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INTERVIEW

2026.07.07

広瀬裕也、念願のアーティストデビュー!1stアルバム『Focus』に込めた、“違う自分を見てもらいたい”という想い

広瀬裕也、念願のアーティストデビュー!1stアルバム『Focus』に込めた、“違う自分を見てもらいたい”という想い

声優として『アイドリッシュセブン』など数々の作品で歌声を届けてきた広瀬裕也が、30歳を迎え、満を持してアーティストデビューを果たした。バンドへの憧れからダンスナンバーへの意欲へ、自身の音楽的ルーツと向き合いながら生み出した1stアルバム『Focus』は、R&Bからバラード、王道のポップスからラテンナンバーまで、多彩な楽曲が揃った。音楽が好き、歌うのが好き!という純粋な衝動が結実した『Focus』を、たっぷり語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香

広瀬裕也の音楽ルーツは邦楽ロックバンドとアイドルソング!?

――広瀬さんは声優として、『アイドリッシュセブン』でアイドルグループ「ŹOOĻ」のメンバー・亥清 悠役を担当するなど作品内で歌う機会も多くありましたし、事務所プロフィールの「趣味・特技」の欄にも「歌うこと」と書かれています。音楽にとても意欲的ですね。

広瀬裕也 はい、歌うことも音楽もすごく好きですね。

――高校時代にはバンドも組んでいたとか!

広瀬 そうなんです。学校に軽音部はなかったので、有志で活動するみたいな感じで、文化祭に出るためのバンドを高校1年から組んでいて、途中からキーボードも入れたんですけど、メインはずっと同じメンバーで高3までやってました。最後は「卒業ライブ」みたいな感じで、自分たちでお金を払ってライブハウスを借りて、同級生とか他のバンドにも声をかけてライブをやりました。懐かしいな!(笑)。

――広瀬さんの担当は?

広瀬 僕はボーカルでした。楽器も少し……アコースティックギターをちょっとだけ弾けるんですけど、人前ではあまり(苦笑)。

――バンドではどんな曲を演奏していたんですか。

広瀬 コピーですね。flumpoolさんの「君に届け」とか……世代的にちょうどSEKAI NO OWARIさんが流行っていたので、セカオワさんの曲をやりたくて、キーボードを急に入れたり。「君に届け」もピアノがあるので、これはいいぞ!と(笑)。

――ちなみにバンド名は?

広瀬 えーっと……NEW AGEだった気がします。新しい時代……今振り返ると、めっちゃ恥ずかしい(笑)。当時のメンバーには幼馴染もいるので、僕が声優デビューしたときは「おめでとう!」と連絡をくれて、嬉しかったです。

――そもそも広瀬さんは、今までどういう音楽を聴いてこられたんですか?

広瀬 バンドをやったくらいなので、バンド音楽はもちろん好きですね。例えば、Mrs. GREEN APPLEさんとか。1曲の中でどんどん展開が変わっていくじゃないですか。ああいう目まぐるしい曲がすごく好きですね。方向性的にはポップなバンドもの。ゴリゴリのロックや洋楽というよりは、邦楽のポップなロックバンドが好きです。

――バンド以外だと?

広瀬 親の影響で、アイドルソングを聴くことも多かったですね。嵐さんとかNEWSさん、KAT-TUNさんとか、ほんとに小さい頃から家でライブ映像が流れていて、リビングで親と観ているうちに、気づいたら好きになってました。中学校の頃もカラオケに行っては男性アイドルグループメドレーを歌ったり、友達と何度も曲を聴き込んで耳コピでハモリを練習して、録音して「おっ、キマった!」みたいな遊びもよくしてました(笑)。

――男性アイドルグループの曲は、ダンサブルなもの多いですよね。

広瀬 はい、だからダンサブルな曲が好きで、結果、今回のアーティスト活動でもそっちの方向性が強まったというか。バンド音楽も好きなんですけど、ソロでやってみたいと思った音楽がバンド方向じゃなかったのが、自分にとっても発見でした。

――声優活動の中でも、いつか音楽活動ができたらいいなという想いはずっと?

