【インタビュー】今作で挑戦した、これまでとは異なる歌の表現とは――。佐藤ミキ、デジタルシングル「東雲の空」を語る。

9月に自身初となるワンマンライブを大成功させた佐藤ミキが、10月29日、デジタルシングル「東雲の空」をリリース。この曲は、映画「シノノメ色の週末」の主題歌だ。かつて「いつか映画の主題歌を歌ってみたい」と語っていた佐藤ミキの夢が叶ったこの楽曲で、彼女はこれまでとは異なる歌の表現に挑戦したという。一足先に映画を観てきたという彼女に感想を聞きつつ、楽曲制作のエピソードやこだわりを語っていただいた。

初めてのワンマンライブを振り返って

――9月29日に“佐藤ミキfirst live「名もない花」”が開催されました。佐藤さんにとって初のワンマンライブはいかがでしたか?

佐藤ミキ 私の楽曲をほぼすべて披露できる機会だったので、気持ちを出し切るつもりで臨みました。ただ、有観客でのライブは『魔法科高校の劣等生』のイベント以来だったのもあり、予想以上に緊張しました。リハの段階からドキドキが止まらず、ステージに上がった途端に汗が吹き出てきて……。でも、ライブの途中に朗読の時間があって、そこで緊張から解き放たれました。朗読をしていると不思議と心が落ち着いてくるんです。朗読のあとは、「音楽を楽しもう」という一心で楽しむことができました。

――セットリストにはカバー曲もありましたね。

佐藤 「名もない花」や「You & Me」をリリースした頃、特に「You & Me」は90年代の渋谷を意識したダンスチューンなのですが、「懐かしい感じがする」と言われたり、海外の方からもSNSなどで「ノスタルジック」というコメントをいただくことが多くて。そういう見え方をしているのかという発見とともに、ノスタルジーを感じるカバーをやれたらいいなと思い、YouTubeチャンネルで「BAR ミキ」を始めました。楽曲のセレクトはスタッフも含めて案を出し合い、実際に歌ってみて私に合うと思ったものを発表しているんです。ライブでは、これまでの発表曲の中から2曲を披露させていただきました。

――その2曲、「青いベンチ」(原曲:サスケ)と「サボテンの花」(原曲:チューリップ)はどちらも懐かしいタイトルですが、サウンドは現代らしい編曲でした。

佐藤 「ただノスタルジー」ではなくて、チルで今っぽさを足した雰囲気に編曲しています。私たちはそれをネオノスタルジーの略で「ネオノス」と呼んでいます。

――「ネオノス」という表現いいですね!ほかにも渡辺シュンスケさん(Schroeder-Headz)の生演奏に合わせたアコースティックアレンジの楽曲も披露。「A KA SA TA NA」が素敵でした。

佐藤 ありがとうございます。私も「A KA SA TA NA」は歌っていてすごく楽しかったです。生演奏だからこそ、毎回呼吸やテンポが若干変わるのも楽しいですし、ピアノの音が好きなので、自然と気分が上がりました。

金澤ダイスケ、高橋久美子との出会いから生まれた新しい一面

――そしてライブのラストに歌ったのが、新曲「東雲の空」。この曲は11月5日に上映が始まる映画「シノノメ色の週末」の主題歌です。

佐藤 主題歌に決まったときは、ものすごく嬉しかったです!この曲は、作曲は金澤ダイスケ(フジファブリック)さん、作詞は高橋久美子さんが手がけてくださいました。金澤さんはプリプロの段階から立ち会っていただき、たくさん話し合いの場を設けてくださって、私の新たな一面を引き出していただきました。そして高橋さんは映画の内容にリンクする素敵な歌詞を書いてくださって。作り手の愛情がものすごく込められた1曲となりました。

――歌う際にはどんなことを意識したのですか?

佐藤 ビブラートをかけたりするのではなく、できるだけフラットに歌うよう意識しました。ナチュラルに、言葉を伝えるように歌って、内から出る感情が歌に乗ったらいいなと。

――金澤さんから歌い方についてのディレクションがあったり?

佐藤 私の歌い方の癖を指摘いただいたり、こういう表現はどうだろうと案をくださいました。感情を歌に乗せるときには、癖がないほうが相手に伝わることを学びました。これまでその癖は自分の個性だと思って歌い続けてきたので、矯正をするのは大変ではありましたが、自分の表現の幅を広げるきっかけになったと感じています。

――この曲は曲が進むにつれストリングスの色付けが変わっていきますよね。変化するサウンドと歌声のフラットさの対比が活かされているように感じました。

佐藤 ありがとうございます!音数が増えたからとか、サビだから盛り上げようとかを意識せずに、言葉を音に乗せることを意識したんです。ただ、最初は不安でした。もし自分の内側から何も湧き出てこなかったら、ロボットのようになってしまうのではないかって。だけど、歌詞を読み込み、映画を観て、自然と感情が湧き出てきました。「シノノメ色の週末」は共感できる部分や、自分とリンクしてると思うことの多い映画なんです。

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