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REPORT

2015.07.06

その世界は、甘くてちょっぴりしゅわっとしていた。みみめめMIMI“CANDY MAGIC SHOW~梅雨だけど雨じゃなくて飴を降らせまSHOW!▷○◁~”レポート

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6月28日、視聴覚ユニット・みみめめMIMIが渋谷 duo MUSIC EXCHANGEにて“CANDY MAGIC SHOW~梅雨だけど雨じゃなくて飴を降らせまSHOW!▷○◁~”を開催。自身初となる東阪ツアーのファイナル。ステージ上には、ときに思いっきり暴れまくり、ときに精一杯想いを届け、公演中終始ファンを魅了し続けるボーカル・タカオユキの姿があった。

ライブ当日の空模様は、なんとライブタイトルどおり奇跡的にちょうど梅雨の中休み。そのめぐり合わせにも胸おどらせるファンを、CANDYを中心にしたポップなアートワークで彩られたステージセットが出迎える。フロアをいっぱいに埋め尽くしたファンもそれぞれのグッズを手にし、魔法にかかる準備は万端だ。

記念すべきツアーファイナルに、天気も味方!

照明が落ちるとともに、流れ始めるinterlude。観客のクラップに導かれるかのように、DJうこっけいと今回のツアーから参加のドラム・MAIMAI、そしてタカオユキが登場する。幕開けを飾ったのはデビュー・シングル「センチメンタルラブ」。その頭サビ明け、「みんな今日は一緒に楽しんでいきましょう!」とタカオからの呼びかけが。CANDYのモチーフを前にキュートな衣装に身を包む彼女は、ステップを踏む姿もあいまってさながら妖精のよう。

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曲明け、ドラムのリズムをバックに「CANDY MAGIC SHOWへようこそー!みんな手拍子できますか?」とクラップを要求。その音をバックに、続いて「閃光ハナビ」を披露。フロアいっぱいに響くクラップとファンの声を前に、タカオからも思わず笑顔が。自身もいつの間にかタンバリンを手にし、ファンのクラップや腕振りを先導していた。そして今度は「ミッディ」を、力強く歌い上げる。2コーラス目やラスサビ前において、不意に逆光が客席を照らす演出は、まさしくAM12時・ミッディの視覚的再現であった。

こうして冒頭からかわいさから力強さまで見せてくれたタカオは、改めてMCでと、雨が降らずに開演を迎えられたことに対して「皆さんのおかげです!」とファンへ礼。さらには「東京でのワンマン・ライブ、本当に楽しみにしてました!」と語り、ワクワクを隠さなかった。

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さて、ステージ上には弾き語り用のキーボードが登場。「皆さん準備はできてますか!?」と再び観客のボルテージを上げると、「Mr.Darling」からライブ再開。ロックっぽさもあるこの曲、たしかに生音での披露のほうがよく似合う。さらにそのまま続けて突入した「お絵描き」では、おもちゃ箱をひっくり返したような何が飛び出すかわからないプレイで、さらにファンの目を釘付けにする。終始サウンドの勢いそのままのエモさ全開の歌声と生ピアノで圧倒。その厚みのあるサウンドを全身で受け止められたことに、うれしささえ感じられる2曲だった。

すると今度は一転、しっとりと「no name love song」をピアノ1本での弾き語りからスタート。胸をキュッと締め付けるような歌声が響き、照明もその切なさを投影するかのごとく夕暮れのような効果を出す。サビでは徐々に他パートもインサートし、ポップさを加えて2コーラス目以降で違った味付けを届ける。そして続く「サヨナラ嘘ツキ~piano version~」は、完全にピアノ1本での勝負。Aメロやサビに入るまでの溜めの長さや静寂は、完全に彼女の想いの波どおりのもの。それさえも彼女の表現のひとつである。そうして1コーラスたっぷり熱を蓄えたあとは、2コーラス目でそれを噴出させる。荒々しさの中にも張り裂けそうな想いの込められた彼女の歌声に、会場中がただただ黙って聴き入っていた。

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上がりきったテンションが止まらない!ライブ終盤

さて、曲明けMCでの話題は6月まで配信されていたネット番組『みみめめMIMIる』の即興ソングコーナーに。3月の“視聴覚アカデミー Vol.2”ではそのコーナーをきっかけに作られた楽曲を披露した彼女たちだが、今回もライブ直前の配信で誕生した新曲を披露することに。その曲がまためちゃめちゃファンキーなピアノロックで、そのうえ早口なサビでの転調など、楽曲を彩る楽しい要素も盛りだくさん。とにかくライブで盛り上がることを意識して仕上げられたように感じられた。演奏前にファンと練習したサビでのコール・アンド・レスポンスもフロアを盛り上げ、タカオ自身もご満悦の様子。

そして、いよいよライブも終盤。「みみめめ!(タカオ)」「MIMI!(観客)」のコール・アンド・レスポンスから「瞬間リアリティ」へと繋がる恒例の流れが、それを物語る。前曲までのテンションの高さと軽やかなステップを両立したまま、「まだまだ行けますかー!?」の言葉とともに「兎ナミダ」へ。ステップには少々のおてんばさも加わり、曲タイトルどおりウサギのようにぴょんぴょんと飛び跳ねる様が魅力的。

