INTERVIEW
2025.07.07
「THE IDOLM@STER SideM 10th ANNIVERSARY P@SSION」シリーズと題し、10周年を彩る様々な楽曲をリリース中の「アイドルマスター SideM」(以下、「SideM」)。7月12日・13日にはKアリーナ横浜にて“THE IDOLM@STER SideM 10th ANNIVERSARY ST@GE ~P@SSION-ING!!!~”の開催も決定している彼らの楽曲を軸に、「SideM」楽曲を手掛けるクリエイター陣にメールインタビューを実施!「SideM」の音楽の魅力、そして「SideM」への想いを聞いた。
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■「SideM」が歩んできた10年の道のりを振り返って、「SideM」の「進化した」と感じる部分をお聞かせください。
作詞家の目から見ての話になりますが、一番大きく思うのは、それぞれのユニットの表現幅が劇的に広がったなと。純粋に楽曲数が増えたという話でもあるかも知れませんが、それだけでなく、アイドルたちが1曲ごとに切り開いてきた地平線の向こうにまた次の地平線があったというか。10年変わらず強く抱きしめている部分と、少しずつ歩いていくなかで開拓してきた感情がミックスされて、彼らの今立っている地平線ができているように感じます。10年歩くことを継続したからこそ、今のメッセージに辿り着けている。それってすごいことだと思うし、彼らは正統に進化してきたんだなあと感じます。その瞬間ごとの彼らのメッセージ性を、作詞家としてちゃんと切り取れていたかは必死すぎたのでわかりませんが(笑)10周年に辿り着けているということで、あれもこれもきっと1つの正解だったんだ、とアイドルたちにアンサーをもらったような気もします。
■ここまで共に歩んできた「SideM」との思い出として最も印象的だった楽曲制作時のことを教えてください。
どれも印象的ですが、あえて挙げるとすれば5th Anniversary楽曲の制作時でしょうか。10周年から見た5周年はまだまだ通過点ですが、ゼロ地点から見た5周年ってすごいところまで来たんだなという気がしていて。でも、その感情的高揚と裏腹に、ちょうどあの頃はコロナ禍で。総合コンセプトが“Because of you”という、“あなた”を明確にイメージしての制作だったこともあり、様々なことを考えました。彼らが肯定したいもの、大好きなもの、握りしめたいものは何だろう、守りたいものはなんだろう……などなど。ユニット楽曲を作る時にある程度そんなふうにガッツリ考えたこともあり、合同楽曲で書かせていただいた「ミュージアムジカ」は逆にフィジカルな歌詞というか、直感的な着地になったのも良い作用だったと思います。今書いたらまた違うものが出力されそうなので、あのタイミングでしか書けなかった楽曲たちだなと思っています。
■ライブでの忘れられないシーンをお聞かせください。
難しい質問ですね!毎回最高を更新されてしまうので、冗談抜きにこれは本当に難しいんですが……。私、基本的に自分が作詞させていただいた曲に関してはいつも正座して聴いちゃうタイプなんです。感情的な話として、ですね。素晴らしいパフォーマンスを見ながらも、あそこの助詞はあっちのほうが良かったのかな、とか。あっ、今のパフォーマンスであのフレーズを正解にしていただけた!とか。心の底から楽しみつつも、ついつい考えがちというか。ただ、そういう理性を、曲がぶっ飛ばしてくれることがあります。なかでも印象的だったのは「MEET THE WORLD!」の初披露(“THE IDOLM@STER SideM 4th STAGE ~TRE@SURE GATE~”)の時。とにかく楽曲の持つ光のパワーが強すぎて、純粋にライブに来た1人の人間として、ああ、これは良い曲かもしれない……と思いました(笑)。山口朗彦先生の楽曲センスに見事にぶっ飛ばされたとも言えますが、気持ちの良いふっ飛ばされ具合だったので、今でも素敵な思い出です。
■歌詞を書いた楽曲で、プロデューサーの前で披露する際の、ライブでの進化を著しく感じる曲を教えてください。
制作から少し経った楽曲が披露された時に、進化したなあ……と感じることが多いです。例えば「流星PARADE」(DRAMATIC STARS、S.E.M、Jupiter)はアニメ第8話のED曲として制作しましたが、時間が経つごとに「遠い未来どこかで振り返る」ことに説得性が増したように感じて、最近はライブで披露されると、アニメのエンディングとして以外の側面を強く感じます。あとはAltessimoの曲ですね。他のユニット以上に、プロデューサーやファンとの距離を少しずつ変えてきたユニットなので、ライブで見るとその距離感の見せ方に進化と感動を感じます。それから、演出でめちゃくちゃ進化させていただいた曲といえばBeitの「Platinum MASK」。歌詞を書いた時はあまりライブパフォーマンスは想像していなくて、現実的には難しい重力反転した世界のようなイメージだけが頭の中にあったのですが、まさか椅子で出てくるとは思わず(笑)とても素晴らしい演出で、プロ(アイドルもスタッフも)ってすごいなあ……と感心しきりでした。
