現在開催中の全国ツアー“i☆Ris 11th Live Tour 2026~VINTAGE イイ味出てます~”では全公演のチケットが完売。そして11月3日にはデビュー14周年記念ライブを横浜アリーナで開催することも決定するなど、ますます波に乗るi☆Ris。そんな彼女たちが、7月15日に27thシングル「Welcome to あざとさワールド」をリリースする。表題曲はメンバーの若井友希が二階堂平子役として出演するTVアニメ『炎の闘球女 ドッジ弾子』のEDテーマに起用された。タイトルのイメージを良い意味で裏切る、アニメにもユニットにも結びつく“強さ”を感じるダンスチューンとなっている。
そんな本作のリリースにあたり、本稿ではi☆Risより茜屋日海夏と若井友希へのインタビューを敢行。従来以上の本作への深い携わり方とは?制作の裏側に迫る。
INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
――今年の全国ツアーは、見事全公演SOLD OUTとなりました。改めて、おめでとうございます!
茜屋日海夏・若井友希 ありがとうございます。
――やはり、今回のツアーはステージ上から感じる熱気もひとしおでしたか?
若井 そうですね。特にそれを感じたのは、“VINTAGE”というタイトルにちなんで過去のツアーの衣装を着てそのツアーの曲を日替わりでやるコーナーで。やっぱりみんな衣装ごとの思い出もあるのか、回によっては頭を抱えながら「うわぁー!!」みたいに言ってくれるファンもいらっしゃるんですよ(笑)。それを通じて「みんなそれぞれ、色んなタイミングでi☆Risを好きになってくれたんだな……」と感じられたのは、結構エモかったです。
――ツアーの途中から、「今回はこれやるかな?」と狙って来た方もいたのでは?
若井 いらっしゃいました。当時のツアーTシャツを着たりタオルを持ってきている……“亡霊”の方がたくさん(笑)。
茜屋 でもその“亡霊”繋がりで言うと、「ハチャメチャ×ストライク」にも結構いらっしゃったように思って。
若井 あ、いたね!
――盛り上がる曲ですけど、意外と披露回数は少ないんですよね。
茜屋 そうなんですよ。結構好きなんですけど。
若井 私もめちゃくちゃ好き。
茜屋 それを、皆さん思い思いのグッズのタオルを一緒に回しながら13周年ライブ“TITLE MATCH”のバトルの延長戦の応援もしつつ、最後には投げたタオルも一生懸命取りに行きつつ(笑)。そうやって熱いバトルを繰り広げられたのはやっている側としても楽しかったので、皆さんにも楽しんでいただけていたら嬉しいです。
――そのツアーファイナル直前にリリースとなるシングルが「Welcome to あざとさワールド」です。
若井 実は私、今回チーフマネージャーと一緒にコンペ曲を選んだんですよ。
――あ、そうなんですか!?
若井 はい。TVアニメ『炎の闘球女 ドッジ弾子』(以下『ドッジ弾子』)のエンディングになる曲なので“全力”という要素を頭に置きながら、曲を聴いて選んでいきました。そのなかで、まず「Welcome to あざとさワールド」というタイトルに一目惚れしまして。でも「『ドッジ弾子』と“あざとさ”をどう絡めているんだろう?」という点も気になって。それで曲を聴いたら、作品にも自分たちにも合うだろうなと感じたんです。なんだか点と点が繋がったというか……だから「絶対この曲がいい!」と思ったんです。
――タイトルだけではなく、曲としても惚れ込んだ。
若井 はい。そこから「歌詞の内容などを通じて、『ドッジ弾子』の全力感とアイドルとしてのあざとさという“全力”みたいなものを繋げましょう!」という感じで、作っていきました。
茜屋 私もタイトルだけ見た時には「あんまり得意じゃないかわいい系の曲だ」と思って身構えていたんですけど(笑)、曲を聴いたら全然違っていて。めちゃくちゃ戦に出るような曲というか……。
若井 あはは(笑)。
茜屋 私はこの曲の中の“あざとさ”って例えばドッジボールにおける戦略というか、良い意味でのずる賢さみたいなものと繋がるんじゃないかなと思ったんです。なので、我々が各々で作ったそれぞれのあざとさを個々で出せれば、曲ともアニメとも上手くリンクするんじゃないかなと考えました。
若井 作品とのリンクで言うと、実は制作のなかで作詞、作曲の神谷 礼さんにいただいた最初の歌詞から「ここはもう少し『ドッジ弾子』に寄せたいので、こうしてください」と要望を出させていただきながら一緒に作っていたんです。
――コンペのあとも、制作に入られていた。
若井 はい。サビの中の「ヒーロー」を“Big shot”にという提案をさせていただいたり、「つかまえなきゃ」だったところを“キャッチしなきゃ”にしていただいたりしたうえで、全力感もプラスしていただいてアニメとリンクしていったんです。私はやっぱりアイドル業界って、色んな意味でのあざとさも必要だと思うんですね。だから「あざとさに振り切って、この世界をどう生き残っていくか?」みたいなところで、アニメの「戦っていく」要素ともリンクするようにいっぱい考えました。
――作中のバトルも結構激しいですからね。
若井 そうなんです。同じようにアイドル業界も激しい戦いがあるので、そのなかで「30代アイドル、どう生き残っていくか?」みたいなところの、“生き方としてのあざとさ”が描かれた曲になったと思っています。
茜屋 「あざとさ」と聞いてパッとみんなが想像するのは、やっぱり「きゅるるるん♡」みたいなかわいいものだと思うんですね。でも私はこの曲で「“あざとい”って、人それぞれだからね!」というのを見せつけてやろうと考えて、自分の型を崩さず歌いました(笑)。だからあまり深く「こうしよう」みたいなことは考えなかったかもしれません。
――自分らしさを大事にしながら、要所要所に馴染むよう。
