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INTERVIEW

2021.06.30

八木ましろと菅まどかによるユニット、Gothic×Luck“夢の中の物語”をコンセプトに制作された2nd EP『おやすみ おはよ』インタビュー

『おやすみ おはよ』が誘う、希望の予感に満ちたユメゴコチの世界

――待望の新作となる今回のEP『おやすみ おはよ』は、“夢の中の物語”をコンセプトにした作品らしいですね。

八木 Gothic×Luckは、作品の視聴者が楽曲を聴いたときに、その作品の中に誘う、夢の中に連れて行く案内人のような立場として歌いたい、という想いがあるんです。そういう意味もあって『おやすみ おはよ』というタイトルになりました。

――ちなみにお二人は普段、眠っているときに夢を見るタイプですか?

八木 私は結構頻繁に見ます。昔から寝つきが悪くて、眠りも浅いんですけど、夢って基本的に眠りが浅いときに見るものと言われているじゃないですか。だからすごく色んな夢を見ます。いい夢は起きてから5分ぐらいまでしか覚えていないので、覚えているのは悪夢ばかりなんですけど(笑)。

 私も夢は見るほうです。こないだも、今回のEPに収録している「ミチシルベ」のMV撮影をさせていただいたんですけど、その撮影の前々日ぐらいに、二人で撮影現場に走っていく夢を見て。でも、なぜか二人ともチャイナ服を着ていて、髪型も団子結びにしていて、全然よくわからない中華風の場所に入っていくんです。なので「こんな撮影になるのかな?」と思っていたんですが、結果素晴らしいMVになってありがたかったです(笑)。

――きっと撮影が楽しみだったんでしょうね。中華っぽい要素がどこから出てきたのかは謎ですが(笑)。

八木 テレビか何かで観たのかな?

 わかんない。渋谷の角を曲がったら、中華の世界になってた(笑)。すごくリアルで、今でもどこかに存在してるんじゃないかって思います。

――ここからは新作について詳しく聞いていきます。今作の冒頭には菅さんの「おやすみ」、最後には八木さんの「おはよう」という声が入っていて、作品全体が夢の中であるかのような演出になっていますね。

八木 二人とも「おやすみ」と「おはよう」のどちらも録って、選んでいただきました。

 しかも色んなパターンを試させていただいて。ちょっと眠そうな「おはよう」とか、誰かに訴えかけるような「おはよう」とか。

八木 後半ではお互いがお互いに対してディレクションし合ったんです。「大好きな人に向けるみたいに『おやすみ』って言って」とか(笑)。

 最初と最後にこの声が入ることによって、EP全体のストーリー性ができました。でも、1曲目を聴こうと思ったら急に「おやすみ」と言われちゃうので、きっと聴いてくださる人は驚くだろうなと思います(笑)。

――声優としても活躍しているお二人ならではの取り組みですね。その「おやすみ」の言葉に続く最初の楽曲が「小さな予感」。1曲目に相応しい、新しい始まりを予感させる華やかなアップチューン。

八木 私はこの曲が一番歌いやすくて、楽しく歌うことができました。明るくて、疾走感があって、夢が始まる段階の歌なので、キラキラ感を大切にして。初めて聴いたときに青春っぽいなと思ったので、青春を追いかけるイメージで歌いました。

――自分自身の青春時代を思い出したりもしたのでは?

八木 でも、私、高校時代は勉強ぐらいしかしてなかったので、そんなに遊んだ記憶がなくて(笑)。だからこそ、マンガとかの世界で描かれるようなキラキラした青春像が私の中にあるので、そのキラキラ感、ワクワク感を歌で表現しました。

――ある種の憧れを表現したわけですね。菅さんはいかがですか?

 私もレコーディングのときは、夢を持って踏み出し始めた頃の自分とか、青春時代、過去の自分と照らし合わせて歌わせていただきました。なので自然とキラキラした、希望に満ちた目で歌えたと思います(笑)。それと後半にある“空に手を伸ばし 掴もう”や“さあ行こう”という歌詞のところは、聴いてくれる人の背中をそっと押せるような力強さも入れるようにしました。

八木 これからもずっと新しい“予感”を見つけながら夢を追いかけていきたい、私たちの気持ちも込められた曲になります。

――2曲目の「ユメゴコチ進展系!」は、田淵智也さんが作詞・作曲を担当。田淵さんはご自身が主催するイベント“アニソン派!”でGothic×Luckの楽曲「星をつなげて」を絶賛されていました。

 そのご縁で田淵さんがプロデュースされているDIALOGUE+さんのライブイベント(“DIALOGUE+JAM”)に呼んでいただいて、サプライズゲストで「星をつなげて」を一緒に歌わせていただいたことがあって。そこで田淵さんにご挨拶しに行ったときに、二人で「私たち、田淵さんに曲を書いていただきたいんです!」って直接お願いしたら、なんとなんと快く引き受けてくださったんです。その後、本当に曲を作ってくださったので、二人でぶったまげてしまって(笑)。

八木 まさか本当に曲を作っていただけるとは思っていなかったので、しかもこんなに素敵な曲を作ってくださって。

――田淵さんらしい、賑やかでポジティブな楽曲ですよね。テーマパーク感があると言いますか。

 私も田淵さんの描いたこの夢の中に入りたいぐらいです! 夢の中って結構ごちゃごちゃしているイメージがあるんですけど、この曲ではそれがすごく表現されている気がして。たくさんの音が入ってるけど、それがギュッと一つにまとまっていて、そこに私たちの声を乗せられるのが嬉しかったし、どうやったらこの世界観を崩さないように歌えるかを考えて……でも、レコーディングのときは結局全力で楽しく歌いました(笑)。

八木 それと曲の中にセリフが入っているのはGothic×Luckとしては初めてだったので、表情豊かに歌うことができて、本当に「楽しい」に全振りでした。あと、私はこの曲で初めてラップっぽいことにも挑戦して。その早口なパートでも、しっかりと楽しさの表現を届けられるように歌わせていただきました。

 「ユメゴコチ進展系!」という曲名もすごく素敵な響きだなと思って。サビがこの言葉から始まるのも好きだし、歌詞にある“手と手をぎゅむっと繋いで”っていうフレーズもすごく好きです。

八木 かわいいよね。今までのGothic×Luckのイメージも引き継ぎつつ、新しいGothic×Luckが見える曲になったと思います。

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