リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2026.07.21

ソロアーティストデビューから約1年半、TVアニメタイアップ楽曲を3曲リリースするなど、声優アーティストとして注目を集めている前島亜美。それらの楽曲に加え、新曲7曲を収録するニューアルバム『POLYPHONY』をリリースする彼女に、本作への思い入れと9月のワンマンライブへ向けた意気込みを聞く

ソロアーティストデビューから約1年半、TVアニメタイアップ楽曲を3曲リリースするなど、声優アーティストとして注目を集めている前島亜美。それらの楽曲に加え、新曲7曲を収録するニューアルバム『POLYPHONY』をリリースする彼女に、本作への思い入れと9月のワンマンライブへ向けた意気込みを聞く

デビューアルバム『Determination』の発売から約1年半。3作品のTVアニメタイアップを担当したり、2度のワンマンライブを成功させたりしながら、アーティストとして着実に成長している前島亜美が待望の2ndアルバム『POLYPHONY』をリリース。彼女が自分のルーツと語るクリエイターからの楽曲提供や、自身で5曲もの作詞を手掛けるなど、意欲的な挑戦が詰まった1枚となっている。その制作過程に込められた思いを聞いてみた。

INTERVIEW & TEXT BY 仲上佳克

この2ndアルバムをもって、前島亜美の個性を完成させたい

――まずは2ndアルバムの発売が決まってのお気持ちをお聞かせください。

前島亜美 デビューアルバムを作っているときは次いつアルバムを作れるかわからないから、悔いの残らないようにしようという思いで制作していたんですけど、こんなに早く2ndアルバムが出せると思っていなかったので、まずはありがたいなという気持ちでした。デビューアルバムを出してから、1stシングル、2ndシングル、そしてデジタルリリースと続いていたのですが、そのリード曲たちも今回のアルバムに収録されるということで、なんだかちょっとベストアルバムのような、強い楽曲たちが集まったアルバムになっていて、前作を上回れる完成度になるんじゃないかと今から自分でも期待しています。

――デビューアルバムに全力で取り組んだから、次はどうしよう?とはならなかったということですね。

前島 前作は「アーティスト前島亜美の個性って、強みって何だろう?」と探しながら作っていったアルバムだったんですけど、活動も2年目になって、ちょっとずつ前島亜美の個性が見えてきたところもあり、この2ndアルバム『POLYPHONY』をもって個性を完成させて、これからの活動を加速させていきたいなと思っています。

――まさに今のアーティスト・前島亜美にとって名刺代わりのような1枚になるだろうと。

前島 そうですね。声優アーティストとしてアニメタイアップ曲もたくさん入っていますし、今回は私のルーツというところにも着目して、初めてつんく♂さんに楽曲提供をいただいたりしています。あと、もう1つのルーツとして、私がグループ活動をしていたときのデビュー曲が3曲ありまして、そのうちの1曲を小室哲哉さんに作詞・作曲していただいたんですけど、その曲の編曲をされていた齋藤真也さんに6曲目の「Jeanne d’Arc」の作曲・編曲をしていただきまして、かなり思い入れが強いアルバムになっています。

――『POLYPHONY』というアルバムタイトルにはどんな思いが込められていますか?

前島 これは音楽用語と文学用語で主に使われる言葉で、それぞれ意味が少し違うのですが、ここでいう『POLYPHONY』は文学で使われるほうで、日本語でいうと「多声性」。その言葉の意味がすごく素敵だなと思ったので、タイトルにつけました。多声性が何なのかと言いますと、自分の中に溢れている色んな声や感情は、相対するものが複雑に存在していると思うんですけど、それらすべてを肯定するというか、どれか1つが正しい意見や正義ということではなくて、すべてがそのままあっていいんだ――みたいな考え方が文学界では多声性と言われていまして。私もこの活動をするなかで1つの肩書きをメインとしてやっているわけではなくて、色んな肩書きで活動させていただいているので、このアルバムにおいても「この曲が1番!」ということよりも、全曲が大切でメインなんだという思いで作っていきたいということでこのタイトルにしました。

――Wリード曲の1曲「女神Stay Gold!」は、先程もお話に出たつんく♂さんの作詞・作曲です。つんく♂さんをご自身のルーツだと語られる経緯を、もう少し詳しくお話ししていただけますか。

