――楽曲の話に戻りますけど、アレンジの際に『夜桜さん』だからこそこうしたというのはありましたか?
木島 今回のドラムは主人公をイメージしていて、がむしゃらに頑張って成長していくので勢いのある感じと、家族愛のような儚い部分を表現できたら良いなと思ってドラムフレーズを作ってました。
――作詞・作曲担当だと気持ちを乗せるのに歌詞を使えるので、作品と割と直結してますけど、プレイヤーは感情やイメージをどうやって乗せるんですか?
木島 ドラムであれば手数を大幅に増やしたり、音の足し引きをすごい考えます。他にはバンド全体で「バーン!」と合わせるキメの部分は楽曲のドライブ感に繋がったりするのかなと思ったりしますね。Cメロのギターソロの繋ぎみたいなブリッジパートなど、それこそ冒頭部分なども一発勢いよく打ち鳴らして展開させているイメージです。
――ハンブレッダーズのスタジオの雰囲気ってどんな感じなんですか?
木島 めちゃくちゃ練習します。不安過ぎて(笑)。リズム隊の僕とベースのでらしは「フォーエバーソング」で10回くらいスタジオ入りました。
――どの辺りが難しかったですか?
木島 1番のBメロはずっとスネアを連打しているんですけど、そこを繊細にやらないと、そのあとの「いっせーの」という瞬間に手が間に合わなくなるので難しかったですね。このBメロは少し不穏な感じが出るように作ったパートなので、その緊張感を経てから全員で「いっせーの」と音を鳴らす瞬間が気持ち良いです。
――配信で新曲がリリースされるのはどういう気持ちですか?リリース日の0時ちょうどに一斉にみんなが聴き始めるって少し特別じゃないですか。
木島 まずは翌日に仕事や学校もあるのに夜の0時まで起きててくれて本当にありがとうという気持ちです。以前だったらCDショップへ行って、1人で聴いて自分の心の中で留めておいて良かった感情を、SNSで自分の言葉にして伝えてくれるのもすごくありがたいです。
――少し脇道に逸れた質問ですけど、木島さんやバンドについてどんなことを言われると嬉しいですか?
木島 楽曲の「最後のほう」の話をしてくれると嬉しいですね。特にアニメだと90秒の尺で流れているので、カラオケに行くと2番が歌えないこともあるのがアニソンの文化でもあるじゃないですか。もちろん聴き方は自由なんですけど、配信では人によっては冒頭だけ聴いて次の曲に行っちゃう人も多いなかで、ちゃんと1曲噛み締めて聴いてくれたというのはすごく嬉しく思いますね。それをライブで披露した時、最後にみんなが合唱してくれたり、ギターソロの瞬間に会場が沸いたりすると、曲の構成まで理解してワクワクしてくれているのが伝わってきてすごくありがたいです。
――ここで改めて木島さんご自身について伺いたいのですが、木島さんのルーツについてはこれまでも伺っているので、「今」についてお聞きしたいと思います。今、木島さんがファンに観てほしい作品と思う作品はなんですか?
木島 改めてハンブレッダーズのきっかけである『けいおん!』を観てほしいですね。バンドアニメって昨今色々ありますけど、僕たちは『けいおん!』がきっかけで始まりました。(平沢)唯ちゃんやみんなが部活の中で楽器を始めますけど、最近は部活じゃなくてSNSでメンバー集めていきなりライブハウス行きますとかじゃないですか。そういうのじゃなくて、軽音部ってこういう感じなんだよというのを観てほしいですね。
――部活だからこその「尊さ」がありますよね。
木島 ハンブレッダーズでもオープニングアクトにコピーバンドに出てもらうという企画をしているんです。去年、16~18歳の高校生で、部活でバンドやってますっていう子たちが出てくれて、「ああ……!コピーしてくれてありがとう……!」という気持ちになりました(笑)。『けいおん!』は部活のちょっとした思い出と、頑張ってライブをするまでの過程を思い出させてくれる作品ですね。とにかく『けいおん!』を観てください!(笑)
――『けいおん!』はバンドのギスギスしたところもないので観やすいですよね。でも木島さん、ギスギスものもお好きですよね(笑)。
木島 ギスギスも好きです(笑)。でもそれはちゃんとバンドをしますってなってから分かる感情なんですよね。
――確かに!『けいおん!』だと何かを目指しているわけではなく、ただ軽音部が楽しいという作品だから、ギスギスになり得ないですよね。
木島 ギスギスものは、「俺たちこれからバンドやっていくぜ」という時に生まれる、物販担当とかお金誰が管理するんだとか、そういうところから始まりますからね(笑)。
――わかります(笑)。木島さんはバンドで何担当してました?
