REPORT
2014.08.04
そしてもうひとつの「9thならでは」は、参加していないメンバーのイメージが強いソロ曲のカバーコーナーだ。765プロメンバーの若手の中ではずば抜けたダンスパフォーマンス力を持つ長谷川と沼倉。そんな沼倉が「マリオネットの心」をカバーしたらどうなるか。下田の元気さのベクトルが違う「キラメキラリ」、乙女らしさに重点を置いた浅倉の「乙女よ大志を抱け!!」も新鮮だが、何より演者が楽しそうなのが印象的だ。
滝田はメガネ姿で「いっぱいいっぱい」を披露。滝田は客席とやりとりをしているときはアイドルとしてステージに立っていると思える、立っていてもいいと思えると語るほど客席との「掛け合い」を大切にしているだけに納得のチョイスだ。今井は千早と歌姫ポジションで双璧をなすあずさの「隣に…」をカバーし、たかはしとはまた違う表現力を見せていた。
カバーコーナーでもうひとつ驚いたのは、沼倉が二度目の登場で「YES♪」を披露したこと。この場面で思い出したのは、アニメ『THE IDOLM@STER』で竜宮小町がライブに遅れた際、セットリストをカバーするためにハードな楽曲を2曲連続で歌った星井美希の姿だった。元々ダンスパフォーマンスはハイレベルだったが、3周年からの参加だったこともありアイマスでは末っ子のイメージが強かった沼倉。だが誰よりも激しい楽曲を誰よりも多く歌い、踊りきる姿には凄みがあり、765プロの若きエースとしての空気をまといはじめた気がした。
ラストの「M@STERPIECE」、アンコールの「ONLY MY NOTE」「READY!!」の全員曲の流れには釘宮も全曲参加。「今日は皆様に元気をたくさんいただきましたから、明日も頑張れるしこれからも頑張れるぞと思いました。これからもよろしくお願いします！」と挨拶していた。
ライブを通して強く印象に残ったのは、冒頭に坂上プロデューサーが釘宮の体調不良を告げ、曲数が減ることを伝えたときに、不満の声がほとんど上がらなかったこと。そして釘宮が歌ったり、語ったりする時に普段以上に温かい歓声を送り続けるプロデューサーたちの姿だった。客席が声援を送り、それをエネルギーと笑顔に変えて演者が歌う。“アイドル”の原点の姿がそこにあったように思う。
ステージのメンバーが苦しいとき、ほかのメンバーが陰日向でそれを支え、会場のプロデューサーたちが全力でそれを後押しする。そんな会場を形作るピースのひとつになれたこと、765プロのプロデューサーであることを誇りに思うような、そんなステージだった。
■バンダイナムコゲームス・坂上総合プロデューサーからのコメント
「THE IDOLM@STER 9th ANNIVERSARY WE ARE M@STERPIECE!!＠大阪」にお越し下さいました、プロデューサーの皆様。暑い中、全力の応援をありがとうございました！ 8月2日（土）の公演は開催時間が大幅に遅れたことで、多くの方にご迷惑をおかけいたしましたが、皆様の暖かい応援により、無事、公演を終らせることが出来ました。制作スタッフ一同、心より感謝いたします。本当に、ありがとうございました。
次回の公演は、8月16日、17日に開催される名古屋公演となります。
名古屋でも、最高の応援をよろしくお願いしますっ！
Text by 中里キリ
THE IDOLM@STER 9th ANNIVERSARY WE ARE M@STERPIECE!!
2014.08.02＠インテックス大阪
セットリスト
M01 THE IDOLM@STER（全員）
M02 ラムネ色 青春（沼倉、今井、釘宮）
M03 スタ→トスタ→（下田）
M04 おとなのはじまり（下田）
M05 ジェミー（下田）
M06 何度も言えるよ（浅倉）
M07 ハミングロード（浅倉）
M08 ALRIGHT*（浅倉）
M09 ID:[OL]（滝田）
M10 空（滝田）
M11 君が選ぶ道（滝田）
M12 マリオネットの心（沼倉）
M13 キラメキラリ（下田）
M14 乙女よ大志を抱け！！（浅倉）
M15 YES♪（沼倉）
M16 いっぱいいっぱい（滝田）
M17 隣に…（今井）
M18 自分REST@RT（全員）
M19 待ち受けプリンス（浅倉、下田、滝田）
M20 Brand New Day!（沼倉）
M21 オーバーマスター（沼倉）
M22 Rebellion（沼倉）
M23 DIAMOND（釘宮）
M24 プライヴェイト・ロードショウ (playback, Weekday)（釘宮）
M25 choco fondue（今井）
M26 眠り姫（今井）
M27 Snow White（今井）
M28 M@STERPIECE（全員）
EN1 ONLY MY NOTE（全員）
EN2 READY!!（全員）
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