『Original Entertainment Paradise “おれパラ” 2013』、両国国技館公演をレポート!

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“本気で音楽に取り組み、自ら発信していける場”として、岩田光央、小野大輔、鈴村健一、森久保祥太郎という4人の人気声優をホストに、2008年にスタートした音楽の祭典“Original Entertainment Paradise”略して“おれパラ”。6回目を迎える今年は、発起人である岩田の“おれパラ”卒業公演となるだけあって、例年にも増して熱く、4人の絆の強さが表れた感動的なステージとなった。そもそも“ROCK ON !!!!”という、今年、掲げられたテーマからしてシャレている。“ROCK=岩”に“ON=音”とは、つまり岩田の音が、そして岩田への愛があふれるステージということだ。

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恒例のスターティングナンバー「おれパラップ」を森久保、鈴村、小野、岩田の順で披露すると、本編ステージのトップバッターを飾ったのは森久保祥太郎。持ち前のタフネスなヴォーカル力を活かして、まずは「Rock-2-U」でアグレッシヴにギターをかき鳴らし、ライブの幕を鮮烈に切って落とす。続く「D.I.G」では客席に腕を伸ばして、エモーションとパッションをビシビシ飛ばしてくる、そのロックスター然としたパフォーマンスは“今日は4人それぞれテーマがあって、俺は荒ぶる奴で行くぜ。たっぷり汗かいてけよ?”というMCを全く裏切らない。11月に発表したばかりの最新シングル「CHAIN REACTION」を悠々と、ステージを左右に大きく動きながら「Parallel world」をエネルギッシュに放つ声の伸びも驚異的。今回は岩田の卒業ということで、他メンバーはそれぞれ岩田の楽曲カバーをセットリストに入れていたのだが、そこで選んだ「Show must go on」についても、こんな風に語ってくれた。

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“アルバム『CORE』(2007年発売)を出すとき、岩田さんから「祥太郎、曲作ってくれないか?」と言われて作った曲で、これぞ岩田光央!って感じがする。あの人の幕は、ずーっと上がったままなんですよ”

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そしてブルージーな歌声ににじむ、一歩一歩前に進んでゆかんという力強さに胸が熱くなる。そう、まだまだショーは続いてゆくのだ。

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二番手・小野大輔は“チームD”なるバックダンサーを従えて、「Kiss Kiss Kiss」を踊りながらの登場。“みんなも一緒に!”と煽るや、両国国技館を360度埋め尽くしたオーディエンスが一斉に踊り出す様は壮観だ。シックなジャケット姿に加え、スクリーンに切なげな表情が大写しになれば、場内は黄色い悲鳴の嵐! 続いて「真夏のスピカ」「キンモクセイ」と、“記憶を大事にしていきたい”という想いの籠められた曲を爽やかに、甘く届けてくる。そんな楽曲性について“別に意図してないのに、いつも記憶をテーマにした曲になるんです。どれだけ物忘れ激しいの?”と話して笑わせながらも、次の曲紹介になると一気に真剣な顔つきに。

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“初期から改めて自分の歌詞を見返して、原点が見えてきました。率直に言って、岩田さんです。どうしても“涙をこらえて最後は笑おうぜ!”っていう曲になってしまう。あと、女々しいんですよ(笑)。大切な想いを忘れずにいようっていう想いを籠めて、今日は歌いたいと思います”

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そして歌われた岩田カバー曲「君なしで」では、その言葉通り必死に涙をこらえるシーンも。自らの原点となってくれた岩田への感謝と惜別があふれた涙を拭い、“さぁ、この気持ちを忘れずに、未来へと進んで行こう!”と「モノクロの虹」から放たれたポジティブなメッセージは岩田への餞であり、その場にいる全員にとって明日への希望であったろう。

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スタッフが選ぶ岩田“名&珍”場面集として、謎のMCや女装姿、上海公演など、この6年の秘蔵映像が流れたあとは、鈴村健一がステージに。青一色になった客席と「INTENTION」を一緒に歌い、“この会場をひとつにしませんか? クラップちょうだい!”と、今度は共に手を振る「あいうえおんがく」へと雪崩込むステージングも巧みで、会場はすっかり鈴村ワールドに染め替えられる。続けざま「All right」でも“まだ元気ありますか? 声くれますか?”と煽ったり、オーディエンスにこまめに呼びかける姿には“一体感”を重んじる鈴村の心意気が感じられて頼もしい。その真意が“いろんな想いを持って、今、ここに立ってます。だけど、特別なことを普通にするのが今日のライブかなって。だから、俺も直球のライブをやろうと思ってます”というMCにあるのは明らかだ。