木島 スタジオの予約とお金の管理は僕でした(笑)。
――アハハ(笑)。バンドもの以外の作品で、お薦めはありますか?
木島 最近、ようやく観たんですけど、『宇宙よりも遠い場所』ですね。ムツムロの歌詞は宇宙だったり、自分たちの見えないところを書くのが好きだったりするんですよ。『宇宙よりも遠い場所』は南極に行く話なんですけど、自分たちが想像し得ない話が描かれているのが面白いと感じてます。もちろん宇宙も出てきますし、ハンブレも宇宙をテーマにしているので、そういうところも通じてますね。
――そしてもう1つ伺いたいのが、木島さんが今後どうやってアニメに関わっていくかです。今はアニソンDJなどもされていますが、個人としてやってみたいことってありますか?
木島 唯一、やってこなかったことが物書きなんですよ。限られた文字数内で何かを伝えるというのをやったことがないので、それは一度やってみたいという気持ちです。アニメ業界に対して何かを書きたいというわけではないのですが、自分の経験や生き様として書いてみたいですね。
――今、インタビューをしている媒体がまさに“アニメ文字業界”です(笑)。もし書くとしたらどんな文章ですか?
木島 自分がこういうインタビューやラジオでルーツを話すとバンドのほうに寄せちゃうんです。もちろんロックバンドにも支えられてきましたけど、自分の中ではアニソンがあったので、そこは改めて言語化してみたいですね。2010年代のアニソンや、今はボカロが増えたからこその違うニュアンスのアニソンなど。自分でもライブに行ったりするので、その感情を文字にしてみたいと気持ちはあります。それをきっかけに「アニソンってそういう変遷があったんだよ」というのに触れていただけたら面白いんじゃないかなと感じています。
――プレイヤーとしては今後どんなことをしてみたいですか?以前、戸松遥さんのバックでやられてましたけど、そういうお仕事は今後も?
木島 いつでも待ってます(笑)。
――では、誰のどの曲のドラムを叩きたいですか?
木島 『ひだまりスケッチ』が人生なので、「ひだまりスケッチ大同窓会」みたいなのが開かれて、生バンド編成ですってなったら真っ先に立候補したいです(笑)。キャラソンも全部持ってるので、(蒼樹)うめ先生の曲も叩けます!
――蒼樹うめ先生の曲もありますからね(笑)。では最後に読者のみなさまにメッセージをお願いします。
木島 今回、タイアップをいただいたので、楽曲もたくさん聴いていただけたら嬉しいですし、歌詞がキャラの心情を抽出しているところもあるので、原作を読みながら聴いてほしいですね。原作を読んで、楽曲を聴くという繰り返しのなかで、面白い考察も生まれそうな楽曲なので、そういう形で楽しんでもらえたら嬉しいです。
●リリース情報
ハンブレッダーズ「フォーエバーソング」
配信中

配信リンクはこちら
https://humbreaders.lnk.to/ForeverSong
ハンブレッダーズ オフィシャルサイト
http://humbreaders.com/
TVアニメ『夜桜さんちの大作戦』公式サイト
https://mission-yozakura-family.com
SHARE