up, Girls!』よろしくお願いします。また会いましょ~!」(高木)

「今日はありがとう! 昨日仙台の街を歩いてたんですよ。仙台のいいところや素敵なところが改めて見えて、恩返ししたいなと思いました。最後の公演もこの気持ちをもって楽しい公演にしたいと思います。みんなありがとう、またきてね!」(山下)

「昨日WUGのアニメに出てくるビジュウにやっといけたんです! 昨日の夜は牛たん食べて仙台を満喫しました。今日の夜もおいしいもの食べれるのかな、キッチンカーとかでもおいしいもの食べられるんだろうなぁ。仙台おいしいものいっぱいあるから! みんなも仙台満喫して帰ってね、楽しいライブありがとうございました!」(田中)

「私の地元仙台でまたツアーができるということで、いろんな想いが胸にあります。今日は“わぐらぶ”の編集長としてもいろんな企画を考えているのをお見せしましたが、皆さんがどうしたら楽しいか考えながら、これからも突っ走っていきます、これからもよろしくお願いします!」(永野)

「仙台って、やっぱり雰囲気ががらっと違うなと思いました。暖かさがあり、聖地だから頑張るぞって気持ちもあり、私たちもすごく楽しかったです。最後まで本当に頑張って行きたいと思います、本当にありがとうございました!」(奥野)

「あっという間でさ。みんなで(ライブが進むのが)早くない? 早くない? って言ってました。今回は私が大好きなホールでライブができて最高でした。その喜びを噛み締めて、最後の公演も皆さんに愛を届けられたらなと思います」(青山)

「聖地の交流ノートで、たくさんのワグナーさんの足跡を見ました。『Wake Up, Girls!』愛されてるな、あったかいなと感じました。今日は全てのワグナーさんに、私たちからの恩返しを届けられましたか? 私たちまだまだ突っ走っていくから、これからもついてきてね?」(吉岡)

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Photography & Text by 中里キリ


<『Wake Up, Girls!』2nd Live Tour「行ったり来たりしてごめんね!」仙台公演>
2015.08.16.東京エレクトロンホール宮城(宮城県)
昼の部セットリスト
M01:7 Girls War
M02:極上スマイル
M03:素顔でKISS ME(新曲)
(MC)
M04:地下鉄ラビリンス(ライブ新曲)
M05:セブンティーン・クライシス(ライブ新曲/高木・永野・奥野・吉岡・山下ユニット曲)
M06:プラチナサンライズ(ライブ新曲/青山・田中ユニット曲)
 ~キャラソンメドレー~
M07:ハジマル(吉岡)
M08:可笑しの国(永野)
M09:WOO YEAH!(高木)
M10:スキ キライ ナイト(奥野)
M11:オオカミとピアノ(山下)
M12:ステラ・ドライブ(青山)
M13:歌と魚とハダシとわたし(田中)
(I-1、I-2、I-3clubMC)
M14:シャツとブラウス
M15:リトル・チャレンジャー
(映像 ショッピング高木のウェイクアップショッピング)
M16:少女交響曲(新曲 続・劇場版 前篇『Wake Up, Girls! 青春の影』主題歌)
M17:16歳のアガペー
EN01:言の葉 青葉
EN02:ワグ・ズーズー
EN03:タチアガレ!

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