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INTERVIEW

2020.10.21

TVアニメ『魔女の旅々』のOPテーマとなる2ndシングル「リテラチュア」をリリース!上田麗奈インタビュー

TVアニメ『魔女の旅々』のOPテーマとなる2ndシングル「リテラチュア」をリリース!上田麗奈インタビュー

最新アルバム『Empathy』のヒットも記憶に新しい上田麗奈が、2ndシングル「リテラチュア」をリリースした。実に2年ぶりのシングルにして、自身2度目のアニメタイアップ曲となる表題曲は、TVアニメ『魔女の旅々』のOPテーマ。主人公のイレイナの感情と成長を表現することを最優先に制作された、アーティスト・上田麗奈の楽曲であり、ある意味においてはキャラクターソングでもある、彼女らしいアプローチのナンバーだ。同曲の制作エピソードを中心に、自身が作詞したカップリング曲、さらには音楽活動に対する意識の変化など、深い部分まで語ってもらった。

『Empathy』を経て生まれた、音楽活動の目標と喜び

――上田さんと言えば、デビュー作のミニアルバム『RefRain』から次のシングル「sleepland」までに1年ちょっと、そこから今年3月に発表した最新アルバム『Empathy』までに2年の期間が空いたので、アーティスト活動はかなりマイペースに行ってきた印象があります。

上田麗奈 はい、そうなんです(笑)。

――ですが、今回のニューシングル「リテラチュア」は、前作から半年ほどのインターバルでリリース。以前と比べて今は音楽活動により前向きに取り組んでいるところがあるのでは?

上田 そうですね。実は『Empathy』を制作しているときから、この先のことを考え始めて、目標を決めて活動をすることに決めたんです。その目標については、まだ具体的に言えないことがたくさんあるんですけど……ただ、『Empathy』は自分一人では絶対に生まれなかったもので、チームのみんなで1つの音楽を作るのが楽しかったし、そこで新しいやりがいが生まれた結果、目標が定まって。今はそれを1つ1つ順調に達成しようとしているところです。

――『RefRain』のときは、上田さんがまだ音楽活動そのものに対する不安感を抱いている雰囲気が、作品自体からも感じられましたが、それを経て『Empathy』を聴いたときに、今は以前よりもポジティブに音楽を楽しんでいるのではないかなと思ったんです。

上田 そう感じてもらえたことがすごく嬉しいし、それが伝わっていることに、今びっくりしています。おっしゃる通り、どんどん前向きになってきていて。私は歌うことや人前に出ることに対して、ずっと苦手意識があって、今も不安はいっぱいあるんですけど、このチームだから楽しいという気持ちがあって。“やりたいこと”と“できること”が明確なチームなので、今のメンバーだから前向きでいられるというのはあります。

――ただ、個人的には『RefRain』も、今にも消え入ってしまいそうな儚さがあって、その独特の世界観が素晴らしい作品だと思うんですよね。

上田 うんうん、私も『RefRain』はすごく好きなんですけど、あの作品は1人での戦いみたいなところが強くて。チームのメンバーも今とは全然違っていましたし、あの頃はまだ出来たてのチームだったこともあって、それぞれがそれぞれの戦いをしていて、探りつつやっていたところがあったと思うんです。自分の意見も出しつつの制作ではありましたけど、私もちょうど忙しい時期が被っていたこともあり、自分自身に余裕がなかったので、いろんな方が自分の知らないところでアシストしてくださっていたにも関わらず、それにあまり気づくことができず……。それにそのときは耳もあまり良くなくて、TDでみんなが何の調整をしているのかも、全然わからなかったんです。その孤独感みたいなものが、多分、歌にも表れていて。だからこそネガティブな感情も強く作品に出てしまったのかなと思います。今とは全然違うなあと思いますね。

――それこそ『RefRain』のときは、上田さんも全曲の作詞に関わりつつ、すべて松井洋平さんとの共作、もしくは補作詞をしてもらう形でしたが、『Empathy』では上田さんお1人で作詞した楽曲(「アイオライト」「Campanula」)も収録されました。上田さん自身、今は音楽を通して伝えたいことが、しっかりと形になってきたのではないかと想像したのですが。

