リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

REPORT

2026.10.19

岡咲美保が1日をかけて紡いだ、「これまで」と「これから」の物語――“Miho Okasaki 5th ANNIVERSARY LIVE フローリア”昼夜2公演を徹底レポート!

岡咲美保が1日をかけて紡いだ、「これまで」と「これから」の物語――“Miho Okasaki 5th ANNIVERSARY LIVE フローリア”昼夜2公演を徹底レポート!

9月13日、LINE CUBE SHIBUYAにて、声優アーティスト・岡咲美保が“Miho Okasaki 5th ANNIVERSARY LIVE フローリア”を開催。アーティストデビュー5周年を飾る今回のワンマンライブは、“僕の鼓動”と冠した昼公演と“約束の音”と題した夜公演の2公演で行われた。LEDモニターを用いた映像演出など初挑戦の事柄にも取り組みつつ、2公演で延べ37曲を披露。幕間映像も交えて自身の歩みも振り返りながら、自ら節目を祝してみせた。
本稿では昼夜2公演をそれぞれレポート。昼・夜を通じて繰り広げられた幕間映像の物語と共に、9月13日という日をたっぷり振り返っていく。

PHOTOGRAPHY BY 斉藤明
TEXT BY 須永兼次

初披露曲も次々登場!数々の盛り上げ曲も心躍らせた、昼公演“僕の鼓動”

開演時間を迎えると場内は暗転し、静寂のなかバンドメンバーが入場。そのままステージ後方のLEDモニターにライブロゴが表示され、OP映像がスタートする。まずは「フローリア」のMVを思わせる白い衣装の岡咲が腰掛けて本を開くと、そこに自身による、ステージに立つ日を“妄想”のように夢見た日々や初ワンマンの光景を述懐するモノローグが重なる。
そのモノローグが締め括られると、2階ステージに登場した岡咲はその中の“妄想”という言葉を導入にするかのごとく、静寂のなかデビュー曲「ハピネス」の頭サビをアカペラで、大事に伸びやかに歌唱。そして演奏開始と同時に笑顔を咲かせて「5周年ライブ、いくぞー!」のシャウトと共にメインステージへ。歌声には5年前から変わらぬキュートさもありながら、5年を経て得た確かな深みも伴わせて大切な1曲を彩っていく。また中盤からはステージ上を歩いて両サイドの観客にも接近し、笑顔と共にポジティブなエネルギーを振りまけば、最後は腕振りと共に“ラララ”の大合唱を先導。一体感をももたらすと、2曲目には早速新曲「ペリスコープ」を初披露。爽やかなナンバーにマッチする歌声を響かせながら、Bメロなどでは歌声にまたも深みを持たせて、始まりの曲に続けて“今”の駆け出すようなナンバーを歌うことで、早速未来を向いた姿を提示してくれた。
この日最初のMCでは、5周年ライブならではの「ハピネス」の冒頭のアカペラ歌唱や、LEDスクリーンを通じた映像演出という挑戦に言及。その後もみほちゃんず(※岡咲のファンネーム)と距離近くコミュニケーションを繰り広げ、「『MY ÉTOILE』ともかけて、私が一番星になれたら!」とライブへの意気込みを語って「キボウノレシピ」からライブ再開。歌声や軽快なステップにさらにキュートさを乗せれば、ハイトーンなフレーズの多いサビではビブラートも効かせて美しさも伴わせ、メロメロにするだけではなく聴かせてもいく。そこで生じたヒロイン感そのままに続けた「Maybeヒロイン」は、さらに甘めに振った歌声とサビでみせるアイドルステップとが、イエローのドレスとも良好にマッチ。また冒頭「みんなで幸せになりましょー!」と呼びかけてスタートすると、1サビでは最後のフレーズを“幸せにしてくださーい!”と歌詞を変えてシャウト。その“みんな”に自分が含まれることも示し、大サビでは歌詞通り“幸せにしてあげる!”と歌いかけて改めての宣言としていった。

