苦悩や葛藤を知っているからこそ羽ばたけるーー。TVアニメ『星合の空』エンディング主題歌「籠の中の僕らは」でソロデビュー!AIKI from bless4 インタビュー

4人組の兄弟ユニットbless4のメンバーとして活動中のAIKI。姉のAKINOに続き、AIKIもソロとして活動をスタート。現在放送中のTVアニメ『星合の空』のエンディング主題歌として流れている「籠の中の僕らは」で10月30日にソロデビューを果たす。bless4の活動の一環としてこれまでもソロナンバーを歌ってきたが、作品としてのリリースは今回が初となるAIKI。本人はどんな心境なのか、その心の内に触れてみた。

――ソロデビューおめでとうございます。ご自身としてはどのようなお気持ちですか?

AIKI ソロとしてCDをリリースするのは今回が初めてになりますが、bless4として活動していく中で、ライブを彩るうえでソロとして歌うことはこれまでも積み重ねてきたし、これからだって歌っていくので、ソロデビューという形を取ってはいるけど、これまでとスタンスは何も変わらないです。実際にbless4のライブでも、「籠の中の僕らは」を含め、ソロで歌っていますし。ただ、「ソロとして稼働する機会が増えたな」という感覚はたしかにありますね。

――「籠の中の僕らは」を聴いて変化を感じたのが、これまでソロとして歌ってきた曲調とは異なる表情を持った楽曲であること。「籠の中の僕らは」は、とても爽やかでポップな楽曲ですね。

AIKI 歌っている僕自身も新鮮な感じというか。今までソロで歌ってきたのはダンサブルな楽曲かAKINOとデュエットするバラードなど、けっこう落ち着いた曲調でした。今回のような爽やかなロックナンバーは初めてだったから、最初に楽曲を聴いたときから「新しいスタイルに挑戦できる」気持ちが芽生えてきてうれしかったです。ただ、いつもとは違う爽やかな歌声をどう出すかは、歌入れのときに苦労もしました(笑)。

――そこは、楽曲やTVアニメ『星合の空』に合わせて?

AIKI そうですね。『星合の空』は中学校のソフトテニス部が舞台で、とても青春している内容。その作品に似合う「青春感」を感じるような声質は意識しました。

――「籠の中の僕らは」の歌詞には、主人公たちの現状から抜け出しもっと大きく羽ばたきたい心の葛藤や強い意思を投影されていますね。

AIKI その通りです。舞台となるソフトテニス部の男の子たちはみんな、部活を通してだけではなく、学校や家庭、友達との友情関係を含め、学生生活を送っていく中でいろんな葛藤を抱えながらも、少しずつ成長していきます。そんな彼らの想いと「籠の中の僕らは」の歌詞はいろいろ重なっているので、自分が中学生や高校生だった頃の気持ちを思い出しながら聴いてもらえると、歌詞に込めた想いをより強く実感してもらえるんじゃないかなと思います。

――AIKIさん自身も、歌いながら自分の青春時代の姿を重ねていました?

AIKI 僕の場合、11歳のときにbless4としてデビューし、それからずっと音楽活動を中心とした生活をしています。学校生活に関しても、部活の経験が無かったんです。そこに関しては友達にいろいろと経験話を聞いて、想像を膨らませながら歌いました。それでも、あの当時は自分なりに心が成長していく中でいろんな迷いも覚えて、自分で自分のことがわからなくなる経験もしたし、そこから少しずつ抜け出し成長もできたように、自分の気持ちと重なる面はいろいろ感じられました。

――曲調は爽やかで胸をくすぐるのに歌詞には悩み葛藤する想いも投影しているように、ただ光や未来を求める歌ではないですね。だからこの曲には深みを覚えるんでしょうね。

AIKI 「籠の中の僕らは」はまさに、苦しみや葛藤の先に希望を見せていく楽曲だと僕は捉えています。むしろ『星合の空』や「籠の中の僕らは」を通して、苦悩する気持ちも含め、学生ライフって素敵だなぁと感じています。

――AIKIさんも一時期兄弟たちのもとを離れ、ひとり海外でいろんな人たちと触れ合いながら暮らした経験がありましたよね。

AIKI 24歳から26歳の2年間ボランティア活動に志願し、ロサンゼルスで暮らしていました。あの当時は、同じくらいの年代のいろんな国の人たちとルームシェアをした生活で、ボランティア活動を通しての触れ合いだけではなく、普段の生活の中でも自分を持っているいろんな人たちと暮らしてきたことで、それがとても良い出会いや刺激、いろんな価値観を得る機会になりました。ロサンゼルスという街自体にいろんな文化を持っている人たちが住んでいて、ルームシェアする相手もいちばん長くて半年位と、次々と変わっていくんです。だからそこでいろいろな人たちと想いや価値観を共有できたのは、学生ライフとはちょっと異なりますけど、同じような心の成長に繋がる経験だったなと改めて思い返しています。まさにそれも、自分にとっては青春の1ページですよね。

