日本青年館にて開催された、蒼井翔太の1stライブ「Virginal」レポート!

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5月10日に行われた蒼井翔太の1stライブ「Virginal」。日本青年館大ホールのステージが深い蒼に包まれて始まったそのステージで、ダンサーを従えてキレあるダンスで魅せながらハイトーンのボーカルを聴かせるその姿は、彼が演じてきたどんなキャラよりも煌めく存在感を放っていると感じた、そんな夜をレポートする。

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昨年発売になったデビュー・ミニアルバムのタイトル曲であり、Elements Gardenの上松範康氏によるアッパーチューン「ブルーバード」から幕を開け、「月下の華」では途中で客席に姿を現し、ファンのそばで切々と歌い上げれば、フロアから大歓声があがった。

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「今日は記念すべきファーストライブということで、短い時間ではありますが、皆さんに楽しんでいただけたらと思っていろいろと考えてきました。なので120%楽しんでいただけるとうれしいです!」と微笑みを浮かべながら話す蒼井に、会場からは降り注ぐような声援が湧く。

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続くパートではTVアニメ『君と僕。』挿入歌の「Aqua」「March」「Graffiti」を続けて披露。「Aqua」はノスタルジックなサウンドが響く中での優しいメロディが紡がれる1曲。じっと聴き入るファンのもとへ続いて届く「March」はブルージーな旋律でふんわりと聴かせる。時折笑顔を浮かべながら、まるで語り掛けるように歌う彼の姿に観客は釘付けだ。そして軽快な「Graffiti」では会場からクラップの音が響き、蒼井と同じくビートに体を揺らすオーディエンスの波で会場は熱を発していた。

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「『君と僕。』という作品では、7、8曲ほど劇中歌を歌わせていただいています。今、聴いてもらった3曲のほかにも素敵な曲がありますので、アニメを観直すなどして聴いていただけたらうれしいなって思います」と作品への気持ちを語る蒼井。そしてここからは彼自身が、集まってくれるファンのために何ができるかを考えた、というスペシャルでサプライズなセットリストへ。

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「それでは聴いてください」とイントロが鳴り、会場に歓声が広がる。まずは「紫陽花」。傘をさして柔らかな歌声を響かせる蒼井は、表情からも浮遊感あるこの曲の雰囲気をたっぷりに感じさせていく。音楽と声、そして男性版と女性版とで12か月の「月」を表現する作品『ツキウタ。』で、蒼井が担う6月のキャラクター・水無月 涙の歌だ。心と体に傷を持ちながら、絶対音感をその身に宿す繊細な男性である涙らしさが隅々まで詰まった切なくも優しい心情を歌う「紫陽花」と、うって変わった激しさや熱さを感じさせる「Rainy moment」の2曲で、涙を存分に感じさせるパートにファンは満面の笑顔で想いを受け取っていく。

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「まだまだ足が震えます……。だってファースト・ライブですよ!夢にまで見た!!」と焦る彼に会場からは「頑張って!」の声援。そこから続いたのは『神撃のバハムート』に登場する吟遊詩人・エルタが歌う「Open your mind」。ステージ後方に設置されたプロジェクターには神々しいまでの景色が映し出され、その景色に溶け込ませ、伝説を伝え聞かせるように歌われる1曲は会場の雰囲気を一気に変える。ライブ会場というよりも、どこか旅の途中の、森の奥、神殿に出会ったような、そんな感覚になる。男性とも女性ともつかない蒼井翔太ならではのハイトーンな歌声の力が改めて刻まれていくようだ。

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続く曲も同じく『神撃のバハムート』より「天使のレクイエム」。「海の女神に歌を捧げる儀式の為の唄」とサブタイトルがつくこの曲はそれこそ神々に捧げられるように、大地に響くように歌われていく。彼の歌声の表現力の深さが出た2曲だな、と思う。先の「Open your mind」は語り部のように、そして「天使のレクイエム」は神秘の儀式に納められる歌のように。声優としてのみならずシンガーとして、アーティストとしての彼の表現力を強く感じさせていたといっても過言ではないだろう。