上田 『RefRain』のときは、言いたいことはたくさんあるけど、結果何も言いたくないという心理があって。今思い返すと、(自分のことを)覗かれるのが怖くて、殻にこもってしまった印象があるし、その結果、言葉を自分でいちから紡いでいくのが怖かったんだと思います。なので松井さんに基盤を作っていただいて、全部一緒にやらせていただいたなかで、自分だとこういう表現になるんだということがだんだん見えてきて。それが把握でき始めると、この言葉を使うと自分の心に引っかかるから使わないでおこうとか、色々できるようになってきて、そこから1人でチャレンジしてみようと思うようになりました。『Empathy』のときは、まだ作詞ほやほやという感じだったので難しかったですけど、今回のカップリング曲の「花の雨」は、よりわかりやすく、あまり隠さず、素直に言えているかなあって思います。ちょっとずつ変化してきている気がしますね。

――音楽を通して自分自身の気持ちを表現することへの照れがなくなってきたと言いますか。

上田 そうですね。伝えてしまうことで、相手に嫌だと思われることが嫌だったから怖いというのもあったけど、自分のために表現するわけではなくて、誰かに伝えたいから表現するというふうに考えられるようになって。それでようやく「花の雨」も書けたので。最初はずっと怖がっていたんだと思います。

イレイナの気持ちに寄り添いつつ、自身の経験が活きた「リテラチュア」

――「花の雨」のお話は後ほどお伺いするとして、まずは表題曲「リテラチュア」についてお聞かせください。この曲はTVアニメ『魔女の旅々』のOPテーマですが、タイアップのお話を受けて制作したのですか?

上田 そうです。最初はOPテーマということに驚きました。エンディングであればまだ想像ができたんですけど、「私の歌でオープニングってどうなっちゃうんだろう? 大丈夫かな?」っていう不安がすごく強くて(笑)。私は普段喋っている感じとあまり遠くない声で歌っているので、オープニングならではの華やかさや勢いみたいなものとは、自分がかけ離れている気がしたんですよね。なので打ち合わせでは、OP感みたいなものをどれぐらい乗せていくかもかなり詰めてお話したので、今までにない制作になりました。

――上田さんは『魔女の旅々』の作品に触れたうえで、制作に関与されたのでしょうか?

上田 タイアップ曲を制作することが決まったときに、まず作品のどこにスポットを当てるかお話をしたのですが、結果的に(主人公の)イレイナにスポットを当てることになったんです。だからイレイナがどういった性格や生い立ちで、どのように成長していくか、という流れを意識しながら作品に触れていきました。そこから、その成長を一緒に描ける作家さんはどんな方だろう…という打ち合わせが始まりました。

――主題歌を担当するうえでは、割と珍しいアプローチですね。

上田 以前にTVアニメ『メルヘン・メドヘン』のエンディングを担当した「sleepland」のときは、(同楽曲を提供した)rionosさんも含めて、『メルヘン・メドヘン』という作品を知ったうえで、そこからどうするかを考えていったんですけど、今回は先にイレイナをメインにすることを決めていたので、曲作りについても、イレイナと性格が近い方に携わっていただこうということで、RIRIKOさんにお声掛けしました。そうすればしっくりハマるんじゃないかという話になったんですよね。

――なるほど。RIRIKOさんと言えば「旋律の糸」(『Empathy』収録曲)の作詞などで上田さんとご縁のある方ですが、イレイナとRIRIKOさんはどんなところが似ていると感じますか?

上田 まず、優等生なところが似ているなと思って。イレイナは学校内でとても優秀な人だけど、いざ外の世界に触れると、上手くいかないことがたくさんあって、本で学んだことだけでは何も解決しないことがわかったうえで、その後の旅の出会いと別れのなかで成長していくキャラクターなんですね。でも、イレイナも等身大の悩みみたいなものを、きっと持っていて。それで、私がRIRIKOさんのことを初めて知ったのが、TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』のEDテーマだった、内田真礼さんの「youthful beautiful」という曲なんです(RIRIKOは同曲の作詞・作曲・編曲を担当)。この曲を聴いたときに、本当にわかりやすくて共感できる、グッとくる歌詞を書かれるし、きっと等身大の悩みも持ってらっしゃる方なんだろうなと感じました。その優等生の人が本心をさらけ出したときに出てくる言葉、そこから本心の悩みを踏ん張って乗り越えて、その先の未来にどういうふうに向かっていくのかということを、RIRIKOさんなら持ち前の根の明るさで表現できるんじゃないかと思って。繊細だけど頑張って生きている人というよりは、根が強く、明るく、シビアな環境にも耐えうる力がある人のほうが、きっとイレイナにハマると思ったんですね。その“優等生”“等身大”“持ち前の根の明るさ”の3つの要素が、似ているなと思います。

