――そしてEDテーマはZAQさんの「ライアーヴェール」になります。『よう実』ではこれまでのシリーズでOPテーマを手がけてきたZAQさんですが、EDテーマということで意識した点はありましたか?
ZAQ 『よう実』に関してはオープニングだからエンディングだからというよりは、過去の自分の楽曲を超えていかなきゃいけないというのをまず第一に思っていましたね。いわゆるOPテーマは作品の看板であり窓口。EDテーマは来週も観たいと思ってもらえるかどうかというのを、私は10年以上ずっと考えてアニメのタイアップ曲を作ってきたんですよね。なのでそれを念頭に『よう実』と向き合って、さらに過去の自分の作品と向き合って書きました。
――最初の『よう実』との楽曲である「カーストルーム」以降、ZAQさんが手掛ける楽曲たちはジャズをベースにした楽曲になっていましたね。そこは今回も踏襲されているわけですよね。
ZAQ そうですね。『よう実』の中での自分的縛りは2つあって、まずはタイトルの母音を“う”で終わらせることなんですね。「カーストルーム」「Dance In The Game」「マイナーピース」と、これまで謎の縛りを設けていたんです(笑)。
――言われてみると確かに!
ZAQ 誰に課されたわけでもないんですけど(笑)。あとはジャズをベースに作るということで、最初がアシッドジャズで次がラテンジャズ、そしてロックジャズと続いたので、今回はヒップホップとジャズの融合でいこうという話になったんです。
――ジャズをベースにというところで、今回ジャジーヒップホップというスタイルを選択した過程、いわばZAQさんならではの作詞・作曲・編曲はどのように行われたんでしょうか?
ZAQ 今回すべてにおいてかなりこだわってやったんですけど、最初の発注時に、いわゆるビートが入ってないヒーリングミュージックみたいな感じのリファレンス(参考曲)が来たんですよ。でもこれだとZAQらしさが出しづらいと思って、逆転案をさせてもらって、もうちょっとドラムが入って私の声がそこに上手く混ざり合うような曲にしたいとお伝えしたんですよね。そこで私がリファレンスとして送ったのが、TVアニメ『サムライチャンプルー』のEDテーマ「四季ノ唄」だったんです。
――なるほど、編曲をNujabesが手掛けた楽曲ですね。
ZAQ そうなんです。私、Nujabesさんが大好きでフォロワーだったんですけど、それで「四季ノ唄」をリファレンスにふわふわとした、ミステリアスな感じもあるけどメロディとして抑揚があって、トラックもドラムのループみたいなものでやりたいですと提案したら、その案が採用されまして。
――Nujabesといえば日本でジャジーヒップホップの潮流を作り上げた偉大なトラックメイカーで、確かにZAQさんがこれまで追求したジャズというものとも通じますね。
ZAQ だからもうNujabesリスペクトの曲になっているので、ビートやスクラッチもわざわざNujabesさんの近しい方であるDJ Chika(aka Inherit)さんにお願いして。今回ビートメイクに関してはChikaさんにやってもらいながら、あとの編曲は全部自分でやりました。
――作品のエンディングとピタリとハマりましたね。
ZAQ アニメサイドから「綾小路が1人で椅子に座っていて周りに女の子たちがいる画になります」「最後にはキメが3発入ります」という映像のイメージも聞いていたので、じゃあそういう曲、もう、エロい曲にしてやろうと。
――そこから改めて、歌詞やメロディ、アレンジはどのように進めていきましたか?
ZAQ それが、実はぐちゃぐちゃで(笑)。最初にサビの2行だけ歌詞を決めて、それに合うメロディをつけて、そのあとビートを組んで、アレンジに入って……という感じでした。あとはメロディに関しては鼻歌でつける部分もあれば、仮歌が入る瞬間まで決めてないみたいな部分もあって、ガチガチに作る感じではなかったですね。
――ZAQさんらしい作り方ですね。
ZAQ このやり方は全部自分でやるからこその強みでもあるとは思うんですけど、サビのパンチライン、一番伝えたいところでCMスポットとしても流れる部分だけを最初に作って、そこに向けてどういう流れになるか決めて作っていきました。歌詞は最後でしたね。母音が“う”で終わるというタイトルの縛りもあったので、じゃあヴェールにしようと。映像に女性もたくさん出てくるし、ヴェールってセクシーで女性らしいイメージがあるなと思い、そこから「ライアーヴェール」というものが浮かんだんです。なので今回は歌詞よりタイトルを先に決めましたね。
――ボーカルにおいても非常に妖艶なアプローチになっていますが、これもイメージしていたものでしたか?
