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INTERVIEW

2025.03.08

「生まれ変わった者に与えられた運命を切り開いていく決意を歌った曲」――澤野弘之、そしてStray Kidsのフィリックスとタッグを組んだ新曲「ReawakeR (feat. Felix of Stray Kids)」をLiSAが語る。

「生まれ変わった者に与えられた運命を切り開いていく決意を歌った曲」――澤野弘之、そしてStray Kidsのフィリックスとタッグを組んだ新曲「ReawakeR (feat. Felix of Stray Kids)」をLiSAが語る。

TVアニメ『俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-』OPテーマ「ReawakeR (feat. Felix of Stray Kids)」を表題曲とするLiSAの23rdシングルは、収録曲3曲すべてがクール&ゴージャス!作曲を澤野弘之が手掛け、韓国の大人気ボーイズグループ・Stray Kidsのフィリックスをフィーチャリングに迎えた「ReawakeR (feat. Felix of Stray Kids)」を筆頭に、音楽的にも新基軸を開いた「RED ZONE」、キタニタツヤ作詞・作曲の「うぃっちくらふと」をLiSAが語る!

INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香

『俺だけレベルアップな件』はミステリアスさが魅力的

――2025年シングル第1弾は、1月からオンエアのTVアニメ『俺だけレベルアップな件 Season 2 -Arise from the Shadow-』OPテーマです。アニメの放送に合わせて楽曲の配信もスタートしていましたが、とにかくかっこいい曲だと評判で!

LiSA ありがとうございます!そうなんです、めちゃめちゃかっこいいんです!(笑)。

――ドヤ顔、ありがとうございます(笑)。『俺だけレベルアップな件』には初参加となりましたが、作品にはどんな印象を持ってました?

LiSA Season 1からすごく人気があるアニメだというのはもちろん知っていて。このお話では、主人公の(水篠)旬くんが“再覚醒”して“システム”にサポートされながらどんどん強くなっていくじゃないですか。しかも彼がヒーローであることを知っている仲間と知らない人がいて、“システム”が何を言いたいのか?みたいな……旬くん自身がその世界で、自分が覚醒した理由を探ろうとしている。そういうミステリアなところにすごく惹かれますね。病気のお母さんと妹のために職業としてハンターを選んで、弱くて死にかけたような子が、逃げない心を持ったがゆえに“システム”に気に入られて覚醒するという設定も面白いし、Season 2になって彼もますますイケメンになっていって、目が離せないですよね。

――主人公の旬には、どんな印象があります?

LiSA 最初はへなちょこなのに力を得て強くなる前提はあるんですけど、自分自身でもちゃんと努力して、ミッションをクリアしていくっていうのがいいですよね。

――能力に甘えず人知れず努力し、チャレンジャブルなミッションを乗り越えて成長しているところは、LiSAさんに似てるなと思いました。LiSAさんも旬も、自分が努力していることを口には出さないですよね。

LiSA あ~……(苦笑)。言わないほうが好きなんです。旬くんもそうなのかな?(笑)。

澤野弘之の音楽はアーティスティックでバンドっぽい

――ではここからは楽曲のお話を。「ReawakeR (feat. Felix of Stray Kids)」の制作にあたっては、どういう布陣で挑むかを考えたと思うのですが、作曲を澤野弘之さんチーム、そしてゲストボーカルにStray Kidsのフィリックスさんを迎えるという人選は、最初から決めていたんですか?

LiSA はい、それしかない!と思って。まず、澤野さんは『俺だけレベルアップな件』自体の音楽も担当されていますし、Season 1でもSawanoHiroyuki[nZk]:TOMORROW X TOGETHERとしてOPテーマ「LEveL」を手がけていて。今回、私はこのアニメに途中参加することになるので、やっぱり作品をよく知っている方の力をお借りしたいなと思って、澤野さんにお願いさせていただきました。

――昨年『シャングリラ・フロンティア』2nd seasonで「QUEEN」をFZMZのメンバーにお願いした理由もそうでしたね。では、フィリックスさんとコラボしたいと思った理由は?

LiSA 『俺だけレベルアップな件』は韓国の小説やマンガが原作なので、Stray Kidsさんとは彼らの日本1st EPで「Social Path (feat. LiSA)」という曲でご一緒させてもらいましたし、なかでもフィリックスさんの低音を響かせるラップを、今度の曲にもぜひ入れたい!と、澤野さんにもお願いして曲を書いていただいたんです。

――楽曲制作に向けては、どういう話し合いがありました?

LiSA 澤野さんはSeason 1の「LEveL」を書かれているので、そこからさらに疾走感を持った楽曲にしてほしいというお話がアニメのプロデューサーさんからありました。私のほうからも澤野さんには、このアニメは世界的に観られている作品なので、日本だけじゃなく海外の人たちも意識したサウンド感をぜひ出したい。あと個人的には4つ打ちの曲で!というのもリクエストしました。

――澤野さんとのコラボレーションは、2018年の『機動戦士ガンダムNT』主題歌「narrative」以来になりますよね?

LiSA そうですね。ただあの時はSawanoHiroyuki [nZk]:LiSA名義だったので、澤野さんのダークロックな楽曲だったり、世界観だったりに、私がのっかっていくイメージでしたけど、今回はLiSAとしての楽曲。もっとデジタル要素強めをお願いしたので、サウンド感も全然違う印象はありますよね。

――気持ちも違う?

