霜月はるかソロライブツアー「Haruka Shimotsuki solo live Lv.5~シモツキンの挑戦状~」ファイナル公演レポート!

霜月はるかのソロライブツアー「Haruka Shimotsuki solo live Lv.5~シモツキンの挑戦状~」のファイナル公演が11月9日、Zepp Tokyoで開催された。彼女の盟友であるmao、MANYO、日山尚をゲストに迎え、新作「レムルローズの魔女」からの新曲も組み込み、現在の彼女の世界観とパフォーマンスを存分に発揮したステージの模様をお届けする。

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照明が落ちるとステージ後方のスクリーンにはちょっと懐かしいRPG風の画面が映し出され、この段階で会場にいる霜月はるかの世界観を待ち望んでいる大勢のファンからは大きな歓声が湧く。つづいてツインギター、ドラム、キーボード、バイオリン、コーラスのメンバーが次々と現れる。幻想的な世界観を形作るための厚みのあるバンドメンバーだ。そして会場の青いサイリュームに包まれ最後にセンターから霜月はるかが登場!メロディアスで彼女らしさを発揮する「a little more」でこの日の幕を開けた。

霜月が指揮の仕草をして会場を沸かせてから新譜「レムルローズの魔女」の「虚空が朽ちるまで」のイントロが始まると会場は赤のサイリュームに染まり、クワイアとアコースティック・ギターのメロディに包まれ、ファンタジックな雰囲気に。スピード感もあって、会場の空気は一段と上がる。生で奏でられるバイオリンのソロも映える一曲だ。曲が終わると会場は暗転して「遥かな空間へ」へ。3拍子のリズムにクリアな歌声を乗せ、聴かせるモードになる。大きな拍出に包まれ、ここでこの日はじめてのMC。第一声は「みなさーん、しもーっす!夢と音楽に満ちた王国、シモツキングダムへようこそ!」と彼女のいつものトークの調子。

つづいて「ダークメルヘンな世界に浸って」と話し、「レムルローズの魔女」からの「朱の月に唄う魔女」、「緋色の薔薇」を続けて投入。そう語る通り、前者はもの悲しいストリングスの響きと不穏な雰囲気のSE。スクリーンにはストーリーを暗示するムービーが流れ、じっくりと物語を語るかのように3拍子で歌い聴かせる。後者は変拍子、2拍子と展開されるパターンが繰り返され、じっくりとスイングさせてから包み上げるように歌い上げる。音数の多さとコーラスとが調和し、音に広がりのある空間を作る。ベースやストリングスのソロも聴き応えがある一曲だ。

ここで会場全体が手拍子をしてゲストの日山尚とMANYOを迎え入れ、去年から3人で結成したユニットcanoueの「星謳う民」を披露。ユニット紹介をするMCをはさみ、12月11日に発売するメジャー1stミニアルバム「ルチカ」から先行して「氷の城」を聴かせる。変拍子にハイトーンでレガートを効かせた楽曲で、コーラスの美しさなどどちらも霜月の延長線上でありながら3人の温かさが表現され、この日の来場者にアピールできたことだろう。

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今回のライブはサブタイトルに「シモツキンの挑戦状」とあり、それに合わせて彼女がキーボードで弾き語りに「挑戦」する。「茨の窓」はアルバム制作中から温めていた劇中歌的な位置づけの書き下ろしの楽曲で、アルバムのさまざまな箇所に繰り返し出てくるメロディでファンタジックな雰囲気をたっぷりに表現する。つづいては一転して、多重録音の楽曲「ネプトリュード」へとステージは展開する。ケルティックな調べとエキゾチックなセンスが調和した楽曲で、主旋律を霜月が多彩な声を聴かせる。透明感のあるコーラスとも調和したセンスの光る曲。つづいての「泰東ノ翠霞」は雅楽の発声を用いた震えのある倍音のボーカルにデジタルドラムが重なるという不思議なヒーリング感を示す曲だ。彼女は「自分のなかで異色の曲でしたが、非常に思い入れもあったのでライブで歌いたかった」と語る。つづく「空と風の旋律」はバイオリンがリードする伸びやかなメロディを伴ったラブソング。メロディに合わせ青いサイリュームが左右に揺れ、リラックスして楽しそうに歌う姿が印象的だった。「ソレノイド」は複雑なメロディの楽曲だがハイトーンとアコースティックでの世界観で会場のファンを内包し、じっくりと引き寄せる歌いぶりだったのが印象的だ。

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VTRで東京にまつわるクイズのコーナーをはさみ、衣替えをして登場した霜月は、ステージ中央から登場し、自身がパーソナリティを務めるWEBラジオ番組のテーマソング「smile link」を熱唱。ファンにはお馴染みのPOPな歌詞とメロディに会場が大きな反応を見せる。そしてこの日のゲストmaoが登場した。霜月は最近「挑戦」のひとつとして他のアーティストへの楽曲提供を行なっており、彼女のアルバムへ楽曲を提供している。maoが歌うTVアニメ「薄桜鬼 黎明録」ED主題歌「花のあとさき」も、そのように霜月が作った曲で、この日はふたりのスペシャルコラボバージョンで送る。優しいメロディに載せた柔らかなボーカルのハーモニーが美しく、maoの深みのある声が霜月と交差し、独特の仕上がりとなるファンならずとも貴重な一曲になったに違いない。ふたりも歌い終わってからのMCでは高揚気味で楽しさをかみしめていた。