曲が終わって始まった2つ目の映像では、夢に向かって歩み始めた岡咲の姿を示唆するモノローグが。何者にも代え難い一番側にいる“パートナー”と出会い、それと一緒なら「どこへでも行ける気がする」と続けると、ライトに浮かび上がった岡咲は「ココロトラベル」を歌唱。歌い出しから場内一杯へと広がりゆく美しい歌声を響かせゆけば、観客はそれに呼応し手にしたペンライトの色をブルーへチェンジ。その光の海に向け岡咲は、時折前かがみになりみほちゃんずと視線を交わしたり、Bメロでのクラップやサビでの腕振り先導などを通じて、その旅路を共にせんと観客の心を巻き込んでいく。そうしながら岡咲は、美しさのなかににわかに甘さも滲ませた伸びやかなボーカルをもってライブ序盤の聴きどころを見事に作り上げると、同じく『転生したらスライムだった件』(以下、『転スラ』)にまつわる新曲、コミック版とのコラボソング「らぱっぱ☆PARTNER!」へ。ダンサブルなサウンドに乗せて体を揺らしながらグルーヴィーに歌いゆけば、耳に手を当てコールを受け止めるなど、楽しみながらの初披露に。また1サビではライブ前に公開された『転スラ』コラボ映像同様、スライム姿のリムルが跳ねる後ろで人間の姿のリムルと並んでダンス。大切な“相棒”とのライブでのコラボでも、場内をさらに盛り上げた。
曲明けには「こうやって5周年のライブの中で、私がずっとお世話になっている作品のキャラクターと一緒に歌を届けられるのは特別なこと」と改めて感謝を述べると、彼女を演奏で支えるバンドメンバー“美保のこと支え隊”の紹介を挟み、「ここからは初めてのことに挑戦したい」とノンストップ・5曲連続でのメドレーを宣言。同じく跳ね感をもつキュートなナンバー「好きじゃないよ」が、その幕開けを飾る。
そのパフォーマンスを受け、序盤から次々と沸き起こるみほちゃんずからのコールでライブはもうひと盛り上がり……といった雰囲気のなか、ここでなんと「ミラー」へと接続。ダークなサウンドとザラつきやトゲをもたせた歌声によって、まるで“闇堕ち”したかのように、苛立ちや心のささくれを表現する姿に場内の雰囲気も一変する。大サビでは岡咲自身の感情がさらに膨らんでか、一段と力を込めた歌声で観客を圧倒するように曲を締め、「絆創膏」へ。イントロ中にはわずかに微笑みも滲ませながら、繊細なボーカルワークと表情の機微とで切ない想いを巧みに表現。大サビではファルセットを主軸にして切なさを引き立てたかと思えば、後半にかけて想いを膨らませるかのように地声に力を込め歌唱。この細部までこだわった表現が、また心を捉える。そこからシームレスに続いた「ブリキノダンス」では、サビの最後にがなり成分を盛り込みこの曲ならではの荒々しさを発揮する一方で、イントロ中には自身もライブを楽しんでいることが伝わる笑顔を滲ませながら煽る姿も。そしてメドレー最後の曲「白い雪のプリンセスは」は楽曲の疾走感にマッチさせつつも、決して勢い任せにはせずに、美しさと透明感を兼ね備えたボーカルで歌唱。またこの曲では、2サビ直前に突然演奏がストップ。ヒールの足音と共に2階ステージへと階段を上り、落ちサビ以降を美しく歌い上げていく。また大サビではスクリーンの映像に雪の結晶のエフェクトも付加され、新たな挑戦に今回のライブだからできた演出を盛り込み、メドレーを終えて一旦ステージを降りた。

その余韻が残るなかゆっくり始まったバンドソロでは、「カレイドスコープ」のフレーズを引用したジャジーな演奏が展開。この曲はこの日歌われなかったものの、岡咲にとって初の自作詞曲という大切な存在。歌唱とは違う形であっても、大事なライブに連れてきたいとの想いが込められていたのだろうか。
そんなバンドソロが終わると、幕間映像でのモノローグでこれまでの道のりを再び振り返りつつ、降り出した雨に想いを馳せて「ちゃんと、自分を愛してあげなくちゃ」と締め括ると、白のドレスに衣装チェンジした岡咲が2階ステージに再登場。ピアノ1本の演奏をバックに始まった、モノローグ最後の言葉とリンクする「Rainy Smily」で、ライブは後半へ。この日だけのアコースティックアレンジに乗せて、岡咲は自身の歌声に、この曲を受け取るすべての人の心に染み入りそっと寄り添うような温かさを伴わせていく。そうして丁寧に想いを届けていった岡咲は、歌唱後静かに一礼。そこにおくられた長くて大きな拍手は、その歌声が確かに人々の心に届いた、何よりの証拠だったのではないだろうか。それに続けたのは、歌声の美しさ際立つ新曲「ふしぎなあの子」。時にやや艷やかな表情ものぞかせつつ、ストーリーテラーのような優しい歌声で物語を紡いでその世界に観客を浸らせていくと、大サビの“そこに広がったものは”のフレーズでさーっと腕で客席をさらうといった身振りも含めて、さらに“聴かせる”ナンバーの世界に引き込もうともしていた。

