現役声優の視点から見た『SHIROBAKO』の新人声優像トークも! ED「Animetic Love Letter」発売記念、木村珠莉・佳村はるか・千菅春香インタビュー

木下監督が「かわいいし、かっこいいし、守りたい!」

──今回の歌はキャラクターとしての歌唱ということで、バックボーンとなる作品とキャラクターについても伺っていきます。まずは皆さんが演じるキャラクターの簡単な紹介と、魅力を教えて下さい。

木村 宮森さんは表情豊かなところが一番印象的で魅力だと思います。武蔵野アニメーションで制作進行の仕事をしているので、色々な人と接する中でトラブルに出会うことも多いんですが、その中でいろいろな表情を見せてくれます。あとはドーナツをおいしそうに、幸せそうに食べるところもかわいいと思います。宮森さんはアニメが好きでこの業界に入ったんですが、他のメンバーと違ってクリエイティブな能力がないんですね。大好きなアニメの世界で自分に何ができるのか、将来の目標が具体的には見えていないところがあります。でも制作の仕事をする中で自分の適性が見えたり、できることが増えていく中で、宮森さんのやりたいことも見えてきたらいいな、描かれるといいなと思っています。
佳村 絵麻はぱっと見てもらったらわかる通りとにかくかわいいです! 見た目は守ってあげたい感じの女の子だと思うんですが、実は意外に頑固なんです。わがままなわけではなくて、アニメーターとして絵が描くことが大好きでまっすぐなので、壁に当たった時にネガティブになってしまうところがあるんですね。アニメが大好きで心優しい女の子なんですけど、仕事や絵についての悩み方がすごくリアルなんです。守ってあげたいような女の子でも、抱えているものはいろいろあるんだぞというところを見てほしいです。
千菅 しずかは新人声優で、事務所には所属しているけどアニメに出演はまだできていない設定です。元々、気が強いというかしっかりもので、みんなをまとめたり、先陣を切って行ったりするタイプです。でも自分にも他人にも妥協しないところがあって、うまくいかない中、もっと頑張らなきゃって思ってしまうんですね。前向きではあるんですけど、誰かが何とかしてくれるだろう的な楽観的なところがないので、自分がやらなきゃ、頑張らなきゃという感じで、今はちょっとお気楽ではない状況です。悩んだり涙を流したりもありますけど、きっと気持ちは充実して頑張ってると思います。

──自分とキャラクターは似ていると思いますか?

木村 宮森さんはすごくまっすぐな人なんですが、自分の中では自然に演じられて、共感できるところが多いなと思います。ただ、ものすごくコミュニケーションが高くて、立場が上の人や監督でもナチュラルに転がしちゃうところがあって。そういうことが計算とかではなく、天性でやれるところは自分にはなくて、尊敬できるなと思います。宮森さんはドーナツが大好きなんですが、現場で差し入れでドーナツを頂くとすごく嬉しいし、街を歩いていてもついドーナツに目が行ってしまうようになりました(笑)。
佳村 私は端から見たらそうじゃないかもしれないんですけど、自分では絵麻と結構似ていると思っています(笑)。というのは、落ちこんだ時の落ちこみ方がすごく似てるんです。第7話で絵麻が落ちこんでおいちゃんが励ましてくれるんだけど、絵麻は「今が駄目じゃ次は来ないよ」みたいに拒絶しちゃうんですね。その時の感じが、以前私が落ちこんで珠莉ちゃんが励ましてくれた時にそっくりなんです。
木村 あ、そこは確かに似てるかもしれない…(笑)。
佳村 7話を演じている時、みんなに「絵麻はどれだけ頑固なんだよ!」って言われたんですけど、私はごく自然に演じていたので、違和感を感じないぐらい絵麻と私の考え方が似てるんだと思います。私は大人なので、励まされたらありがとうとは言うんですけど、心のなかでは「でも…」となってるんです(笑)。もちろんお芝居の中での所作とかは違って、絵麻ちゃんの方がずっとかわいいんですけど。
木村 私も楽天的なところは自分と宮森さんは似てるかもって思いました。
佳村 みんな似てるよね。ちっすーも似てると思う。
千菅 私もしずかに悩み方が似てるかも。しずかって、悩み方も起き上がり方もオープンだなって印象があるんです。酔っ払ってみんなの前で「私もうダメダメだ、でも、がんばりまーす!」みたいな感じとか。あとは恩師のお芝居の練習を見て「そうだ、私お芝居がやりたかったんだ!」とモチベーションが回復する感じとかすごくわかります。勢い良く転んで勢い良くジャンプ! あとは声優志望としての立場というか、日常そのものですね。自分の日常そのものが作品の中に見える作品なんてめったにないと思います。

──絵麻は料理も上手でオムライスとか手際よく作ってますが、佳村さんは料理はされますか?