広瀬 ありましたね。声優を目指す前から歌うことは好きだったので、声優としてキャラソンを歌える機会をもらえたのも嬉しかったですし、キャラクターを通してライブステージに立たせてもらえるのも、とても楽しくて、やりがいを感じてきました。ただキャラクターとは違う、広瀬裕也本人としての音楽活動にもずっと憧れていたので、今回、30歳になったタイミングで夢が叶ったことが本当に嬉しくて。最近は、声優でも10代、20代で音楽活動を始める方もたくさんいるじゃないですか。「まだそんなチャンスを僕にいただけるんだ!いいんですか?」というのもあって、嬉しさしかなかったです。

――確かに、広瀬さんの身近な方でアーティスト活動されている声優さんも多いですよね。

広瀬 めちゃくちゃいますね。千葉翔也さん、梶原岳人さん、中島ヨシキさんだったり。斉藤壮馬さんもそうですけど、仲良くしてもらっている先輩方や同世代の人がすごく活躍されているので、もちろん僕も曲を聴かせてもらってますし、ライブも観に行かせてもらったりしてきたので「羨ましいな!」がずっとありました。

――皆さんが集まって、音楽の話をしたりも?

広瀬 音楽の話というか……僕、4月9日の30歳の誕生日にアーティストデビューを発表させてもらったんですけど、そのあと仲間内で誕生日会みたいなのを開いてもらったんですよ。そこで、みんなの前で「Velvet Parade」のMVを流して踊れって言われました(笑)。でもありがたいですね、そうやって聴いてもらえるっていうのは。同業の人に「よかったね!」って言ってもらえるのは、めちゃめちゃ嬉しいです。

「踊りたい!」という新発見──リード曲「Velvet Parade」が示した、もう1人の広瀬裕也

――先ほどもちょっとお話に出ましたが、ご自身の音楽的バックグラウンドが、アーティスト活動をスタートするにあたっての指針になりました。そのうえで、1st アルバム『Focus』全体のコンセプトは、どう考えられましたか?

広瀬 声優活動では最近、元気な役が多くて、僕自身もポジティブな人間なので、そういう明るいのとはちょっと違う、クールな部分だったり、かっこいい部分も見てもらいたかったんです。なので、リード曲として先にMVを発表させてもらった「Velvet Parade」ではダンスにも挑戦しましたし、これを機に、僕の色んな部分を見せることが、僕にとっては1つのエンターテインメント。『Focus』を通じて、僕自身がエンターティナーになりたいと思いました。

――アルバムタイトルを『Focus』にしたのは?

広瀬 やっぱり、みんなに見てもらいたい、みんなの前で歌って踊りたい!というのが根っこにあったんです。アーティストとしての新しい広瀬裕也を見てもらいたかったので、タイトルも「Look at me!」でもよかったぐらいのテンション感でしたけど、さすがにそれはやりすぎかなと思いまして(笑)。『Focus』という言葉には「注目してもらう」という意味があるので、色んな楽曲だったり、ダンスへの初挑戦だったり、普段とは違う色んなものにフォーカスしてほしい、という気持ちを込めました。

――さっき伺った中に、バンドサウンド中心になるかと思いきや、ダンスナンバーをフィーチャーする気持ちが膨らんだのが、自分としても発見だったというお話もありましたが。

広瀬 そうなんですよね。『Focus』を制作するにあたっての最初のイメージは、マイクスタンドがあってバンドを背負って歌う感じかな?と思っていたんですけど、いざ自分がやってみたい音楽と向き合ったら「あ、それ違う、踊りたい!」となりまして(笑)。ほんとそれは、こういう機会があったことで気づかされた新発見でしたね。

――そんな新発見から生まれた曲が、リード曲の「Velvet Parade」です。R&Bテイストの楽曲にはラップをフィーチャー。洗練されたヒップホップのグルーヴが融合した、大人っぽくセクシーな曲になりました。作詞・作曲・編曲を前田 佑さんと、あのJazzin’ parkの久保田真悟さん、栗原 暁さんという、ダンサブルなクラブサウンドに定評のある皆さんが手掛けられました。

広瀬 こういうテイストの曲が歌いたいという要望をお伝えしたところ、その何十倍も素敵な楽曲がJazzin’ parkさんたちから届きまして。デモの仮歌が好きすぎて何回も聴いちゃって、「いいな、この曲早く歌いたいな!」って、ワクワクが止まらなかったです。さっきも、1曲の中で目まぐるしく変わる曲が好きだと言いましたけど、「Velvet Parade」もどんどん切り替わっていく曲でしたから。歌い方も、キーが高いところは裏声でピンと出して、低いところは少し落として歌えて、ラップもあって、ダンスもやれて……と、自分がやりたいことが全部入っていたから、「これこれ、これがやりたかったんだ!」と、ますますテンション上がりました。

――歌詞からは、どんなテーマを受け取りました?

