リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

REPORT

2025.04.14

岸田教団&THE明星ロケッツが観客に民意を問う!ファン投票によってセットリストが決定するライブ“岸田教団2025年度「聖域なきセットリスト総選挙」”の様子をレポート

岸田教団&THE明星ロケッツが観客に民意を問う!ファン投票によってセットリストが決定するライブ“岸田教団2025年度「聖域なきセットリスト総選挙」”の様子をレポート

シーン最高のライブバンドによるステージ、そして民主主義の終焉

あまりの熱気に岸田も思わず「ちょっと休憩していいですか?」と言うほどの雰囲気のなか、ここからはクールダウンかと思わせて「ケモノノダンス」(総選挙4位)とこれまた人気かつフィジカルの強い楽曲へ。ichigoも観客もケモノポーズでフロアを右に左に大移動する。そこからみっちゃんの高速ドラムフィルから始まる「Rewriter」(総選挙15位)でより鋭利なサウンドを突き刺していく。そこからの「暁を映して」(総選挙14位)では、はやぴ〜のヒステリックなギターから始まり、ドラム、ベース、ボーカルというサウンドが一体となるものすごい爆発力を生んだ。これまで蓄積された熱気が一気にハレーションを起こすような光景は、これこそが岸田教団&THE明星ロケッツのライブだと感じさせる圧巻そのもの。そうしたアグレッシブなセットから続いては「11月」(総選挙20位)のしっとりとした導入へと繋がっていく。言うまでもなくここはichigoのボーカルの見せどころで、エモーショナルなその歌唱を存分に堪能することができた。

ライブも終盤に差し掛かるなか、ここでは書けないような結局いつものMCが聞かれ、続いての楽曲「EGOISTIC HERO」(総選挙17位)へ。「GATE ~それは暁のように~」のカップリングながら人気のこの曲、ヒリヒリとしたサウンドのなかのichigoのボーカルがまた良い。そこから「LIVE MY LIFE」(総選挙3位)というポジティブなサウンドが聴かれた後に、岸田が「最後の曲になります!」と告げる。「え〜!」という観客の声のなか、そのまま最後の曲にいくかと思えば、「今日をもちまして、岸田教団の民主主義は終了となります!」と突然の宣言。先ほど以上の「え〜!」が国会ならぬライブハウスを包むなか、「我々が真にやりたいのは一党独裁!世界を俺の思うままにしたい!結局それが一番面白いんだから!」と身も蓋もないことを言う独裁者。そして最後の曲として、「エイトビート・バーサーカー」(総選挙1位)をコールする。この曲は昨年リリースされたアルバム『BERSERKERS』のタイトルトラックとして昨年のツアー、あるいは現在の岸田教団&THE明星ロケッツの中心となった絶対的アンセムだ。その証拠に、今回の総選挙にてアニメのタイアップも東方アレンジでもないこの曲が首位を獲得したのだ。これこそが民意であり、岸田教団&THE明星ロケッツの現在のステイトメントなのである。そしてそれを裏づけるようにここでのパフォーマンスはこれまでのすべてを凌駕する熱狂のなか、昨年のツアー以上に暴力性を増したサウンドと、そこに食らいつくようにシンガロングする観客という、ライブとしてこのうえない完成度を誇ったパフォーマンスが見られた。民主主義という本編の終焉、そこに残されたのはバンドと国民ともに統一された強大な意志であった。

そんな強烈なパフォーマンスで本編を終えた後、まだまだ燻り続けるフロアをさらに焚きつけるように始まったのは「七色シューティングスター」(総選挙8位)という超初期の楽曲。現在の岸田教団&THE明星ロケッツとはまた異なる若々しいメロディをichigoが歌う姿は新鮮だ。続く「MIDNIGHT MAGIC」(総選挙27位)も同様に初期の楽曲で、こうしたアンコールで岸田たちのルーツが窺えるのは面白い。そこから「ハンゲツトウゲ」(総選挙21位)、「ストライク・ザ・ブラッド」(総選挙23位)、「HIGHSCHOOL OF THE DEAD」(総選挙25位)とメジャーデビュー以降の楽曲が続くという、不思議なコントラストのアンコールとなった。