ZAQ そうですね。こういう大人っぽいジャズをやるにあたって参考にしたのが、まずEGO-WRAPPIN’の中納良恵さんの歌い方。最初からかなりジャズの超絶テクニシャンボーカリストをイメージしていたので、最後のシャバダバとかのスキャットも入れてみたり、よりジャズに特化した歌い方にしてみようと思いました。なので今回は開放というか、自由に歌ってますよ感を出していきましたね。歌のリズムもレイドバック気味というか、ちょっともったり歌ってます。トラックは縦の線がしっかりしてループしている、カチカチのものなんですけど、ボーカルは揺れるみたいな。ピッチもあえて合わせにいかず、自由な大人のジャズみたいな聴かせ方にしています。
――ボーカルでもZAQさんが想像するジャズを入れ込んでいったと。
ZAQ やっぱエイルちゃんの曲がEDMロックでバチバチの4つ打ちなので、こっちではふわふわした感じでいこうかなと。ドレスを着て歌っているイメージでやりたかったので。
――ではそんな「ライアーヴェール」、エイルさんが聴いた感想は?
藍井 まず私たち、去年の“ナガノアニエラフェスタ2025”に出演していて、その現場で会ったんですよね。そこでお互いの曲について「どんな感じになりそう?」という話をしていたんですよ。そこでZAQちゃんが「エロい曲になると思う」って言っていて、「そっか、エロい曲なんだ……」という話をしたのを思い出しました(笑)。で、後日、XのZAQちゃんのポストで「ライアーヴェール」が流れてきて、「なるほどこれはエロい!」と思っていたんですけど、とにかくずっと頭の中で離れないメロディの強さがあるなって。今も家のなかでずっと歌っています。
ZAQ お互いそうなんだ(笑)。
藍井 私は最初『よう実』のPVで流れたもので聴いたので、サビのイメージが強かったんですよ。そこからレーベルのスタッフさんにフル音源をいただいたんですけど、そしたら他がサビと対照的というか、イメージしていたものとは違うイントロが流れてきてすごくびっくりしましたね。それこそスクラッチとかもそうだし。
――確かにサビだけ聴くともう少しジャズ寄りのイメージがありますよね。
藍井 そうなんですよ。歌い方も、もっとセクシーな感じなのかなと思っていたら、それこそEGO-WRAPPIN’みたいな声を潰した感じがあって。この感じで歌おうと思ったのかというのも気になってた。
ZAQ 今までの「カーストルーム」から始まる3期までの歌い方は忘れずにいこうとは思っていて。ただそこに息の量を多くしてみたりとか、ビブラートのかけ方でエロさというか、ぼんやり感を出してみたいなというのはあったんですよ。で、それに加えて歌詞のテーマもあるので、がなってみたり、わざと喉を潰して歌ったりする部分も加えて色々と考えながら歌いましたね。いつものように歌うと、アタックが強くなりすぎて子音がパンパンパンみたいな発声になっちゃうので、ちょっと大人っぽい感じにしていこうかなと。
藍井 いいなあ、早く歌いたいです。
――人の曲を早く歌いたいと言う人は初めてです(笑)。
藍井 カラオケで早く配信してほしい(笑)。
ZAQ これ、歌が上手い人がうたうと多分相当すごいことになりそう。自分で作っておいてあれですけど、メロディがかなり難しい曲だし。
藍井 難しいよね。でもその物語というか、表情をつけるのがすごく楽しそうな曲だなと思います。だから早く歌いたい(笑)。
――ではぜひお二人でカラオケに行く会を企画していただいて(笑)。このインタビューが掲載される頃には公演は終わっていますが、お二人は4月には“anitopia Osaka 2026”で共演されますが、今後もこのような機会は増えていきそうですね。
藍井 今までそういった機会が多くなかったので嬉しいです。
ZAQ “アニサマ”くらいしかなかったからね。2マンとかやりたいもん。そんなの夢の夢ですよ。
――そうした今後の共演もプライベートでの交流もますます増えていくといいですね。
ZAQ 今度こそカラオケにこじつけて、ジビエも行こう!
藍井 ジビエ食べて栄養つけて、カラオケ行って本気で歌って(笑)。
――『よう実』が繋いだ縁が深まるといいですね。ちなみにインタビューしているこの日は『よう実』の放送開始日ですよね。
藍井 そうなんですよ。だからXでも「今日は大事な日だから」って書いたんですけど、「なんでですか?」って言っている人も結構いて。今ってリアタイで観る人って少ないのかな?
ZAQ やっぱり配信が主流なのかね。時代だな。
藍井 そっか、時代だね。私たちってそういう時代の流れを生きてきたよね。CDも配信に変わっていって。
ZAQ まさに我々が平成アニソン代表よ!
藍井 本当に色んな経験したもんね。コロナ禍で無観客ライブもやったし。私たちの時代って結構大変なことを経験しているんだなって。
ZAQ 激動のアニソン時代を生きている。でもその真ん中にいられるっていうのは幸せよね。
――お二人が歩んできた15年は、まさにシーンが激変していくタイミングでもありましたよね。
藍井 デビューした頃はまだオタクへの風当たりが強かったよなあ。
ZAQ そうですよ。私のデビュー曲もオリコンに入ったら、「アニソンがオリコンに入ってる時代なんて終わってる」とか言われたし、そしたらエイルちゃんが「ミュージックステーション」に出るまでになったんですよ!
藍井 時代が変わりましたよね。
――令和に入ってシーンも間違いなく次のフェーズに入っているところですが、その最前線でお二人が活躍しているのは意義深いと思います。
ZAQ そうですね、うん。まだまだ頑張りますよ。J-POPアーティストがアニソンを担当する流れはこれから先も続くと思うんですけど、それに対して僻んだりくだ巻いたりするのではなく、自分たちが作ってきたアニソンの文化というのを守っていくことも大事なんじゃないかなというのはすごく思っていて。私はランティスっ子なのでランティスのサウンドが大好きなんですけど、このサウンドを作り続けることで唯一無二になっていくのではという思いはやっぱりあるので。それを求めているお客さんも日本、そして海外にたくさんいるんですよね。そこも意識して活動していくことがアニソンアーティストにとって大事なんじゃないかなと思いますね。
藍井 アニソンを軸でやっている人たちは日本だけじゃなくて海外にもどんどん展開できる力があると思っています。海外でライブをしていて思うのは、改めて私たちは世界に繋がっていく架け橋になれている。だから私もZAQちゃんと同じように、妬むとかネガティブな感情を持つんじゃなくて、それぞれのやり方や立ち位置みたいなものを見つけていくべきなんじゃないかなと思いますね。
●リリース情報
藍井エイル
「MONSTER/絵空事」
2026年4月22日発売
【アーティスト盤】

品番:LACM-24832
価格:¥2,750(税込)
<CD>
M01. MONSTER
作詞:Eir作曲・編曲:GAK-amazuti-
M02. 絵空事
作詞:RUCCA作曲・編曲:篠崎あやと、橘亮祐M03. DRUM
作詞:柿沼雅美作曲・編曲:Yoma
M04. Decay
作詞:Eir作曲・編曲:丸田凌央(Arte Refact)
※各Inst収録
【よう実盤】

品番:LACM-24833
価格:¥1,980(税込)
<CD>
M01. MONSTER
作詞:Eir作曲・編曲:GAK-amazuti-
M02. 絵空事
作詞:RUCCA作曲・編曲:篠崎あやと、橘亮祐M03. Decay
作詞:Eir作曲・編曲:丸田凌央(Arte Refact)
※各Inst収録
【転スラ盤】

品番:LACM-24834
価格:¥1,980(税込)
<CD>
M1. 絵空事
作詞:RUCCA作曲・編曲:篠崎あやと、橘亮祐
M2. MONSTER