広瀬 さぁ、ここから幕開けだぞ!っていうワクワク感と主役感ですね。ステージの幕が上がって、スポットライトに照らされる感じを、曲から受け取りました。歌詞の中に“信じた道からの招待状 夢に見たスポットライト”というフレーズがあるんですけど、打ち合わせのときに、そういう話をしてたんです。「スポットライトにパンと照らされて、ダンサーさんと一緒に踊って歌うショーが憧れです」って。それをそのまま歌詞にしてくださったことにも感動しました。

――ボーカルレコーディングで印象的だったことは何でしたか。

広瀬 シンプルに楽しかったですね。1曲作るのにこんなに時間をかけるんだな!ということも感じました。楽曲の制作過程も多少ですけど知ることができたし、レコーディングの前からしっかりと時間をかけて練習して、本番に向かうという経験も初めて。すごく丁寧に1曲1曲、「アーティストとして広瀬裕也が歌う曲だからこそ、こうしよう」というこだわりをもって作っていく。すごく貴重な時間でしたね。ディレクターをはじめスタッフの皆さんが、僕が「もう1回トライしてもいいですか?」と言っても、納得できるテイクが録れるまでずっと付き合ってくださったのも、ありがたかったです。

――キャラクターソングのレコーディングとの違いも感じました?

広瀬 何を大事にするかが、まったく違いましたね。演じながら歌うときは、「このキャラクターはこういう人だ」という目線に沿って歌を表現するじゃないですか。もし「自分はもっとこう歌いたい」と思っても、「そのキャラクターはそうじゃない」となるんですけど、今回は逆で。自分ですべて描くというか。曲調だったり、曲を作ってくださった方の想いを受け取ったうえで、自分で判断していく。そういう「まず自分としてのコンセプトがないとダメ」という向き合い方が大事なんだと、身に染みました。

――そして「Velvet Parade」のMVでは、おっしゃっていたように、今まで観たことのない広瀬さんに会えました。

広瀬 あんなに素敵に撮っていただけるとは思ってなかったので、ほんとに嬉しかったです。完成した映像を観たときも「えっ、すごいじゃん!自分じゃないみたい!」と普通に感動しちゃいました。YouTubeで先行公開したときには海外の方からのコメントも見かけて……日本以外でも観てもらえるんだ、と嬉しかったですね。

――念願のダンスシーンもたっぷりですが、いかがでしたか?

広瀬 自分から言い出したことではあるんですけど、死ぬほど難しかったです(笑)。「Velvet Parade」の振り付けをいただいて見たら、まず「僕には無理でしょ!」ってところからのスタートだったので、その日のうちにダンスをずっとやっている友達に電話して、時間を作ってもらって基礎から教えてもらったんです。そこから実際に「Velvet Parade」の振り付けを練習していったんですけど、最初は「難易度を少し下げながら覚えていこう」みたいな感じだったんです。でも僕としては「下げる前提なのか!もらった振り付けのままでやりたい!」という気持ちで、なんとか食らいついていきました。ほんとに難しかったんですけど、しんどかったというより、練習することもすごく楽しくて。じゃあ、他の曲でもダンスやりたい!……って、今はそういう感じになってます(笑)。

――ダンスもそうですけど、表情の作り方なども、初MVだというのにとてもお上手で。

広瀬 撮影前に、妄想だけは家でイッチョマエにやっていたので(笑)。小さい頃に、キラキラしてかっこいいアイドルのライブ映像をたくさん観ていたのが、役に立ったのかもしれないですね。

次ページ:ファンへの感謝を込めた「あしあと」では初作詞に挑戦!

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