■真崎さんと言えば『THE IDOLM@STER SideM 9th STAGE THEME SONG「Gather Round!」』の作詞をされました。ナンバリングライブのテーマソングとして明確に打ち出された1曲でしたが、歌詞のオーダーやEFFYさんの「Reason!!」を聴いて音楽の道を目指した“「SideM」チルドレン”を自負される志村真白さんの楽曲の印象も併せてお聞かせください。
志村先生がそんな素晴らしい経歴の持ち主だったとは……!!初めて「Gather Round!」のデモを聴いた時は、前進してるのに温かい曲だなあと思いました。風を切る強さを備えていて、事実、前に前に向かっているのに、なぜか頬に当たる風は冷たくなくて、ふんわり全体的に大きな暖かさに包まれているような印象を受けました。歌詞のオーダーは「手を取って輪になって次のステージへ向かっていく」というものだったので、その方向性で考えていきました。9年目の彼らの手の取り合い方を考えつつ、そもそもが多様性の宝庫な事務所なので最初から強いられることなんて1つもなかったとは思うのですが、より自由に、だけど自主的に一緒に前に向かっていくようなイメージで膨らましていきました。10周年への橋渡しの曲でもあったので、良い意味で到達点にならないような、それこそ温かい風のような曲になっていたらいいなと思います。
■ユニット曲、ソロ曲など数多くの作詞を担当されてこられた真崎さんですが、49人が歌う全体曲の作詞がこれまでとは違った点、315プロダクションの楽曲として変わらない“軸”となるものを教えてください。
全体曲については「どのフレーズを誰が歌っても違和感がないようにする」という至上命題な部分が、ユニット曲やソロ曲とは違う部分かなと感じます。とはいえ無難なフレーズばかりではせっかくの曲の輝きが薄れてしまいますので、そこのバランスを取るのが作詞家の仕事なのかなと。
軸……そうですね、ちょっと陳腐になってしまうのですが、「夢や自由・情熱を否定しない強さ」とかでしょうか。全体曲に限らず、315プロダクションの楽曲に向き合う時は常にその「軸」については頭の中で考えています。でも日毎、更新されてゆくものでもある気がして…。彼らが強く眩しくあるために重ねている努力のぶん、作家側もその輝きに見合う進化で彼らの「軸」を捉え続けないといけないのではと。言葉にすると重大ですが、なんだか非常にやりがいのあるプロデュース業な気がしてきました。
■『THE IDOLM@STER SideM 10th ANNIVERSARY P@SSION 11 もふもふえん』では新たに「もふっと・ゆにばぁ~す・とらべら~!」、「*ましゅまろ色のまほう使い*」の2曲の作詞をされています。「うぇるかむ・はぴきらパーク!」からもふもふえんの愛くるしさやその内側にある情熱を描いてこられていますが、歌詞を通じて届ける彼らの進化、成長についてはどのような意識がありましたか?制作時の思い出と共にお聞かせください。
「はぴきら」から比べると、まずは暗喩の自由度が増しましたね。例えば「はぴきら」Aメロ“いっぱいあそんだ ニッコリのままで ぼくらとんでみるよ”。“とんでみるよ”は、集合場所がステージであることを受けての「その場のジャンプ」であり「アイドルとしての飛躍」でもありましたが、この頃は私自身も手探りな部分があって、ダブルミーニングや比喩の跳躍に躊躇していた部分もありました。それが「もふっと・ゆにばぁ~す」になると、Aメロではいきなり“星とハイタッチして天の川を泳いでエンジョイ”しています。小学生ユニットだからって表現に制約なんていらないんだ、必要なのは適切な言葉選びだけだ、というのが「はんどめいど・きみは~と!」辺りから明確に見えてきました。新谷(風太)先生の書かれた「もふデビ★うぉんてっど」に「あなどらないでよね」と言われるたび、本当にそうですよね、すみません。更にちゃんと向き合います。と襟を正す日々です。
■アイドルたちの新たな可能性を拡げるような新曲が印象的な「THE IDOLM@STER SideM 10th ANNIVERSARY P@SSION」シリーズの作詞で意識されたことをお聞かせください。10thだからこそ意識したワードの方向性などありますか?あればそのポイントをお聞かせください。
歌詞の中で明確に10周年を打ち出すつもりで書いた曲はなかったように思いますが、書きながらこれは新しい方向性だなと感じた楽曲は多かったです。Jupiterの「トロンプルイユ・ダンスホール」、Beitの「Best Wishes.」、FRAMEの「ULTIMATE FRAME」辺りが特にそう感じました。なのでそれぞれ歌詞も、刺激的だけど安全なセクシー感の夜Jupiter、身近にあるものを再発見して言葉のまろやかさが増したBeit、防御力を攻撃力に転化させたバランスのFRAMEといったふうに、ほんの少しずつチューニングしていきました。考えてみればこれまでの曲がないと成り立たないチューニングだったので、ある意味10周年に相応しかったかもしれません。この結果が、彼らの魅力の再発見に繋がっていたら嬉しいなと思います。
■近年「SideM」の作詞陣には新たなクリエイターが続々参加しています。「SideM」の楽曲を支える一柱として活躍されてきた真崎さんはそんな現在のコンテンツの音楽に対してはどのような印象がありますか?