歌い終わって「Rainy Smily」について「1人1人、言葉を噛み締めて聴いてくれる様子がすごく愛おしくて、私も曲の世界にスッと入ることができました」と感謝すると、おもむろに扇子を手にする岡咲。それを受けて歓声を上げるみほちゃんずを「期待して来たの?」といたずらっぽく煽ると、その期待に応える“扇子曲”「アンビリバボーアンセム」がスタート。楽曲の随所に散りばめられたコール部分で、みほちゃんずによる凄まじい音量のコールが轟いていく。それを受けて岡咲も、幾度もステージ前方へと出て観客と視線を交わしながら歌唱するなど、彼女が感じた楽しさから生まれたであろうこの場ならではのパフォーマンスを展開していくと、それがもたらした熱狂を受け継ぎより加速させたのが新曲「イイ!!」。ここでも序盤から大きく響きまくる客席からのコールを受け、岡咲は底抜けの明るさをもって多彩な表情と共にパフォーマンス。気持ちが乗るにつれてそこにパワフルさも上乗せされていき、落ちサビ前のポエトリー部の“オイサーオイサーオイサーオイサー!”などでは非常に熱量高い姿をみせ、それがさらなるみほちゃんずの興奮をもたらした。

曲明け、開口一番「ちょっと楽しすぎませんでしたか!?」と率直な初披露の感想を伝える岡咲。だがそんな楽しい時間はあっという間。昼公演は次の曲がラストに。「みんなの普段の『頑張ってるな』という、自分を認めてあげるような気持ちで聴いていただけたら」との言葉に続いて歌うのは、『MY ÉTOILE』収録の自作詞曲、そしてこのライブのタイトルにも冠した「フローリア」だ。
イントロからクラップが場内に広がり、直前とはまた違った温かな一体感に包まれるなか、それを感じながら美しくも温かな歌声を、柔らかな微笑みと共に響かせていく岡咲。彼女の表現は、歌詞に紡いだ言葉も含めて、ここにいるすべての人たちに寄り添うもの。その姿から「楽しませたいけど、楽しませるだけじゃない」というこの曲に、ひいてはこの公演全体に込めた想いを感じさせつつ、最後のフレーズまで噛み締めるように大切に歌い上げていく。最後に改めてクラップを通じて会場を1つにまとめてステージをあとにすると、本編のED映像が上映。手にした本に挟まれていた手紙を見つけ、それを不思議そうに見つめたところで終了し、物語は夜公演へと続いていく。

映像上映後に起こった拍手はしばらく鳴り止まず、そのままクラップアンコールに、やがてアンコールを求める「おーみーほ!」の声へと展開。それを受けてまたも2階ステージに登場した岡咲は、再発進にうってつけのナンバー「インフィニット」からアンコールをスタート。サウンドの勢いに乗せて歌声を思い切り突き抜けさせていき、みほちゃんずのボルテージをまたも上げていく。さらに、それを目にした岡咲自身も、2サビ明けの間奏でくるくる回りながら跳ね、盛り上がりへの喜びを表すといった好循環も。その勢いのままなだれ込んだ「HAPPY LUCKY JET!!」で、場内の熱気はさらにアップ。爆走するような勢いをもつうえにテクニカルさを要求するポイントも多い楽曲を巧みに乗りこなしつつ、笑顔と共に力いっぱいの披露を続け、オーディエンスを巻き込み“桃源郷”へといざなっていく。そこから生じた高まりが、サビ明けの“宇宙の果てまでおみほさーん!”のコールにここまで一番の声量をもたらしていた。
こうして怒涛の勢いで2曲を披露したところで、岡咲から嬉しいお知らせが。彼女の誕生日当日にあたる11月22日にファンクラブイベントを開催することや、2027年2月には4thミニアルバムを発売することなどを発表。みほちゃんずが大歓喜するのと同時に、それを伝えることができた岡咲自身も改めて喜びをあらわにし、会場の雰囲気は“最高潮”に。
そして「最後はみんなとハートを1つにしたいなって。“僕の鼓動”だよ?タイトル」の言葉から、昼公演ラストナンバー「イエロー♡ビート」が始まる。イントロから拳を振り上げながらもうひと盛り上がりにかかる岡咲。それに呼応するオーディエンスの姿にまたも笑顔を咲かせ、たまらないキュートさとエネルギッシュさに溢れたステージを展開して、最後まで魅了しきって楽曲披露を終了。降壇前、「はしゃぎすぎて靴(のパーツ)が取れちゃった!」と直す場面もあるくらい、このライブを楽しみ尽くしていった。

次ページ:約束を結び直し、幸せに向けて6年目を歩み始めた、夜公演“約束の音”

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP