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2021.12.30

【スペシャル企画】Princess Letter(s)! フロムアイドル 聖花祭編特別連載 ~~第1回目:プリレタ入門編!

【スペシャル企画】Princess Letter(s)! フロムアイドル 聖花祭編特別連載 ~~第1回目:プリレタ入門編!

高橋 李依、楠木 ともり、芹澤 優が演じるアイドルキャラクターたちと、実際に手紙のやりとりができる話題のキャラクターコンテンツ「Princess Letter(s)! フロムアイドル」(以下、「プリレタ」)。リスアニ!WEBでは、声優×ポエトリーリーディング楽曲という新鮮な試みを含め音楽面でも見逃せない本作を全5回にわたって特集。第1弾となる今回は、「プリレタ」とは一体どんなコンテンツなのか、その唯一無二の魅力と楽しみどころを徹底解説する入門編をお届け!

あの声優が演じるアイドルと文通体験!夢のコンテンツ「プリレタ」

今どきはアニメもゲームも多種多様なコンテンツが充実しまくっていて寝る間も惜しいほどだけど、そんな日常にさらなる潤いを与えてくれるのが「推しキャラ」という存在。作品内に特定の好きなキャラクターがいるともっと夢中になれるし、そのキャラのことを考えるだけで幸せになれたりする。で、毎日そのキャラのことを考えていたりすると、思い入れがどんどん強まっていって、そのうち「推しのキャラと交流したい!」と妄想を膨らませたことのある人は、きっと多いんじゃないだろうか。

とはいえそこはキャラクター、我々が生活している世界とは別次元の存在なので、実在するアイドルのような推しとは違って、ライブや握手会で直接出会ったり、SNSでやり取りすることは残念ながらできなくて……。だけどちょっと待ってほしい。「推しキャラ」との文通という、まるで夢物語のようなことを実際に体験できるコンテンツが、実は存在しているのだ。それが「Princess Letter(s)! フロムアイドル」。アイドルに手紙を送ると、あなただけのための返事が届く、かつてない試みで注目を集めているキャラクターコンテンツだ。

「プリレタ」の物語の舞台となるのは、全寮制のアイドル養成学校「私立常和歌(ときわか)学園」。校則により一切のインターネットの使用が禁止され、SNSやメールも使えない環境のなか、トップアイドルを目指して切磋琢磨する少女たちが外部とやり取りできるのは、学園非公式組織「常和歌学園文通部」によって秘密裏に運用されている「手紙」のみ。ユーザーはECサイト「フルービー」にて販売されている専用文通キット(はがき・便せんの2種類)を用いることで、彼女たちと文通することが可能で、しかもこちら側が送った手紙の内容に応じてアイドルたちが“直筆”で返信してくれるというのだから驚きだ。理想のアイドルになるため頑張る女の子の成長の日々を、文通による「秘密のやり取り」を交わしながら見守ることができるなんて、ちょっと特別でワクワクする体験に違いない。

そして文通できるアイドルたちも、個性豊かで魅力的なキャラクターばかり。雁矢よしの(CV:高橋 李依)は、笑顔が似合う愛らしい佇まいと、アイドルへの純粋な憧れを原動力に努力する姿に王道感が感じられる、高等部2年生の女の子。昔は暗い顔をしていることが多かったが、とある手紙のやりとりを通じて笑顔を知るようになった過去があるようで、彼女にとって手紙は特別な存在なのかもしれない。ピンク髪の可憐なキャラクターデザインは、キズナアイなどのキャラデザで知られるイラストレーターの森倉 円が手がけている。

雁矢よしの(CV:高橋 李依)

黒髪ロングの正統派美少女といった雰囲気を纏っているのが、高等部1年生の水茎あやめ(CV:楠木 ともり)。感情を表に出すことが苦手な性格で、それゆえに一度は「こんな自分がアイドルになれるはずがない」と諦めていたものの、そんな彼女のことを「私にとってのアイドル」だと手紙で伝えてくれた少女との思い出を胸に、今は自分なりのスタイルでアイドル活動を行っているという。イラストレーターのnecömiによる透明感のあるキャラクターデザインからも、彼女の繊細だが芯の強い一面が垣間見られる。