LiSA 違いましたね。澤野さんというトレンドにも敏感で、どんな曲調も書いていただけるクリエイターがいて、フィリックスさんというラッパーがいて……と、めちゃめちゃ強い布陣が決まっていたので、私もその中で自由に踊れる!という感覚がありました。

――“踊らせてもらえる!”の言葉通り、曲調もダンサブルですしね。

LiSA そう、そこもポイントでしたね。そもそもSeason 1の「LEveL」で、澤野さんがダンサブルな楽曲を主題歌に置いてくれたから、そのイメージを受け継ぐことができたんですよ。なかなかないじゃないですか、バトルが主役のアニメでダンサブルな曲がOPテーマになることって。もしゼロからLiSAが主題歌を担当します!となって、曲の世界観も自分で決めていくとしたら、多分、疾走感があってテンポが速いエイトビートのロックで!となっていくと思うんですけど、先に澤野さんがダンスビートの主題歌という基盤を作ってくれたので、そのうえで私も踊らせてもらえた気がします。

――澤野さんは非常にアーティスティックに楽曲の世界観を突き詰めるクリエイターというイメージがあります。独自の世界観を持っているLiSAさんがご一緒されたアーティスティックなクリエイターといえば、梶浦由記さんがいらっしゃいますが、一緒にもの作りをした感触は違うものですか?

LiSA 全然違う感じがします。どちらも素晴らしい音楽家だし、言葉にするのは難しいけど……澤野さんはよりバンドっぽい気がしますね。お二人の楽曲どちらにも私は楽器として存在するけど、澤野さんの曲は自分が塊になる感覚があるんですよ。なんだか……バズーカになれる(笑)。梶浦さんの楽曲は、私が後ろに梶浦さんたちと一緒に進む感じがするんですけど、澤野さんの曲は全員が弾になって一斉に突撃してる感じがするんです。今回「ReawakeR」でご一緒させてもらって、ますますそう思いました。

Stray Kids・フィリックスの低音が楽曲の根底を支えてくれた

――今回初めてLiSA名義の楽曲に参加したフィリックスさんとのコラボレーションはいかがでした?

LiSA やっぱり声がすごく印象的ですよね。Stray Kidsでもラップパートを担っていますし、前のコラボでも感じましたけど、私の声はどちらかというと高めをいくので、この曲でも根底を支えてくれてる感じですね。今までも「ViVA LA MiDALA」にSiMのMAHさんがボーカルでも参加してくれたり、PABLOさんと一緒に歌ったりということはありましたけどこういうラップが入ったLiSA曲というのは初めてなので。

――新鮮ですよね、本当に。

LiSA そう、すごく新しいですよね。それにフィリックスさんってほんとに少年!って感じで、お顔立ちもキュートなのにあの低音!聴くだけでキュンキュンしますよね。ファンの方の気持ちがよくわかります。

――LiSAさんが歌うメロディ、伸びのある歌声とフィリックスさんのラップボーカルが絡み合って、楽曲をより力強くしています。

LiSA そう、だからすごく心強かったです。残念ながらレコーディングはご一緒できなかったですけど、私1人で全部を歌うより、みんなが塊になって戦っている感じがしますよね。

――作詞は澤野ワークスでお馴染みのBenjaminさんとcAnON.さんの共作です。タイトルの「ReawakeR」はもちろん主人公の“再覚醒”に寄り添った言葉ですし、“もがき研ぎ澄ましたHunter’s pride”や“With my shadowy army in tow”といった、この作品らしいフレーズも散りばめられました。また英語のフレーズと日本語のフレーズがすごくナチュラルに融合しているのも聴きどころです。

LiSA そうなんですよね。英語のところも日本語に聞こえなくないですか?

――そう。確かにそうですね。

LiSA それもあって歌うのはすごく難しくて。自分で歌詞を書いていると、どうしても私は音に言葉をはめがちなんですけど、この曲は日本語と英語が入り混じったフレーズもたくさんあるので覚えるのが大変でした。歌詞がすごく音で遊んでいる感じで、言葉と言葉が繋がっていくんですよ。サビの“与えられたシナリオ以上”のところなんて、そこを英語に繋げるんだ!みたいな(笑)。

――レコーディングも苦労しました?

LiSA しました!(笑)。レコーディングには(作詞担当の)BenjaminさんとcAnON.さんが来てくださって、Benjaminさんには英語の指導をしてもらったんです。いつも私はアメリカ英語の発音で歌うんですけど、Benjaminさんはイギリスの方。発音の仕方が全然違うから、イギリス英語を意識して歌うのにも苦労しましたね。

――歌詞カードを見ながら聴くと、その苦労がよくわかってもらえるかもですね。

LiSA そうですね。歌詞の内容もすごく深くて、例えば“ギュゲスの指輪を”とか、ワード1つ1つにも深い意味が込められているんですね。私は、この曲を「生まれ変わった者に与えられた運命を切り開いていく決意を歌った曲」として受け止めているんですけど、それは『俺だけレベルアップな件』という作品のメッセージにも、LiSAとしての音楽の美学にも寄り添っていたので、嘘なく歌えました。皆さんにも、色々なメッセージを受け取ってもらえたら嬉しいです!

次のページ:キタニタツヤとのコラボ第2弾はヤンデレな「うぃっちくらふと」

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