作詞:Eir作曲・編曲:GAK-amazuti-M3. DRUM
作詞:柿沼雅美作曲・編曲:Yoma
※各Inst収録
ZAQ
「ライアーヴェール」
4月22日発売
品番:LACM-24820
価格:¥1,320(税込)
<CD>
M01. ライアーヴェール
作詞・作曲・編曲:ZAQ
M02. 暗闘(だんまり)
作詞・作曲・編曲:ZAQ
M03. ライアーヴェール(Off Vocal)
M04. 暗闘(Off Vocal)
●作品情報
『ようこそ実力至上主義の教室へ 4th Season 2年生編1学期』

<放送情報>
TOKYO MX:毎週水曜 22:30~
BS日テレ:毎週水曜 24:30~
ほか
※放送日時は変更となる場合がございます。各配信サイトでも順次配信予定です。
<イントロダクション>
東京都高度育成高等学校、それは進学率・就職率100%を誇り、
毎月10万円の金銭に相当するポイントが支給される夢のような学校。
しかし、その内実は一部の成績優秀者のみが好待遇を受けられる実力至上主義の学校であった。
1年生3学期にCクラスへと昇格した綾小路たちだったが、
1学年最終特別試験の結果、Aクラスに惜敗し、再びDクラスへと降格。
2年生はDクラスからの再スタートとなった。
春休みを経て、綾小路は軽井沢と恋人関係となり、
堀北は優秀な兄・学にあこがれていた自分と決別。
少しずつ人間関係が変化する中で、2年生へと進級する。
綾小路たち新2年生の最初の特別試験は、
新入生とパートナーを組んで行う筆記試験。
しかし、新入生の中には、月城が手配したホワイトルームからの刺客が紛れており――。
学年を超えた新たな関係が呼ぶのは、嵐か凪か。
2年目の学校生活の幕が今、切って落とされる。
【スタッフ】
原作:衣笠彰梧(MF 文庫J「ようこそ実力至上主義の教室へ」/KADOKAWA 刊)
キャラクター原案:トモセシュンサク
監督:野亦則行
シリーズ構成:重信康
脚本:重信康/勝冶京子
キャラクターデザイン:河野真貴
美術設定:平柳悟
美術監督:羽根広舟
色彩設計:竹川美緒
CG監督:平山知広
撮影監督:関谷美里
編集:及川雪江(森田編集室)
音楽:横山克/橋口佳奈
音楽制作:ランティス
オープニングテーマ:藍井エイル「MONSTER」
エンディングテーマ:ZAQ「ライアーヴェール」
音響監督:飯田里樹
音響効果:奥田維城
アニメーション制作:Lerche
製作:ようこそ実力至上主義の教室へ4製作委員会
【キャスト】
綾小路清隆:千葉翔也
堀北鈴音:鬼頭明里
軽井沢恵:竹達彩奈
櫛田桔梗:久保ユリカ
龍園翔:水中雅章
一之瀬帆波:東山奈央
坂柳有栖:日高里菜
七瀬翼:佐藤未奈子
宝泉和臣:江頭宏哉
天沢一夏:瀬戸桃子
八神拓也:徳留慎乃佑
椿桜子:佐伯伊織
宇都宮陸:坂田将吾
©衣笠彰梧・KADOKAWA刊/ようこそ実力至上主義の教室へ4製作委員会
『ようこそ実力至上主義の教室へ』公式サイト
http://you-zitsu.com
藍井エイル公式サイト
https://aoieir.jp/
藍井エイル公式X
https://x.com/eir_ruru2
藍井エイル公式YouTube
https://www.youtube.com/@eir_ajito
ZAQオフィシャルサイト
https://zaqzaqzaq.jp/
ZAQ オフィシャルX
https://x.com/zaxic_r
ZAQ オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/@zaqofficialchannel228
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