水茎あやめ(CV:楠木 ともり)

よしのがキュート系、あやめがクール系だとしたら、次に紹介する金魚鉢たより(CV:芹澤 優)はポップ系の女の子と言えるかも。道端で好物のたい焼きを食べていたところをアイドル事務所にスカウトされたという、なんだかよくわからない経歴の持ち主で、その事務所が潰れたものの、誰かからファンレターをもらいたい気持ちもあって、学園に入学してアイドルを続けている。3人の中では一番小柄で、とにかく天真爛漫。Mika Pikazoがキャラクターデザインを担当しており、その鮮やかなタッチが彼女の快活さを伝えてくれるようだ。

金魚鉢たより(CV:芹澤 優)

「声優×ポエトリーリーディング楽曲」による新たなキャラクター表現

さて、「プリレタ」の一番の特色は、もちろんアイドルとの文通体験にあるわけだが、コンテンツ自体はそれ以外にも、ポエトリーノベルやキャストによる配信番組など様々な形で展開が行われている。そのなかでもリスアニ!的に注目したいのが、なんといってもポエトリーリーディング楽曲。!近年はアニメ音楽や声優ソング界隈でも、ラップミュージックを採り入れた楽曲が人気を集めているが、ポエトリーリーディングはそのラップとは似て非なる表現様式。基本的には詩人が自作の詩を朗読するパフォーマンスのことを指すが、音楽に合わせて詩を読み上げるケースも多く、ギル・スコット・ヘロンからMOROHAまで、ポエトリーリーディングの要素を自身の音楽に昇華したアーティストは多い。

いわゆる「歌詞」ではなく「詩」あるいは「言葉」に重きを置いた表現がポエトリーリーディングだとするならば、「手紙」によるやり取りがコンテンツの根幹を担っている「プリレタ」とポエトリーリーディングの相性が良いのは当然だし、「声」の表現のプロフェッショナルである声優とポエトリーリーディング楽曲は最適のマッチングだということも容易に想像できるだろう。そして実際にハイレベルなパフォーマンスを叩き出しているのが、よしの、あやめ、たよりの3人それぞれによるポエトリーリーディング楽曲だ。

「雁矢よしのの話」は、転がるような音色のリズミカルなシンセリフが春の景色を思い起こさせる、明るくハッピーなEDMに乗せて、高橋 李依演じる雁矢よしのがかつての「手紙」のやり取りについて読み上げるナンバー。喜びや慈しみといった感情が伝わってくる柔らかな声音からは、よしのの笑顔が自然と浮かび上がってくるし、途中で想いが溢れて涙声になるような表現にも彼女のパーソナルが刻まれていて素晴らしい。

ピアノのどこか寂し気な音色が印象的な導入から、徐々に熱を帯びていく「水茎あやめの話」で描かれるのは、自分に自信がなくて夢を追うことを諦めていたものの、“君”との出会いをきっかけに前を向くあやめの心情そのもの。全体的に感情は抑えめで、特に序盤は静かにつぶやくような雰囲気だが、だんだんと胸に秘めた気持ちが抑えきれないかのように高まっていく楠木 ともりのポエトリー表現も絶妙だ。

芹澤 優の子供のようにピュアではきはきとした語り口が、金魚鉢たよりの天真爛漫なキャラクターをしっかりと伝えてくれるのが「金魚鉢たよりの話」。“ひとりぼっち”というワードのチョイスや、中盤で少し陰りを見せるところに、彼女の明るさの背景にある何らかのストーリーを感じ取ることができるし、それを越えた先のキャッチーなサウンドに乗せた奔放な感情表現には彼女の気さくな魅力が詰まっている。

さらに煌びやかなエレクトロハウスに乗せて3人が各々の想いを伝える「Spring Letter(s)!」も発表されており、これらの楽曲は各キャラクターの個性やバックボーンを理解したり、作品の世界観をより深く楽しむうえで欠かすことのできないエッセンスとなっている。「声優×ポエトリーリーディング」という音楽的にも意欲的なチャレンジに取り組んでいるのが「プリレタ」なのだ。

次ページ:この冬アイドルたちの物語が動き出す!新シリーズ「聖花祭編」開幕

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