ここでタカオがフラッグを取り出し、観客と一緒にモニターに映し出された数字とともにカウントダウン。0を迎えた瞬間、タカオの「Are you ready?」の呼びかけから「1,2,少女」でduoはブチ上がる。ブルーのフラッグがはためくフロアは、雲に覆われたライブ直前の空模様も相まって、さながら梅雨の合間の青空のようでもあった。「みんなとこうやって旗を振りたかったです!」と、タカオ自身も万感の想いを表す。そして「みんなもっともっと声出せますか!?最後一緒に飛ぼう!」と会場のボルテージを引き上げたところで、「サヨナラ嘘ツキ」でもうひと盛り上がり。ファンはもちろん、ステージ上のタカオ自身のテンションも爆発。その激しすぎるボディアクションを見れば一目瞭然だった。この曲も生音ならではの迫力が冴えた1曲で、とりわけBメロにおけるドラムの持つ圧力が段違い。サビで到達するテンションの最高点を、より高いものへと押し上げる役割を果たしていた。そうしてステージ上も客席もなく全力を出し切ったこの曲で、ライブ本編は終了。

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ずっとかかっていたい“魔法”を、じんわりと。

その後こちらも恒例となった、ファン同士で交わされるアンコールのコール「みみめめ!」「MIMI!」が交わされたのち、ステージに3人が再登場。なかでもタカオユキは、最新シングル「CANDY MAGIC」でMIMIが身につけているものと同じデザインのドレスを着用していた。「1年前のワンマンライブは本当に本当に緊張してたけど、今回はあったかい気持ちで、パワーをもらいながらやれています。皆さんのおかげです」と感謝の言葉を述べたのち、「今いちばん聴いてほしい曲を歌います」との前フリから「CANDY MAGIC」を披露。曲が始まると、フロアは色とりどりのペンライトの光に包まれる。それはまるで、この曲で“時間の儚さの象徴”としてモチーフにされたCANDYのようだった。さらに、2コーラス目のサビ以降では、今度はステージサイドからシャボン玉が噴射。「淡くきれいに輝くけど、儚いもの」という点では、こちらも楽曲の主題をピタリとなぞった“視聴覚ユニット”にふさわしい素晴らしい演出だったといえるだろう。一方ステージ上を見やれば、タカオ自身の気持ちの入り方も段違い。その歌声で、ときにはキュンと、ときには喉のあたりがギュッとするような、誰もが感じたことがあるであろう甘酸っぱい感情を想起させる。この日はハンドマイクでの歌唱だったが、いつかピアノ1本で弾き語りをするときには、もっととんでもない感情の波が押し寄せてくるのではないか。

ここでDJうこっけいとMAIMAIは、観客へひと言ずつ「今日は、外よりも遥かにアツい人たちと、素敵な時間を過ごせてうれしかったです!(DJうこっけい)」「ひと言で……マジでサイコーでしたー!(MAIMAI)」と挨拶をし、降壇。入れ替わりにポップなセットに囲まれたピアノがステージセンターに登場する。そのそばに座り、タカオがファンへと語りかける。

「去年6月に初めて“みみめめMIMI”として皆さんの前に立って……ライブ活動が始まってから1年間。自主企画ライブやイベント参加を通じて、想像以上に自分にとって“ライブ”というものが大きな存在になりました。こうやって皆さんに直接歌を届けられる場所が大好きになりましたし、これからもそれをイメージして曲を作っていきたいです。これからの私たちにも、期待していてください!(タカオユキ)」

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そして最後に彼女が弾き語りで披露したのは、「SAY-YOU」。スポットライトに照らされて、ありのままの自分の想いを歌う彼女。書いたときよりもよりこの曲と結びつきが深くなったであろう自らの想いを、飾り立てずにまっすぐに届ける。そして観客はじっと彼女のほうを見つめ、彼女の想いに向き合い、それを受け取っていた。

楽曲の披露後、深々と長い礼をするタカオ。降壇直前にはオフマイクで「ありがとうございました!」と、改めてこの日集ったファンへ感謝の気持ちを伝えていた。

間違いなくみみめめMIMIのライブ史上での、ベスト・パフォーマンスだった。なぜなら、ライブのタイトルにも据えた「CANDY MAGIC」のように青春を感じさせる楽曲はもちろん、「お絵描き」でのおもいっきり振り切れた楽曲や「サヨナラ嘘ツキ」のようなパワフルな楽曲と、すべてを1ステージ中において成立させていたから。筆者は昨年のワンマン・ライブや“視聴覚アカデミー”等も観てきたが、それらを通してファンとの掛け合いやステージ上からの想いの発し方などが、ぐんぐん向上しているのを感じている。これから“視聴覚ユニット”として、私たちにどんなステージを届けてくれるのか。そして楽曲制作の裾野が広がり続ける段階において、今度はどんな曲が飛び出してくるのか。次なる彼女たちの一手に、期待していたい。

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Text by 須永兼次

みみめめMIMI“CANDY MAGIC SHOW~梅雨だけど雨じゃなくて飴を降らせまSHOW!▷○◁~”
2015.06.28@渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
【SET LIST】
M1.センチメンタルラブ
M2.閃光ハナビ
M3.ミッディ
<MC>
M4.Mr.Darling
M5.お絵描き
M6.no name love song
M7.サヨナラ嘘ツキ~piano version~
<MC>
M8.即興ソングコーナー(新曲)
M9.瞬間リアリティ
M10.兎ナミダ
M11.1,2,少女
M12,サヨナラ嘘ツキ
EN1.CANDY MAGIC
<MC>
EN2.SAY-YOU

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