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INTERVIEW

2014.02.20

2ndアルバムに込められた想いへと迫る、VALSHE スペシャル・インタビュー!

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VALSHEの活動がどんどん加速する。昨年11月に発売された6thシングル「Butterfly Core」のジャケットではじめて姿を表してから1stライブ、そして今回の2ndアルバム『V.D.』と活発な様子を見せる。しかもそのタイトルには「アイデンティティ」が込められており、彼女の活動において重要な1枚であることは明らか。このアルバムへ込めた思いと各曲の解説をうかがった。

 

1stライブを終えたからこそ作れたアルバム

 

――まず昨年11月にファンクラブのみなさんに向けてはじめてのライブ「LIVE THE JOKER」を開催されましたが、手応えはいかがでしたか?

VALSHE 大変楽しかったです! 満足したライブでした。当日を目標にそれまで準備してきたことで、後悔なく自分の120%を出したパフォーマンスができたと思うので、その点に関しても満足しています。

――ファンの反響をどのように受け止めましたか?

VALSHE 飛び込んできた音が悲鳴みたいというのが第一印象でした。当日、ステージに立つ前から絶対にクセになるだろうと思っていたので(笑)。楽しくてしょうがなかったですね。

――そして2ndアルバム「V.D.」が発売されました。このタイトルは「VALSHE’s Identity」というテーマで作られたそうですが、コンセプトはどのようにして決まっていったのでしょうか?

VALSHE タイトルは実は1年以上前に決めていたんです。「自分が自分である証明」や「存在意義」を大きなコンセプトとして制作しているアルバムなんですけど、当初からこのタイミングでリリースされると決まっていたわけではありませんでした。ただ、ライブがあって顔出しをして、今後の目標としての意味合いを込めて考えたコンセプトだったので、この流れでリリースするのは自然な流れだったと思います。

――制作過程においてもご自身のアイデンティティに向き合うことが多かったと思います。

VALSHE そうですね。制作途中のことはもちろん、自分自身のこれまでの活動内容が大きく関わっているものですから。もちろん、今までの活動内容自体は自分の思い描いていた通りで、自分の意志が大きく反映されているのはまちがいないんですけど、一方で自分自身の存在意義については思っていた以上に思い詰めていてしまう時期もあったりしました。そこでやっと顔出しをしたことによって自分の中で変化や成長があったのかなと。今だからこそ向き合えたこともあって、ファンの方にとっても今までの作品の中で最もVALSHEを体感してもらえる1枚になっているんじゃないかなと思います。

――このアルバムの制作はいつ、どのくらいの期間でしたか?

VALSHE ライブが終わってからですからPV撮影からジャケット撮影まで込みで1ヶ月ぐらいですね。

――メチャクチャ短いですね!

VALSHE シングルよりも短いですね。ただ、コンセプトがしっかりあったことや、「RAGE IDENTITY」という表題曲タイトルも決めていたりと、イメージはしっかりと固まっていたし、ライブが終わってからでないと書けない自分自身の部分がありましたし、そういう意味では短いながらも本当に自分で納得のいく密度の濃い作品になったと思うので、期間関係なく自信を持って送れる作品かと思います。

――ステージに受けとった刺激がこの作品の種になりましたか?

VALSHE はい。存在意義に関しては、お客さんの前に立ったときに「自分じゃなければダメだ」ということをある意味で初めて感じたことだったので。

――どういうことでしょうか?

VALSHE 今までは極端な話、「もし声がすごく似ている人がいたら、ここに立つのは自分でなくてもいいんじゃないか」と思ったこともあったんです。でも、そういう考えをしていた自分はライブが終わった瞬間にいなくなっていました。そういう変化があると、既存の楽曲で当時思っていたこととアルバムの新曲がつながっているようにも見えるので、このコンセプトは非常に面白いのではないかと思います。

――アルバムの曲順へのこだわりはいかがでしょうか?

VALSHE 前作のアルバムはひとつのCDでストーリーを作っていたので起承転結に合わせて曲順もすごく緻密に決めていたんです。それに対して今回のアルバムではコンセプトとして掲げられているのが「VALSHEそのもの」なので、曲順に関しては聴き心地の流れで決めていきました。最初の3曲はスタッフも含めて満場一致でした。あとはサウンド・プロデューサーのminatoと一緒に、気持ちいい流れで曲順を作っていきました。

 

あえて、自分自身だけを見つめて

 

――表題曲「RAGE IDENTITY」はアイデンティティが柱となっているアルバムにおいて重要な意味を持つと思います。どんな思いでこの歌詞を紡いでいきましたか?