――自分も昔に一度、RIRIKOさんに取材したことがありますが、たしかに明るい印象がありました。

上田 根が暗いか、明るいかというのは、大人になればなるほど変えることの難しい個性であり、強みだと思うのですが、今回はRIRIKOさんのその明るさが、『魔女の旅々』の楽曲にすごく活きたと思います。イレイナも意外と図太い性格をしているし、コミカルで、明るくて、強さもあって。そこがっぽいなあと思います。

――では、実際にRIRIKOさんから楽曲が上がってきたときの印象はいかがでしたか?

上田 完璧!という感じでした(笑)。1番ではイレイナの優等生なところが表現されていて、2番以降で本心が出てきて、さらに3番で泣き終わって、清々しい気持ちで空を見ているという。それが曲や歌詞の構成で全部わかったので、もう言うことはない!と思って(笑)。ただ、アレンジが大変で、OP感をどこまで出していくかを決めるのに時間をかけました。一度アレンジしていただいたものを聴いたときに、RIRIKOさんの作ったデモのほうが、シビアさがあって、イレイナが踏ん張っている感じ、軽くない感じが出ていたので、そこからたくさんブラッシュアップをしていただいて。最終的には、重みもあるけど、ほうきで飛んでいるような浮遊感もある、絶妙なバランスにしていただきました。皆さんのプロの技が結集して出来上がった曲です。

――歌詞は先ほどおっしゃったように、イレイナの心情の変化と成長がそのまま物語のように描かれていますが、それにプラスして、上田さんが歌うことの意味もあるのではないかと思っていて。ここで描かれている“物語”や“旅”といった題材は、いわばいろんなキャラクターを演じることで様々な世界を体験している、上田さんの声優としてのお仕事とも重なるところがあると思いますし。

上田 たしかに、感情移入しやすい部分がたくさんあったと思います。私は歌う前にまず感情の流れを構築して、心に覚えさせて、フレーズごとに感情がちゃんと湧き上がるようにして(レコーディングに)臨むのですが、実際に歌っていると、その事前準備のプラスアルファで、どんどんいろんなことが増えていくんですね。それでこの曲を歌っているときに頭の中によぎったのが、お仕事における最近の自分とか、お仕事であったいいこと・悪いことでした。上手くいかないこともたくさんあって、だけど目まぐるしく出会い、別れて、世界は入れ替わっていく。その中でのもどかしさや不安、そういったものを感じている現状が、ワーッて出てきたんです。実際に経験していることはイレイナとは違うことだらけだけど、同じような気持ちを感じることがある分、この曲が自分とすごく重なっていく感覚がありました。

――ということは、歌うときは基本、イレイナの心情をイメージしたのですか?

上田 そうですね。ベースとしては、実際にイレイナが感じたであろう気持ちを意識しながらのレコーディングでした。ただ、わたし自身がそのイレイナの気持ちに共感できる部分に関しては、かなり感情移入しながら歌っていたので、感情の種類は違わないまでも、その色合いや量はイレイナのそれとは少し違った出方をしていたかもしれません。半分イレイナ、半分自分のような感覚でした。

――つまり、キャラクターソングとして歌うときは、そのキャラの心情だけに焦点を当てることになると思うのですが、今回はアーティスト・上田麗奈として歌う楽曲なので、自分自身の経験や感情も重ねられたということでしょうか?

上田 そうなるかと。そう言った意味でも、あくまでこの曲はキャラクターソングではないけれど、わたし自身がいち視聴者として感情移入しながら歌うことによって、同じようにアニメを観てくださっている皆さまの、イレイナへの感情移入の手助けになればいいなと思っています。

――キャラクターへの思い入れが深い上田さんならではのアプローチですね。実際、この曲の歌唱は、1番と2番と3番とで歌の雰囲気が違っていて、そこでもイレイナの心象風景の変化が描かれているように感じました。

上田 そこは曲と歌詞を初めていただいたときに、流れが出来ていると思ったので、それを出来る限り汲んだところも強かったですね。RIRIKOさんの詞、曲、そして伊藤さんのアレンジも、素晴らしかったんです。みんなでイレイナの感情の流れを大切にしながら、この一曲を作り上げていきました。

