80’sサウンドと共に活動を展開する降幡 愛と本間昭光のサウンドが織りなす唯一無二の世界観。降幡 愛、7インチレコード&配信リリース「AXIOM」インタビュー

2020年9月にミニアルバム『Moonrise』でソロデビューを果たし、これまでに2枚のミニアルバムと有観客でのライブを開催するなど、約半年のソロキャリアを、自身の敬愛する80’sサウンドと共に充実した活動を展開している降幡 愛。そんな彼女が7インチシングルレコードと配信のみのリリースとなる新曲「AXIOM」を発表した。“宇宙”をテーマに、自身の歌詞とプロデューサーである本間昭光のサウンドが織りなす唯一無二の世界観で制作された本作。イマジネーションを研ぎ澄ませた傑作となった本作をフックに、アーティスト・降幡 愛の現在地と、彼女の趣味にもなっているアナログレコードについてたっぷりと語ってもらった。

――まずはご自身の誕生日を含む2月18、19日に開催されたライブ「Ai Fruihata “Trip to BIRTH”」を終えた感想を聞かせてください。

降幡 愛 バースデーライブというのもあって、歳を1つ重ねて応援してくださる方々の前でライブができたのはすごく幸せでした。あと、それがBillbord Live TOKYOでできたというのもすごく嬉しくて。このプロジェクトが始まった当初、プロデューサーの本間(昭光)さんやチームのみんなとも「Billbord Liveでいつかライブができたらいいね」という話をしていたので、夜景をバックに「CITY」を歌えたのは本当に幸せでした。すごく贅沢な時間でしたね。

――たしかにそうしたロケーションや、バンドメンバーの豪華さも相まって、実に贅沢な時間でした。

降幡 バンドチームも、ドラムの松永(俊弥)さんは今回初めてだったんですけど、そうしたレジェンドチームとステージに立てたのは大きいですね。毎度のことながら皆さん優しいんですよ。今回は私の誕生日ということもあって、メッセージカードをファンの方とバンドメンバーさんにも書いていただいて、ライブ中にも「おめでとう!」って掲げていただいたんですけど、そのメッセージカードをライブ制作の方々がまとめてくださったのをライブ後にいただいて、今もお家に飾っています。それも含めて本当に忘れられないライブになりました。

――実際にライブを拝見すると、降幡さんのパフォーマンスも音源にはないパワフルさを感じられて。ご自身の歌唱にも力は入りましたか?

降幡 入りまくっていましたね。昨年の11月に初めてライブをやらせていただいたときはむちゃくちゃ緊張して肩に力も入って、「ライブたのしー!」っていう感じでアガっちゃったんですけど、2月のライブに関してはもう少し落ち着いて、大人な雰囲気の私を意識してステージに立ちました。バンドのグルーヴ感もあったし、メンバーとも以前よりコミュニケーションが取れるようになって、そういう関係性も踏まえてのライブだったので、自分の中でも居心地が良くて。ボーカルとしても落ち着いてはなかったですけど、熱量をもって挑めたなと思います。

――そうしたライブを経て、4月にツアー“降幡 愛 1st Tour APOLLO”が控えるなか、7インチレコードでのシングル「AXIOM」がリリースされました。元々アナログレコードでのリリースというものはやりたかった?

降幡 そうですね。デビューミニアルバム『Moonrise』はCDと一緒にLPも出させていただいたんですけど、今回は7インチと配信のみで、なおかつ会場限定の数量限定盤として出させていただくことになりました。記念として持ってもらえる1枚になれたらいいなと思っていて、サウンドはもちろん、ビジュアルもかわいいものができたなと思います。

――このレコードのアートワークも、いわゆる宇宙を感じさせるコズミックなものになりましたね。

降幡 スペーシーで、80年代というより70年代のSF映画のような。今回はジャケットデザインの段階から「こんな感じで描いてほしいです」と、自分がイメージするジャケットを制作チームに送りました。それこそSF映画のイラストのジャケットや、トト(シティ・ポップの音像形成に大きな影響を与えたバンド)さんのジャケットとか、そういうイメージを送って素敵なビジュアルのジャケットを描いていただきました。