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ファンの歓声がひときわ上がったのはそんな『神撃のバハムート』の曲へ大きな拍手が湧いた次の瞬間だった。ポロンと最初の音が鳴った、それだけで会場が割れんばかりに響いた、悲鳴にも近い歓声。それこそが多くのファンが彼と出会った作品でもある『うたの☆プリンスさまっ♪』の美風 藍の歌う「Winter Blossom」「蒼井翔太はこのキャラクターから始まったと言っても過言ではないすごく大切なキャラクター」と本人も語る藍が、最後に作品のヒロインである春歌を想って、まっすぐに歌ったあの名曲だ。ゲームをしながら、この曲を聴いた人で涙しなかったファンはいただろうか。いや、きっといないはず。それほどのドラマが込められた、『うた☆プリ』のファンにとっても、もちろん蒼井にとっても、大切な大切な1曲。スクリーンに映し出される藍の映像に黄色い歓声が飛ぶも、最後にはオーディエンスから嗚咽も混じるほどの涙声が。想いを重ね、共有しながら聴く珠玉の1曲が会場に集う人たちの心をひとつにした時間だった。そして最後の「大好きだよ」こそ、春歌に向けた藍の覚悟を持った愛の言葉。そして真っ白な衣装へとチェンジして現れた蒼井が歌うのは『三国志LOVERS ドラマCD』のテーマ曲である「愛のささめきごと」。悠久の流れを思わせる旋律でしっとりと聴かせるこの曲を歌い終えると蒼井が口を開く。

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「皆さんのおかげでまたひとつひとつ、新しいキャラクターに出会えています。これからもたくさんのキャラクターに出会い、それをみなさんに紹介できるように頑張っていきますので、よろしくお願いします!」
そんな彼のもうひとつの顔。昨年から声優だけではなく舞台俳優としても表現者の表情を見せている彼が、舞台『ペルソナ3 the Weird Masquerade~青の覚醒~』の男性主人公・汐見朔也として歌ったゲーム『ペルソナ3』のEDテーマ「キミの記憶」からライブは終盤へ。爽快なギターが軽快に響くナンバーに会場は笑顔になっていく。

「なんてありがたいんだろうなって思います。本当に僕の夢だったんです。描いていた夢。本当にそれが実現しています。(このライブを)絶対にまた次に繋げるから」

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次にまたライブをする。またみんなと時間をともにする。そう約束をしたところから、ライブは熱い時間へ。ミニ・アルバムにも収録されていた「SHOT A LOVE!」だ。会場が一体となって「Oi!Oi!」と歓声を上げて跳ねると、日本青年館が震動する。みんなで一斉に「翔Time!」と叫ぶとこぼれるほどの笑顔で応える蒼井。その表情を見ればオーディエンスの歓声もさらにテンションアップ。フロアには巨大な風船が舞い、ファンもヒートアップ。右へ左へ、蒼井も動き回りながら観客を煽っていく。

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そして本人の作詞作曲によるポジティヴなロック・チューン「ユメノツヅキ」。桜の花びらの舞う中、熱い気持ちの伝わる応援歌だ。新しいことへ足を踏み出すすべての人の背中を押す1曲を歌い切った蒼井の充実感はその顔に浮かんでいた。そんなこの日のライブは母の日の前日。特徴のある声でいじめを受けたこと、そのことでたくさん心配をかけたこと、でも今は夢や目標を持って毎日を進んでいること、たくさんのファンの人たちから応援をもらっていること、その姿を見せられることがうれしいと母への感謝の気持ちを語り、最後の「Virginal」へ。ライブのタイトルにもなっているアッパーでアグレッシブなダンスチューンを、想いを込めて、そしてパワー感たっぷりに聴かせてライブの本編が幕を閉じた。

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鳴りやまないアンコールの声に応えて再びステージへと登場した蒼井。ファンの人からたくさんもらった励ましの言葉、そして支えてくれる想い。「応援してくれるファンのみんなに感謝の想いを届けたくて、ファンレターへのお返事となる手紙のつもりで書いた」と語る曲「君のとなりで」ピアノの弾き語りで心を込めて歌うと、ファンからも蒼井へと感謝の想いが湧き出し、会場を包み込んでいくのを感じた。

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そして最後はもう一度「SHOT A LOVE!」を会場のオーディエンスと一緒に歌って、ファンにとっても、蒼井にとっても決して忘れることのできない大切な夜は終幕したのだった。

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「次に繋げる」。何度も口にしたその言葉の通り、ライブでの再会を楽しみにしたい。

Text by えびさわなち

蒼井翔太1stライブ「Virginal」
2014.5.10@日本青年館大ホール

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