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INTERVIEW

2025.11.06

劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』新曲の制作秘話に迫る!SCOOP MUSIC代表・佐藤宏次が明かすフランシュシュ楽曲に込めた熱意

劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』新曲の制作秘話に迫る!SCOOP MUSIC代表・佐藤宏次が明かすフランシュシュ楽曲に込めた熱意

他ではできないこだわりを詰め込んだ『ゾンビランドサガ』の音楽

――劇中では他にも2曲の新曲が登場しました。「今日が歴史に残るなら」は、佐賀の人たちが一丸となって宇宙人に立ち向かう作戦“オペレーションフランシュシュ”の決行シーンで流れました。

佐藤 この曲は当初から“オペレーションフランシュシュ”の出撃シーンで使うことが決まっていたので、そこで使うことを前提に制作しました。作戦が始まる前の高揚感と言いますか、本番前の「これから行くぞ!」と滾っている感じの曲にしたかったので、テンポもそれほど速くはない、しっかりとしたハードロックになっています。この曲は思惑が一番わかりやすかったので、複雑なことは考えずに制作しましたね。そのまんまです。

――作詞は古屋さん、編曲は山下洋介さんと、『ゾンビランドサガ』シリーズではお馴染みの方たちが手がけるなかで、作曲は本シリーズ初参加のVellさんが担当しています。

佐藤 彼は弊社(SCOOP MUSIC)の新しいメンツになります。ボカロPとしても活動しているので、作家というよりもアーティスト寄りで、『ゾンビランドサガ』と同じCygamesさんの別作品『ネクロノミ子のコズミックホラーショウ』のEDテーマ(「PANDORA feat.のあ(from カラフルピーチ)」)も担当しています。彼はすごいハードロック好きな人なので、「こういうハードロックを作って」とお願いしたら、「そういうことです!」という曲が上がってきて(笑)。理解が早かったですね。歌謡曲みたいにサビがしっかりある感じではなく、もっと全体で聴かせるような、80年代初期のメロディックなハードロックやヘビーメタル界隈の曲と言いますか。ただ、現代のアイドルが歌う曲なので、さすがにオケも80年代っぽいと合わないので、山下に色々調整してもらいました。あまり大きい会場ではない、ライブハウスでのライブの1曲目が似合うんじゃないかなと。

――「今日が歴史に残るなら」という強めのタイトルも印象的です。

佐藤 もちろん物議を醸しまして、「重すぎません?」と言われたのですが、「いや、これがいいと思います」と押し通しました(笑)。でも、これくらいの重たい感じがフランシュシュとして、目を引くと思うんですよね。「佐賀に変なアイドルがいるぞ」みたいな感じで。歌詞の世界観的にも、楽曲の方向的にも、そのまんまの楽曲になったと思うので、直球で受け取ってもらえたらと思います。ここまでド直球の曲は「輝いて(カレーメシver.)」以来かもしれない(笑)。

――そしてもう1曲の「悠久ネバーダイ」は、中盤の見せ場、フランシュシュメンバーが月を背に旗を立てて奮起するシーンで使用されました。作詞は古屋さん、作曲は浅利進吾さん、編曲は加藤さんで、TVアニメ第2期の挿入歌「REVENGE」と同じ座組みです。

佐藤 この曲だけ少し特殊で、最初は使いどころがあやふやだったんです。ただ、新曲を作るのであれば、「ヨミガエレ」や「REVENGE」みたいな曲が1曲ほしいなと思って。楽曲の意味合いは一旦置いておいて、とにかく一度聴いただけで魂が震えるような熱い曲にしたかった。それと「徒花ネクロマンシー」(TVアニメ『ゾンビランドサガ』OPテーマ)と「REVENGE」が劇中で使われることも決まっていたので、それらに並ぶくらい強くて滾る曲にしたくて制作を進めました。「REVENGE」と同じ作家陣になったのはたまたまなんですけど。サウンド面ではあまり昨今の音楽シーンでは中々やらせてもらえそうにないような事をやらせてもらっています。

