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2021.08.17

安野希世乃「KIYONO YASUNO 10th Anniv.Billboard Live Tour 2021~Dear my Character Songs~」デビュー10周年記念ライブのオフィシャルレポートが到着!

安野希世乃「KIYONO YASUNO 10th Anniv.Billboard Live Tour 2021~Dear my Character Songs~」デビュー10周年記念ライブのオフィシャルレポートが到着!

安野希世乃の声優デビュー10周年記念プロジェクトの第1弾となる「KIYONO YASUNO 10th Anniv. Billboard Live Tour 2021~Dear my Character Songs~」。

8月1日にBillboard Live 東京にて昼夜2回公演、8月9日にBillboard Live 横浜にて同じく昼夜2回公演が行われ、開催延期となった大阪公演を除いては横浜の夜公演にて千秋楽を迎えた。その千秋楽公演の模様をレポートする。

今回のライブは安野がこれまでの10年間で声優として関わってきた作品の中から本人がセレクトしたキャラクターソングを、ここだけのアコースティックアレンジで披露するというもの。安野自身としては初のアコースティックライブを3月・4月に大阪と東京で開催していて、そのときと同じ「フェリチータ~ず」のメンバー(チェロ/笠原あやの、ピアノ/松本圭司、ドラム&パーカッション/福長雅夫)が今回も強力にサポートする。当日の出演はかなわなかったバンドマスター・石成正人のアレンジを引き継いでの3人の演奏と安野の歌声が相まって、どのキャラクターソングも新たな魅力が引き出されていた。

まずは北大路さくら役で出演していたTVアニメ『アイカツ!』より、挿入歌「Blooming ♡Blooming」を披露。『アイカツ!』に登場するアイドルたちは作中で様々なドレスを身にまとってパフォーマンスを披露するが、フェリチータ~ずによる演奏はドレスの輝きにも負けない華やかさで安野の歌声も心地よく弾む。2曲目「Jewelry Wonderland」はTVアニメ『Wake Up, Girls!』挿入歌。この作品で安野はアイドルグループ「I-1club」のメンバー・小早川ティナを演じており、グッと大人っぽいイメージへと生まれ変わったアレンジで歌う姿は放送当時からの安野自身の成長を感じさせるようでもあった。

2021年秋に新作劇場版の公開が控える人気シリーズ『マクロスΔ』ではカナメ・バッカニア役で出演すると共に、作中から飛び出した戦術音楽ユニット「ワルキューレ」のメンバーとして活躍中。まさにワルキューレの楽曲も安野希世乃の歴史を語るうえで欠かせないものであり、今回のツアーではカナメの代表曲とも言うべき「AXIA〜ダイスキでダイキライ〜」「GIRAFFE BLUES〜Kaname Solo Requiem〜」の2曲を続けて披露した。チェロで奏でられた「AXIA」のイントロからグッと世界観に引き込まれ、スクリーンを使った演出などがないにも関わらず、聴いているだけで脳裏にアニメの名場面が浮かび上がってくるようだった。

『マクロスΔ』のカナメと並んで、長期にわたって演じてきたのが『冴えない彼女の育てかた』のメインヒロイン・加藤恵。TVアニメ第1期・第2期・劇場版それぞれで恵として歌った挿入歌「M♭」「ETERNAL♭」「GLISTENING♭」「ULTIMATE♭」を時系列順につなげた「冴えカノメドレー」もまたファンにはうれしい趣向となった。メドレーと言いながらもほとんどの楽曲をフルサイズで演奏し、総演奏時間は約15分にも及んだ超大作。歌詞の内容的にも「冴えカノ」の物語の始まりから完結までを追うような構成となっていて、歌い終えたところで「幸せな気持ちでいっぱいです」と安野本人が言っていたように、聴く側としても胸がいっぱいになったに違いない。

