最強の凸凹コンビは、生ハプニングにも動じないっ。“みならいディーバ(※クリスマス生ライブ)”レポート

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2014年12月21日、六本木ブルーシアターにて“みならいディーバ(※クリスマス生ライブ)”が開催。本作のウリである「生作詞」をはじめとして、随所に『みならいディーバ』らしさのあふれる笑いの絶えないステージだった。

開演前、まずはオープニング・アクトとしてHajime(from LiLi)によるピアノリサイタルがスタート。15分ほど繰り広げられたこの催しは、タオル曲の練習あり、みならいばー(※『みならいディーバ』ファン)からのリクエストありと、早くも“なんでもあり”の様相を呈する。

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そんなリサイタルを経て、まずは本作の製作総指揮を摂る吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)が登場。「今日は一緒に伝説を作りましょう!」と会場に熱を込める。そして「今日みんなはあのふたりと一緒にここにいます!」と告げ、スクリーンに映し出されたのはペンライトで埋め尽くされたみならいディーバのステージ。
「会場内に花火を打てるのはうちだけです!」との煽りからカウントダウンが始まり、そのカウントがゼロになるとともにライブスタート。CG世界には蒼井ルリと春音ウイが、ブルーシアターには村川梨衣山本希望が登場し、まずは「ぽんこつプリンセス」からライブスタート。1曲目からウルトラハイテンションなふたりとみならいばー。逆はあれども“映像が演者にシンクする”のはやはりこの作品ならではで、いつ見ても近未来を感じる光景だ。

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そうして楽曲を披露したあとは、いつもどおりの雰囲気でのトークを展開。トークの最中にCG世界のルリとウイが寄り過ぎるとすかさず距離感の調整もなされ、細部まで計算と対応の行き届いたイベントであることも感じさせられた。ウイの「何かあっても磔(※注:システムエラーが起こると磔のように十字になり動けなくなる)で済むしね(笑)」との言葉も、それゆえの信頼感の表れだろう。

さて、ここから怒涛のライブパート。本放送中に生まれた楽曲はEDテーマらしく90秒前後で次々と移り変わっていき、テンポ感は抜群。「放課後怪盗ディーバ」ではタイトルよろしく紙幣が降ってくるエフェクトが目を引く。みならいばーのコールもバッチリだ。続く「良い報告ができなくて…」は逆光からのスタート。歌詞のカオスさを差っ引けば、CG世界のみならず現実世界のふたりもさながらディーバである。あまりにも心をえぐる1曲「現実逃避ラプソディー」を歌い上げれば、一転ポップなアップテンポ・ナンバー「真面目に作ったはずの歌詞がただのラノベなんだが」では楽曲に合わせてディーバもみならいばーも飛びまくる。それぞれコンセプトはありつつも、本放送時のみならいばーのノリで出来上がった数々の名曲・迷曲が自らの眼前で披露されるというのは、やはり何度観てもうれしいものに違いない。

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ここで一旦MCパートに。こちらも本作にとっては、欠かせないパートである。みならいディーバにとって3ヵ月ぶりのライブ。「昨日のことのようだね」と語る村川だが、山本に「どんなことした?」と突っ込まれると「えー!?」となぜか大困惑。これには山本も「これは覚えてない顔だな(笑)」と突っ込んでいた。そのほか、ステージ上からの光景を観たふたりは、メインカラーの青と緑のペンライトにも触れつつ、山本が「ピンクと白を持ってくださってる方は、最初の設定をちゃんと覚えててくださってる!」と喜ぶ場面も。頻繁に脱線するトークはカオスそのものだったが、それがまた『みならいディーバ』らしい。また、演者とCGの動きを同期する作業“キャリブレーション”がなぜかコーナー化し、みならいばーもともに両手を挙げるというシュールなひとときも。

そして、この日の目玉コーナー“生作詞でジングルベル”がスタート。「生作詞の目撃者になってください!」との煽りから、作詞に欠かせないスワロン(※石ダテコー太郎監督)とGhost Writer(※井上純一)、そしてHajime(from LiLi)が登壇。開演前にみならいばーがそれぞれ会場内で投稿した歌詞案より、取り入れていきたいものを続々披露。組み合わせてみならいディーバの「ジングルベル」を制作していくコーナーだ。読み上げられる歌詞にみならいばーからは次々と笑いが起こっていたが、その脇で歌詞を貼り出し制作していく井上の表情は真剣そのもの。なるほど、生放送の裏側ではこんな真剣勝負が毎回……!