――個人的には2番の不安感を経て、落ちサビのラスト“旅のリテラチュア”というフレーズで希望の光が射すような力強さが加わり、そこから最後は明るい歌声になる表現のメリハリが素晴らしかったです。

上田 良かった。どう歌ったのかは全然覚えていないんですけど(笑)。でも、たしかに気持ちとしては、2番で一度絶望を感じたあとに、落ちサビのところで希望を感じて、清々しい気持ちで前に進むというのがあったので。どう歌ったらそれが伝わるか、技術的なことはあまりわからないんですけど、心はそういう感じになったから、多分そういう声が出たんだろうなあと思っていて。だから多分二度とああいう歌い方はできないんですけど(笑)、伝わっていたら嬉しいです。

――上田さんは録音物でも、演技の生感を大切にされているんですね。

上田 はい。それはディレクターさんが特に重視してくださっていて。音楽的には、ピッチを直したり、調整したほうがいい部分がたくさんあると思うんですけど、より生感を大事にしたい、尊重したいというディレクターさんの思いが、そうさせているんだと思います。『Empathy』からそのやり方になりましたね。

出会いと別れ、祝福、会いたい気持ちから生まれたカップリング曲

――カップリング曲のうち「花の雨」は、先ほどお話にあったように、上田さんが単独で作詞した楽曲。この曲ではどんな気持ちを形にしようとされたのですか?

上田 今回、『魔女の旅々』が出会いと別れを経て成長していくイレイナを描いている作品なので、カップリング曲でも出会いと別れの要素を汲みたいなと思いまして。そこで考えたときに出てきたのが、『Empathy』の制作でご一緒していたけど寿退社されたマネージャーさんのことで、その方に向けての曲にしました。歌詞の“君のいない夏は少しだけ寂しいけれど”というフレーズも、春の『Empathy』はすごく楽しかったということを伝えつつ、この先、夏も秋も、終わりまで歌い続けるからね、ということをちゃんと伝えたくて。それとウエディングソングも兼ねているので、結婚式のときに神父さんがおっしゃる誓いの言葉みたいなものを入れて、「2人幸せでいてね」っていう。そういうテーマをお伝えしたうえで先に曲を作っていただいて、そこに私が歌詞をつけさせていただきました。

――別れについての楽曲でありながら、上田さんの歌声に明るい表情があるのは、ある種、幸せな別れ、祝福の歌という側面があったからなんですね。

上田 遠く離れてはしまったけど、繋がってはいるし、だから泣かずに頑張れるよ、ということも伝えたかったし、もちろんありがとうの気持ちもありましたし。なので歌を録っているときも、その2人の写真を見ながら歌ったので、より“おめでとう”感が、声に乗っていたんだと思います。身近な人に伝える等身大の思いみたいなものを、共感してくださる方がいたら、よりいいなあと思いますね。

――作曲したのはシンガーソングライターのChimaさん。『Empathy』にも「きみどり」を提供していた方ですが、今回は指名で書いていただいたのですか?

上田 RIRIKOさんが根が明るい方だったので、カップリングもそれを引き継いで、根が明るい方にお願いしたいですね、というお話をしていて。そのうえで、ちゃんと「リテラチュア」が主役になるような、優しさのある曲を書ける人となったら、もうChimaさんしか思いつかなくて。柔らかくて温かい感じですよね。

――そしてもう1曲のカップリング「たより」も、Chimaさんが作詞・作曲を担当(編曲は永見行崇とChimaの共作)。アコギとピアノをメインにした、親密かつフォーキーな楽曲です。

上田 実はChimaさんにマネージャーさんへの思いをお伝えして、上がってきたのがこの2曲だったんです。そのどちらも良い曲だったので、こちらも歌わせていただくことになりました。この曲は元々、7月に開催するはずだったライブで初披露する予定だったんです。「花の雨」は(新型コロナウイルスの影響による)自粛前に書いていたのですが、「たより」は自粛後に詞を上げていたので、Chimaさんのなかでもより「会えないけど会いたい」という気持ちを膨らませていただく形になって。テーマは同じところから生まれた曲ですが、ちょっと状況が違うなかで書いていただいた曲になります。

――たしかにこの曲は、ライブが延期になったことも踏まえて聴くと、より会いたい気持ちが伝わってきます。

上田 そうですよね。3曲合わせて、出会いと別れ、誰かと会うという、ちゃんと相手がいる作品になったと思います。だからこそ「リテラチュア」が主役になってくれたなあと思っていて。

