REPORT
2026.10.23
映画の興奮が眼前で蘇る!21人が火花を散らした“ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 12th LIVE ≪MIC AS ONE≫”。因縁のバトルから、各ディビジョンの個性が爆発する熱狂のメドレー、そして最高のサプライズまで。2日間にわたりぴあアリーナMMを多幸感で包み、文字通りマイクでひとつになった大団円のステージ。最高潮の熱気に満ちた、ヨコハマの夜をレポートする。
PHOTOGRAPHY BY 村山泰紀/内村祐貴/小山美里
TEXT BY えびさわなち
「MIC AS ONE」の文字と、マイクを握り指で天を差すロゴが浮かぶステージ中央のスクリーン。開演を前にざわめく会場の照明が落ち、Division Dance Battleが、各ディビジョンのメンバー紹介映像と共にそれぞれの個性を体現したダンスパフォーマンスで魅せると、そこにMCたちが姿を現した。センターのDJブースのDJ U-ICHIのエッジの鋭いスクラッチの音に触発されるように「オイ!オイ!」と声が湧き、「ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem- +」から“ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 12th LIVE ≪MIC AS ONE≫”はスタートした。
Buster Bros!!!、MAD TRIGGER CREW、Fling Posse、麻天狼、どついたれ本舗、Bad Ass Templeと6ディビジョン、全18MCが揃い踏みの圧巻ステージ。その始まりからMCたちと共に、声をあげるオーディエンス。リングライトの光が波のように揺れ、会場一体でヒプノシスマイクのマスターピースなアンセムチューンが歌い上げられると、続いたのはまさにライブタイトル通りのラップバトルだ。イケブクロ・ディビジョン代表であるBuster Bros!!! vs ナゴヤ・ディビジョン代表であるBad Ass Templeが登場。Bad Ass Templeの波羅夷空却役の葉山翔太とBuster Bros!!!の山田一郎役の木村 昴が吼えると、アグレッシブなバトルラップナンバー「Last Man Standing」が響き、対決が始まる。まずは天国 獄役の竹内栄治のせめぎ合うラップバトル。続けて四十物十四役の榊原優希と山田二郎役の石谷春貴が互いの矜持をぶつけると、最後は空却と一郎という以前はチームメンバーとして絆を深めていた2人による白熱の戦い。互いの“絆”を、そして街を背負うプライドをぶつけ合う頂上決戦。映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』で観たあの熱戦が、眼前でバチバチに火花を散らす。まさに魂が叫ぶようなバトルの最中、一郎と空却が肩を組む――。その瞬間を目撃したフロアからは歓喜の大歓声が湧き上がった。
続けて披露されたのは、ヨコハマ・ディビジョン代表のMAD TRIGGER CREW vs オオサカ・ディビジョン代表のどついたれ本舗によるバトルナンバー。お囃子的な和のテイストを孕んだヒップホップチューン「Out of Harmony」だ。碧棺左馬刻役の浅沼晋太郎と白膠木 簓役の岩崎諒太が、それぞれ「力」と「笑い」とを武器に対峙する。入間銃兎役の駒田 航と躑躅森蘆笙役の河西健吾が言葉を巧みに操り、毒島メイソン理鶯役の神尾晋一郎と天谷奴 零役の黒田崇矢は互いを煽り合い、歓声を浴びる。最後はかつてのチームメンバーでもあり、離別を経て現在のチームを作った左馬刻と簓が、喧嘩ラップさながらのリリックをぶつけ、互いの絆を誇示。そして「わかってんだろ?(笑ってるやろ?)、おまえら?」と叫ぶ。両極にいるようで、強い思いはどちらも負けない、そんな仲間と鳴らし合い、戦いの中だからこそ生まれた熱がフロアを席捲していった。
続いたのはシブヤ・ディビジョン代表のFling Posse vs シンジュク・ディビジョン代表の麻天狼によるエレクトロヒップホップの「Stick To My Mic」だ。先制したのは麻天狼の神宮寺寂雷役の速水 奨。徒然なる思いをラップに乗せると、Fling Posseの飴村乱数役の白井悠介も甘くキュートながら攻撃力の高いラップで迎え撃つ。寂雷の肩に手を置く乱数の姿に歓声が湧いた。伊弉冉一二三役の木島隆一の煌びやかなラップと対決した夢野幻太郎役の斉藤壮馬は普段ののらりくらりを封印し、鋭いラップで応戦した。観音坂独歩役の伊東健人の相手の弱点を突くような煽りのラップを全面から受けて立った有栖川帝統役の野津山幸宏。メンバーからの信頼も厚いトップ同士の対決は、トラックの空気をも変え、シリアスな攻防から再びポップな戦いへと目まぐるしく表情を変えていく。互いの絆と仲間への強い思いをぶつけ合った、熱き3つのバトル。そこで勝利したチームはどちらなのか――。その答えは、観客1人1人の心の中に委ねられた。
続いてそれぞれのチームの曲へ。Buster Bros!!!は3兄弟の熱を宿した「Three Kings」で、王道ヒップホップの系譜を持つ彼らならではのグルーヴで会場を揺らした。続いたMAD TRIGGER CREWは、エモーショナルなレゲエラップ「Choice Is Yours」を、地元“ヨコハマ”に響かせた。そしてFling Posseによる都会的で洗練されたヒップホップチューン「バラの束」。見事なマイクリレーで3人それぞれの個性を放った。続いた麻天狼は心地良いメロウラップ「BLESS YOU」で、チルな空気を作りオーディエンスを癒した。どついたれ本舗は『たくさん笑おう』というメッセージを込めた「笑門来福」を放つ。話術を武器とする彼ららしい高速ライムとファンキーなビートで、フロアを大きく跳ねさせた。続くBad Ass Templeは、ファミリーの絆を強く宿したポジティブなバイブス漲るファンクラップ「シンジルチカラ」で会場を熱くした。
そしてここでステージにピンクの光が射す。東方天乙統女役の小林ゆう、勘解由小路無花果役のたかはし智秋、碧棺合歓役の山本希望というチュウオウ・ディビジョン 言の葉党の3人が降臨した。そこへここまでパフォーマンスを披露してきた18人のMCも姿を現し、彼女たちと対峙する「Claim Victory」が。重厚なパイプオルガンの入ったオペラを思わせるシンフォニックなゴシックラップという言の葉党のトラックに、それぞれのディビジョンが自身のライムで立ち向かう。1対6というスリリングかつヒリヒリとした構図のなか、ステージ上の至る所でドラマが交錯し、ファンの視線を片時も離さない至高の1曲となった。
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