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ステージも終盤に入り、懐かしい曲が構成に入ってきた。2005年発表した作品「捻子巻く時計が月の満ち欠けを刻む」はフォークロア調のやわらかな歌声で、つづく「エテルノ・ソルダン」は2007年に発表した曲で、イントロからアップテンポなリフで攻める王道のロックサウンド。霜月のボーカルとの親和性も高く、キーボードやギター、バイオリンなどソロの聴かせどころも多い。立て続けに歌う「Eternal Story」は2005年にリリースされたPS2ゲーム「イリスのアトリエ エターナルマナ2」の主題歌。リフがバックで主張して美しいメロディで合わせて次々に展開していく楽曲構成に心が踊る。霜月は自らかがむことでキーボードのソロを盛り上げていた。これらの展開は彼女のキャリアの豊かさを表すとともに、新たにファンになった人々に対してさらに深い世界へアプローチすることになったことだろう。そしてあっと言う間に本編最後の「想いのコンチェルト」。この曲の振付動画が事前に公式サイトにアップされ、これが霜月からファンに向けた挑戦状というわけだ。切ないイントロから大きく反応し、サビのユニゾンではバイオリンが寄り添って響き渡りながら赤青のサイリュームが揺れる。過剰に演出することなく、陽気なメロディを皆で楽しむ感じで最後にはみんなでクラップをするほど。最後にツアータイトルを3度叫び、本編を終えた。

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熱烈なアンコールに答えたメンバーはフードタオルをかぶって登場。紹介がてらそれぞれファンに「挑戦してほしいこと」を語り、笑いを取る。アンコール最初の「蝶ノ在リ処」では霜月がはじめてギターに「挑戦」。ロックミュージシャン然とした仕草を見せたと思ったらギターポップの楽曲を楽しそうに弾き、間奏ではリフのリレーも披露するほどだ。つぎの「schwarzweiβ~霧の向こうに広がる世界~」でがゲストのmaoを再び呼び、ツインボーカルで疾走曲をパワフルに歌う。ライブの最終盤らしく各パートも聴かせどころが満載。ある種、全部盛りな一曲だったかもしれない。そして今度はゲストの日山尚とMANYOを呼んだところで、みんなで霜月のバースデーをサプライズでお祝いするという展開に。驚きと喜びで半笑いになってしまう霜月は「温かい皆様に支えられて生きています。それに見合う私でいられるようにがんばりたいなという思いを込めて」と「星空アンサンブル」の切ないメロディを全員で左右にサイリュームを振りながら合唱。さらにオーラスで「あしあとリズム」を手拍子にのせて丁寧に歌い上げた。最後MCでは「自分の気持ちを書いた曲だからこういうところで皆さんにお届けするとすごく感極まっちゃって……」と涙声で語ると万感の拍手を受け「今回、挑戦状ということでライブをきっかけにいろんなことにチャレンジしてすごくいい経験になったと思います。昨日より今日、今日より明日という気持ちで一歩ずつ成長していける人間でありたいと思っていたので、それを体現できるツアーだったらいいなと思いながらライブを作ってきました」と総括し、さらに感謝の言葉を述べて締めくくった。終演後には画面に「シモツキンはLv.5になった」とオープニングと同じくRPG調のムービーが流れた。これらのセットが示す通り、ひとつの世界観の柱を持ちつつも豊かなサウンドを響かせる霜月はるか。男女問わず一度聴いたら虜になるファンの多さも納得のライブステージだった。

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Text by 日詰明嘉

 【セットリスト】

M01. a little more
M02. 虚空が朽ちるまで
M03. 遥かな空間へ
M04. 朱の月に唄う魔女
M05. 緋色の薔薇
M06. 星謳う民 / ゲスト:MANYO(canoue)・日山 尚(canoue)
M07. 氷の城 / ゲスト:MANYO(canoue)・日山 尚(canoue)
M08. 茨の窓
M09. ネプトリュード(Class::NEPTLUDE=>extends.TX_CLUSTERS/.)
M10. 泰東ノ翠霞
M11. 空と風の旋律
M12. ソレノイド
M13. smile link
M14. 花のあとさき / ゲスト:mao
M15. 捻子巻く時計が月の満ち欠けを刻む
M16. エテルノ・ソルダン
M17. Eternal Story
M18. 想いのコンチェルト
【アンコール】
M19. 蝶ノ在リ処
M20. schwarzweiβ~霧の向こうに広がる世界~ / ゲスト:mao
M21. 星空アンサンブル
M22. あしあとリズム

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