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INTERVIEW

2014.06.18

夏×ROCKな決定盤!佐藤聡美『☆』発売記念、10,000字ロング・インタビュー!

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シングル「ミライナイト」を2月にリリースし、アーティスト・デビューを果たした声優・佐藤聡美が、早くも新作となるミニ・アルバム『☆(読み:スター)を発表した。エンドウ.(GEEKS)、安野勇太(Hawaiian6)、森 勇介(locofrank)、ピエール中野(凛として時雨)など、そうそうたる参加陣とともに佐藤聡美流ロック・サウンドを凝縮した夏の傑作に迫る、10,000字インタビュー!

 

――2月にデビュー・シングル「ミライナイト」をリリースし、いよいよ歌手デビューを果たしましたが、リリース後にご自身のなかで歌うことについての変化はありましたか?

佐藤聡美(以下:佐藤) すごいスピード感がある活動だなと感じています。なんとなくの私のイメージなんですけど、シングル何枚かを経てアルバム、みたいなイメージがあったので。「ミライナイト」を経て、「ああ、ようやく発売になりましたね、ふう……」「じゃあミニ・アルバムを出します!」「えっ!」みたいな(笑)。いい意味で休む暇もなくずっと歌わせていただいている時間が続いていて。先日アルバムのレコーディングがすべて終了して少し寂しいというか、もう少し歌っていたかったなという気持ちになっている自分にちょっとびっくりしているくらいです。「ミライナイト」と「Brave Morning!!」を歌い終わったときは、達成感みたいなものがあって、デビュー・シングルで2曲をようやく歌い終えた、みたいな部分があったんですね。でも今回は達成感よりも、「もっとやりたいな」と。音楽に対する欲みたいなものが自分の中でいろいろと膨らんできたので、この気持ちのままでツアーに行ければいいなと思っている最中です。

――シングルからミニ・アルバムまでのスピード感はすごいなと思いつつ、そのスピード感に佐藤さんも順応してきているというか。

佐藤 そうですね。本当に毎週レコーディングみたいな感じのスケジュールでやらせていただいていたので、歌わない週があると不思議な感じがしちゃうくらい、音楽や歌というのが自分の生活の一部になったんだなと感じたときに、「私、アーティスト・デビューしたんだ!」みたいな(笑)。今さらですけど、そういう実感をしています。これまでの取材とかでは、アーティスト・デビューへの意気込みを話していたんですけど、レコーディングも終わって落ち着いてきたところで、今ようやくそういう実感があるかなという感じです。

――「ミライナイト」は佐藤さんの歌への想いが非常に詰まった作品になっていましたが、そこで見えたものが発展しての本作『☆』になると思うんですね。その『☆』なんですが、ミニ・アルバムと言ってもボーナストラックを含む計9曲というボリュームになりました。

佐藤 そうですね、ボリュームはすごいなと思っています。なんでこれに「ミニ」ってつけたんだろうって(笑)。それくらいすごくボリューミィな内容になっています。

――「ミライナイト」で見えた佐藤さんが歌うロックというコンセプトが、今回はより追求されていますね。

佐藤 バンド・サウンドで、なおかつ今回のアルバムのテーマが、前向きで明るくて、疾走感や風を感じることができたり、空だったり海だったり砂浜だったり……いわゆる夏に向けてというようなもので。ロック感というのも、今回加わってくださった作曲家の皆様のおかげでより増したので。私的には最初からエンジン全開な感じでレコーディングはやらせていただいていたので。

――エンドウ.さん(GEEKS)や安野勇太さん(Hawaiian6)、森 勇介さん(locofrank)といったパンク・バンドからの参加メンバーを見ると西海岸的というか(笑)。だけに非常に明るく夏向きな印象ですね。冒頭の「♡’s☆cReaM♪」(アイスクリーム)からして相当浮かれ……。

佐藤 そうです。浮かれています(笑)。タイトルも、今回はGEEKSのエンドウ.さんが3曲ほど書いてくださっているんですけど、エンドウ.さんの曲は全部私とスタッフさんでタイトルをつけさせていただいておりまして。この「♡’s☆cReaM♪」も、記号とかをたくさん使って、がちゃがちゃして、一見「なんて書いてあるんだろう?」とわからなくて二度見しちゃうタイトルがいいですよねと話していて(笑)。でも曲の中にアイスクリームという言葉は出てこないんですけど、夏と言ったらなんだ? という話をしたときに、夏といえばやっぱりアイスかな、じゃあアイスクリームにしましょうという話になって。それで、こんな感じになって、より浮かれている感が出ています(笑)。

――ちなみに佐藤さんは夏がお好きだったりしますか?

