INTERVIEW
2026.06.24
――では夏川さんが感じる、声優と俳優の演技の違いは何ですか?
夏川 以前、舞台に出させていただいたことがあるんですけど、そのときの演出家さんに言われたのが、“お芝居はアクションじゃなくてリアクションだ”ということだったんです。声優のお芝居は、画面に向かって演じているので、舞台上で相手役のお芝居に対して、体や表情でのリアクションを取ることが難しかったのですが、舞台やリアルのお芝居ではリアクションが声よりも重要だから、気をつけてほしいと言われたのが印象に残っています。窪塚さんは、リアクションって、どう意識されてますか?
窪塚 僕は、こういうふうに受けようとか、事前には一切思っていないです。
夏川 考えてリアクションするわけではない?
窪塚 考えてはいないです。ただ、相手のお芝居を100パーセントで受けるには、台本をちゃんと覚えて、全部を把握していないと、「どうしよう?」となってしまって感情で動けなかったりします。そういうときのためには、キャラクターの設定に書かれていることだけではなく、書かれていないところを想像し続けて、自分で役のバックボーン作っちゃいます。
――どういうことを想像されるんですか?
窪塚 例えば……こういうキャラクターだから「多分、彼はカレーじゃなくて唐揚げを食べたい人かな?」とか。そういう想像もしてみたりします。
夏川 そうなんですね。そのキャラクターが「唐揚げが食べたいだろうな」という想像が、台本の流れには全然関係なかったりしても、活かされるときが来るんですか?
窪塚 そうですね……何て言ったらいいのかな。台本に書いてあることだけに縛られないことも大事かなと思っています。
――台本に書かれていないことを想像することで、キャラクターに対する理解が深まって、また違った感情表現が生まれる?
窪塚 かもしれないです。ここまでしかやっちゃダメと思っていたらダメだと思ったんです。お芝居を始めた頃は、「どこまでやっていいんだろう?」とか、「僕に浮かんだ感情を、本当に出してしまってもいいのかな?」と思っていたのですが、それってもったいないな!とあるとき気がついて。僕にできることは、そのキャラクターとしてやりきること。キャラクターとして表現できそうなことは、全部を出して、あとは監督さんに引き算をしていただいて。僕は、足し算と掛け算しかできないので、引き算の部分を監督さんにお任せしています。
夏川 声優の仕事も、それに近いことはあるかなと思います。1週間くらい前に台本をいただいて、ある程度自分の中でこのキャラクターなら、このセリフはこう読むだろうな、というものを完成させた状態で収録に臨むんですが、それが、監督さんや音響監督さんが求めているものと違う場合があるので、窪塚さんのおっしゃるように、監督さんに演出を委ねる感覚は、声優も強いと思います。
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