リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

REPORT

2015.08.09

アンフィシアターの円形舞台に咲いた七色の光の花。『Wake Up, Girls!』2ndライブツアー「行ったり来たりしてごめんね!」東京公演レポート

int-15080921000-main

『Wake Up, Girls!』2ndライブツアー「行ったり来たりしてごめんね!」東京公演が8月8日、舞浜・アンフィシアターで開催され、ユニット「Wake Up, Girls!」の島田真夢役吉岡茉祐、林田藍里役永野愛理・片山実波役田中美海・七瀬佳乃役青山吉能・久海菜々美役山下七海・菊間夏夜役奥野香耶・岡本未夕役高木美佑が登場した。

大阪、福岡、東京、仙台の四都市八公演を回る「Wake Up, Girls!」2ndツアーも3会場目で後半戦に突入。東京公演の会場となった舞浜アンフィシアターは、元々シルク・ドゥ・ソレイユの常設劇場として作られた会場で、大きく前方に張り出した円形ステージと、それを180度の扇型の客席が取り囲むような構造が特徴。ステージ中央が奈落に沈んで演者がせり上がって来る機構や、円形ステージ全体がゆっくり回転するギミックがあったりと、ライブ会場というよりは「劇場」の印象が強い。『WUG』で扇型の会場と言えば中央大学の文化祭ライブを思い出すが、照明や舞台演出の素晴らしさは専用会場ならではだ。

int-15080921000-c001int-15080921000-c002

東京会場のクライマックスとなったのは、意外にもアンコール頭の「言の葉青葉」だった。スクリーンの「ペンライトの光を消してください」の文に従って、会場は徐々に真っ暗に。そこに7人が登場すると、会場後方の照明がステージに光のアートを投影し始めて、水の波紋を描いたり、キャストの後方の壁面をステンドグラスのように照らしだしたり。ワグナーであれば、昨年秋に行なわれた「PROJECTION MAPPING JOURNEY!!! × Wake Up, Girls! ~七つの花の咲くオアシス~」を思い出すかもしれない。それは、ステージにプロジェクションマッピングを取り入れた演出だった。「魂」を受け渡していく振り付けで演者を順番に照らしだしていったり、楽曲の世界にシンクロした光の演出はとても幻想的。アンフィシアターの大きな円形ステージをキャンパスに見立てた演出に、メンバーも感動の声を上げていた。

int-15080921000-c004 

「I-1 club」新曲が11月11日に発売も発表!

東京公演は「7 Girls War」「極上スマイル」の定番曲からスタート。ステージサイド側の後方(上方)客席から見ると普段と角度が違うため、見慣れた曲であっても「7 Girls War」のめまぐるしいポジションチェンジや、「極上スマイル」で片足を上げる独特のジャンプの感じ、バックキックのつま先がきっちり上がっているな…といった、普段とは違うところがよりはっきり見える。

オープニングMCの青山によれば、今回は「WUG」としては初めて、マイイヤモニを身につけての登場とのこと。今回のツアーは全曲ハンドマイク仕様。「7 Girls War」の側転や永野のソロダンスムーブなどが見られないのは少し残念だが、ツアーを通して安定してクオリティの高いステージを見せようとする意図を感じる。

int-15080921000-c005

ライブ前半では新曲を次々と披露。中でもツアー開幕時の大阪と比べて成長を感じたのは5人曲の「セブンティーン・クライシス」(高木・吉岡・永野・山下・奥野)とデュオの「プラチナサンライズ」(青山・田中)。ダンスが売りの「セブンティーン・クライシス」はよりキレと統一性が増し、一糸乱れぬという形容がぴったり来る。ボーカリストコンビの新曲「プラチナサンライズ」は田中の天然キュートボイスと青山のエフェクトを効かせたソリッドなボイスが魅力だが、大阪では若干喧嘩していたボーカルが、よりよく馴染むように音響や歌い方がチューンされていたように思う。ダンスとボーカル、それぞれのユニットの強みがより強化されていたと感じた。

int-15080921000-c007

ソロのキャラソンメドレーでは、奥野の「スキキライナイト」が印象に残った。大阪ではワグナーたちの前で歌うのが楽しくて嬉しくて、声のトーンがふたつほど上がっていた奥野だが、東京では「さぁてと、次は私の番ね!」と夏夜台詞から入り、夏夜らしいかっこよさをキープするぞ、という意志を感じた。それでも客席に一番包まれるせり出しの先端まで来ると、やっぱり楽しい、という感じで笑みがこぼれてしまうのが微笑ましい。山下が「舞浜ー! シャンシャンしてますかー?」と煽ったり、田中が「舞浜もー、さいこうだー!」と歌詞をアレンジしたりと、限られた尺でアピールする工夫をそれぞれが凝らしていた。

int-15080921000-c003

I-2 club・I-3 clubから「七転みゆ」や「青山ポエマー吉能」といったゲスト6人…と“I-1 club1期生 島田真夢役の”吉岡茉祐が登場するI-1 club楽曲コーナーでは、昼は「シャツとブラウス」と「リトルチャレンジャー」を披露。ラブリーちゃんこと「遥愛理」は特に人気だったように感じた。MCではふにゃふにゃしているメンバーが、楽曲を歌うときはビシッと揃うのが流石天下のI-1グループ。「リトルチャレンジャー」では、やはりメンバーが変わってもゆるがない吉岡のボーカルの高潔さ、まっすぐさにハッと惹きつけられるが、最後の集合キメポーズでは「遥愛理」が横ピースを決めているのが新鮮でニヤリとさせられた。

int-15080921000-c008

待ち望まれていた『続・劇場版 前篇 青春の影』主題歌「少女交響曲」は東京会場でももちろん披露。新衣装でのパフォーマンスは、作中で上京した「WUG」メンバーのちょっとだけ洗練された感じを反映しているようだ。山下は「かわいいWUGちゃんだけではなく、シリアスなWUGちゃんも入ってると思います」と表現したが、かっこよくてシリアスに担当パートを歌っていた山下と田中がぱっと手を取り合って橋を作り、メンバーが次々と潜っていく演出の自由さが、シリアスだけでもない感じで楽しい。

新情報コーナーでは「聖地巡礼アプリ舞台めぐり」に『Wake Up, Girls!』が参戦することや、「WUG」のライバルである「I-1 club」のニューシングルが11月11日に発売といった初出情報を発表。そして東京会場では、9月25日発売の『続・劇場版 前篇 青春の影』の映像を初出し公開! 東京で「WUG」メンバーが直面する苦境や、松田、I-1メンバーたちの真剣な表情などが垣間見え、見所が多い内容だった。本編締めの挨拶で永野さんが「ラブリーちゃんからメールが来て、I-1 clubの新曲の選抜に入れるように頑張りますって言ってました」と語っていたのは、虚実混交感を大事にする「WUG」らしいいたずら?いつかI-1 clubとI-2、I-3が共演する日が楽しみになった。

int-15080921000-c010

アンコールは前述の「言の葉青葉」の光の演出、山下先生が振付を教えて客席と一緒に楽しみ尽くす「ワグ・ズーズー」、そしてはじまりの曲「タチアガレ!」と、短い時間に「Wake Up, Girls!」の魅力を凝縮したステージだった。終わりを惜しむ客席と同じぐらい、ステージに7人が一瞬で駆け抜けたステージと、ワグナーたちとの別れを惜しんでいるように見えたのが印象的だった。より魅力と完成度を増したパフォーマンスを携えて、「Wake Up, Girls!」はツアーファイナル、8月16日の仙台公演に向かう。

Photography & Text By 中里キリ

関連リンク

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP