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REPORT

2020.09.24

“22/7 Anniversary Live 2020”のオフィシャルレポートが到着!話題沸騰「半チャーハン」!? デビュー3周年を迎えた22/7に新展開!

秋元康総合プロデュースのもと、Sony MusicとANIPLEXがタッグを組んだデジタル声優アイドルプロジェクト「22/7(ナナブンノニジュウニ)」が、9月20日、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて、デビュー3周年を記念した『Anniversary Live 2020』を開催。昼夜2公演とも同時配信が行われ「11人全員」揃ってステージに立つメンバーたちを、会場のみならず世界中のファンが見守ることとなった。9月30日発売の6thシングル「風は吹いてるか?」に収録される3組のユニット曲は個性にあふれ、中でも「半チャーハン」は、異色のパフォーマンスで瞬く間にSNSのトレンド入りを果たす。高い注目を集める彼女たちの〝今〟が凝縮した公演のオフィシャルレポートをお届けする。

深緑のセーラーブレザーに身を包み、ひとり、またひとりと現れたメンバーたちを迎える拍手とカラフルなペンライトの灯り。重苦しい曇天を経て光差す晴天へとドラマチックに展開していく楽曲「Rain of lies」から、グループ仲を見せつける「不確かな青春」へと、ファンを前にした光景に抑えきれない喜びを解き放ち、夜公演の幕が開けた。グループ加入後初の有人ライブとなる河瀬詩は緊張の面持ちながらも1曲目から歌い出しを担う頼もしさを発揮し、また、活動復帰となる倉岡水巴と高辻麗の元気いっぱいの挨拶は会場をさらに明るく盛り上げる。そんなメンバーたちの存在を受け、笑顔が弾けていた天城サリーも「このような時期なので、なお、感謝の気持ちを込めてパフォーマンスしていきます!」と、意気込みを語った。

 

 

2月に無観客ライブを開催した22/7だが、有人での単独ライブとなると実に昨年12月ぶりとなる。その間も彼女たちが時を止めることなくひたむきに進み続けていたことを証明した「空のエメラルド」。「朝陽は何を照らすの?」「可能性と生きる力」と力強く歌い継ぐ様や、その身に宿す希望輝くパフォーマンスは、今だからこその意味合いを持って響いた。さらに、スカートの裾に手をあてて小さくひるがえしながらステップを踏む様も愛らしい「願いの眼差し」。ウイルス感染拡大防止のため歓声が禁止された会場には、客席のファンはもちろんのこと、配信を視聴するファンの〝眼差し〟があたたかく満ち、彼女たちを包んでいた。

 

 

今回のハイライトといえば、なんと言っても、ファン投票により誕生したユニットの初お披露目。3組のインパクト大のグループ名および楽曲が、もともと個性の強いメンバーたちのポテンシャルを引き出す起爆剤となった。

まず「晴れた日のベンチ(倉岡水巴、高辻麗、海乃るり、武田愛奈)」が歌うのは、中毒性のあるメロディに乗せてにぎやかなダンスとともに全力で繰り広げる「半チャーハン」。会場では、さっそく腕で大きく半円を切る振りを真似するファンの姿が見られたが、なんと昼公演後にはキラーフレーズでもある曲名がSNSでトレンド入りしていたという報告も。聴けば必ずお腹が空いて生命力も湧いてくるであろう、22/7ではこれまでに歌ったことのない底抜けに明るいハッピーソングで、自分たちで考えたユニットの略称「ハレンチ」を巡るやりとりでも笑わせてくれた。

続いて、その陽気なムードを一変させた「蛍光灯再生計画(河瀬詩、帆風千春、宮瀬玲奈、白沢かなえ)」の「タトゥー・ラブ」。しなやかな腰つきに艶のある目配せ、前方に突き出した人差し指をくるくると回す仕草の一つ一つにくすぐられる。メンバーたちは、すっかりセクシータイプのキャラクターになりきっており、自己紹介から吐息混じり。「愛とは一時的な感情で蜃気楼のように儚いものだけど、それでも振り返らず一本道を歩いていく大人の愛の歌です」と楽曲を解説し、ユニット名を覚えるコツは早口言葉のように口にすることだと明かした。

しんがりをつとめた……とするには〝ゆるふわ〟すぎる「気の抜けたサイダー(涼花萌、西條和、天城サリー)」の「ソフトクリーム落としちゃった」。「フーワ、トルットゥ」と甘いハーモニーでしびれさせ、唯一無二のピュアネスを築き上げる。炭酸が苦手なため、ちょうどいいユニット名だったという涼花萌が人差し指を立てながら問いかけるセリフもキュート。先のユニットと対極にある「幼稚園の初恋」と苦笑しつつ「ソフトクリームを落としちゃうなんて悲劇的なことが起きても、大好きなひとといたらしあわせ」と、可愛いだけではない楽曲の世界観をアピール(!?)。

さらに、グループとしても「ポニーテールは振り向かせない」を初披露。清涼感のある繊細な楽曲で、ステージ前方へと駆け寄るようにして放たれる切なくも爽やかな叫びは、まるで青春ドラマの1シーンを見ているようだった。そして、疾走感あるクライマックスを締めくくる本編ラストナンバーは「風は吹いてるか?」。この曲のMVは、11人の演じるキャラクターが初めて全員でダンスをすることでも感動を呼んでいる。「何をするにも難しい世の中になっていますが、それでも、もがきうごけば、風は吹く。そんな気持ちを込めて歌わせてもらいます」。そう告げた西條和をセンターに左右に大きく開いたフォーメーションに始まり、全身全霊で突きつけていく、停滞への「ノー」。これまで内に秘めた心情を多く歌ってきた彼女たちが、自らの殻を突き破って進む覚悟という新たなテーマを得たとき、22/7の誇るストーリー性に富んだめくるめく群舞も進化を遂げていた。一つになる歌声が、うなりを上げる風のごとく心を揺さぶった。

 

アンコールでは、三四郎から届いたメッセージVTRが流れ、成長の軌跡が詰まったテレビ番組「22/7 計算中」のBlu-rayボックス発売を発表。最後に、あらためてリーダーの帆風千春が「ずっと応援してくださっているみなさまのおかげで迎えられた、デビュー3周年です」と、感謝を伝える。短い言葉だが、そこには、TVアニメ『22/7』やアプリゲーム『22/7 音楽の時間』を通して、キャラクターと共に生きるという夢が実現するとともに、さまざまな荒波を越えてきた激動の一年間に馳せた思いがにじんでいた。「この曲を、11人で歌えることを本当にうれしく思います」――。瞳を潤ませ、微笑みを交わしながら歌う「11人が集まった理由」。一列に並んだ11人の表情は、互いへの信頼とグループの〝今〟への自信に満ちていた。揃って踏み出す、未来への新たな一歩。全16曲、1時間45分にわたるアニバーサリーライブは、さらなる躍進を予感させながら終演を迎えたのだった。

TEXT BY キツカワトモ PHOTO BY 中原幸

『22/7 Anniversary Live 2020』
2020年9月20日(日)
東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

<昼公演セットリスト>
01.君はMoon
02.叫ぶしかない青春
03.ムズイ
04.理解者
05.地下鉄抵抗主義
06.願いの眼差し
07.循環バス
08.半チャーハン <晴れた日のベンチ(海乃るり・倉岡水巴・高辻麗・武田愛奈)>
09.タトゥー・ラブ <蛍光灯再生計画(河瀬詩・白沢かなえ・帆風千春・宮瀬玲奈)>
10.ソフトクリーム落としちゃった <気の抜けたサイダー(天城サリー・西條和・涼花萌)>
11.ポニーテールは振り向かせない
12.未来があるから
13.ロマンスの積み木
14.風は吹いてるか?
EN1.何もしてあげられない
EN2.11人が集まった理由

<夜公演セットリスト>
01.Rain of lies
02.不確かな青春
03.空のエメラルド
04.シャンプーの匂いがした
05.人格崩壊
06.願いの眼差し
07.循環バス
08.半チャーハン <晴れた日のベンチ(海乃るり・倉岡水巴・高辻麗・武田愛奈)>
09.タトゥー・ラブ <蛍光灯再生計画(河瀬詩・白沢かなえ・帆風千春・宮瀬玲奈)>
10.ソフトクリーム落としちゃった <気の抜けたサイダー(天城サリー・西條和・涼花萌)>
11.ポニーテールは振り向かせない
12.未来があるから
13.ロマンスの積み木
14.風は吹いてるか?
EN1.何もしてあげられない
EN2.11人が集まった理由

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