佳村 知ってて聞いてますね? いやいやいやいや、そこを聞かれるとは思わなかった(笑)。そこは、絵麻のためにも秘密です♡

──しずかは新人声優という役回りですが、しずかのオーディションのエピソードなどに共感したりはありますか?

千菅 しずかちゃんがオーディションの結果の連絡が来なくて不安になっていたら、養成所の縦尾先生に「それ落ちてるよ」と言われてがーんとなるシーンがあるんですね。声優のオーディションって失敗して駄目でも通知表が返ってくるわけじゃないので、明らかに自分で失敗したなという場合でも、ひょっとしたら可能性があるかもってどこか期待しちゃうんです。そのせめぎあいというか、頭ではわかっていても諦められない感じは…ありますね。
木村佳村 あー。
木村 私はしずかが初めてオーディションに行った時に、相馬れなさんという大人気声優と同じ役を受けて、そんな人と競って役がとれっこないよ…となっていたのにすごく共感しました。そういう人と同じ舞台で戦うんだということ自体に新人の頃は怖気づいてしまうんですね。自分が考えてきた演技をすればいいのに、考えすぎて縮こまってしまうのがリアルだなって思いました。
佳村 すっごくリアルな話していいですか? ずかちゃんはオーディションは受けているけど、まだ役はもらっていないんです。この時期って、果たして声優なのか? というのがあると思うんです。私自身、一番長かったのがその立場があやふやな時期だったんですね。『SHIROBAKO』を宣伝する番組の中では、しずかの職業がフリーターとなってたんです。作品としての『SHIROBAKO』は声優として人気が出てからじゃなくて、そういう微妙な時期を描いているのがすごいなって思いました。これからずかちゃんがどうなるかわかりませんが、とにかく感情移入してしまいます。
千菅 それで行くと、しずかは自分とお芝居のことでしか悩んでないのはやっぱり前向きなんだと思います。
木村 飲み会でみんなが仕事の悩みを話している時に、ずかちゃんが「仕事のことで悩めるのはうらやましいな」って言ったのは、オンエアで見て、ぐさっときました。それは本当に数年前の自分で、今演技で悩めているのは幸せなんだなって改めて思いました。
佳村 でもベテランの役者さんたちによると、しずかみたいなタイプは残るんだって。精神面は役者に向いてるんだと思います。
千菅 どういうところが残りそうなんだろうね。
木村 今度収録の時に聞いてみよう!

──キャスト同士で遊びに行ったりもあるとのことですが、そのあたりのエピソードがあれば教えて下さい。

佳村 めっちゃありすぎてどれを話そうって感じです。
木村 私たち、めっちゃくちゃ仲良しですよ。一番最初にるるちゃん(佳村)ちに二人で泊めてもらった次の日、高野麻美ちゃんと大和田仁美ちゃんも合流して、五人で吉祥寺に行ってドーナツ乾杯をしたんです。
千菅 おいしかったな~。
木村 (荷物を探る)
佳村 動画は見せなくていいよ!(笑)
木村 はらドーナツにいきました。でも住宅街っぽいところだったから。
佳村 みんな小声で(笑)。
一同 (どんどんドーナツどーんと行こう!)
木村 とかやってました。5人は仲良しなんですけど先輩たちも本当に素敵な方ばかりで、収録が終わると夜な夜な飲みに行ってました(笑)。
佳村 そのあと夜中にみんなでバッティングセンターに行ったんですよー。
千菅 バッティングセンターで酔いを覚まして。
木村 エアホッケーやって~。仕事も楽しいし、皆さんとのコミュニケーションもとっても楽しいです。先輩たちには、こいつらちょっとおかしいんだよってかわいがってもらってます(笑)。ちょっと前はお酒とか飲まない新人さんが多かったみたいで、よく世代が一周したのかなって言われます。
千菅 作中の女の子5人で飲み会って普通なのかな?
木村 私的には全然普通です!
佳村 私は『SHIROBAKO』まで仕事のあとお酒飲んだりはほとんどなくて、お茶とか飲んでた方なんですけど。今はとっても楽しいです(笑)。
木村 私はお酒が人間関係の基本だったので違和感なかったです(笑)。
佳村 コミック版では中高生だったみんながお酒飲むようになった経緯も気になります。最初はみんなドーナツで乾杯してたと思うので。
木村 ずかちゃんが居酒屋でバイトしてるから、たまり場になってるのかもしれないね。でもちゃんとりーちゃん(今井みどり)は未成年なのでジュースを飲んでますよ。

──『SHIROBAKO』には人物や場所など、実在の何かにそっくりなものが多数登場します。皆さんから見て印象に残った人や場所はありますか?