前島 私の芸能デビューはグループ活動だったんですけど、なぜそのオーディションを受けたかというと、ハロー!プロジェクトへの憧れがありまして、自分がデビューしたオーディションの前に実はハロプロのオーディションを受けたことがあるんです。それがちょうど20年前で、そのときは残念ながら落選してしまって別の環境からデビューすることになったのですが、グループ活動をしながらもハロプロへの憧れが消えなくて、歌って踊ることを一度辞めてからもハロプロはずっとファンとして追いかけていましたし、心のどこかでつんく♂さんの曲を歌いたかった気持ちがありました。そこから声優アーティストとしてデビューできて、デビューアルバムでヒャダインさんとご一緒したときに、やっぱりその憧れは私の個性なんじゃないかと思ったので、ここでつんく♂さんにお願いできないだろうかと色んな方にご相談しまして、私から直々にお願いのお手紙を書いて、つんく♂さんに送っていただきました。20年たって、つんく♂さんの曲を歌えるアーティストになりたいですということと、今回のアルバムにかけていますという思いをお伝えしたところ、ご快諾をいただけて、実現したという形です。

――実際につんく♂さんからの歌詞や曲が上がってきたときは、いかがでしたか?

前島 イベントで台北にいるときに届いたんですけれども、ホテルで1人泣きました。タイトルを見たときから「この活字をつんく♂さんが私のために書いてくださったんだ」という事実に普通の活字とは違う重みを感じたというか、やっぱり歌詞ですよね。すごく私の想いを汲んでくださって、静かな闘志であったり、エールだったりをいっぱい込めていただきまして、泣けてきてしまって……。そして、私がずっと憧れてきたBerryz工房さんの音楽の要素も入っていたりして、すごく嬉しかったです。

――Wリード曲のもう1曲「完璧じゃないわたし」はTVアニメ『才女のお世話 高嶺の花だらけな名門校で、学院一のお嬢様(生活能力皆無)を陰ながらお世話することになりました』エンディングテーマで、前島さんご自身が作詞をされていますが、タイアップとしては初の作詞になりますね。

前島 同じキングレコードの愛美さんに「タイアップの作詞、楽しいよ」というお話を聞いていまして、いつか私もタイアップ楽曲の作詞をしてみたいなという気持ちがあったところ、今回TVアニメ『才女のお世話』のお話をいただけて「完璧じゃないわたし」を作りました。作曲陣がElements Gardenの4名の皆さんという、すごく豪華なことになっていまして、Elements Gardenさんというと私は『BanG Dream!』で10年近くご一緒していますし、デビューアルバムのリード曲「Determination」もElements Gardenの藤永(龍太郎)さん作曲で私の初作詞だったのもあって、初タイアップの作詞でまたElements Gardenさんとご一緒できることに安心感があったというか、大先輩方の胸を借りるつもりで歌詞を書かせていただいたんですけど……今までの作詞史上最速で書けました!

――難しかったのかなと思ったら、逆に早く書けたんですね。

前島 原作を全部読ませていただいて、とにかくキャラクターが魅力的だし、セリフがかわいいんですよ。心に残る言葉ばかりだったので、それをたくさんメモして、3名のヒロインみんなの言葉をセリフとして歌詞の中に入れ込んだりもして、すごく楽しく作詞させていただきました。

――『才女のお世話』には声優としてご出演もされています。

前島 旭 可憐ちゃんという役で出ています。この作品にはいわゆる高嶺の花であるヒロインが3名いるんですけれども、可憐ちゃんはその3名と主人公を繋ぐ役割というか、高嶺の花のヒロインたちに対して臆することなく、壁を作ることなく、懐に飛び込んでいける。そんな愛嬌たっぷりの、太陽のような子だなという印象です。

――そういう役を演じているからこそ書けた歌詞でもありますか?

前島 私自身が才女でも高嶺の花でもないので主人公目線で書けたというか、「高嶺の花に近づきたいけど、でも、緊張しちゃう……!」みたいな気持ちもわかりつつ、「そうじゃなくて、普通の女の子として見てほしいな」みたいなことを書けたらいいなというのはありましたね。あと、キングレコードの先輩の水樹奈々さんに「タイアップの作詞をするときに作品のことを考えるのはもちろんなんだけど、キャラクターソングにならないように気をつけないといけないよ」というお話をうかがったことがあって。なので、私の曲であるということも意識して、作品と“前島亜美”どちらの要素もある言葉って何かな?と思ったときに「完璧じゃないわたし」というワードが出てきました。

――自分の曲としても成立するということが大切なんですね。

前島 今までやらせていただいたタイアップの楽曲を含めても、私らしさが出ていると思います。あと、この辺りで“THE声優アーティスト”みたいな楽曲を歌いたいという私の希望もあって。なので今回、曲中にセリフがいっぱい入っていたり、王道アニソンみたいな感じでElements Gardenさんに作っていただいたのもあるので、声優アーティストとしての挑戦というか、新しい色を獲得したい!みたいな気持ちでした。

次ページ:これからもいっぱい作詞をしていきたいなと思っています

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP