INTERVIEW
2025.12.12
2025年12月10日、コンセプトEP「リンクス」をリリースしたClariS。『魔法少女まどか☆マギカ』インスパイアソングである表題曲などを収録し、コラボレーションムービーも話題のこの楽曲の制作秘話とは?さらに今年1月にエリーとアンナが加入し、第3章が始まったClariSにとって2025年はどんな1年だったのか、改めて振り返る。
INTERVIEW BY 冨田明宏
TEXT BY 金子光晴
――2025年1月の“リスアニ!LIVE 2025”から始まった3人のClariSですが、改めてこの約1年を振り返っていかがでしたか?
クララ 1月25日にClariS第3章をスタートさせましたが、それまでは楽しみとドキドキした気持ちが半々でしたね。体制が変わっていくことって皆さんも色んな想いもあると思うので、受け入れていただけるのかなという想いもあったんです。でも、1月25日に武道館のステージで、やっぱり私にとって歌う場所はかけがえないものだし、「ここを失いたくないな」って改めて感じました。その瞬間に2人が横にいてくれて、それからの様々なイベントも、海外でのイベント出演も、15周年も3人で迎えることができて、2人を選んでよかったなと思いました。ハモりなどの新しいことに挑戦して「もっともっとこうしたいよね」という課題も改めて発見できましたし、私にとっては初心に帰ることができた1年だったと思っています。
――その初心に帰った2025年はとてつもない忙しさでしたね(笑)。スケジュールやリリースの量を見ていても、15周年に相応しい1年だったなと思います。
エリー 私にとって今年1年はまさに人生が変わった、夢の中に入眠しに行ったような……。
クララ 入眠!?
エリー 入眠というか、夢を見に行ったような1年でした(笑)。
クララ すやすや寝てそうなエリーちゃんを思い浮かべた(笑)。
――まだ夢の中みたいな(笑)。
エリー 魔法にかかったような、そんな瞬間から始まって、そこからClariS第3章というものをみんなで一から作っていく、何ヵ月にもわたって模索しながら進んでいって、そしてClariSのエリーとしての在り方にもたくさん向き合ったなと思います。本当に皆様の温かさ、優しさにたくさん触れることができて、生きてるうちにこんなに愛を感じることはないんじゃないかというくらい、この1年に優しさが詰まっていました。1月25日、デビューの日に受け入れてもらえるかなというところから、ペンライトで温かく迎えてくださったあの会場の空気感、それから海外にも行かせてもらって、はじめましての方がたくさんいるのに、それでも温かく迎えてくださるだけでなく、いっしょに楽しんでくださる。ClariSとしてのお仕事を通して出会うスタッフさんも優しい人が多くて
――入眠してみたら、こんなに優しい世界だったと(笑)。
アンナ 私は、まさに人生における大きな夢が叶った1年だったと思っています。日本武道館ライブからスタートという本当にありえないお話から始まって、ミュージックビデオを撮るのも憧れだったし、夢の世界だったので、そういうことを一から経験させていただきましたし、シングルのリリースもさせていただいて、本当に幸せな1年でした。3人集まったことで新たに見ることができる夢も見つかったので、近いところではワンマンライブを無事に成功させることを目標に、これからも前向きに頑張っていきたいなと思います。温かく迎え入れてくださったすべての方への感謝を忘れずに、これからも進んでいきたいという気持ちが日に日に募っていった1年でした。
――ClariSを継続させたというところから見えてきた目標や夢が改めて浮き彫りになってくる1年間でしたね。やっぱりClariSにとっての核の部分はクララさんで、ClariSを守ったからお2人の笑顔もあるんだろうなってすごく思います。
クララ あの……そういうふうに言っていただくことが多いんですけど、すごく責任を感じて……(笑)。でもそういう存在になれているか心配だったので、皆さんに言っていただけて、ClariSを続けてきてよかったと思いました。その言葉に甘えずに頑張りたいなって思いながら、最近は生活をしています。
――さて、コンセプトEP『リンクス』のお話に移りたいと思います。3人が作詞した表題曲で『魔法少女まどか☆マギカ』(以下『まどか☆マギカ』)シリーズ インスパイアソングでもある「リンクス」ですが、タイトルにはどんな意味を込めたのでしょうか?
クララ 「リンクス」には“繋ぐ”という意味があって、「コネクト」も“繋ぐ”なので共通していますね。私たちで考えた歌詞のサビの最後の言葉が“繋ごう”で、そこから「リンクス」というタイトルに決定させていただきました。
――来年に劇場版公開を控え、TVシリーズ再編集版がオンエアされています。『まどか☆マギカ』とClariSを通じて色んなものが“リンク”する状況が生まれていますが、今回改めて『まどか☆マギカ』と向き合ってみていかがですか?