柱だなんて本当に恐縮しきりで、必死で書いてたら10年経っていたというのが正しいのですが(苦笑)。クリエイターが増えた今の状況、私は本当に素敵なことだと思っています。どうしても1人の人間が作り出せるバリエーションには限りがあるので、アイドルの魅力を最大限に引き出すという意味では、どんどん良い方向に向かっているのではないでしょうか。楽曲についても、こんなイメージの曲をこのユニットが歌うのか。めちゃくちゃ良いなあと思うことも多いですし、新しいサウンドや歌詞と共鳴することで、まだ知らないアイドルの魅力が発見されるとも感じます。その流れの中で、私ができることを今後も少しずつ頑張っていけたらと思っています。
■他にも数多くの作品に歌詞を提供される真崎さんにとって「SideM」に刻んできた歌詞はどんな存在ですか?
非常に難しい問いかけではあるのですが……あえて言葉にするとしたら、その時の感情を書いた訳ではないけどある意味日記のようで、私を温かくも冷徹な目で見つめる存在でもあるなと感じます。歌詞を書かなければ向き合わなかった問いかけや、見つけられなかっただろうアンサーもたくさんあり、ある意味で人生を助けてもらったと感じることもあります。でも書いて時間が経ってから、その曲が私を見つめる視線に気づく時、お前は本当に成長しているのかと非常に厳しい目でジャッジされているといいますか……。長期でコンテンツに携わらせていただいてるからこそ、私にとって楽曲たちは、宝物であると共に、シビアな課題をくれる者であるようです。
■10thから先へと踏み出す「SideM」に期待していることをお聞かせください。
楽曲面で言えば、新たな挑戦をたくさんしてほしいなと思います。これまでも道のりを大切に歩いてきた彼らなので、これからも一歩ずつを大切に歩みつつ、どんどん次の自分らしさを切り拓いていってほしいです。日本語も英語もラップもポエトリーリーディングも、歌ってみたら意外とハマるかも知れないので(笑)、ぜひ果敢にチャレンジしていただけたら……そんなふうに思います。
■315プロダクションのアイドルたちへ、メッセージをお願いします。
10周年おめでとうございます!
作詞家として皆さんの作る世界のお手伝いができることに、このうえない喜びを感じます。時に、本当にこれで正しかったのだろうか……と悩む時も、そのパフォーマンスを見て覚悟が決まります。皆さんの輝く姿が常に私の指針で、原動力です。ここまでの道のりは決して平坦じゃなかったと思いますが、今日まで歩いて来てくださったことに心から感謝と尊敬を贈りたいです。
月並みな言い方ですが、アイドルとして生きてくれて本当にありがとう。
これからも、315の景色を見せてください!
■この記事を読んでいるプロデューサーの皆さんにメッセージをお願いします。
改めまして、作詞家の真崎エリカです。
楽曲の1要素でしかない歌詞を、ちゃんと受け止めて、抱きしめてくださるプロデューサーの皆さんには感謝しかありません。いつも1人部屋に篭って仕事をしていますが、作品がリリースされるたびに、私もちゃんと皆さんと繋がっているんだなと心にじんわり火が灯ります。これからも書かせていただける限り、1曲ずつしっかりアイドルたちと向き合い、作品を作り続けていけたらと思います。まずは一緒に「SideM」の20周年を見に行きましょう。
これからも、どうぞよろしくお願いします!
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