中川翔子とのコラボデュエットも初披露!“LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks 秋のホールワンマンライブ「FALL × HALL -live at nakano 〈Day Two〉」”ライブレポート

2018年は、CHiCO with HoneyWorks(以下、チコハニ)にとって、のちに重要な転機として語られるであろう“ライブイヤー”となった。3月には満を持して臨んだ初の日本武道館公演をソールドアウト。夏~秋にかけては全国8都市を巡る初のホールワンマン“LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks first hall tour 2018「smile i round」”を颯爽と駆け抜け、8月には今期ホールワンマンの集大成とも言える2度目の東京・日比谷野外大音楽堂公演を大成功させた。

2014年のデビューから4年の間。HoneyWorksが豊かなコミュニティを構築してきたネットワールドから、さらに広いリアルワールドへと飛び出したCHiCO。2018年は、彼女のライブシンガーとしての成長が、様々な“初めて”を通じて試された年になったのではないだろうか。

そんなライブ三昧だった今年の“チコハニ納め”になったのが、11月23日(日)の“「FALL × HALL -live at nakano〈Day Two〉」”だ。11月18日の神戸国際会館 こくさいホール公演と、11月23~24日の中野サンプラザ2デイズ公演という、わずか3ステージのショートシリーズではあったが、ここでもCHiCOはいくつもの“初めて”にチャレンジ。ライブアーティストとしてもう一回り進化した姿を魅せてくれていたのが印象的だった。

低い階段状に配置されたシンプルなバンドセットの背後には、「FALL × HALL」と大きくライブロゴが書かれたバックドロップが吊されている。チコハニのイメージは、ピンクと白が基調だが、この3日間は紅葉をイメージしたような秋色なのも新鮮だ。ライブのスタートは16時半。暗転したステージに、客席に向けた照明が光を放つと、エフェクトで加工されたチコハニナンバーが、ラジオのチューニングを切り替える音とともにメドレーとなって静かに流れてくる。「ユキドケ」のサビが終わり、ウグイスの声と学校のチャイムが鳴ると、このオープニング演出が、冬から始まる1年をチコハニナンバーで巡っているのだと気がつく。

虫の声が夏を告げる頃には、暗転のステージにチコハニバンドのメンバーが登場し、客席がグッと熱を帯びる。季節が夏の終わりに差し掛かると楽曲が止み、客席に静かな雨音が降り注ぐ。まだ暗転中のバンドセットの中央にほのかなシルエットが浮かび、雨音が鳴り止んだ静寂を破って、「ノスタルジックレインフォール」にのせたCHiCOのファルセットが軽やかに流れ出した。音で綴られた1本の映画を観るようにスタートした「FALL × HALL」のステージ。これまでにない新しい演出に期待が膨らむ。シックなワンピースに身を包んだCHiCOがライブタイトルをコールして、ゆったりとリズムを刻む「恋のコード」へと進む。

今までのワンマンは、アッパーでブライトなナンバーをオープニングに配置したステージが多かったが、ミドルテンポの楽曲から始まるのはとても新鮮だ。ライブタイトルの「FALL × HALL」やグッズが表すように、“秋”の季節に行われるワンマンならではの心配りが、セットリストにも表れているようだ。その予想通り、MCで「夏のセットリストとは違う感じになっていますので、最後まで一緒に楽しんでいけたら嬉しいです!」と語るCHiCOは、「ハートの主張」、「サイダー」とポップ&キュートな曲を続けて放つと、ステージからバックにパッと姿を消し、しっとりとしたピアノとアコースティックギターが奏でる優しげなイントロの間に早着替え。ノースリーブのトップスとキラキラと光るシフォンテイストのふわりとしたスカート姿でステージ裏から登場すると、客席から「ほぉっ」と溜息めいた声がもれる。歌い出したのは、まさにこの季節そのままの静かな風を運ぶ「11月の雨」だ。ソフトなファルセットが、優しく響く。