そしてこの日最後の曲を前に岸田がマイクをとる。自身が同人時代から目指していたものを語るなか、改めて民主主義化した岸田教団&THE明星ロケッツは、今回のライブをもって独裁政権に戻ることを宣言。民主主義の崩壊を目の当たりにするなかで岸田は、「いや、でも別に俺が決めたいことは特にないよな……」とふと我に返る。「俺が何を決めて何を始めようというより、みんなが幸せでいてくれるほうが嬉しい……」とまさかのデレを見せるなかで、図ったかのようにichigoのサイレンが鳴り響いてあえなくタイムアップ。最後にichigoが「短くまとめて!」と言うと、岸田が「お前ら愛してるぜ!」と叫び、この日最後の「星空ロジック」(総選挙2位)へ。岸田教団&THE明星ロケッツ最高のアンセムとともに、スペシャルな一夜は幕を閉じたのだった。

岸田が個人でスタートした同人時代から数えて20年あまり。そこにichigo、はやぴ〜、みっちゃんという名うてのメンバーが揃った岸田教団&THE明星ロケッツは、現在「エイトビート・バーサーカー」という歴代最強のアンセムを獲得し、シーン屈指のライブバンドとしてフロアを揺らしている。一方で、これまで岸田教団&THE明星ロケッツのライブで鳴らされてきた観客の歓声やシンガロングといった声は、総選挙の民意となってこの日も轟いていた。民主主義や独裁政権などのワードが飛び交ったこの日ではあるが、彼らが変わらず最高のロックンロールを鳴らし続けることが、平和な世界を維持し続ける最良の回答であることが本ライブで証明されただろう。この先バンドは5月に“岸田教団ワンマンライブ「一発逆転肉フェスライブ」”が控えるなど、引き続きその活躍が期待されている。そこで彼らがどのような政権を選択するかはさておき、すべての国民が等しく熱狂できるステージを見せてくれるということは間違いないはずだ。

<セットリスト>
M01. ただ凛として
M02. セブンスワールド
M03. 群青
M04. Alchemy
M05. 自由への賛歌
M06. ネクロファンタジア
M07. 明星ロケット
M08. 天鏡のアルデラミン
M09. ストレイ
M10. nameless story
M11. GATE II ~世界を超えて~
M12. GATE ~それは暁のように~
M13. ケモノノダンス
M14. Rewriter
M15. 暁を映して
M16. 11月
M17. EGOISTIC HERO
M18. LIVE MY LIFE
M19. エイトビート・バーサーカー
EN01. 七色シューティングスター
EN02. MIDNIGHT MAGIC
EN03. ハンゲツトウゲ
EN04. ストライク・ザ・ブラッド
EN05. HIGHSCHOOL OF THE DEAD
EN06. 星空ロジック


●クラウドファンディング情報
「野外ライブがしたい! 肉フェスに”便乗”した岸田教団を投げ銭で救済せよ!」
クラウドファンディング期間:2月14日(金)21:00 ~ 5月6日(火祝)
*コース毎に受付締切が異なります

プロジェクトページ
https://ubgoe.com/projects/881

●ライブ情報
岸田教団ワンマンライブ「一発逆転肉フェスライブ」
2025年5月2日(金)
開演:16:00予定
会場:お台場特設会場 お台場青海地区P区画 肉フェス内ステージ
チケット代:入場無料
※肉フェス700円食券1枚ご購入料金が発生いたします
※クラウドファンディングで優先入場券をお持ちの方は食券のご購入は発生いたしません。
https://t.livepocket.jp/e/kisida_nikufes

関連リンク

オフィシャルサイト
https://kisidakyoudan.jp

オフィシャルX
https://x.com/kisida_info

オフィシャルYouTube
https://www.youtube.com/@kisidakyoudan