――そうしたアートワーク同様に、楽曲もまた宇宙的なものになりました。

降幡 自分の中で宇宙と音楽を結びつけるとこういうイメージになる、というのはありました。今回も私の歌詞が先にあって、サウンド面ではそこまで事細かにオーダーはしていないんですけど、本間さんから「こんなのいいんじゃない?」ってアイデアもいただいて。ソロデビューしてまだ1年ぐらいしか経っていないんですけど、それ以上の時間を本間さんと過ごしているような、そんな濃密なやりとりをさせていただいて幸せですね。

――今回も降幡さんが歌詞を書いて、そこに本間さんが曲をつけるという制作スタイルとなりましたが、たしかにまだ1年経っていないなかですでに確立されたスタイルとなりましたね。

降幡 こんな贅沢があっていいのかな?って。親も私の活動を追ってくれているんですけど、テレビで本間さんを見かけると「本間さん出てたよ!」って言ったりして(笑)、本当にファミリーみたいな感じで本間さんとも制作させていただくという、すごく素敵な経験をさせていただいているなって思います。

――そんな降幡さんの歌詞ですが、今回は“AXIOM”という言葉を中心にした、これまでの歌詞の中でも特にワード数の少ないシンプルな印象があります。

降幡 ワードが少ない歌詞というのはデビューした当初から本間さんとも話していて。70~80年代の音楽ってシンプルな歌詞が多くて、今の世代だと情景も踏まえて文字数が多いものが中心だけど、それをシンプルに洗練して書いてもらいたいって言われていたんですよ。だから今回も最初に書いた歌詞はDメロもなくて本当にシンプルだったんです。それで「さすがに短いな」と思ってつけ足したりしたんですね。この曲はツアーのテーマ曲ということもあったので、ライブを想定して皆さんと盛り上がれるかというのに重きを置いて、サビはシンプルに「AXIOM」を繰り返すイメージで作りました。

――歌詞を見るとサビの“これはAXIOM、それはAXIOM、だからAXIOM”と歌っているところを、“これは、それは、だから AXIOM”と表記しているのもすごくシンプルで。

降幡 “いかにワードを少なくするか”が今回のテーマかもしれないですね。そのほうが伝えたいものやフレーズが耳に残ると思うんですよ。

――そうした曲を受けて、本間さんの楽曲を聴いた感想はいかがでしたか?

降幡 ドンピシャに「まさにこれです!」という感じでした。シンプルでかっこいい、外国の人が歌ってそうな響きもあって、これはもうライブで絶対映える楽曲になるな、と。

――サウンド的には80’sポップスの中でも、こうしたコズミックなアイドルソングは当時多かったですよね。それを思い起こさせるというか。

降幡 そうですね、菊池桃子さんとか。

――そういう点でも今回のハマり方も抜群だなと。またサビのお話ですが、“だから AXIOM”といったところは”A.X.I.O.M.”とアルファベット読みで歌っていますよね。ここは当初から想定していた?

降幡 いや、私の中では“AXIOM”としか書いてなかったんですよ。例えばライブで「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」(西城秀樹による1979年の大ヒット曲)みたいにみんなで振付ができたらいいなと考えていたんですけど、そこはお任せしていて。なので最後の“A.X.I.O.M.”というのは本間さんのアイデアだったんです。「ここでこうくるか!」というのはありましたね。

――そこからレコーディングはいかがでしたか?

降幡 レコーディングも昨年から回数を重ねてきたので、だんだんスムーズに、自分の歌い方も掴めるようになってきました。あと11月のライブを経験しているぶん、ライブで盛り上がるんだろうなというテンション感も把握していました。ただ今回は自分のボーカルだけだと浮遊感が足りないというか、「もっと宇宙感が欲しいね」という本間さんの意見もあり、ダブル(同じメロディを重ね録りすることで独特の空間効果を得る録音技法)で録ってみようと。これまではサビだけダブルで録ったことはあったんですけど、今回はAメロからずっとダブルで録ったことでボーカルにも広がりが出ました。

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