シーンと聴き入っていたオーディエンスから温かな拍手が贈られ、CHiCOは「11月のライブということで、<11月の雨>を歌わせてもらいました。せっかくの祝日を私たちのライブに来てくださって、ありがとうございます」とニッコリ。ご満悦な彼女の表情に、客席からも笑みがこぼれる。そして「私のわがままもあり、今回のセットリストはバラード多めにお届けしたいと思いました。“FALL × HALL”も今日が最終日。本番前にOjiが、これが今年のチコハニ納めだと言っているのを聞いて、一気に緊張しました」と笑い、「ここからは、(チコハニライブ恒例のバラードコーナー)“チコバラ”をしっとり歌うので、みんな座って聴いてくれたら嬉しいです」と優しくコール。美しいライティングの中で、ドラマチックな「ツノルキモチ」、ジャジーなテイストが心地良い「雪のワルツ」を、感動的に歌い上げた。

「次は……ハニワのカバー曲をモリモリやりますよ!」というCHiCOに、オーディエンスから歓喜の声が挙がる披露されたのは、CHiCOが「私も女の子にキャーッって言われたい!」と思って初めてカバーした「僕が名前を呼ぶ日」と、チコハニバンドのメンバーからリクエストされたという「病名恋ワズライ」。そして疾走感あふれる人気のピアノロックナンバー「さよなら両片想」だ。バラードコーナーでひとたび落ち着いた中野サンプラザの空気が、一気に熱を高めて渦を作った。

CHiCOが「ありがとー!サイコー!」と言い残してステージを降りると、チコハニライブ恒例のバンドセッションが始まる。フュージョンライクなナンバーを緩急自在に弾きまくるAtsuyuK!(ds)、Hiroki169(b)、中西(g)、cake(Key)、Oji(g)。おなじみのメンバー達に、熱い歓声が飛ぶ。いつもはロック色の強いセッションを聴かせてくれるチコハニバンドだが、この日は秋色を意識したのか、アーバンでジャジーな雰囲気も併せ持っていた。ふとバンドの後方に目をやると、いつの間にか、バックドロップの絵柄が「CHiCO with HoneyWorksロゴ」に変わっている。バラード多めのセットリストが、ここからまた雰囲気を変える宣言だろうか。

赤と黒のクールな衣装に着替えてステージに舞い戻ってきたCHiCO。バンドに「超かっこいい!」と言葉を贈り、セットリストは折り返し地点に突入する。「掛け声バッチリでお願いしますよ!」と言って、今やライブには欠かせない曲となった「私、アイドル宣言」へ。CHiCOはかわいい仕草でステージを駆け回り、客席をハイテンションでドライブする。

そして、この日最大のサプライズ。ビッグなゲストがここで登場した。笑顔のCHiCOが「〈FALL × HALL〉最終日、お忙しいなかスペシャルゲストが駆けつけてくれました! しっかり目に焼き付けてね、中川翔子さーん!」と紹介すると、中野サンプラザが割れんばかりの大歓声に包まれ、手を振りながら元気に中川翔子がステージに駆け込んでくる。CHiCOと固い握手を交わし、「爆発してますよ、中野!すごい!うれしいです!」と感激の表情を見せる“しょこたん”に、オーディエンスも大興奮だ。そしてトークは、このふたりが初めて歌でコラボレーションした最新シングルナンバー「ミスター・ダーリン」の話へ。“CHiCO with HoneyWorks meets 中川翔子”コラボが発表された時のことを振り返った中川は、「ドキドキしてたんですよ。私の今世で叶わなかった、キラキラ胸キュンが眩しい青春ワールドは、80歳くらいになった頃に味わえればいいと思っていたのに、大好きなチコハニさんにコラボのお話しをいただけるなんて!生きてて良かったー!」と超ハイテンションでマシンガントークを繰り出す。そして中川が「“へーんじ!”“ハイ!”できる?」とオーディエンスに呼びかけ、ふたりのキュートな歌声が溶け合う「ミスター・ダーリン」が初披露された。