――相手が見える楽曲というのは、やはり『Empathy』からの地続き感もありますよね。

上田 本当にそう思います。『RefRain』のときは、こういった曲や詞は絶対に書けなかったので。でも、『RefRain』の繊細で消え入りそうな世界観を聴いて、『メルヘン・メドヘン』のチームが声をかけてくださって、「sleepland」が生まれて。さらに、その後に発表した『Empathy』も知っていただいたうえで、『魔女の旅々』のチームがお話をくださったので、全てが活きていると思いますし、流れができているなあと思っていて。今だからこそ書けた詞だし、歌えた曲たちだと思います。

――上田さん自身のお気持ちの変化が、活動の流れにも表れているように感じます。

上田 音楽的にも好きなものが増えましたし、それを『Empathy』では取り入れているので。それで聴き心地も変わったんだろうなと思います。

――ちなみに最近はどんな音楽を好んで聴いていますか?

上田 私は洋楽も日本の音楽も何でも好きで、『RefRain』のときは自己紹介の部分が強かったので、ジャンルとしては自分に合う曲を優先して考えていたんですけど、『Empathy』からは、自分が心を惹かれる、心が躍るようなジャンルのものにも挑戦するようになって。明るいR&Bっぽい曲とか、リズムが見えやすくて、洋楽感もちょっとありつつ、でもカントリーっぽいのも好きだし……今はブンブンする曲が好きなんですよ。

――ブンブン?

上田 えっと、ベースが鳴っていたり、重い音が目立つ曲がすごく好きで。アリー・エックスさんの「Devil I Know」とか、ちょっと音数が増えるんですけど、(ユア・スミスの)「Wild Wild Woman」という曲とか……洋楽が多いのかな? リズムが見えるんだけど、楽器が少なくて、重い音が大きく聴こえる、静かなんだけど尖った感じで、なんか明るい?みたいな感じの曲が好きなんだと思います。今まではそこまで尖ったものはできなかったので、もし歌える機会があればやりたいなあと思っています。

――たしかにそういう曲調は、上田さんの声質にも合いそうです。全然関係ないですが、上田さんはエグベルト・ジスモンチがお好きという話を以前に聞いたことがあって。

上田 あっ、好きです! 『RefRain』の頃によく聴いていて、好きな曲としてお伝えしていたのですが、「こういう曲はどうやって歌えばいいんだろう?」と思って、1回やめちゃったんです(笑)。ライブも行きたかったなあ……。

――本当にジャンルを問わず、幅広くいろんなものを聴いているんですね。

上田 紹介してもらったものをとにかく聴くようにしているので、そのなかで好きなものがどんどん広がっていく感じですね。

――ちょっと話が逸れましたが、今回のシングルはご自身としても満足いく作品になりましたか?

上田 私たちのなかでは、RIRIKOさんの詞も曲も最高だし、Chimaさんも縁の下の力持ちとしてまとめてくださって、みんなの力があって一つのものが出来た感覚があるのですが、お客さんがアニメと一緒に聴いたり、2番以降を聴くことによって、本当の感想や手ごたえが生まれると思うので、まだ達成感は全然なくて。みんなの反応を聴いたうえで「リテラチュア」が完成するんだと思いますし、今はどう受け取ってもらえるのか、ちょっと不安もありますね。

――やはり今も不安は抱きがちなんですね。

上田 最近ようやく『Empathy』への安心感が生まれてきたぐらいなので(笑)。やっぱりみんなの声を聞かないと不安なんです。『Empathy』こそすごく不安だったんですけど、皆さんに受け入れてもらえたので、「リテラチュア」もそういう作品になればいいなと思います。

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)


●リリース情報
2nd シングル
「リテラチュア」
10月21日(水)発売

【アーティスト盤(CD)】

品番:LACM-24028
価格:¥1,300+税

<CD>
1.リテラチュア
作詞・作曲:RIRIKO 編曲:伊藤 賢
2.花の雨
作詞:上田麗奈 作曲:Chima 編曲:永見行崇, Chima
3.たより
作詞・作曲:Chima 編曲:永見行崇, Chima

【アニメ盤(CD)】

品番:LACM-24029
価格:¥1,200+税

<CD>
1.リテラチュア
作詞・作曲:RIRIKO 編曲:伊藤 賢
2.花の雨
作詞:上田麗奈 作曲:Chima 編曲:永見行崇, Chima

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