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“俺が歌う岩田さんの曲は「フルーツマン」。この曲大好きで、まずタイトルに衝撃を受けたし、世の中を面白おかしく生きようとしてて真面目さが出てるのが、岩田さんらしいなぁってキュンときた。まさに岩田さんが炸裂してる曲です”

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そんなコミカル&パワフルなナンバーに、場内からは“ハイ!ハイ!”と勢いよく声が沸き、“今の自分がちょうどいい”という詞が切なく刺さる。最後は“会場をひとつにしよう!”と「ハナサカ」でフィニッシュ。大きく手を振り、ジャンプする1万人の心は、間違いなくひとつだった。

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照明がつく前からの“みっちゃん!”コールに応え、現れたトリはもちろん岩田光央。“さぁ、いくぜ、みんな!”と威勢よく、しかし落ち着いた佇まいで始まったステージには、大きなドラマと深いメッセージが隠されていた。“どうしても両国一発目は、思い出あるこの曲から始めたかった”と、今の岩田光央の原点でもある「JUST SIZE」から、濃厚なメッセージが秘められた「トキドキ」&「スマイル」へ。本人いわく、前者は“震災のとき、表現者として悩みながらも日常の有難さや、最愛の人=皆さんへの「これからもよろしくね」という気持ちで作った”というオシャレなミドルチューンで、手拍子と共に揺れるサイリウムが温かい。後者は“そんな揺れた1年を経ての宮沢賢治的自己犠牲の歌であり、どれだけ皆のために歌えるか?という決心の歌”であり、真摯なメッセージを舞台中央で歌い上げる姿は、実に堂々としたもの。秋葉原で“おれパラ”ファンのサラリーマンに声を掛けられたエピソードを語り、“みんな365日そうやって日常で頑張って、神戸と東京の4日間一緒に爆発させて笑顔になる。なんて素敵なんだろう!って実感した瞬間でした”というMCにも心温まる。また、岩田も日替わりで他メンバーの曲をカバーしており、この日は鈴村の「Analog Fighter」を披露。

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“卒業を決めたら「ちょっと飲みませんか?」と、鈴村からメールが来て。飲みに行ったときに「あの曲は岩田さんのことを想って作った曲なんです」と言われて改めて聴いたら……たまんないね。彼の想いをしっかり受け止めて、今日ここで歌いたいと思います”
その言葉通り実直に、歌詞の一言一言まで丁寧に歌う岩田の前に、なんと2サビで鈴村がサプライズ登場!感極まって歌えなくなる岩田を鈴村がフォローし、握手してハグするという素晴らしく感動的なシーンを繰り広げてくれた。そして卒業を決めた今、新たなる決意の歌として最後に贈られたのは、最新シングル『グラスホッパー』に収録されている「スーパーチャージ」

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“ここで“おれパラ”を卒業して、自分の同世代かそれより上の音楽を一生懸命やってる人たちと頑張れる場所を創りたいっていう夢があるんです。仮名称は“おじパラ”?(笑)僕にとってのスーパーチャージ=超補給は皆さんだし、皆さんにとってのスーパーチャージに僕がなれれば”

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上着を脱いで“最後、みんな気合い入れて歌っていいかい!?”と呼びかければ、場内から一斉にあがる拳の海。ポジティブなエネルギーにあふれたアッパーチューンが終わっても“おれパラ!”コールは鳴りやまず、やがてそれぞれのTシャツを着た4人が「Galaxy Bus」を歌い継ぎながら再び姿を現していく。トークでは森久保が「Kiss Kiss Kiss」の振り付けを練習していることや、鈴村のライブ打ち上げは常にカラオケであることが暴露され、小野が“みんなでカラオケ行こう!”と提案する一幕も。さらに“おれパラ”関係者からのメッセージVTRに登場した梶裕貴に対して、岩田は“梶はストイックだから好き。これからは若手がどんどん引っ張ってくれたら……”と、卒業生らしくエールを贈った。

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ラストはもちろん「眠るものたちへ」。オーディエンスの大合唱は脳髄まで揺らすほどの大音量で、メガネをかけている人/ショートカットの人/サンタの格好をしている人/外国から来た人……等々。条件付きで絞っても、そのぶん一人ひとりの声量が増して、さほどボリュームが衰えないのだから驚きだ。そうして一連のコール&レスポンスを実に10回以上繰り返し、岩田の号令で全員10回+1回ジャンプした瞬間、場内には金テープが飛んで“ROCK ON !!!!”の叫びが響きわたる。そう。“岩音”=岩田光央の信念は後輩たちに受け継がれ、これからも永遠に生き続けるのだ。

Text by 清水素子
Photo by 平野タカシ

Original Entertainment Paradise “おれパラ” 2013
2013.12.22 両国国技館 

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