ラストにジャンプを決めて歌い終わったふたりは、熱気渦巻くなかでがっしりとハグを交わした。そんなふたりのやりとりが楽しい。この曲のMVでキャラクターが着ている洋服が、中川がプロデュースしているブランド(mmts)のもので、それを知った中川は、とても驚いたそうだ。CHiCOといくら話しても話したりなさそうな中川が、「私が高校時代からひとりで通っているお店がすぐ近くにあるので、ホルモン奢らせてください!」と言うと、CHiCOは「やったー!」と大喜び。さらにCHiCOが「私のわがままで、もう1曲コラボをさせてもらいます! この日のためだけに、翔子さんもいっぱい練習してくださいました!」と披露されたのは、「可愛くなりたい」。軽やかでハートウォーミングなふたりの歌声が、溶け合って幸せな空間を作ってくれた。中川がステージを去った後も、「翔子さんは、アニソン界のレジェンドなんですよ。CHiCO with HoneyWorksとコラボしてもらえるなんて、どんな世界線よ!みなさん、最高でしたね!楽しかったー!」と、CHiCOも感無量だ。

そしてステージは、後半戦へ。もう定番になったホイッスルの掛け合いが楽しい「ラブホイッスル」、ドラマチックなアカペラも堪能できた「ヒカリ証明論」、タオルを回し大合唱が響いた「今日もサクラ舞う暁に」など、全員を一体にする合唱やコール&レスポンスを交えながら、パワフルなロックチューン、ヒットチューンを続々と繰り出していく。

「今回の“FALL × HALL”、私が初めてセットリストを最初から最後まで考えました。マネージャーさんが、CHiCOが考えてみなよと、新しい挑戦を与えてくれて……すごくすごく悩みました。秋のワンマンライブだから、バラードを歌いたいというわがままも、たくさん詰め込みました。バンドメンバーにも相談して、たくさんコミュニケーションできたし、絆も深まった公演だったと思います。今日は、忙しいなか中川翔子さんが遊びに来てくれたり、私は本当に幸せ者です」。そう語って、本編ラストを締めくくったのは「世界は恋に落ちている」。初めてづくしの2018年、最後のワンマンでセットリストを考え、もうひとつ新たな“初めて”を経験したCHiCO。4年間、アーティストとして成長し続けているからこそ、今や堂々と大切なデビューシングルを熱唱する彼女に、2年前、初めてワンマンライブをやり出した頃、何度もこの曲を号泣しながら歌っていた、昔のCHiCOが重なって見えた。

客席の隅から隅までに笑顔を向け、手を振りながら歌い歩いた「ホーリーフラッグ」から始まったアンコール。このライブに先駆けて発表されていた、来年3月の武蔵野の森総合スポーツプラザで行われる初のアリーナ2デイズ公演を、CHiCOは改めてファンに報告。「次は来年、大きいアリーナ2デイズ控えてます! みなさんとまた歌って、踊って、会いたいので、また遊びに来てくれますか? また笑顔を見せてくれますか?」と問いかけると、オーディエンスは大きな声を挙げ、ペンライトを高々と振って応える。アンコールラストを飾った「color」の“色付きはじめる未来に Hello”の大合唱が、CHiCOとファンが結んだ絆の強さと、未来に続く道を明るく照らし出していた――。

PHOTOGRAPHY BY 小川 舞  TEXT BY 阿部美香

LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks 秋のホールワンマンライブ
「FALL × HALL -live at nakano 〈Day Two〉」
<セットリスト>
01. ノスタルジックレインフォール
02. 恋のコード
03. ハートの主張
04. サイダー
05. 11月の雨
06. ツノルキモチ
07. 雪のワルツ
08. 僕が名前を呼ぶ日
09. 病名恋ワズライ
10. さよなら両片想
11. 私、アイドル宣言
12. ミスター・ダーリン(meets 中川翔子)
13. 可愛くなりたい(meets 中川翔子)
14. ラブホイッスル
15. プライド革命
16. ヒカリ証明論
17. アイのシナリオ
18. 今日もサクラ舞う暁に
19. 世界は恋に落ちている
――ENCORE――
E1. ホーリーフラッグ
E2. カヌレ
E3. color

●ライブ情報
LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks
初のアリーナワンマン2days
2019年3月16日(土)開場 16:00 / 開演 17:00
2019年3月17日(日)開場 15:00 / 開演 16:00
東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ

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