一方、そのピリピリムードを伝えぬためか、村川と山本はさらにフリーダムさを加速させる。「雪のように舞いつららのように刺す」との一節を聴いたふたりは「ちょっとやってみよう」と、山本が雪、村川がつららを担当するコントを開始。山本が舞い続けるなか、かっこよくてちょっと厨二っぽい前口上を延々と続ける村川。それが1分近くになろうとしたところで、たまらず「長いよ!」と突っ込む山本。こんな天真爛漫な村川(=ルリ)に対して手綱を取りつつも自らもボケを入れていく山本(=ウイ)という凸凹さは、やはりいい塩梅。
そんな“いつもの雰囲気”のままトークコーナーは終了。「ふたりはこれから楽屋で歌の練習」と吉田にぶっちゃけられたところでディーバふたりは降壇。第0話(ゲネプロ)が上映されることに。第1話EDテーマ「ぽんこつプリンセス」と同じ曲なのにもかかわらず、拾われた歌詞の違いから「裏ワザ 窓拭きおじさん」とまったくテイストの違う曲に。しかも本編中熱望されていた“上上下下左右……”から始まる某コマンドをサビに見事に取り入れるという離れ業もやってのけており、ゲネプロながらも高い本気度が伺えた。

続いては吉田と石ダテ監督、キャラクターデザイン・足立慎吾が登壇しての「(※石ダテ曰く)尺稼ぎコーナー」。足立がこの作品に携わることになったきっかけや、ディーバのふたりがつけている浮き輪は「普通に立っていると腕が体にめり込んでしまうので、その対策」だったことが判明。また、その点に付随して、ふたりのコスチュームについてもパフォーマンスを優先するために当初よりもシンプルなものになっていったことも明らかに。そのほか数々の“この場限りの”裏話が次々と飛び出し、そのひとつひとつに笑い、驚嘆したみならいばーたちなのであった。
さらにこの3人によるプレゼントコーナーも。歌詞応募者の中から、足立慎吾の描いたディーバの色紙や井上純一の仮歌入りディーバ音源集、劇伴集や放送で実際使われたカンペやうちわをプレゼント。中でも足立がルリ・ウイを描いたのはキービジュアル以外ではこれが初というファン垂涎の逸品ということもあり、こちらも大盛り上がりのうちに幕を下ろした。

さて、いよいよ生作詞楽曲の披露。モニターには、ルリ・ウイへのサプライズとして入場者に配布されたジェット風船を「静かに膨らませてください」という指示が。みならいばーの準備も完了し、いざ、カウントダウン後に一斉発射……の予定が、ここで機材トラブル発生。急遽吉田が登壇し「この企画の真髄は機材トラブル」とひと笑いさらう。裏話などで繋ぎ、改めてカウントダウンとともにジェット風船が発射!サンタ姿でステージに立った村川・山本は一瞬驚きの表情を見せながらも、次の瞬間にはその表情は笑顔に変わり、「みならいディーバのジングルベル」を歌い始める。「ちょっと事故ったけど、その分いっぱい動けるよー!」と、あくまで前向きにパワフルなステージングを見せる山本。歌詞中の「エックス!」の部分では、いわゆる“Xジャンプ”が発生。光る青と緑のペンライトが眩しい。
こうして、見事正味30~40分で作詞からパフォーマンスまで達成したふたり。このライブ感、本当にゾクゾクさせられる。
再度キャリブレーションを行い、ウイは正常に動作するもののルリはまさかの磔。冒頭MCのフラグを回収した形となってしまったが、思えばアニメ第1話もこの構図。ルリの代わりに村川が存分に動く、というスタンスでライブパート再開だ。

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ここからのふたりのギアの入り方がすごかった。「筋肉に願いを」ではルリが動けない分“中の人”としてもり立てる村川と、文字通り“2人分”の動きを見せる山本。そんなふたりを眼前にしたみならいばーたちのテンションは上がり続け、「ホッタイモイジルナYo!(TV ver)」ではピークに。誰もが“みんなで作った、みんなの遊び場”で思いっきり楽しんでいて、それこそが『みならいディーバ』という作品そのものの象徴なのだろう。
さて、そんな楽しい時間もそろそろ終わりに近づく。ウイがみならいばーへの、そしてこの場を作り上げてくれた人々への感謝を語ったのち、満を持して告げたラスト・ナンバーのタイトルは……なんと「ゴマ団子三姉妹」。誰もが「ここで!?」と思ったはずのこの選曲。やはりどこまでも一筋縄ではいかないのが『みならいディーバ』だ。ダンスのキレで押すウイ(=山本)、最初からパッションをビンビン響かせてくれたルリ(=村川)。この尖った個性を持つふたりも、組み合わされば完全無敵である。MCで吉田が語っていた「(ゲネを観て)このふたりでよかったと思った」という言葉には、今なら誰もが頷くだろう。