ライブも終盤に差し掛かってきたところで、この声優デビュー10周年記念プロジェクトの次なる企画が発表された。まず、昼公演で告知された第2弾が「安野希世乃10周年記念イベント in 沖縄(仮)」。これは2011年のデビュー当時に雑誌「声優グランプリ」誌上で行われたインタビューで「沖縄とか、開放的なところでデビュー10周年イベントを開催したいです」と答えていたのを覚えていたスタッフが、その夢の実現に向けて以前から動いていたというもの。昨今の情勢を鑑みて、2022年3月までの10周年期間中に開催できるかどうかはわからない状況だが、もっと先になっても「延期された10周年記念イベント」として開催できることを願っての告知となった。また、夜公演ではプロジェクト第3弾としてオリジナルショートアニメ『でーじミーツガール』にて主人公・比嘉舞星役を演じることが発表された。なぜこれが安野希世乃の声優デビュー10周年記念になるのかというと、前述したように「沖縄で10周年イベントをやりたい」と考えていたのとちょうど同じタイミングで沖縄を舞台にしたアニメを制作する話が持ち上がり、両者のコラボレーションが実現したという。そんな素敵な縁で結ばれたアニメ『でーじミーツガール』は2021年10月よりMBS/TBS系全国28局ネット“スーパーアニメイズム枠”おしりにて放送予定。安野にとってはTVアニメの主役をレギュラーで演じるのは初めての機会で、記念づくしの作品となる。

うれしい発表に続けて歌うのは『スター☆トゥインクルプリキュア』天宮えれな(キュアソレイユ)の「キミのソンリッサ」。南国の雰囲気たっぷりなリズムに乗せて客席のファンも大きく手を振り、幸せな気持ちをひとつにした。太陽のプリキュアに変身するえれなを演じてから晴れ女パワーが宿ったというエピソードを披露した安野だったが、その言葉通り、この日の横浜もよく晴れていた。「このあやかったご縁をもって、11年目からも走り続けていきたいなと思います」と言って、本編の最後に歌ったのは久米川牡丹役で出演したTVアニメ『あんハピ♪』のエンディングテーマ「明日でいいから」。「皆さんに幸せを持ち帰っていただけたら」という想いは、歌や演奏を通してひとりひとりに届いたことだろう。

アンコールではキャラクターソングからちょっと離れて、“安野希世乃”名義で発表したアニメタイアップ楽曲の中から各公演1曲ずつ披露。東京の昼公演が『ARIA The CREPUSCOLO』OPテーマ「フェリチータ」、夜公演が『異世界食堂』EDテーマ「ちいさなひとつぶ」、横浜の昼公演はスペシャル版として昭和の名曲をカバーした(実はTVアニメ『UN-GO』の長田安役として劇中で披露したこともある)「ブルーライトヨコハマ」と来て、夜公演では10月20日発売の4thシングル表題曲「おんなじキモチ。」を初解禁!この曲は10月スタートのTVアニメ『異世界食堂2』のOPテーマであり、2017年に放送された前作のEDテーマ「ちいさなひとつぶ」は安野のデビューミニアルバム『涙。』に収録されていた。歌手活動の始まりで出会った作品に、4年の時を経て再び巡り会えたことはとても感慨深い出来事で、客席からの祝福の拍手もひときわ大きいものとなっていた。OPテーマらしく「ハッピーでかわいいらしい楽曲」になっているという「おんなじキモチ。」は、曲中に何度か登場する「パクッ、パクッ、パクッ」「咲くッ、咲くッ、咲くッ」というフレーズが印象的で、初披露ながらもその部分に合わせた手ぶりをファンと一緒に楽しんだ。

「また皆さんと声優として、歌手としてお会いできる機会を楽しみに、これからも頑張っていこうと思います!」

安野希世乃の歌、そしてフェリチータ~ずによる演奏を身近で感じることができた、ぜいたくなくらい幸せな時間はこうしてあっという間に過ぎていった。

TEXT BY 仲上佳克

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