ポニーキャニオンのアニメソングレーベル・P’s Recordsによるライブイベント“P’s TRIVAL”。女性アーティストが集った3月8日の“P’s TRIVAL 01”に続き、4月12日には同じく東京・なかのZERO大ホールにて、男性アーティストが顔を揃える“P’s TRIVAL 02”が開催された。オープニングアクトのOrJourneyにはじまり、TVアニメ『東京リベンジャーズ』出演キャスト、伊東健人、土岐隼一と豪華なメンバーが一堂に会して繰り広げた華やかなステージの模様を振り返る。
TEXT BY 阿部美香
PHOTOGRAPHY BY 福岡諒祠
“P’s TRIVAL”は、P’s Recordsが手掛ける実験的なスリーマンライブシリーズだ。レーベルメイトという仲間(=TRIBE)にして、ライバル(=RIVAL)でもある3組(=TRI)が、競演することでどんな化学反応が起きるのかを試す(=TRY)ことをコンセプトに掲げ、今年からスタートした。後のMCで土岐隼一も語っていたが、“P’s TRIVAL”の原点は2014年からスタートした“P’s LIVE!”にある。2020年には男性出演者のみによる“P’s LIVE! -Boys Side-”などを挟んでシリーズが続き、今年は新たなコンセプトによる“P’s TRIVAL”へと進化し、男女アーティストが日を分けて、多くのファンに歌声を届けてくれた。
“-Boys Side-”を彷彿とさせるように、男性アーティストが集結した“P’s TRIVAL 02”。開演を待つ間、会場には今回は残念ながら出演を果たさなかったレーベルメイトの下野 紘、OxT、オーイシマサヨシらの楽曲が観客を迎えてくれたのも、P’s Records主催イベントならではだ。
そして開演の15時半。オープニングアクトとして真っ先にステージに飛び出したのは、昨年10月にメジャーデビューした声優として活躍する伊藤昌弘(Vo&Gt)と、作編曲家・サウンドプロデューサーの廣澤優也(Ba)による2人組音楽ユニット・OrJourney(オールジャーニー)だった。翔馬-Shoma-(バンマス/Key&Mp)率いるハウスバンドがポジションに付き、赤いライトが交錯するなか、バンドが演奏する「Re:革命前夜」のイントロにのってクラップが巻き起こると、OrJourneyの2人がステージ中央から手を振りながら登場。「OrJourneyです! よろしくお願いします! 楽しんでいきましょう!」と伊藤が大きな声でアピールし、ドラムカウントからスタートした1曲目は、5月27日にリリースされる2nd EP『Blast』を前に先行配信されている「理由のない光」だ。伊藤の伸びやかなロングトーンからはじまる軽快なロックチューンが響き渡ると、客席の熱も一気上がる。そして「皆さん1人1人、あなたの未来が明るいと信じて歌います」と伊藤が言って届けた2曲目は「笑うことに理由なんていらない」。ヘビーなリフに廣澤の重いベースが絡み合い、伊藤がセクシーでエモーショナルなボーカルとギターソロで沸かせる。少し息を切らせた伊藤が、「“P’s TRIVAL 02”、ぜひ楽しんでいただきたい。あと1曲だけお付き合いください」と、点滅するライティングのなかで2人が右手を高く挙げ、ラストナンバーの「Get Swag」へ。OrJourneyらしいワイルドな歌とパフォーマンスを披露し、大きな拍手を浴びて颯爽とステージを後にした。
そしていよいよ“P’s TRIVAL 02”本編へ。最初のアクトはTVアニメ『東京リベンジャーズ』の面々だ。ドラマティックなBGMの生演奏が鳴り響き、ステージのセンターから堂々と姿を見せたのは、新 祐樹(花垣武道役)と林勇(佐野万次郎役)だ。おなじみの黒の特攻服に身を包んだ2人に、歓声が起こる。「盛り上がってますか! よろしくお願いします!」と新が叫んではじまったのはデュエットナンバー「Lasting story」だ。真っ直ぐな新の歌声と、林の力強さと優しさが同居した歌声が混じり合い、ミドルテンポの重厚なサウンドにのせて2人が一緒に拳を掲げ、魂を燃え上がらせた。続いては激しいイントロからはじまる花垣武道のソロナンバー「Rusted Fist」。時に拳を挙げ、しゃがみこんで立ち上がりながら歌う新の「絶っ対ぇ諦めねぇ!」の野太い叫びが胸を熱くし、アウトロではみんながワイパーで一体となった。続いて上手から登場したのは、福西勝也(龍宮寺堅 役)だ。男気あふれる歌声で放ったのは「SIDEKICK」。ハスに構えたポーズとキック、「おまえらみんな、いい顔してんな」のセリフが会場を盛り上げ、大歓声に包まれた。
歌い終えた福西が役になりきって「タケミっち、マイキー!」と呼び込むと、新が「ドラケンくん、お疲れ様でっす!」と、こちらも武道になりきって林と共にステージへ。改めて観客に挨拶し、3人の楽しいトークタイムへ。TVアニメ『東京リベンジャーズ』のキャラクターイメージソングがもう30曲以上あるという彼ら。なぜか反応の鈍い林が「今、ファスティング中なので頭がボーッとしちゃって!」と言うと、またまた会場に笑いが起こり、ここまでの曲の感想を3人で紹介していく。今日は東京卍會がみんなを率いているつもり。伊東健人にも入ってもらい、背の高い半間修二役の江口拓也と殴り合いをしてほしいと、わちゃわちゃした面白トークで客席を盛り上げる。そしてこの3人以外にもまだまだ仲間がいると言って、ライブのバトンを次に渡す。
今までのロックなステージから雰囲気をガラリと変えて、静かなイントロにのって水中雅章(場地圭介役)と土岐隼一(羽宮一虎役)が登場し、情感豊かなハーモニーを切ないバラード「PILGRIM」で響かせる。静かななかにも強い意思を感じさせる歌声が、会場を酔わせた。そして土岐がステージに残り、マイクスタンドをしっかりと握りしめ、羽宮一虎のソロナンバー「Ghosts」を歌う。激しいバンドサウンドにのった土岐のボーカルが、客席に突き刺さった。そして林にステージを明け渡すと、ラテンな音色を奏でるアコースティックギターも印象的な佐野万次郎のソロナンバー「六幻」へ。眼の前に風景が広がるような美しいバラードを、林が繊細な歌声で情感たっぷりに、しっとり聴かせてくれた。
静かな余韻の中、林が福西を呼び込んでのMCタイム。これまでの楽曲を振り返りつつ、生バンドならではのアレンジにも触れ、ライブならではの話にも花が咲く。そして次が最後の曲だと言って、林が先導し「中野とは言わない、東京一、声を出してくれますか!」と、客席とコール&レスポンスを交わす。その勢いのまま、TVアニメ『東京リベンジャーズ』ブロックのラストを飾ったのは、佐野万次郎と龍宮寺堅のデュエットナンバー「REBEL ERA」。2人は拳を大きく突き出し、手を振り、互いに背中を預けながら、林の高音と福西の低音のハーモニーを響かせて客席と一体になって勇壮なコーラスを駆け抜け、最後は全員でジャンプを決めた。