――『星合の空』に登場する人たちも、中心に描かれている子たちばかりではなく、物語へ登場する一人ひとりがいろんな心の葛藤や希望を抱えながら成長していきます。「籠の中の僕らは」に記された気持ちって、きっと誰もが経験してきたことだなって聴きながら感じていました。

AIKI そうだと思います。「籠の中の僕らは」は、聴いた人たちの背中を押してくれる歌だと思います。とくに冒頭の「飛びたい青空見つけたあの時から 心は未来に惹かれてる」の歌詞は、まさに自分の人生と一緒だなと強く感じたところでした。飛びたい場所という目標や目的を見つけ、人はそのために走り出すわけですが、進んでいく中には当たり前のように不安や葛藤、心配する気持ちなどが膨らんで、それを抱えながら走ることで人として成長もしていける。『星合の空』に出てくる彼らが、まさにそうですよね。「籠の中の僕らは」は、そんな彼らの気持ちを後押ししていく歌にもなっていて、自分で歌いながら、そして作品に触れながら、同じように気持ちを成長させてもらえているなと感じています。

――少年たちの悩み葛藤する気持ちもわかったうえで、AIKIさんは、それを越えた先にある感情として爽やかに歌ったと。

AIKI そうです。青春とひと言で言っても、それこそ舞台となっている部活の中にだって人間関係で大変なことがあれば、目標をつかむまでの中でいろんな心の葛藤も生まれていくこと。面白いのが、大人になってから学生時代の部活のことなどを話すときって、みんな「あの頃は、あんなきついことやつらい経験があって」と口にしながらも、表情がキラキラしているんですよね。それこそ、「あのとき殴り合いの喧嘩までしたあいつが、今じゃいちばんの親友だ」とか楽しそうに話すんですよ。そういう姿を見ながら、昔は大変だと感じていたこともいつかはキラキラとした青春の一部になっていくんだなって。

――たしかに!

AIKI 「籠の中の僕らは」を歌うときも、歌詞の内容は、大変さも心に抱えた、まさに青春の真っ只中にいる内容だけど、歌うときは、その経験をキラキラとした気持ちで語れるような自分になって歌いました。だからこそ、少しの切なさも感じつつもキラキラとした気持ちで歌えたんだろうなと思います。

――その気持ち、AIKIさんが作詞を担当してカップリングに収録されている「さなぎ」にも投影しているように感じます。

AIKI そうですね。せっかく「籠の中の僕らは」を歌うんだから、アニメ『星合の空』や「籠の中の僕らは」とも繋がる歌にしたくて「さなぎ」の歌詞を書きました。最初に浮かんだのが、生まれたばかりの動物たちの姿。たとえばイルカの赤ちゃんは生まれた瞬間に泳ぎだすし、子鹿だって、生まれてすぐに立ち上がる。動物って、生まれた瞬間から自立を求められるけど、人間は生まれたときからある時期までは100%親に頼らなきゃ生きていけない。最初は本当に弱い存在だけど、親の加護を受けながら人はどんどん強くなっていく。人が成長していく中で経験した思い出や記憶、場所というのは、大人になるための「さなぎ」みたいなものかなと感じました。そういう経験に取り囲まれながら、人は子供から大人へと成長していくんだなと。蝶々は、自分が育ったさなぎの殻から抜け出し、その殻を置き去りにしながら羽ばたいていくじゃないですか。自分たちにとってのさなぎって、今は小さくて着れないシャツや履けない靴だったり、夢中になって遊んでいたゲームだったりするのかもしれない。当時は、そういう事柄が自分にとって心地好い場所だったけど、成長していくにつれ、そういうものを置き去りにしなから、いつしか大人になって羽ばたいていくんだな。そんなふうに感じた想いを「さなぎ」の歌詞に詰め込みました。

――なるほど。「籠の中の僕らは」は現在進行形の青春模様。「さなぎ」は、当時の青春時代を振り返っての想いなんですね。

AIKI そうです。「籠の中の僕らは」でも「さなぎ」でも葛藤やつらさを表現していますけど、「籠の中の僕らは」は今現在の視点。「さなぎ」はそこを抜け出し、今は懐かしさを覚えながら受け止めている視線。「さなぎ」に関しては、なるべく聴いた人たちが自分の記憶とリンクさせれるようにとの想いも込めて、いろんな人たちが経験してきたであろうキーワードをたくさん散りばめました。

――「籠の中の僕らは」はMVも制作されていますが、学校が舞台になっていますね。

AIKI 学校での撮影はとても楽しかったです。主人公となる少年2人以外は、みんな学校の生徒さんたち。テニス部のメンバーたちも、実際に所属している子たちです。僕はテニス経験が過去に一度しかなかったから、少年たちに教えてもらいながらラリーできたのは楽しかったです。あとでテニス経験者の友達からは、ラケットも扱い方を含めいろいろ突っ込まれましたけど(笑)。

――『星合の空』でいろんな心模様に触れたあと、エンディングで「籠の中の僕らは」を聴くことで、気持ちをうまく消化していけるような感覚がありました。

AIKI 物語と歌に記された想いがリンクするたびに気持ちが高ぶるのはわかります。ただ、そこでテンションが上がりすぎて寝不足になってしまわないかが心配です(笑))逆に、心地好く眠りに落ちて、翌朝爽やかに目覚めてもらえたらうれしいですね。

――現在、bless4は全国ツアー中。2曲ともライブで歌っているのでしょうか。

AIKI 「籠の中の僕らは」はライブで歌っています。いつもの僕のソロ曲の場合、ダンサブルな楽曲が多いからめっちゃ動くんですけど、「籠の中の僕らは」は爽やかな曲調なので、普段とはぜんぜん異なる姿で歌っています。その新鮮さもありつつ、発売前にも関わらず、皆さん「すごく好き」と言ってくださって、とてもうれしい反応をいただいています。

――シングルがリリースされる頃には、全国ツアーも11月15日に川崎クラブチッタ公演を残すのみとなります。最後に、そこへ向けてひと言お願いします。

AIKI 今回のコンサートで「籠の中の僕らは」はかならず歌いますのでぜひ聴きに来てください。しかもこの日は生バンドを従えて演奏のほかに、沖縄のエイサーや琉舞も披露する予定です。もちろん、AKINO from bless4の曲をはじめ、いろんなアニメ曲たちも楽しめるはずです。そして、お兄ちゃんの絶妙なトークも(笑)。そのなかなか止まらない語りも含め、ぜひ楽しみに、遊びに来てください!

Interview & Text By 長澤智典


●リリース情報
AIKI from bless4 1stシングル
TVアニメーション「星合の空」エンディング主題歌
「籠の中の僕らは」
10月30日発売

品番:VTCL-35301
価格:¥1200+税

<CD>
1.籠の中の僕らは
2.さなぎ
3.籠の中の僕らは(Instrumental)
4.さなぎ(Instrumental)

●作品情報
『星合の空』
TBS・SBS・BS-TBSほかにて放送中

【STAFF】
原作・脚本・監督:赤根和樹
キャラクター原案:いつか
アニメーションキャラクターデザイン アニメーションディレクター:高橋裕一
副監督:三宅和男
場面設計:竹下美紀
色彩設計:中山久美子
美術監督:志和史織
動画検査:又野貴菜
CGディレクター:生原雄次
撮影監督:頓所信二
編集:木村佳史子
音響監督:明田川仁
音響制作:マジックカプセル
音楽:jizue
音楽制作:フライングドッグ
アニメーション制作:エイトビット

【CAST】
桂木眞己:花江夏樹
新城柊真:畠中祐
雨野樹:松岡禎丞
布津凜太朗:佐藤元
曽我翅:豊永利行
竹ノ内晋吾:佐藤圭輔
月ノ瀬直央:小林裕介
石上太洋:天﨑滉平
飛鳥悠汰:山谷祥生
御杖夏南子:峯田茉優

●ライブ情報
全国ツアー「RISING SUN」in TOKYO
11月15日(金)クラブチッタ川崎
17:30開場 18:30開演(全席指定)
チケット発売中

<AIKIプロフィール>
10月29日生まれ。「創聖のアクエリオン」シリーズの爆発的なヒットで知られるAKINOの弟で、bless4のボーカル・ダンスを担当。甘く力強い、大地を揺るがすような歌声が特徴である。
ボーカルのほか、bless4の振り付けを行っている。武術の動きを取り入れたキレのある独特なダンスは、ステージに収まらない迫力を持っている。また、2010年には「Heart Prints 〜命の花〜」で作家デビューも果たした。
今作がAIKIソロとしての初シングル。

<bless4プロフィール>
長男AKASHI、長女KANASA、次女AKINO、次男AIKI。“bless 4”は正真正銘、兄弟姉妹で構成された4人組。沖縄出身の両親を持ちながらもアメリカで生まれ育つ。’97年帰国後、2003年5月にメジャーデビュー。
兄弟姉妹ならではの絶妙なコーラスワーク、テコンドーやダンスパフォーマンスもフィーチャーしたステージが、老若男女、幅広い世代から支持されている。今も家族の会話は英語がメインというネイティブな発声、力強い歌声が魅力。

©赤根和樹・エイトビット/星合の空製作委員会

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