こうして大歓声のなかステージを終えたふたりだが、アンコールのコールが始まり、同時に青と緑の2色のペンライトが灯る。いつしかそのペンライトの形は揃い、ルリに捧げるかのような「✝」がブルーシアターを埋め尽くす。
その声に呼応したふたりは再びステージに舞い戻る。第1話ED「ぽんこつプリンセス」でも触れられた「奉られてる状態」が実現した光景に再度感動しながら登場した2人から、改めて感謝の言葉が。
山本「春にお披露目イベントがあって、7月から放映されて、今12月でしょ?こんなに長く皆さんに応援してもらって、しかもみならいばーの皆さんもどんどん増えていって。本当にうれしいです。ありがとう。こうやって磔も共有できるしね。本当にペンライトが2本あってよかったよ(笑)。これ(「✝」)も初めて観る光景だけど、すごくきれい。個人的には2期やりたいんで……『みならいディーバX』(笑)。皆さんのお力をひとつにして、私たちに投げてくださればうれしいです!」
村川「ルーリー最初は元気だったけど、今はご覧の通りで(笑)。でも久しぶりにウイちゃんとルーリーとして、皆さんの前に立つことができてとてもうれしいです。みんな今日は楽しんでくれた!?(客席:大歓声)本当!?ありがとう!その声が聴けただけで私(ルーリー)本当に幸せです。もちろんルーリーも楽しかったです。みんなありがとう!」
そして村川の口から、ぽつりとこぼれ出る本心。「ルーリーまた、みんなに会いたいです」。これまでフルスロットルで走ってきた彼女がこぼした想いはみならいばーの心に染み渡り、歓声となって彼女の元へ戻ってくる。そしてそれに山本が「……じゃあ、Blu-rayとDVDをお願いします(笑)」と返し、きっちり落としてくれた。

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そんなふたりが最後に届けてくれたのは、最終回EDテーマ「Encore」。時折目を見合わせて、にこやかに微笑みながら歌う姿。そして2コーラス目が始まろうかとしたとき、山本が村川のもとへと近づき、手を取る。意表を突かれて、ちょっと驚き照れたかのような村川だったが、すぐに一緒に楽しみながら歌い出す。ウイは動けるのに、それでも最後はふたりで一緒に歌うことを選択したのだ。それが強い意志を伴ったものであることは、「あなたに出会うことができたんだ」というパートで村川を見ながら、とりわけ手を強く振る彼女の姿から容易に感じ取ることができた。気づけばブルーシアターを青と緑のライトが、CGの世界を雪の結晶が埋め尽くす。しっとりとした空気のなか深々と一礼するふたり……揃っての「かーらーのー!?」コールから真のラスト曲へ。皆様、大事な1曲を皆様お忘れではないだろうか。OPテーマであり本作のアンセム「Run Diva Run」を。待望中の待望の1曲ということもあるのか、みならいばーの盛り上がりのレベルがここで格段に上がる。CGでは動けなくても、ふたりは所狭しと舞台上ではしゃぎ回る。歌詞が飛ぼうが機材がダメだろうが、もう関係ない。歌詞中の「たとえ機材の故障で磔になろうとも」という一節がこの日の状況と奇跡的にリンクし、「この場が『みならいディーバ』だ!」と強く主張していたかのよう。歌いながらサインボールを客席へ次々とプレゼントし、CG世界には大きな「MERRY XMAS」の花火が点灯。幻想的かつ最高潮な世界のまま、ライブは幕を下ろしたのだった。

「次は“P’s Live”だね!」と意気込むふたり。これほど大胆にハプニングもひっくるめて盛り上がれるアニメは、ほかに無いだろう。これほどまでの一体感があれば、会場全員で交わした「またね!」の言葉は、その“P’s Live”のあとにもきっと実現するはずだ。

Text by 須永兼次


 “みならいディーバ(※クリスマス生ライブ)”2014.12.21@六本木ブルーシアター

【SET LIST】
M1「ぽんこつプリンセス」LIVE ver
M2「放課後怪盗ディーバ」
M3「良い報告ができなくて…」
M4「現実逃避ラプソディー」
M5「真面目に作ったはずの歌詞がただのラノベなんだが」
M6「ジングルベル(生作詞曲)」
M7「筋肉に願いを」
M8「ホッタイモイジルナYo!」TV ver
M9「土用のウエディング」
M10「ゴマ団子三姉妹」LIVE ver
M11「Encore」CD ver
M12「Run Dive Run」

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