木村 そのまんまだけど嘘だと思うのが、作中にR&Bスタジオという、スタジオが出てくるんですね。宮森さんがぎゅぎゅぎゅーってすごい運転で入ってくるんですけど。

──現実のあの道でスピードを出したら、絶対事故起こしますよね。

木村 ぶつかっちゃいますし、あんなに車が入るスペースがないです(笑)。そういうところをツッコミながら見るのが好きです。
佳村 おいちゃんは法定速度は守ってます(笑)。
木村 あとは実在のお店なんですが、しずかちゃんがバイトしている吉祥寺の松亭さん。私たちが一度行こうとした日がお盆休みで、いつか行ってみたいです。
千菅 声優としてみるとブースの中が本当にリアルなので、P.A.WORKSさんとかアニメーションスタジオの様子も本当にリアルなんだと思います。聞いた話だとゴミ箱の位置まで再現しているらしいので、アニメーションを作っている世界を感じてもらえると思います。
佳村 オーディション中のしずかちゃんを萎縮させるような関係者の人の態度や、ちょっとした一言でしずかちゃんが傷ついたりの様子がすごくリアルなんです。決して悪者じゃないんですけど。そのあたりは水島監督がリアルにリアルにやってくださってます。水島監督が音響監督もやってらっしゃるんですけど、そういう関係者役の人に「もっと滑舌悪く演じてください」なんて指示が飛ぶんです。もっとだらしなく、とか。水島監督の現場は初めてなんですが、リアルと演出の合間が楽しくて、すごく勉強になります。
千菅 リアルとかじゃないんですけど、遠藤さんがかわいくて好きです。遠藤さんは奥さんがいて、プライドが高そうに見えるんだけど、いじられると弱いというか。虚をつかれると弱いのに「なんだよ!」みたいな態度なのがかわいいです。
佳村 私は木下監督が大好きなんです。そろそろ木下監督が覚醒してくれるんじゃないかと楽しみにしてます。個人的には木下監督がかわいいし、かっこいいし、守りたい!
木村千菅 守りたい!?
佳村 彼の奔放さを守りたいです。
木村 駄目です、守られたら困ります!
佳村 監督はコンテを切るまで大好きなからあげを食べさせてもらえないんです。そんな監督に好きなだけからあげ食べさせてあげたい!

──制作進行としては監督の奔放さを守られると困ってしまいますね。

木村 そんなことされたら困ります、エサを与えないでください! 甘やかさないでください! これから宮森さんも監督に苦労することになると思うので、監督の面白さにも注目してください。
佳村 私は木下監督のことが好きになるばかりだと思います(笑)。

──監督の今後にも注目しつつ、では最後にメッセージをお願いします。

木村 本当に丁寧に作っている作品で、色々なキャラクターに色々なドラマがある作品です。たくさんの人の成長物語でもある『SHIROBAKO』を見て、自分に重ねてみたり、頑張るきっかけにしてもらえたら嬉しいです。
佳村 台本を頂くたびに本当に楽しくて、役者さんの魂を込めた演技もすごくて、毎週早くみんなに見せたいと思います。私もその一員として関われて本当に嬉しいので、一生懸命頑張ってます。自分なりの楽しみ方を見つけて、一緒に『SHIROBAKO』という作品を駆け抜けてください。あなたの心に残る作品になれたらいいなと思っております!
千菅 どのキャラクターも本当に生き生きしていて、ものづくりに関わる情熱やドラマ、エネルギーがすごく伝わってくる作品です。きっとアニメを違った角度から楽しめるように鳴る作品だと思うので、アニメが好きな人にこそ見てほしいと思います。

Interview & Text By 中里キリ


 

●CDリリース情報
石田燿子、宮森あおい&安原絵麻&坂木しずか(木村珠莉&佳村はるか&千菅春香)「COLORFUL BOX/ Animetic Love Letter」
発売中
【初回限定盤】
int-1412112000-c002
価格:¥1,800+税
・ノンテロップOP、EDを収録したDVD付
・描きおろし差し替えジャケット仕様

【通常盤】
int-1412112000-c003
価格:¥1,200+税

●パッケージ情報
Blu-ray&DVD ①
2014年12月24日発売
int-1412112000-c004
第1話~第3話収録
価格:¥7,800+税(BD/DVD共通)

<初回限定版特典>
・キャラクター原案ぽんかん⑧描き下ろしイラスト三方背ケース
・キャラクターデザイン関口可奈味描きおろしデジパック仕様
・特製ブックレット(40P予定)
・劇中劇「えくそだすっ!」主題歌CD

<映像特典>
・ノンテロップOP&ED
・木村珠莉制作現場潜入レポート
『SHIROBAKO』のSHIROBAKOが出来るまで! ~その1 企画編~

<音声特典>
・第1話:木村珠莉(宮森あおい役)×川瀬浩平
・第2話&第3話:木村珠莉(宮森あおい役)×堀川憲司(P.A.WORKS)×永谷敬之(INFINITE)

(c)「SHIROBAKO」製作委員会

関連リンク

この記事を書いた人