VALSHE この作品を作ることでようやく自分自身と向き合うことができ、「何のために自分が存在して、ここにいるのか」ということを考えた題をそのまま書き写している作品になっていると思います。アルバムを象徴する楽曲ですね。

――楽曲についてはどのようなイメージ受け取りましたか?

VALSHE この楽曲は実はアルバム制作より少し前の段階で作られていた楽曲でした。デモを聴いたあとすぐに、この曲って「V.D.」の表題曲だよねと満場一致でした。今回のアルバムでの新曲すべてに言えることなんですが、まずテーマを決め、自分自身のことを書く上で、どういうところを抜き出したいかというところを一度すべて挙げて、そのコンセプトに当てはまるような楽曲づくりを相談し合いながら制作をしていたので、「RAGE IDENTITY」についてはタイトルも歌詞もサウンドも必然的にハマっていった印象が強いです。

――つづいてのアルバム新曲は「ASTRAEA」。このタイトルは神話から採られていますが、どんなモチーフとして作られたのでしょうか?

VALSHE アルバム全体を通して歌詞も生々しくなっているというか、ひとりの人間のことについて書いているのでアルバムコンセプトからこの楽曲はちょっと浮いている存在なんですけど、今までの作品を振り返ってみたとき、やっぱりファンタジックな要素は大切にしてきたので、やっぱりそういうものを一曲入れたいよねと。自分の星座が乙女座なので、その女神から採ってこのタイトルにしました。彼女の生涯として言い伝えられている神話を元にして、そこに自分自身が共感するところを引き出して書いてみたいなと思って生まれたのがこの曲です。元々活字を読むのがとても好きなので、単純に歌詞を書こうとするより、お話が好きなのでこういうところからインスパイアされますね。

――次の「Human Dolls」はminatoさんの作詞ですが、どのようなお話をされましたか?

VALSHE この曲については幼少期の生い立ちをヒアリングしてもらって、その一部分にスポットを当てて書かれている楽曲です。かなり自分自身の半生を掘り下げている歌詞なので、ヒアリングのときは変な緊張感があったんですけど(笑)。なので、第三者としてその情景を比喩表現にしている分、より想像力を掻き立てられる歌詞になっているんじゃないかなと思います。自分自身としてはすごくリアルな歌詞になっていたので、逆に不気味だったんですけど、サウンド的にもそういう物語調なヒネたサウンドになっているので「ちょっと気味が悪い」という印象を持っていただけたらそれが「正解」なんです(笑)。

――「Blissful Jail」VALSHEさんによる作詞作曲ですが、ご自身のどんな部分をモチーフとして書きましたか?

VALSHE これは「孤独」をテーマにしています。この仕事・この立場ならではの自分の思いを全面的に書いています。デビューから3年以上経過しているんですけど、こういう歌詞のような感情が芽生えたのは、わりと最近の話だったりするんです。それは暗いというよりも、こういう気持ちが芽生えることが一種の成長なんだなという捉え方なんです。こういう活動をしている以上、考え始めれば尽きないテーマじゃないかなと思うので、向き合う必要もないし、逃げるわけでもない、常にそこにあるものなのかなということをテーマに採り上げてみたくて制作しました。

――最近というのは活動が大きくなったからこそでしょうか?

VALSHE そうですね。活動が大きくなればなるほど思います。考え始めれば辛いんだと思います。でもそれがなくなってしまったら逆にこの活動はできないんだろうと思うので。この活動そのものを自分が楽しんで生き甲斐・やり甲斐を持ってやっているので、「代償」という言い方が正しいかわからないですけど、そういう風にも取れるという歌詞ですね。

――「孤独」というテーマはリスナーにも共感を呼ぶものになるかと思いますが、このアルバム作りにおいてリスナーに向けた部分は何かありますか?

VALSHE 今回のアルバムはあえて手に取る方の気持ちを考えずに書いています。それがこれまでの作品と決定的に違うところだと思います。これまでは制作中にもこの曲が好きかなとか、受け取ったときにどういう反応を示すのかなと、いろんなことを想像しながら制作をしていたんですけど、このアルバムは自分のことを見つめることに全力を注いだほうがきっといい作品に仕上がると思って制作をしました。ファンの皆さんの反応は発売してから気にするかもしれません(笑)。

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