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INTERVIEW

2023.01.25

高橋李依、2nd EP「青を生きる」リリースインタビュー!0からのクリエイションを楽しむ心地――。

高橋李依、2nd EP「青を生きる」リリースインタビュー!0からのクリエイションを楽しむ心地――。

2022年10月にリリースしたデジタルシングル「共感されなくてもいいじゃない」が高い評価を受けた声優アーティスト・高橋李依が、同曲を含む自身2枚目のEP「青を生きる」をリリース。自身の経験や感情をベースに作り上げた様々な“青さ”のある楽曲たちが詰まった充実の1枚となった。デビューからちょうど2年、彼女の足跡は作品の中に込められつつ、2月のソロ1stライブへと歩みを進める。今、自分を表現することを楽しんでやまない彼女に話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 日詰明嘉

多彩な「青」の楽曲が並んだ2枚目のEP

――今作は「青を生きる」というタイトルですが、コンセプトも“青”ですか?

高橋李依 そうですね。“青”と“生き方”。これは1曲目の「共感されなくてもいいじゃない」でOP主題歌を務めさせていただいたTVアニメ『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』の主人公・アイリーン(・ローレン・ドートリシュ)が着ているドレスの色からきています。彼女の生き方が実にかっこ良く、私自身が演じつつも彼女のように生きたいと思ったところから、今回のEP作りが始まり、制作を通じて“青”にはこんなにも多彩な感情があったことに気づかされました。

――収録曲はどのように固めていきましたか?

高橋 まず「共感されなくてもいいじゃない」が生まれ(※制作経緯は前回記事参照)、「反省会」、「0のひと匙」のメロディを聴く機会があり、それぞれ楽曲をベースにお願いをさせていただくことになりました。残りの3曲はチームで楽曲制作をされている皆さんにお願いして、私から「こういう感情を歌いたいんです」というお手紙を書かせていただき、そこから作ってくださった楽曲の中から選ばせていただきました。

――では「反省会」から伺っていきます。この曲はどんな思いから生まれたのでしょうか?

高橋 きっかけはお友達のライブでした。そのお友達が応援してくださる皆さんに感謝の想いをうたっている姿からエネルギーをもらいまして、私も応援してくれる皆さんに向けた曲を作ろうと思ったんです。メロディとその想いをベースにお願いしたところ、最終的に“感謝を提示 どんな時だって 伝えられること伝えなきゃ”と置きつつも、私の心の中の割合を紐解いて、反省会をする内容に仕上がりました。

――高橋さんも反省することは多いですか?

高橋 やっぱり表現のお仕事をしている以上、振り返って自分を見つめることは多いですね。歌詞にもあるように“24時過ぎ1人の帰り道”に、反省会をすることが多いのですが、その時間で見つけられることは結構多くて、そこで自分の中の役者を育てている部分もあるかなと思うんです。反省をするとか悩んで考え込むという態度は良くないことと見られがちですが、私は1人で考え込むというこの作業を肯定したかったんです。

――歌う際にはどんな点を意識されましたか?

高橋 空回りしている感じが一番強かったですね。悲しい笑いみたいな雰囲気。本当にどうしようもないとき、泣きながら笑うことってありますよね?その気持ちが1番に詰まっていて、2番では日常でそういう生き方をしてしまいつつも、やっぱり諦めきれなくて、2番Aメロで「はぁ なんで思い切れない 1つも失いたくはないから」と、自分の意思や自我を認識、自己理解みたいな方向に落とし込んでいきました。私自身においても経験があり、とても共感できる境遇ばかりだったので、「そのとき私はどんな感覚でどんな表情をしていた?」と、心に向き合って歌いました。

――続いて「0のひと匙」について、曲の印象を教えてください。

高橋 実は仮の歌詞に“アーメン”と入っていたこともあり、メロディに懺悔や許しを請うといった印象を抱いていました。ちょうどその頃、私は周りの役者さんの才能を目の当たりにして苦しんでいて、「自分って本当に何も持ってないな」とか「凡人であることを理解しながら今後この仕事を続けていけるのかな」といった気持ちを誰かに相談したかったんです。そのモヤモヤした気持ちをお手紙に書いて、卯花ロクさんがどう解釈してくださるかを知りたかった。いえ、なんなら教えてもらって、救ってほしいくらいの気持ちでした。そこでの「救う」と、この感情を「すくい上げる」という意味合いから、「ひと匙」というタイトルも決まりました。

――学園を舞台にした歌詞ですが、大元には高橋さんのそんな思いがあったんですね。

高橋 はい。感情の起源は私なのですが、卯花ロクさんが小説を書き、歌詞に落とし込んでくださいました。主人公はそれまでとある分野で褒められてきたけれど、身近ですごい人を目の当たりにしたという内容で、まさに挫折という感覚です。こういった妬ましさは、抱いてはいけないとか、まるで隠さなくてはいけない感情に感じがちですが、最後の“この輪から右足出せたこと 大切にしたいんです”というフレーズを聴くと、「いや、抱いたっていいんだ」と思えるんです。曲の仕上がりも、ただ1人の少女の話だったという雰囲気がアレンジにあって、“大切にしたいんです”の“です”の部分でポツンと音が1人になる。ここは輪の中で1人、自分の世界で考え込んでいたところからスッと自立した瞬間で、特に大好きですね。

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