クララ 当時、「コネクト」をリリースさせていただいたときは、まどかちゃんたちと同じ年代で同じ目線で見ていた感覚でしたけど、今また観返すと感覚が全然違いますね。お話を知ったうえで改めて観返すと、1人1人のキャラクターの相手を想う気持ちや人間模様がより深く見えてくる作品だなとすごく思います。大人になってみると、「どうにかしてあげたい」って……アニメだしどうにもできないんですけど(笑)、でもなんとかこの子たちを救ってあげたいと思わせる作品なので、すごく心がえぐられる気持ちがします。キャラクターの1人1人が救われたらいいなという気持ちもあって新曲の制作に取り掛かりました。
アンナ コンセプトEP『リンクス』を制作するにあたって、3人でもう1回この作品を観返しました。もちろん歌詞を考えるためでもあったんですけど、色んな解釈をネットで見たり、「この子はこういう表情をしているからこう思ってるんじゃないか」なんて考察をして3人で共有したりもして、底が知れない奥深さが面白いなと思いました。何度観ても新しい発見がある作品だと思ったので、「リンクス」という楽曲に言葉を当てはめるときも、『まどか☆マギカ』シリーズを繋いでいくような楽曲を作るにはどうしたらいいのかを考えました。
エリー 私、話数が進むにつれて胸が「ううっ……」となるような作品が……大好きなんです。『まどか☆マギカ』もすごく考えさせられるじゃないですか。キャラクターさんと共に自分の心もだんだん成長していくような気持ちになれてすごく好きです。かわいらしい絵柄とはまた違ったダークなテーマで、「絶望と希望」のコンストラクトがキャラクター1人1人にあるじゃないですか。そこがすごく好きです。
――群像劇だけれども最終的にはまどかとほむらの話に集約されていくところも歌詞から改めて感じました。
エリー そうなんです。まどかちゃんを想って戦い続けたほむらちゃんの諦めない姿と、ほむらちゃんの過去を知って変わっていくまどかちゃんの心を、私たちなりに描けたらと思って、「リンクス」にぎゅぎゅっと込めさせていただきました。
――メロディが独特な構成でめちゃめちゃ斬新ですよね。Aメロが始まってから間奏挟んでまたAメロが続いて、Bメロからすごく滑らかにサビが入って、サビが2段ある。そして2サビがなくてもうラスサビ。
クララ まさにその通りです(笑)。でも頭のAメロとそのあとのAメロがまったく違うメロディに聴こえるんですよ。サビも落ちサビからラスサビも続くところも、ちゃんとDはあるんですけど、またDみたいな落ち感というか。今までの3作品とは違うのに、聴いた瞬間、『まどか☆マギカ』の曲だーって。
アンナ 最初に色んな音が聴こえてからスッと消えて、出てくるクララちゃんの声がま~素晴らしい(笑)。ここだけ何回も巻き戻しましたよ、私。
――前回3人で作詞したときはみんな「せーの」で書いたものを持ち寄ったという話があったじゃないですか。今回はいかがでしたか?
クララ 前回同様、テーマを決めて書いていくことになったんですが、視点をどこに置くかというのがすごく難しくて、俯瞰でストーリーをなぞるところもありつつ、今回はまどかちゃんとほむらちゃんの関係性にフォーカスして作っていきました。でもすごく難しかったよね?
エリー 一度みんなで違うテーマに変えて最後のほうまでシナリオを考えたけど、これはなんか違う、納得いかないというのが何回かありましたね。例えば、「ここのワードは違う気がするけど、みんなはどう?」って投げて、みんなで案を出し合って決めるとか。
クララ パートを分けて考えたりもしたんですが、結局はどのパートにも3人の言葉が入っていますね。練って練って3人で言葉を当てはめていくという時間は前回よりも長かったです。
アンナ 今までの「コネクト」「ルミナス」「カラフル」の渡辺 翔さんの言葉からインスパイアされた箇所もあって、例えば“泣いたココロ”という歌詞は「ルミナス」から、“触れた傷”“羽ばたいて”は「カラフル」から、“明日へ繋ごう”は「リンクス」にもなるし「コネクト」の“繋ぐ”という意味にも重なっているので、そういうところは3人で意識して取り入れていった部分です。
――これまでClariSが紡いできた『まどか☆マギカ』の主題歌へのセルフオマージュという感じもありますよね。それぞれ好きなフレーズはありますか?
クララ 私は、サビの最後の“運命越え 君と見つけよう(始めよう) 私は奇跡になる 夢 明日へ繋ごう”という部分ですね。それぞれのキャラクターが色んな運命を受け止めながら魔法少女になって戦ったり、まどかちゃんが円環の理になるという運命を受け入れたりとか、1人1人の心がいい形で昇華されたらいいなという想いで書いた歌詞なので、そこが一番お気に入りです。『まどか☆マギカ』という作品も、私たち自身のことも、そしてキャラクターがまた未来へ羽ばたいていったらいいなという気持ちも込めて書いた部分なので、とてもお気に入りですね。
エリー 私はDメロの“たったひとつ灯した~届くように”がお気に入りです。ここは歌割りが、最初はクララちゃんが“ただ誓う”まで歌って、“何も迷わない”でアンナが入ってきます。“二度と恐れない”で私が入ってきて、最後に3人で“届くように”という一連の流れで、このフレーズが雰囲気も含めてすごく好きです。
――このパート、ドラマチックですよね。
エリー 裏話にはなるんですけど、“私は奇跡になる”というところは3人ですごくこだわっていて、本当は「貴石」(※奇石?)にしたかったんです。ソウルジェムの意味を込めて。でも「奇跡」の方が最終的にはいいのかなって。
クララ そうそう、まどかちゃんの奇跡感があるしね。
アンナ 私はサビの“泣いたココロの声 背を向け 触れた傷も抱え 今羽ばたいて”というところが、ラストサビでは“泣いたココロの声 目を向け 触れた傷も癒えて 今羽ばたいて”になるという対比がすごく好きです。この作品自体、絶望を目の当たりにして一度希望を見失いそうになるところから立ち上がっていくというところがあると思うんですけど、そういった現実を受け止めて、それでも前に進もうというストーリー性が、1番のサビからラストサビで歌詞が変わることで表現できたんじゃないかなと思っていて、お気に入りポイントです。
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