──もう少し歌詞についてお伺いさせてください。“誰でもない きみになっておやすみ”のきみは、どのような存在なのでしょうか。
青山 これは“私”なんです。自分の中には色んな“私”がいて、優しい私もいれば、誰にも頼らないトゲトゲした私もいる。その色んな自分に対して、「おかえり」と言ってあげている感覚です。私は長く1人暮らしをしているので、「おかえり」があまりない世界に生きていて。でも、実家に住んでいる頃は、家族に「おかえり」と言ってもらってきました。その言葉を今度は自分が届けたい、という気持ちもあって。あまり上手く言葉にできないのですが、“きみ”を“私”にすることで、これまで受け取ってきた愛情を、自分自身や誰かに返していくようなイメージで歌っています。
──色で言うと、暖色系や少しくすみ系のカラーを思いだすというか……音的にも、部屋のような空間を感じたんですが、それは意識されていたのでしょうか?
青山 そうなんです! 実は最初の段階から「部屋っぽい音にしたい」というのはずっと伝えていました。最初はストリングスも大きく入れていたんですけど、「こんな音は部屋では鳴らないよね」という話になって、バランスを見つつかなり削ってもらって。ピアノの打鍵音やペダルの戻る音といった、いわゆるノイズとされる部分もあえて残してもらいました。
──ミニピアノのような身近さを感じると言うか……。
青山 まさにそのイメージです。最初はアップライトピアノがちょうどいいんじゃないかと思っていたんですけど、もはやそれでも仰々しく感じてしまって。編曲の小幡(貴裕)さんにはかなりご迷惑をおかけしたと思います……。この場をお借りしてありがとうございましたと伝えたいです。わがままを叶えていただきました。
──MVもそういった世界観なのでしょうか。
青山 基本的にはジャケットの延長にある世界観です。この曲を聴いた時に、もう1つ浮かんだイメージがあって、それが「トコトコと歩いている自分」でした。実家の近くの坂道を、歩いたり、少し走ったりしているような映像が、ノイズ混じりで頭の中に流れてきて……。今回のMVもこれまで同様、藤田宏治さんという方にお願いしていて。藤田さんに自分のイメージを共有しつつ「どうしても外を歩きたい」とお願いして、外ロケも行いました。(インタビュー時点では)まだMVが完成していないので、最終的にどのカットが使われるかは完成してみないとわからないんですが。
──いつもアートワークやスタイリングがお洒落ですよね。
青山 制作に関わってくれる皆さんが本当にすごくて。基本的には、自分が「どうしても」と思うところ以外は皆さんにお任せしているんです。ジャケットはデザイナーさんの世界観、MVは監督の世界観、スタイリングやヘアメイクにもそれぞれの視点があって。それらがひとつに集まって、最終的に作品として形になる。そうやって色々な人の視点が重なって、1つのモノを作っていくのがすごく楽しいなと。
──だからこそオンリーワン感があるんですね。
青山 確かにジャケット写真1つを見ても何かに似ているとも言い切れない、不思議なバランスですよね。小物は全部3Dプリンターで制作されているんです。1作目から伊澤(亮之)さんという方にずっとお願いしていて、楽曲を聴いたインスピレーションを元に作ってくださったものがベースになっています。今回のジャケット写真で着ている衣装は、かなりオーバーサイズで。そういう発想は自分では絶対に出てこないので、本当にすごいなと思います。洋服の色もすごくしっくりきて。青は改めて自分に合っている色だなと感じました。毎回、素敵なメンバーと一緒に仕事をさせてもらっていますね。
──今回の「lull」は、これからの青山さんにとってどんな楽曲になっていきそうですか?
青山 今年30歳になるんですよね。役者としては年齢は関係ないとわかってはいるんですけど、1人の人間としてはやっぱり大きな節目で。ありがたいことに、本業のお仕事も忙しくさせていただいているなかで、小休止と言いますか。あえて一度立ち止まって、自分を振り返ることも大事なんじゃないかと思っていて。自分にとっても、聴いてくれる人にとっても、「少し立ち止まってもいいんだ」と思えるような、そんな存在になってくれたらいいなと。
──今の青山さんの気持ちを象徴するような曲になったのかもしれませんね。
青山 そうですね。「ルーガルー」がこれまでの自分の精神性を詰め込んだ曲だとしたら、「lull」は“現時点の私”そのもの。2026年4月8日の自分を、そのまま閉じ込めたような楽曲になりました。
──“青山吉能Birthday LIVE「明日、ふり合うも多生の縁。」”についても教えてください。
青山 今回はバースデーイベントを大阪、仙台、そして横浜の3会場で開催します。横浜はこれまで何度も立たせていただいている場所で、もう“帰ってくる場所”というか、故郷のような感覚がありますね。一方で仙台も、Wake Up Girls!で何度も訪れてきた、第二の故郷のような場所。そして、大阪はWake Up Girls!の初ツアーの初日の場所でもあるんですよね。それもあって、いにしえのファンたちが「仙台とESAKA MUSEだ!」と蘇ってきてくれました(笑)。私自身も「同窓会のような感じになったら嬉しいな」と思っています。昔から応援してくださっている方と、新しく知ってくださった方、その両方が一緒に楽しめるようなものにしたくて、企画を考えているところです。
──どんな企画なんでしょう?なんだか絶妙な表情を浮かべられていますが。
青山 今回は少しチャレンジングなことにも挑戦する予定で……画期的なことというか、なんというか。夜公演はしっかりライブとしてお届けするので安心してほしいんですけど、昼はどうなるかわからないです(笑)。詳細は当日になってみてのお楽しみです。ある意味、初日の昼から来ないと後悔するかもしれません……。チケットを購入されて、今このインタビューを読まれている方は「何に巻き込まれるんだろう」と思うかもしれませんが、あまり構えすぎず、「ちょっと遊びに来た」くらいの感覚で来ていただけたら嬉しいです!(笑)。
●リリース情報
7th Digital Single
「lull」(ヨミ:ラル)
2026年4月8日配信開始

作詞・作曲:日食なつこ
配信リンクはこちら
https://aoyama-yoshino.lnk.to/lull
●ライブ情報
青山吉能Birthday LIVE「明日、ふり合うも多生の縁。」
2026年4月12日(日) 宮城・Rens
2026年5月3日(日・祝) 大阪・ESAKA MUSE
2026年5月16日(土) 神奈川・横浜ランドマークホール
開場・開演時間
[1部]OPEN 14:30 / START 15:00
[2部]OPEN 17:30 / START 18:00
*宮城、大阪公演は、1部全席指定・2部スタンディング
*神奈川公演は両部全席指定
チケット2次プレオーダー:3月14日(土)12:00より受付開始
https://eplus.jp/aoyama-yoshino/
*宮城、大阪公演は1部SOLDOUT
レーベル公式サイト
https://www.teichiku.co.jp/artist/aoyama-yoshino/
公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCzzJMl1tE4qZOWG355Ji0dQ
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