茜屋 はい。サビの“努力さえもノンストップであざとく”のソロが当たっていたら少し悩んだかもしれませんけど(笑)。そういう「どうしよう?」みたいなところがあまりなかったので、スルッといつも通りに。
若井 大サビでセリコ(芹澤 優)が歌ってるソロパートは元々、私の担当だったんですけどセリコが良いと思って「歌ってほしい」って譲ったんですよ。
茜屋 あ、そうなんだ。
若井 そう。レコーディング順は私が最初で、2番目だったセリコが早めに現場に来てたから、「絶対、優がいいと思う」って言ったら「どっちでもいいよー」って言ってたから。逆に私のソロで言うと、1サビの終わりはあざとさよりもアニメ寄りの全力感のほうで歌いました。「“あざとい”は、セリコとみゆたん(久保田未夢)がきっとやってくれるわ」くらいの気持ちで(笑)、ある種“作品代表”として全力で歌いました。
茜屋 私はさっき言ったようにこの曲を割と自然に歌っていったので、世に出る前の今の段階だといまだに「これが正しかったのか?」という不安もありまして。一応自分なりに解釈して歌ったんですけど……。
若井 いや、でも正解だったと思う。
茜屋 わー、ありがとうございます!“先生”がそう言うなら……(笑)。
若井 違う違う、すごい気が引ける(笑)。でもi☆Risって、何でもできる子たちじゃないですか?「この子がこれでいくなら、これでいくよ!」もできれば「じゃあ自分はこれでいきたい!」みたいなこともできる。だからこそ、みんなそれぞれの良さが出ているように思います。
――その良さが、ライブなどを通じてさらに磨かれていくでしょうし。
若井 確かに。でもこの曲のサビはユニゾンなのに珍しく全員で歌ってるんですよ。だからライブでどうやって歌うかというのが実は難しくて。
茜屋 たしかに。これ難しいよね!
若井 普通ならサビの“Welcome to あざとさワールド”の部分を全員で歌って、“限界超えろ Big shot”をソロでいく……という感じになることが多いんですけど、そうではなくて、ほぼ全員で歌って最後だけソロなんです。
茜屋 だからマイクの持っていき方がすごい難しくて。「ここ歌ったら、次歌えなくない?」みたいなところが意外とあるんだよね。
若井 そう。いっそもうファンの人に、サビの“Welcome to あざとさワールド”のところをフォローしてほしいくらいの気持ち(笑)。
茜屋 レンジ欲しいから、逆に言ってほしいかもね(笑)。
――それは聴くだけだと気づかない、ライブならではの難しさですね。
茜屋 ライブというと、振付も本当に面白くて特徴的で。中毒性もありつつ真似もしやすいものになっているんです。
若井 振付のMIKA先生が「中毒性があるものを意識して作った」と言っていたんですけど、面白い振付が多いんですよ。イントロにはボールを持って、てくてく歩くような振付が入っていたり、“Big shot”のフレーズでボールを投げていたりとドッジボールのモチーフも入っているんですよ。
茜屋 さっき話題に出たサビの頭の部分では、“ワールド”のところで振付に合わせて跳べると思うんですね。“Welcome to あざとさワールド”のフレーズは結構回数繰り返しているので……なんなら我々はTikTokもやっているので、「そっちでもバズれ」っていう気持ちです(笑)。
――そんなダンスも観られる今回のMVは、どのようなものになっていますか?
若井 今回はアーケードゲームがいっぱい並んでいるゲームセンターと、クレーンゲームをたくさん並べた倉庫みたいな場所の2ヵ所で撮影しまして。曲自体の雰囲気や『ドッジ弾子』の表紙のイメージをもとに、レトロ感とサイバーっぽさのあるMVにしていただけているんだと思っています。
――そのレトロ感という意味だと、イントロ前のゲームタイトル画面が13周年ライブ
“i☆Ris 13th Anniversary Live -TITLE MATCH- ”のソロ曲ゾーンにあった格闘ゲームのキャラクターセレクト風の演出と繋がるようにも思いました。
若井 ありましたね!取材で結構「“TITLE MATCH”と繋がる」というお話をしていただけているのは、それがあったからなのかな?
茜屋 私たちはその間に全力で着替えたり移動したりしていたので、その画面の演出はよく覚えてないんですけど……(笑)。
若井 でも実は、たまたまなんです(笑)。
――その画面から始まる今回のMVは、アーケードゲームやガンシューティングをプレイするカットもあったりと、様々なシーンがありますね。
若井 普段のi☆RisのMVよりもカット数がめちゃくちゃ多いと思うので、面白いポイントはいっぱいあるはずです!
――面白いといえば、クレーンゲームの筐体に入られていたのも印象深いシーンでした。
茜屋 なんかドキドキしました。悪いことをしているような背徳感も少しあって(笑)、でもワクワクもしましたね。
――そのうえで、カメラが寄るソロカットではあざとさも感じさせながら。
茜屋 そうですね。あのソロカットは観ているみんながゲームのプレイヤーになると思うので。
若井 ソロカットのあざとさ度合いは監督から撮られている時に、「20%」「50%」「100%」というディレクションがあって三段階のあざとさを撮ったんですよ。MVを観ていただくとわかるんですけど、“Azato Level”が溜まっていくじゃないですか?
――ソロカットで、表示されているゲージですね。
若井 はい。最終形態は「超あざといアイドルです!」として完成していく……という流れなので、その3パターンの塩梅が難しかったですね。まだ20%はいいけど、50%でやりすぎちゃうと100%の時に「え!?もう無理!何したらええんや!?」ってなっちゃうので。
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