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INTERVIEW

2015.05.04

カバー・アルバム第2弾『20th Century Boys &Girls Ⅱ』リリース記念 高橋洋子スペシャルインタビュー

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――「ははうえさま」は?

高橋 ワタクシ、「エンディングフェチ」ですので(笑)。実はこの曲も前回で候補に上げたんですけど、「一休さんはないじゃないでしょう」って言われたんですよね。でも名曲じゃないですか? それに『一休さん』ってとんちの部分が注目されてますけど、お母さんが尼さんになって一緒に暮らせなくなり、自分もお寺に預けられ……っていう背景が切ない! その背景があってのこの歌ですよ。ぜひ2番をお聴きいただきたい。なので、歌いたいし聴いてほしい素晴らしい歌として、外せないアニソンとして選びました。笹路さんにも、「イントロは絶対マイナーコードで」と指定させていただく勢いで。ただ今回、譜割を変えさせていただいた部分はあります。昔から「こう歌いたい」って思っていた箇所だったので。

――「ふしぎなメルモ」はセルフカバーだとお聞きしたんですが……。

高橋 私、歌ってたんです。あ、アニメのじゃないですよ。私が小学生だった時、『手塚治虫作品傑作集』というCDでレコーディングさせていただいたことがあるんです。で、それが数年前に復刻され、自分でも買ったんですけど。ということは、10歳の私とデュエットができるかもしれない。19歳の私が(笑)。ということで提案しました。テイチクさんのお力を借りて古ーいマルチ(トラック音源)を復活させたんですけど、ガサガサした音は入っているし、ドンカマとかもない時代だからリズムもよれているし。それを全部、笹路さんがクリックを打ち直して、歌だけ引っ張って、オケを作り直してくださったんですよ。でも、偶然実現したデュエットにしては色々と出来過ぎた1曲になりました。だって、メルモちゃんってキャンディで大人になったり子どもになったりしますよね。それに合った歌割りにも注目してほしいです。歌詞どおり、「ママ」になった私が歌うとか。優しくはないけど(笑)。あと、両親の結婚記念日が4月29日なのでいいプレゼントにもなりました。でも、パンチの利いた子どもの頃の声にはなかなか叶わなくて。「頑張っていたんだな、当時の私」と思いましたね。

――「愛のバラード」についても教えてください。

高橋 これも大月さんの推薦で。私は歌詞があるなんて知らなかったんですよ。さすが大月さんですね。でも、「死」から始まる歌なんて初めて歌いました(笑)。(湖に突き刺さった)脚が見えてきそうな。

――ここでまさかの『エヴァ』とのリンク感が(笑)。

高橋 でも、聴いたら(原曲の)金子由香利さんの独特な世界がすごいんですよ。ひるんでしまいそうな。ただこれも、笹路さんがサラッと歌えるアレンジにしてくださったので救われました。

――「夜明けのマイウェイ」は?

高橋 

高橋 これもいい曲なんですよー。ドラマも好きで、どうしても確認したい話があったのでDVDボックスを買っちゃったぐらい。でも、「こんなに知られてないなんておかしい!」って思いで入れました。それが私にできることだと思うんですよね。ただ、原曲とはアレンジもアプローチも全く違っています。アレンジが上がった段階で譜割も違っていましたね。

――最後に、「残酷な天使のテーゼ」と「魂のルフラン」について。こちらはどんな気持ちで選ばれたんですか?

高橋 「ここまで来たら入れ続けます!」って気持ちですね。「またカバーするんだ」とか言われる前に「入ってますよ」って差し出すみたいな、ね(笑)。

――ただ、数多くのカバーが存在するだけに、アレンジのハードルは高いですよね。

高橋 アレンジャー泣かせですよね。そこは「泣いてください」って感じで(笑)。でも、(笹路さんには)「(「残酷-」や『魂の-』が)ありますけど」とお願いした上で「ハードル高いけどぜひ」と仰っていただきました。上がってきたアレンジを聴いたら、「やっるーっ♪」って感じですよ。「こう来たか」って感じで嬉しかったです。私も「昔歌った曲」という気持ちでは歌っていないですし。その意味では、よりシンプルに歌うのは難しい曲でした。

――『Ⅱ』がリリースされたことで、『Ⅲ』『Ⅳ』を期待したくなります。

高橋 そこは皆さん次第ですから(笑)。でも、「原曲は超えられない」というのがカバーの世界で、だけど「古いけど今聴いてもいい曲」を「私が歌ったらどうなる」という意味でそこに挑んでいるわけです。今の世の中、カバー曲なんて溢れてますけど、やっぱり同じ曲のカバーが多くて。でも、このアルバムでは、「欲しかったけど手に入らなくて」という曲をCDにするとか、知らなかった曲への入り口になれば、という使命は実現できたので。その意味では(カバーとして)成功したとは思っています。

――カバーしていただいてありがとうございました。

高橋 いえいえ、こちらこそ(笑)。もし次があるなら、もう少しアニソンを入れたいですね。種明かしになるので詳しくは言えないですけど、まだまだ隠し玉はありますし。きっと予想を裏切りますよ。

――つまり、こっちが忘れている名曲を発掘してくださる、ということですよね。

高橋 はい。でも、次があるかは皆さんにかかってますから(笑)。宜しくお願いします。


●リリース情報
20th century Boys & Girls Ⅱ
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発売中
品番:KICS-3187
価格:¥3,000+税
<収録曲>
1.残酷な天使のテーゼ(『新世紀エヴァンゲリオン』OPテーマ/1995年)
 作詞:及川眠子 作曲:佐藤英俊 歌:高橋洋子
2.カリキュラマシーンのテーマ(「カリキュラマシーン」主題歌/1974年)
 作詞・作曲:宮川 泰 コーラス:西六郷少年少女合唱
3.ひこうき雲(映画『風立ちぬ』主題歌/2013年)
 作詞・作曲・歌:荒井由実
4.真赤なスカーフ(『宇宙戦艦ヤマト』テーマ曲/1977年)
 作詞:阿久悠 作曲:宮川 泰 歌:ささきいさお
5.あなた(1973年)
 作詞・作曲・歌:小坂明子
6.ははうえさま(『一休さん』エンディング/1975年)
 作詞 -:山元護久 作曲・編曲:宇野誠一郎 歌 :藤田淑子
7.ふしぎなメルモ(TVアニメ『ふしぎなメルモ』オープニング/1971年)
 作詞:岩谷時子 作曲:宇野誠一郎 歌:高橋洋子
8.愛のバラード(映画『犬神家の一族』オープニング/1976年)
 作詞:山口洋子 作曲:大野雄二 歌:金子由香利
9.夜明けのマイウェイ(TVドラマ『ちょっとマイウェイ』」主題歌/1979年)
 作詞・作曲:荒木一郎 歌:PAL
10.魂のルフラン(『劇場版Air/まごころを、君に』主題歌/1997年)
 作詞:及川眠子/作曲:大森俊之/歌:高橋洋子

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