――さらに終盤、フランシュシュがライブを行うシーンで1曲目に歌われたのも、この曲でした。

佐藤 その件では、様々な方々にご迷惑をおかけしてしまって……。実はライブシーンの1曲目、当初は「今日が歴史に残るなら」になる予定だったんですよ。でも、劇場作品のライブシーンの頭を飾るには、少しインパクトに欠けるかなと思い、途中で「やっぱりこっちの曲の方がいいんじゃないですか?」と石田監督と相談した結果、「悠久ネバーダイ」になりました。申し訳なかったです。

――ただ、新調されたライブのオーバーチュア「ChouChouture:SE」で期待を高めて「悠久ネバーダイ」のパフォーマンスが始まる流れは、まるで本物のライブを観ているような迫力と高揚感がありました。

佐藤 やはりあれだけ大きな会場でライブをやるのであれば、一発目から高めていきたいですからね。なので第2期の「REVENGE」の時みたいにオーバーチュアから始める形にしてもらいました。それにしてもあのライブシーンのセットがエグいんですよね。アリーナ会場でセンターステージ、しかも幕を落とす演出から始まるっていう。あれをリアルで再現するのは、さすがに現時点では難しいと思いますけど、いつか実現できたらかっこいいですよね。できるかどうかはさておき(笑)。

――ちなみに完成した映画をご覧になった感想はいかがでしたか?

佐藤 これが何回観ても泣いてしまうんですよ、フランシュシュが旗を立てるシーンで。別に悲しいとかではなく、胸の中に熱い何かが込み上げてきて「うわーっ!」ってなるんですよ。あそこは本当に滾るシーンですね。いわゆるスポ根の熱いシーンみたいな感じで、観ていて勇気づけられるっていう。試写会でも、隣に高梨康治(『ゾンビランドサガ』シリーズの劇伴を担当した音楽家)さんがいらっしゃるなかで、一人で泣いていました(笑)。

――最後に、TVアニメ第1期から音楽制作に関わってきた佐藤さんにとって、『ゾンビランドサガ』はどんな作品になりましたか?

佐藤 ちょっと言いづらいんですけど、「他の仕事でできなかったこと全部詰め込んでいる」という気持ちが強いです。変な言い方をすると、自分が思う何かを成就させる場所と言いますか。自分はこの業界に25年いるのですが、今から7年前、ちょうど20年経つか経たないかの時期に、この作品と出会って、今まで培ってきた自分の思いを、とにかくぶち込むことができた。自分が思う理想の音楽像というか、「こういうことをやったらいいのにな」と思うことを、割と全て詰め込むことができました。もちろん監督の意向を踏まえて一緒に制作していくなかでですが、こんなに楽しく好き勝手やらせてもらえることはそうそうない現場だったと思います。


●作品情報
劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』
全国公開中

<ストーリー>
ゾンビィのアイドルは佐賀を、そして世界を救えるのかー!?
2025年、佐賀万博開催で盛り上がる地球。
フランシュシュは万博のアンバサダーに起用され、メインイベントのSAGAアリーナライブへと向けて準備を進めていた。
しかし、突如として巨大な宇宙船が佐賀上空に出現し、佐賀県全土を攻撃し始める。
動揺するフランシュシュメンバーたち。ただのアイドルにできることは何もないのか…!?
そんな中、唯一自我を取り戻していなかった伝説の山田たえが覚醒し、フランシュシュ脱退を宣言してこの侵略を止めようと単身敵地に乗り込んでしまう。
バラバラになってしまったフランシュシュたちは、再び絆を取り戻し、佐賀を救うことができるのかー!?

【スタッフ】
原作:広報広聴課ゾンビ係
総監督:宇田 鋼之介
監督:佐藤 威  石田 貴史
脚本:村越 繁
キャラクターデザイン:深川 可純  山口 仁七  崔ふみひで
SFビジュアルデザイン:ロマン・トマ
アニメーションプロデューサー:脇 優梨子
音楽:高梨 康治
主題歌・挿入歌:SCOOP MUSIC
アニメーション制作:MAPPA

【キャスト】
巽 幸太郎:宮野 真守
源 さくら:本渡 楓
二階堂 サキ:田野 アサミ
水野 愛:種田 梨沙
紺野 純子:河瀬 茉希
ゆうぎり:衣川 里佳
星川 リリィ:田中 美海
山田 たえ:三石 琴乃

©劇場版ゾンビランドサガ製作委員会

関連リンク

劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』公式サイト
https://zombielandsaga-movie.com/

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