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INTERVIEW

2014.06.11

『ALCA-アルカ-創生のエコーズ II』の作者・流歌と、歌い手・富樫美鈴、佐々木未来へのスペシャル・インタビュー!

“読む”ものである「ライトノベル」で音楽が楽しめてしまう。それがこの『ALCA-アルカ-創生のエコーズ』である。この新感覚ライトノベルを生み出したのが、数々のTVアニメで作編曲を手がけてきた流歌。今回は、作品の成り立ちや製作秘話を流歌に聞くのとともに、5月3日に発売された『ALCA-アルカ-創生のエコーズ II』にて歌い手として参加した富樫美鈴と佐々木未来にも、作品や楽曲の印象を聞いた。

 

――今回『ALCA-アルカ-創生のエコーズ II』を発売されましたが、「リスアニ!」的には初めて掲載させていただきますので、まずはProject-ALCA-の成り立ちからお聞きしたいと思います。

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流歌
 澄川さんに会った5~6年前からやっていたと思います。当時やっていた同人音楽サークルのencounter+とは別に、自分のソロをやりたいなと考えていて、encounter+でやっていた曲のなかで物語を語るような形ではなく、前提に例えばアニメなどの物語があって、その主題歌やキャラクターソングを作る、というのが最初の企画趣旨でした。

――元々、ストーリー作品がありきだったんですね。

流歌 そもそも、僕自体がテーマがないと書けないんですよね。なので、作品があっての曲っていうところを重視しました。

――encounter+とALCAとでは、作品と音楽の関係が逆というのはとても興味深いですね。

流歌 同じことをやらないようにしようと思って、ALCAでは物語を語らない代わりに、謎・ヒントみたいなのを歌のなかに入れて、それを聴くと「あ、こういうことだったんだな」みたいに分かるようなギミックにしています。

――物語を読んでいるなかで、音楽もそれを読み解く鍵になっているわけですね。同人で出されていた『Rudbeckia-Mother’s Prayer-』が、この企画の最初になるんでしょうか?

流歌 そうですね。ただ『Rudbeckia』のときは物語っていうほどの物語を作っていたわけじゃなくて、「こういうイメージで作品を作りたいな」というのを音楽にした、という感じです。そのあとの『regenerate』というアルバムからは、ウェブで最初に小説を出していこうと話し合ってから作ったので、それが1巻にあたります。

――ストーリーの着想の段階では、どんなイメージがあったのでしょうか?

流歌 簡単に言っちゃえば『ガンダム』が好きで。『ガンダム』って、パッと見はガンダムに乗ってる方が正義じゃないですか?でもどっちにも言い分があって、アムロもシャアもどっちも魅力があるキャラクターで、単純な勧善懲悪ではない。そういうのを自分の中で書きたいなっていうのがいちばん最初だと思いますね。

――実は着想の元が『ガンダム』というのは面白いですね(笑)。そこでヒトとアウラドという2つの人種が出てきたわけですね。

流歌 世界が崩壊するってときに「この人たちはどうするのかな」って考えてお話を作っていって、ただあまりそれをやっちゃうと重くなりすぎちゃうので、テーマとしては重くても、そこはライトに寄せていっています。

――素朴な疑問ですが、小説を作るときと音楽を作るときで、製作期間などのカロリーの違いっていかがでしょうか?

流歌 どうなんでしょう?音楽だと、簡単なものであれば2日くらいでできます。でも、書いているものは1ヵ月ちょっとくらいかかっている気がするんですよね。単純に、元々が物書きじゃないっていうところがあって、音楽レベルのジョブが16とかだとしたら、まだジョブレベル2みたいな、アビリティもついてない感じ(笑)。1巻は速水 漣さんという方に結構な分量書いてもらったんですけど、2巻はわりと全部自分で書いて、それをみんなに監修してもらって、手直ししてもらったりしていたんです。1巻を読みつつほかの作品も読んで、どういう表現があるとか、いろいろ勉強しながら書いてるっていうとこですね、今のところ。経験値上げつつ書いています。

――ボーカルのおふたりは今回歌うにあたって、作品世界を聞いたときの印象はいかがでしたか?

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富樫美鈴(以下:富樫)
 私はこうやってライトノベルになる前に、さきほど流歌さんがおっしゃっていた『regenerate』のライブに足を運ばせていただいていて、そのときから「物語として書きたい」というのは聞いていたので、まず形になったことに感動しました。

――構想自体は長いですもんね。

流歌 そうなんですよね、どうにか形にできないかなっていうところでした。

富樫 最初は単純にノベライズなんだと思っていたら、そこにQRコードを読み込むっていうシステムが組み込まれた新しいタイプの物語でもあって、先ほど流歌さんがおっしゃっていたように、ヒントを得て作品の世界観をどんどん広げていくこともできるので、私も読むのが楽しみです。

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佐々木未来(以下:佐々木)
 私はドラマCDとか、ライブの方にも出演させていただいていたんですけど、ライブが終わったときに「ALCAはこれから休止します」みたいなことを言われて、「えっ!そんな!終わっちゃうの!?」と思って(笑)、でもこのライトノベルが発売されるっていうのを聞いて、すごくうれしかったです。QRコードを読みこんで、音楽を聴きながら物語を読んでいくっていうライトノベルを今までに見たことがなかったので、本当に画期的だなって思います。あまりライトノベルを読んだことがなかった私も、音楽の力を借りて、物語にさらにさらに深く入り込むことができて面白かったです。

――このメカニズムは画期的ですよね。

流歌 「ひとりメディアミックス」みたいな(笑)。

富樫 普通ならライトノベルのCDが出るまでって、アニメ化して、そこからそのBGMを集めてサウンドトラックにするっていう形ですからね。贅沢だなって思いますよ。

流歌 やっぱり僕は音楽家なので、作品と音楽は合わせていきたくて、「ひとりメディアミックス」ができるんだったらそれをやろうと思ったんです。「なんとかして本のなかでシーンに合わせて曲を聴けないかな?」みたいなのを考えたときに、やっぱり今はスマートフォンの普及率が相当あるので、QRコードのメカニズムでできないかなってお話をしたら、「じゃあ、やってみますか!」ってその場のノリで。

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