佐藤 夏の、お昼のすごく暑い時間みたいなのは苦手なんですけど、夕方になって陽が沈んで、気温的にもちょうどよくなってきた時間帯の匂いとかがすごく好きで。あと夏になると毎年浴衣を着ることができるので、お祭りに行かなくても、取材でちょっと着ることができたり。一昨年はお祭り、花火大会を見に行ったときに着たんですけど、夏ってその季節をすごく満喫することができるなと思って。なので夏はけっこう好きですね。暑いのは苦手ですけど(笑)。

 

曲ごとにシチュエーションや、主人公みたいなのを作りながら

 

――それでは『☆』の各楽曲についてお伺いします。まずは「♡’s☆cReaM♪」。もう冒頭からテンション高いですね(笑)。

佐藤 そうなんです、アッツアツなんです!冒頭の掛け声とかは、ライブでみんなが手を上げて振りながら歌ってくれるのを想定しながら歌わせていただいて。私、「♡’s☆cReaM♪」のサビがすごく好きで。「♡’s☆cReaM♪」に関してはギターを持たずにやろうかなと思っていて。ギターをする曲はもう何曲か決めているんですけど、「BOY」とか「GIRL」になったとき、会場のみんなを指さしてみようとか、そういうことを今回はイメージしながら歌ったり、歌っている自分みたいなのをイメージしたりとか、砂浜を走る自分を想像しながら歌ったので。ものすごくノリノリでやらせていただきました。

――冒頭のノリのよさもそうですが、佐藤さんのかわいさに加えて強気なカッコ良さというのがボーカルに感じられますね。

佐藤 そうですね、曲が前に前にという感じだったので、胸を張って両手を広げて、ノリノリで歌っているくらいのイメージでやりましょうみたいなお話をいただいていました。じゃあそういう気持ちになりきろうと。控えめというよりも前に前に、やるぞ!みたいな感じで。曲ごとに自分の中で、「こういうシチュエーションで、主人公はこういう感じの気持ちの子で」みたいなのを、各曲で作りながらやっていたので。

――サビの前の「聴かせてよね」もキュートで最高ですね!

佐藤 最初は「聴かせてよね」もちゃんとメロディがあったんですけど、台詞っぽく言ったら面白いかもねという話になって。今回はここがキーポイントになっています。

――2コーラス目のラップっぽいパートも素敵で。

佐藤 ラップみたいな感じになって、どうしようと思いながら。音に乗るのがすごく難しいけど楽しいって感じるのがあって。ノれたときに「よしっ!」ってなって。最初は「どうしよう」となっていたんですけど、いざできたら「よし!」となる部分だなって思います。

――続きましてストリングスも印象的な「さよならギャラクシー」。

佐藤 これはアルバムのリード・トラックになっている曲ですね。普段、こういう曲って聴いたりするんですけど、歌ったりすることはあまりないので、正直どう歌ったらいいのかわからなくて、戸惑いみたいなものがあったんですよね。歌詞にすごく芯があるので、ある種の力強さや芯の強さみたいなのを出してほしいとディレクションをいただいたので、ちょっと力が入った感じで歌って。とても好きな楽曲なんですが、すごく難しかったです。メロディもそうなんですけど、解釈も自分なりにできたかなと思ったんですけど、自分の中の歌の引き出しになかった部分を改めて知ることができた曲でもあるので。なので、このちょっと必死な感じみたいなのがライブでどう聴こえるのかとか、今後こういった曲に挑戦するときに、どういうアプローチで歌えているのかを計る一種の基準になったのかなって思いました。

――歌唱においてはまっすぐさというか、佐藤さんの等身大感も感じられるなと思ったんですよ。そこを基準にしていろんな表情を見せていくという印象は確かにありますね。

佐藤 ありがとうございます!すごく難しかったんですけど、曲としてはものすごく好きなんです。インパクトありますよね。仮歌を聴いたときにちょっとしびれました。これを歌うのかなって。「さよなら」ってカッコイイ導入から始まりますけど、歌詞はけっこう不思議な……雲を眺めていたらお腹が空いてきたんだけどそういうことじゃない、みたいな(笑)。こういうのも安野勇太さんワールドなのかなと思って。Hawaiian6さんの作った曲を歌うことによって、私が何か別のアプローチができるんじゃないかなということで、今回ディレクターさんが持って来てくださって。そういう意味では本当に挑戦の曲だったなと思います。

――次の「Starlight Fortune」はR・O・Nさんが手がけていますね。R・O・Nさんのガールズ・ロックとなると早口があったりと難しそうな印象ですが……。

佐藤 そうですね。実はこの曲が、スムーズにレコーディングできた曲なんですよ。すごく歌いやすかったです。簡単な曲というわけではないんですけど、イメージしやすかったり、女の子のかわいい感じというのがものすごく散りばめられていて。私自身R・O・Nさんの曲がとても好きで。周りでも歌っている人がいたりとか、キャラソンなどを聴いたりしたことがあって。私はお仕事をしたことがなかったんですけど、R・O・Nさんに曲を書いてもらいたいなと言ったらそれが叶った一曲だったので、ものすごく歌いやすくてキャッチーな、かわいい曲を提供してくださいました。

――R・O・Nさん楽曲ではおなじみの、早口のパートというか。

佐藤 そうですね。そのパートはやっぱり難しかったですね。でもわちゃわちゃしている感じみたいなのが楽しめるポイントだったりするのかなと思って。あと「かもん!」とか「まじ!?」とか掛け声があるので、これは女子にカラオケで歌ってもらいたいなと。これもライブを想定して、みんなが言ってくれたらいいなとイメージしながら歌わせていただいたので、個人的にもライブでの披露が楽しみな一曲です。

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